【10:3】テストスレ
- 1 名前:騙されたな名無しさんっ!:2007/09/01(土) 02:27:440
- テスト。
- 2 名前:騙されたな名無しさんっ!:2007/09/01(土) 02:29:570
昼間の喧騒は失せている。 近くの林は怪談にもってこいの納涼スポットじみていて、その至近距離で茫漠と広がる磯路と砂浜は 十年前の本格ミステリをど真ん中で行っていた。
「……んー、んん、爽快爽快……っ。これだよこれ、イルくんこれ!」
月光頼りに自己主張する白骨のような白砂を踏みしめて、こっちにブンブンと手を振る小娘一人。対 岸の見えない夜色の遠海は風情云々よりも不安しか掻き立てないだろうに、地平線も明らかな晩景を 望んでいた数時間前よりも果たしてこいつは元気だった。
「『秋の足跡』とか言うんでしょ、このギリギリな状態」 「ギリギリって、肯定的なフレーズじゃねえよな……」 ……まあ、昼夜の間に気温換算で五度以上の温度差を誇るここを考えるなら、ドがつく暑がりのこい つが活発になるのがこの時間だというのは自然なことだ。肌を這うような夜気は気持ちいいとは言えな いが、不快からは大分遠い。 日は何事もなく経過し、夜は何事もなく更けた。 磯波が打つギリギリでチュニックの裾を翻すクレアに肩をすくめて、どうしたもんか、と苦笑する。
- 3 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 00:44:440
――暑い。 分かってはいたし、覚悟もしていたが、だからといって暑さが和らぐはずもない。 九月、暦の上ではすでに秋だという事だったが――少なくとも、それがどうした、というのが 率直な感想だった。じりじりとした日差しは、相も変わらず頭の上からまるで責め苦のように 降り注いでいる。 茹だった頭が、このままだと体内の水分も沸騰して蒸発するかもな、などという愚にもつか ないことを考えている。だが、それが全く馬鹿馬鹿しい妄想だと断ずることもできないのも、 また事実だった。とにもかくにも――
「……暑い」
それが全てではあった。 太陽と北風、なんて童話があったりするが、なるほどアレは真理だとつくづく思う。 人間、寒いのにはなんとなく耐えられるが、暑いのには耐えられないものなのだ。 ……まあ、冬には全く逆のことを考えていそうな気もするが。それにしても。
「……なんだってこんなに暑いんだ?」
木陰に座り込みながら呻く。付け加えておけば、頭には濡れタオルなんかが巻き付けられて いて、さらにはシャツの袖を半ばまで捲りあげているという、きわめて爺むさい格好で。
「――残暑だからでしょう」
と。普段と全く変わらない様子で、カペルテータが言葉を返す。 だが俺は、彼女のほうにはこれっぽっちも視線を向けずに、
「――どうでもいいが、お前さんは暑くないのか?」 「いえ、暑いですが」 「……左様ですか」
だったらもうちょっと暑そうにしたらどうだ――という言葉も出かかったが、彼女については それ以前の話だった。なにせ、この実に、恨めしくなるほどにイイ天気にもかかわらず。 いつものように、頭からすっぽりと外套を被っていたりしてるわけで。見るだけで暑苦しいの で、極力視界に入れないようにしてるわけだが――流石に現地の人間はそういう訳にはいか ず、彼女の姿を見るたびにギョッとした表情を浮かべ、次には決まって責めるような視線が俺 に突き刺さってくる。
別に俺がそうしろと言っている訳じゃないのですが。
まぁ確かに、普通だったら彼女が素顔を見せるのは非常に具合が悪いわけだが―― どういう訳か、この国じゃ”ファッション”の一言でなんとかなってしまいそうなのがアレだ。 ……緑色の髪した人間を見たときには、流石に目を疑ったが。 そんなこんなで彼女にも、暑かったら脱ぐように言っているわけだが、一向に脱ごうとしない。 そして俺は見ず知らずの人間に妙な目で睨まれるという悪循環が見事にできあがっている わけだ。
――――以上、説明終了。
「……誰になんの説明してるんだ、俺は?」 いかん、本気で暑さで頭がどうにかなってるかもしれない。
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