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■ 円盤皇女ワるきゅーレ “十二”月の夜想曲

292 名前:真田さんが言ってるのはこれ?:04/05/20 17:44
  とうとう、辛い現実に耐えられなくなった姫様は、自分を優しく受け入れてくれる幻の恋人と彼を取り巻く人々との暮らしを妄想するようになってしまう。
  何もない空間に向かって、嬉しそうに童女のような口調で話しかける姫様。
  姫様の妄想世界では幻の恋人に甘えるため、魂の半分を与えた事で子供になってしまったという脳内設定が出来上がっていた為だ。
  そんな不憫な姫様を見て涙を流す真田さん。

  そして、悲劇は起こった。
  真田さんが目を離した隙に、姫様がいなくなってしまったのだ。
  姫様は自らの妄想が生み出した幻の恋人とともに遊びに出かけ、運悪く田舎の人気のない道を猛スピードで走っていた車に撥ねられてしまったのだ。
  そして、頭を強打した姫様は意識不明の植物状態となってしまう。
  数ヵ月後、姫様の代わりに結婚させらる事になったハイドラが姫様の見舞いがてら結婚の報告に訪れる。
  ハイドラは意識のない姫様に、本当は姫様の事を嫌っていたわけではないと言う。
  ライバルとして見てはいたが、決して嫌いではなかったと。
  そんなハイドラの言葉にも反応する事なく、眠り続ける姫様。
  そんな姫様の姿に思わず涙するハイドラ。
  ぽとりと涙が姫様の顔に落ちる、それを拭ってやると、かすかに姫様が笑う。
 「きっと、なにかいい夢でも見ていらっしゃるのでしょうね……」
  真田さんがそう言うと、ハイドラはその言葉に答えるように呟いた。
 「……ああ、そうだな。 せめて、夢の中でくらい笑顔でいて欲しいよ……」

   そして、今日も姫様は幸せな夢を見続ける。

                     『かずとー』

                  『なんだい、ワるきゅーレ』

                  『かずと、だーいすきっ』

  白い牢獄にあるベッドの上で……。


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