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■ 【三十路?】円盤皇女ワるきゅーレ総合【30】
497 名前:
なんにもないなんにもない…飯田線・秘境駅の旅いかが
:2009/08/17(月) 17:51:03
愛知県から静岡、長野両県へと向かうJR飯田線が、「秘境駅」の宝庫として静かな人気を集めている。商店どころか民家もなく、中には自動車で近づくことすらできない、常識を覆す駅たちだ。そんな駅をはるばる訪ねる人がいれば、駅を守る住民もいる。この夏、身近な「別世界」に足を踏み入れてみてはどうだろう。
豊橋を発車して約1時間半。静岡との県境に近づくと、車窓から見えるのはクリームがかった緑の天竜川と、生い茂る木々ばかりだ。まばらに座る乗客は、駅に着くと自分でドアを開けて乗り降りする。
さらに約40分。愛知、静岡、長野3県境にある小和田(こわだ)に着いた。皇太子妃雅子さまの旧姓と同じ字を書くとあって、成婚時には観光客が詰めかけた。あれから16年。駅前にある人工物は、廃屋と「愛」と書かれた2人がけのイスぐらいだ。初めて訪れたという東京都渋谷区の会社員、鴫原(しぎはら)規雄さん(46)は「本当に何もないですね」とうれしそう。「東京は人が多くて列車も満員。日常とかけ離れた所に行くことが旅だと思うんです」
ダム湖沿いに山道を約20分歩くと、1軒の民家が見えた。宮下繁江さん(83)は夫と暮らしながら、駅の掃除もしている。「秘境駅」と言われることに、「それは秘境なんだからしょうがないよ」と一笑する。「見るものは何もないんだけど、2度3度と来る人もいるよ」という。
天竜川沿いは尾鷲(三重県)や吉野(奈良県)と並ぶ「3大人工美林」として知られ、飯田線もかつて林産品を輸送していた。しかし、60年代以降は輸入材に押され、過疎化が進む。水力発電のため56年に造られた佐久間ダムでは、一部の集落が水没し、小和田などの駅が残された。
次の列車が来たのは2時間後。隣の中井侍(なかいさむらい)では、25度という急斜面にへばりつくような茶畑がある。水はけが良いうえ、切り立った山々と天竜川の川霧に日光が遮られ、渋みのない上質なお茶が採れるという。希少な「中井侍銘茶」を生産する原田幸文さん(68)は「昭和の初めは今の倍ぐらい家があって、盆暮れの飯田線は超満員だった。『秘境』はどうかと思うけど、話題になるのはいいことだし、複雑だね」と話す。
最も利用客が少ないと言われる金野(きんの)で聞こえるのは、がけ下を流れる清流のせせらぎだけだ。幅2メートルほどの待合所の壁に「秘境駅金野にようこそ。ごみは持ち帰って」との張り紙があった。書いたのは、歩いて約15分先の民家で暮らす増田昇さん(61)、そのさん(58)夫妻。約10年前に首都圏から移り住み、無農薬野菜の栽培などに取り組んでいる。
「ここは、昔どこにでもあった日本の田舎が残っている。そこに家族のように付き合える人がいれば、何度でも来たくなるでしょう」と、地元の長野県泰阜村とともに、レストラン兼宿泊施設の建設を目指しているそうだ。
こうした駅の待合所には、訪問者が感想を書きつづる「思い出ノート」が置かれている。小和田では「みずみずしい緑のにおいに癒やされます」との声のほか、「彼氏がいるとわかっていながら、好きになってしまった」と恋の悩みも。中井侍での書き込みは、今年だけで100件を超える。名古屋からの訪問客は「優しいおじさんに一番茶の茶摘みを見せてもらいました」、愛知県新城市からの訪問客は「新緑の中、風と川の音だけ。秘境駅は日本の心です」と書いていた。
ttp://www.asahi.com/travel/rail/news/NGY200908150007.html
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