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■ 【三十一】円盤皇女ワるきゅーレ総合【31】

275 名前:ひょっとしたら、こんな展開だったかもしれない『シンデレラ』:2009/12/07(月) 16:40:16
≪その1≫
一人留守を守っているシンデレラに魔女はこう囁きました。
「あんな女たちが舞踏会に出るなんてどうせ玉の輿狙いよ。そんなのつまんないじゃない。
どうせ輿入れしたらさ、宮殿の中での窮屈な生活にがんじがらめになるのがオチなんだから。
それよりアタシんとこに弟子入りしなさいよ。魔女稼業も気楽なもんよ。ヒエッヒエッヒエッ・・・」

数年後、シンデレラは凄い能力を持つ魔女になりましたとさ。


≪その2≫
大慌てでお城を飛び出したシンデレラ、馬車を走らせ大急ぎ。
「ああっ、もう十二時過ぎちゃったわ!あっ・・・」
馬車から逃げ損ねたシンデレラはカボチャに閉じこめられてしまいました。
そのまま川に落ちてどんぶらこ。川の下流ではおばあさんが・・・


≪その3≫
「その娘の名前はシンデレラ。いつもは継母たちに散々こき使われ、与えられる服もボロばっかりで、
そもそも、とてもこのような舞踏会に来られたものじゃないらしい。それが昨日はとても親切な魔法使いに
出会い、その魔法のおかげでなんとか舞踏会に出て来られたとのこと」
「その娘の顔ははっきり覚えてらっしゃいますか?」
「もちろんだとも! 踊りの間中ずっと彼女の目を見つめていたからね。そうそう、帰り際には携帯のアドレスまで・・・」
「王子様、それだけ情報をお持ちになりながら何故に靴のサイズなどで人探しを・・・?」


≪その4≫
シンデレラが王子様と結ばれてから数ヶ月後。魔女が再びシンデレラの前に現れた。
「ありがとう!あなたのおかげよ!」
「いんや。それだけの素質がお前さんにはあったと言うことだよ」
「でも、何も礼が出来なくて・・・」
「その礼を今してもらうのさ」
と言うと魔女の身体はガスと化しシンデレラの鼻へと吸い込まれていった。
シンデレラは気を失って卒倒し、そこへ侍女がやって来た。
「姫様!どうなされたので・・・」
しばらくするとシンデレラの口から蝶がもぞもぞと這い出してきた。
蝶は口腔を脱出するとシンデレラを見つめるように飛びまわっていた。
「あ・・・大丈夫。あくびをしたら蝶が飛び込んできて喉に詰まって・・・
あら、はしたない」
シンデレラは更に続けた。
「あ、その蝶は捕まえてどっかの庭へ放しておいで」
侍女はその言葉を聞くと蝶を追いかけていった。蝶も侍女に捕まっては大変と
部屋から外へ飛び出していった。
侍女が後を追って部屋を出てくると、シンデレラ 〜もとい「シンデレラの身
体を乗っ取った魔女」〜は一人呟いた。
「ひっひっひっ・・・私がやりたかったのはこのことなのさ。王子様好みの娘を
たぶらかして舞踏会に出させて王子様を篭絡させて結ばれた上でこの国を乗っ取
るつもりなのさ・・・さぁて王子様のところへ・・・」



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