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■ ヴェドゴニア vs 摩夜 闘争会議スレ
- 3 名前:[-{}@{}@{}-] 導入案:2008/04/26(土) 01:58:26
- ――神奈川県某所、とある廃ビルの一室にて――
一人の女が豪奢ないすに腰掛けている。
その周りに侍るのは、骸、骸、骸……女の『食餌』に供された人間たちの骸。
女は血を吸う鬼――人食いの化物であった。
窓から差し込む月光に照らされたその表情は、昏い愉悦を湛えた笑み。
彼女を愉しませているのは、部屋の外から聞こえてくる喧騒だ。
罵声、雄叫び、格闘音、悲鳴、金属音、また悲鳴……沈黙。
数分後、部屋の扉が乱暴に蹴り開けられた。
「よう。アンタが『摩夜様』かい? 悪ぃが手下にはおネムになってもらったぜ」
踏み込んできたのは、年の頃十八かそこらの青年。
辺りに臥している『餌』の亡骸を目にしても、彼は驚きも怯みもしなかった。
その瞳に宿るのは、深い悲しみと、怒り。
部下が倒されたことを告げられても、女の笑みは小揺るぎもしない。
「名前を訊いておこうか。お前だけ私のことを知っているのは不公平だろう?」
問われた青年は、やや語気を荒げながら答えた。
「ケダモノに名乗る名はねェよ。どうしても呼びたきゃ……ヴェドゴニアとでも呼ぶがいいさ」
後ろ手に扉を閉めながら、今度は青年の方が問いかける。
「てめェ、今までに何人手に掛けた?」
女は、彼が怒りに震えるさまをニヤニヤと眺めながら……ぽつりと呟いた。
「百人から先は数えていない」
それを聞いた途端、青年の目付きが一変した。
激しい憎悪は形を潜め、代わりに宿ったのは狩人の鋭さ。
「だったら遠慮はいらねえな」
言いながら得物を抜き放つ。
「上等だ」
女も、椅子の肘掛を叩いて立ち上がった。
もはや言葉は無用――ここからの問答は、ただ拳と刃金と血飛沫を以って成すのみ。
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