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■ 名護啓介 VS 有角幻也 闘争会議室

8 名前:[-{}@{}@{}-] 名護啓介 ◆753/IdWG5E :2008/05/25(日) 21:24:33
続けて、導入の「監査が入ると聞かされる」部分の草案です。

[導入1]
―――とあるフィットネスクラブの一室。
最新鋭のマシンが所狭しと並ぶ中で、一人の壮年男性が汗を流していた。
決して急がず緩まずのペースを維持しつつも、その目線は液晶画面上で変動し続ける、自身の体脂肪率に注がれている。
彼の名は嶋護。有数の資産家として各界に強力なコネクションを有する男。
そして、『ファンガイア』と呼ばれる吸血種に対抗するべく結成された『すばらしき青空の会』のリーダーでもある。

「監査、ですか」
嶋の傍らに立っていた青年が、反芻するように問う。
「そうだ、ある政府機関が我々『すばらしき青空の会』が“吸血鬼ハンターの組織”として正常に機能しているかどうかという事が気になっているらしい」

吸血鬼ハンターは、大きく二つに分けられるといっても過言ではない。
一つは、バックボーンを持つもの。もう一つはバックボーンを持たざるものだ。
この場合のバックボーンとは、権力的な背景を指す。すなわち、政府や宗教だ。
バックボーンを持たざるハンターは個人零細の自営業として、吸血鬼を狩るだけでなく日々の糧を得る為に腐心せねばならない。

しかし、『すばらしき青空の会』は違う。嶋の財力とコネクションに支えられた私的なハンター組織だ。だが、そのバックボーンが有する権力は、政府や宗教のそれと比べてもなんら遜色は無いと言える。
つまり、その政府機関は『すばらしき青空の会』がハンター組織以上の存在に変化することに危機感を覚えたのだ。

「……それは杞憂でしょう。私のような優れたハンターの存在と、イクサへの嫉妬が彼らの目を曇らせているに過ぎません」
青年―――名護啓介はやや優越感が滲んだ笑顔を浮かべてみせた。
「君ならそう言うと思ったよ……体脂肪率8%。完璧だな」
目標に達したのか、嶋はフィットネスマシンを停止させ運動を切り上げる。

「現時点で私が把握しているのは、監査官の名前だけだ……関係先には青空の会のメンバーが居ないので、それが精一杯というところなんだ」
嶋は、傍らのマシンに掛けてあったタオルで汗をぬぐいながら、名護が今もっとも欲するであろう答えを提示した。
「構いません、素性を調べるのは監査官が来てからでも遅くは無いでしょう。……で、その監査官名前は」

「―――有角、幻也。名前がわかった時点で素性は調べさせているが……もう少し時間が掛かりそうだよ」


監査が入る理由について、もう少し考えてみましたがどうでしょうか。

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