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■ 日守 秋星 vs 後藤
- 29 名前:日守 秋星 ◆g.FomaLl7. :2008/12/10(水) 01:44:29
- >>27
「楽観が過ぎるな。わざわざ逃がすと思うのか?」
靴の下にバネでも付いているような、予備動作無しの跳躍で日守秋星と同じ足場に立つ男。
待ち受ける秋星は、いつの間にかゆらりと幽鬼の様に立つ。
強いビル風に黒いコートをはためかせ、右手には釣り竿の様な包みを……持っていなかった?
「無駄な努力だが、もがきたければもがけ、後悔のないようにな。」
「おっと、忘れ物忘れ物っと。」
ヒュッと風を斬り裂いて――――
得物を持つ為に再びしゃがんだ秋星の頭の上を後藤の右手が蛇のようにうねった。
「いやいや、これを忘れるなんてどうかしてます。もう年齢かなー?老化現象?平和呆け?ああボケはいつものことかー」
シュンと風を巻き込んで後藤の右手が巻き戻る。
ん、何だ? と日守秋星は後藤を見上げるが特に変化は無いように見える。
何か違和感はあるものの何もないのを気にしても仕方が無いと、よっこらせと声をかけて立ち上がった。
「いやホント、アンタら――どうみてもハズレっぽいんで無駄な殺生はしたくないんですよ
ここで見た事は忘れてあげますんで、アンタらもオレを忘れて科学薬品(化粧品)に塗れたジャンクフード(女)でも
食べながら、毒々しい世の中での生を謳歌しっちゃってくだサイ!」
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