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■ 日守 秋星 vs 後藤
- 38 名前:日守 秋星 ◆g.FomaLl7. :2008/12/25(木) 23:31:57
- >>36
ものの見事に全ての攻撃を喰らって、鉄骨から転がり落ちた秋星に後藤が追い打ちをかける。
高級時計の歯車がカチリと噛み合う正確さで。
野生の肉食獣の獰猛な俊敏さで。
その双方を秋星は持ち合わせていない。
子供の読み上げる数え歌のようなアバウトさと、動物園のぐうたら獅子のノロマな動き……
頭から赤い噴水を噴きだし、左の大腿から下は真っ赤に染まり、腹からだくだくと流れるモノを左手で押さえながら
無様に横たわる状態から、その追い打ちを避けられるはずはない。
避けられる筈など無いのだが――
「とぅわあああああぁぁぁぁりゃぁぁぁぁぁ――――ッ!」
掛け声一閃、奇跡が起きた!
それは九死に一生を拾うことわざの通り九割……
否、九割九分九厘まで避けられる筈の無い死を回避した瞬間だった。
スーツ姿で手を変形させる奇怪な中年男にパンクな兄ちゃんが襲われてゴロゴロと転がって逃げた瞬間でなければ
どこぞの奇跡体験仰天番組に取り上げられても不思議のない、かけちなしの紙一重。
ゴロゴロゴロと転がりすぎて給水タンクの鉄骨に頭をぶつけたのはご愛嬌……
その一生に一度あるか無いかという、たまたま運が良くて死を免れただけの回避に――カツン――という小さな異音。
避けるだけで精一杯。それすらも有り得ない筈だった回避に……
それ以外の行動行う余裕など無いはずの回避の中に、小さな回避以外の音が混じる。
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