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■ ジョセフ V絆S カダージュ
- 9 名前:語り部◇Aerith:2008/12/26(金) 22:37:13
銀と藍の彼らが対峙する五時間前。
日本という国にある、とある大きな空港にレノという男が立っていた。
目の前には先ほど到着したばかりの鯨を思わせる巨大な貨物機。
もちろん神羅カンパニーの所有する専用貨物便で、今はその積荷を降ろす作業が進められていた。
その作業を退屈そうに眺めながらレノは傍らの相棒に話しかける。
話しかけられた相棒は生真面目にチェックシートと積荷を交互に睨みながら相づちをうっている。
そんな様子を上空から見ていたメイフォン・リウは同僚のシドウに尋ねた。
「彼らに任せていて大丈夫?」
「ま、心配ないだろうさ。この国の治安は、すこぶる良い」
「貴方の祖国、でしたね……ここは」
「……さて、そうだったかね。祖国――なんてもの、なのかねぇ?」
もう一人の同僚であるサーシャも含め、軽口を叩く。
タークスもアポカリプスナイツも今回の積荷の警護の為に派遣されたのだが、その緊張は維持されていなかった。
それは仕方ない。
なんと言っても、この日本という国は自衛の為の武装すら許されないほど治安が良い国だ。
ミッドガルと比べれば楽園のように見える……
そんな治安の良い国だからこそ、今回の積荷は運ばれたんだ。
「しっかし、これは派手だぞ、と」
次々に降ろされる積荷の殆んどは警護のためのものだ。
パラディンと呼ばれる大型装甲二輪車が十数機――
神羅の警備隊が一個大隊――
それにクラス3rdとはいえソルジャーまで投入されているのだから確かに派手だ。
「派手なのは嫌いか?」
とサングラスをかけた大柄の相棒が問いかけると
「いや、大好物だ」
と満面の笑みを浮かべるあたり、警備を任されている自覚があるのかどうか……
しかし、誰もそれを責めることは出来無いだろう。
一時間後――――
この大兵力が、ものの数分で壊滅させられるなど誰にも予想できはしなかったのだから。
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