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■ 「陰陽頭」と「堕ちた天秤の騎士」の会議場
- 1 名前:◆GAinErMg8k :2011/07/03(日) 21:54:17
この場は余と柳生友景以外の立ち入りは認めぬ。
汝の頭が飾りでないならば理解するがよい。
- 90 名前:柳生友景 ◆YAGYUbJ766 :2011/10/14(金) 22:40:22
- 三千大千世界のいずこでも、浮世は世知辛きものにて候わば。
こちらはお気になさいますな。
また、フリメルダどのとの闘争が再開しそうならば、そちらを優先して頂いて
構いませんよ。
- 92 名前:<堕ちた天秤の騎士>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/10/24(月) 22:03:19
- 大幅に遅くなったがなんとか返した。拙いな箇所も多々あるため後々修正するつもりだが、
とりあえずはこんなところだ。
- 93 名前:柳生友景 ◆YAGYUbJ766 :2011/10/25(火) 02:08:36
- >>
血を搾らんばかりに吼える外法の騎士を、友景は冬の湖面のような眼差しで見つめる。
何か言おうと開いた朱唇は少しく震え、すぐに閉じられた。鍔競り合いの均衡は揺るがない。
再び開いた口からは「憐れな」という声がひそやかに洩れた。
「そなたの魂は、何物によっても満ち足ることはなかろう。例え己が渇望せし、完全なる世界とやら
を手にしたとしても」
かつての比類なき勇者が陥った魂の孤独≠、友景はそう切って捨てた。
「……わたしの時代では建ったばかりの千代田の城も、三百年近くを経た今≠ナはその屋台骨
を揺るがせていると耳にした。江戸幕府を滅ぼす大いくさが始まるだろう、とも。
成る程、我々は修羅の巷から抜け出せはせぬ。後三百年が経とうが、人は変わるまい。人が作る
世もまた変わるまい」
徳川の平和(パクス・トクガワーナ)¥I焉の時にやって来た過去人は、静謐に続けた。
「素晴らしき世界などと、とても呼べぬ。――わたしのいる世界は左様な所だ。恐らくいかなる<層>
も、<天秤>の均衡が保たれゆく世界は、斯くの如き場所ならん。
だが其処でこそ、生はまことの意味で生たるのだ。
そなたが厭う多様性と適応性と不完全性の狭間から、喜びと絶望と悲しみが生じる。それらはまた
新たなる愛を生み、かくて命は縷々として紡がれる。
故に、我らは生きぬきそして地獄に堕ちて暗黒の曠野をさまようのだよ」
傾いだ刃の十文字を形作る二振りの刀剣へ、友景の声は深々と降りてゆく。
「ゲイナー。美しいものを美しいままで終わらせたいなどと希(ねが)うは、そなたの小さき業に過ぎぬ。
それによって御されし完全世界など、<法>と<混沌>相争うこの地獄相とは比べ物にならぬ真の
地獄であろう。
知れ、この醜くも美しき六道の貴(たっと)きを。そして生きよ、堕ちよ」
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