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■ 饒舌な傭兵が子持ちの人妻(予定)と密kもとい殺し合う予定のスレ

1 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/03(火) 00:11:37
しゃあっデップー神影流奥義会議スレ立て打ち!
え、そんな流派はない?
っかしーなー、マーベル本社に設定資料と嘆願書を65365通送らせたはずなんだけど。

ま、それはともかくこのスレは俺ちゃんと式っちが殺し合ったり打合せをするようなおっかねえスレだ。
部外者は立ち入り禁止というか立ち入ったら巻き添えで死ぬから近寄らない方がいいぜ!

2 名前:両儀式 ◆w7RsINNERs :2018/04/03(火) 01:12:43
オーケー、確認した。お疲れさん。
今日はもう遅いから、顔だけ出しに来た。

で、時系列としてはどの辺がご希望だ?
キレッキレの状態がお好みなら、アレだ。
矛盾螺旋直前の、浅上藤乃と巫条霧絵をはっ倒した後あたりのオレがオススメだけど。

3 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/03(火) 01:27:32

と、こう見切り発車で建てるのが俺ちゃんのいい所だ。
…いや、この場合悪いのか?ともかく問題だったら管理に沈めてもらうか。


それはともかく(二度目)、場所は大殲でいいとして後はレギュとかそういうのだな。
で、実は俺ちゃんこう見えて(割と近年だが)吸血鬼と関係があったりする。
というのも俺ちゃんの世界のドラキュラが嫁…今は元嫁だが、まあ彼女に政略結婚仕掛ける気だったのを
俺ちゃんが掻っ攫った形になってね。
それ以来、うちのドラキュラとその一派に付け狙われる羽目になってるわけだ。


――――とはいえ、今回このネタは使わない。
何故なら俺ちゃんと式っちのに関しては、闘争の『純度』…っていうのかな、そういうのが濁ると考えてるからだ。
ここは俺ちゃんの一番尖ってた――そう、饒舌なサイコキラーとさえ呼ばれていた頃。
そんなイカレてた時代の血まみれの狂気一本でやって行こうと思う。


とまあ前置きが長くなったし、ここからは舞台とおおまかな要点を上げておくね!


・舞台は建設中の高層ホテル……の最上階。
 展望レストランが出来る予定のエリア(ビルの出来具合は応相談)
 実は外資を気取って利権乗っ取りにやって来たマフィアの物件。なので後腐れなく好きにしてよい。
 

・大まかなあらすじとしては俺ちゃんが式っちにふっかける形。
 正確には招待状を送る。え、これハタシジョーってルビが振ってある?
 導入でそこまでの経緯(舞台作り)をちょろちょろとやる予定。
 具体的には上で言ったマフィアが一人一人死ぬ。何で死ぬのかはお楽しみ。
 あとモチベ上げの為に人質とか使うかもシレマセンネー。人質って誰なんでしょーかネー?



・先にネタバレしておくと、俺ちゃんの闘争理由はただ一つ。

 『死にたい、正確には最高の殺し合いをして死にたい』


 〜マーベル昔ばなし〜


 昔々、といっても90年代末くらいの昔。


 あるところに不死身で饒舌で、顔と全身がやけただれ、世の中が嫌になって死にたいと思ってる傭兵がいました。
 しかし、彼は酷いくらい不死身です。
 自殺しようにも再生能力で死ねず、それを無効化しても不死の呪いで結局死ねません。
 じゃあどうするか。呪いごと殺せる方法をオカルト方面に求めた俺ち……傭兵はとある魔術師に会いました。
 何かもったいぶったような言葉を使いそうな片腕の魔術師です。 

 そして知りました。傭兵を完全に殺せるかもしれない直死の魔眼とその持ち主のことを。
 そして何より望みました。最期にその『彼女』と最高の殺し合いをして完全に死にたいと。

 傭兵は心に決めました。
 その最高の舞台、いや『最後の晩餐』のため、あらゆる手間を惜しまないと。
 この場合の手間というのは、それはそれはおぞましい意味合いのことに違いありません。


 因みに魔術師にはお礼として咄嗟に口を塞ぎ、お腹を刺してあげました。 
 実は匿名の女子高生から暗殺の依頼を受けていたのです。後はそのまま女子高生が魔術師をめった刺しです。
 こうして原作と映画版の帳尻は合いました。抑止力バンザイです。

 
 〜めでたし、めでたくもなし〜




え、最後のがやけに長い?オレチャンニポンゴワカリマセンネー?(紙芝居を仕舞いながら)

……ま、とりあえずはこんな感じさ。
俺ちゃんは最高の殺し合いで死にたいからあんたを狙う。あんたなら俺を殺せると信じてな。
簡単に言えばこれだけの話。

で、一先ずは俺ちゃんの導入待ちだな。そこでようやく話の流れが生まれるし指針にもなるだろ。なったらいいネ!
どうにか頑張って書き上げておくから、待っててちょーだいな♪

4 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/03(火) 01:43:31
よし、説明をあ−だこーだ悩んでてたら本人来てた!ハズカシイ!

それはともかく遅くなったがようこそウエルカム!
この宇治茶はサービスだからまず飲んで落ち着いて欲しい。
あ、顔出しだけ?じゃあテイクアウトでもオーケーよ?


で、時系列か。俺ちゃんが想定してるのはそうだなー。
>3で言ってたネタにも被るんだけど、1999年―――忘却録音から
殺人考察(後)の間、もしくはその後くらいで考えてる感じだな。

というのも縁もゆかりもない俺ちゃんがあんたを知った理由が(映画版で死ななかった)某魔術師経由が
妥当かなってのと、クライマックスは刀持った本気モードのあんたとやり合いたいんでね。
なにせ刀もとっておきのを用意してある……ヒントを言えば、一週間スレで話題に出してたやつさ。


あとほら。
ちょっと平穏の味を知って鈍ったかな、ってのが迫りくる危機で再びあの時のケモノに舞い戻る!
てな感じのシチュって何か燃えるじゃん?

【最後すごい個人の願望だな!?】


5 名前:両儀式 ◆w7RsINNERs :2018/04/03(火) 21:16:21

 ……そうだ、映画版じゃ死なないんだったアイツ。
 盲点だった。そこから繋げてくるんだな、なるほど。
 時系列は了解。最後の事件の前あたりなら、点火するにはうってつけだろうな。

 つーか人質って……とことん殺し合いしたいんだなお前。ちょっとズルいぞ。
 そんなの心当たりは一つしか無いし、使われたら殺しに行く以外の選択がなくなっちまう。
 刀まで持ち込むなんて―――本当、イカれてる。
 ああ、そうだな。その時のオマエなら間違いなく殺せるよ。……本当に殺せるかは分からないけど。
 まあ、オレの目は概念とか普通は視えないモノでも死が視えたりするから―――そうだな。
 不死の原因ごと殺しきれるかは気合とノリ次第だな。

【それでいいのか】

 導入に関しても分かった。こっちはそっちに合わせる事にする。
 お先にどうぞ、ってヤツだ。


 レギュレーションは……オレの場合はちょっとグレーかも。
 吸血鬼が出てくるのは月姫の方だしなぁ。つーかリメイクまだなのかと(ry
 でもまあ、現状は堅い事いいっこなし、ってことで。
 ギリギリの殺し合いの一点勝負で行くとしようぜ。


6 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/09(月) 23:26:43

導入




         “Mise en place”




*   *   *   *   *   *   *   *   *


――――あーあーテステステス、ただいまカメラのテスト中。
映ってるか映ってるな?イエーイ、俺ちゃん見てるー?声聞こえてるー?
外付けマイクの調子はと…あ、いっぺん全部切らなきゃ駄目だクソ。

オ−ケーバッチシ!流石メイドインジャパンは品質が違うネ!
ま、という訳でさ。折角だからメモリアルっていうの?
Xデイまでの準備中、俺ちゃんの姿をVTRに撮っとく事にした。
これから死ぬのに意味がないってロマンも分かってない奴らは言うかもしれないがさ、
こういうのは残しておくことにおいギャーギャーギャーうるせえぞ!!
ボイルされてる程度で喚き散らしやがってそれでもマフィアの幹部サマかよテメエはさァ!
James Hookのロブスターを見習えよてめえはロールの材料役も出来ねえのか!!


*   *   *   *   *   *   *   *   *


いや、昨日は散々だった。
口をテープでグルグル巻きしてたにも関わらずうるさいのなんの。
生きたままやろうってのが駄目だったのかね。
ま、幸いこの国は料理大国だ。本にテレビ番組と参考になるもんは一杯ある。
レシピを守ればなんと三分でクッキング出来ちまうらしい、東洋の神秘だな。

というわけで今日は日本の知恵イケジメに挑戦〜♪
この新鮮なマフィアの子飼いチーマー君と、失敗しても大丈夫なようにサブリーダー君も
連れてきました〜♪ 
ほいルックアットミー、こっちを見ろ……LOOK AT ME(こっちを見ろつってんだろ)!!



あ、首までいっちまった。


*   *   *   *   *   *   *   *   *


ジョー・メセニーの話じゃないけどさ、ほら人肉バーガーってあるじゃん?
人間をミンチメーカーにぶち込んで作るようなやつ。
ネタに困ったタブロイドが紙面埋めるのに時折入れたりするあれ。
ふと思ったんだけど、あれスパイ映画とかでやったらロックじゃないか?
組織のボスがさ、ミスした部下を処刑だーってミンチ製造機にぶち込むの。
で、その肉でハンバーガー作って部下に振る舞う。最高に悪趣味でクール。
これでボスがコッテコテのビーガンだったりしたらロック過ぎるよな?

ただ、折角のディナーがハンバーガーってのはやっぱナシだよな。
てな訳で、今日作ったこれはボツってことで。


*   *   *   *   *   *   *   *   *


ザックギュルザック、ザックギュルザック…♪
ナイフは刺したら抉りこめ♪抜いたら刺して繰り返し♪実感なくても繰り返せ♪
いやーこうナイフで刺してると思い出すね。ターニングポントってやつ?

そう、フーインシテーとかいう魔術師に会ったのがついこの前、ここ日本でだ。
日本に一か月で二度も来るなんて俺ちゃんも凄いよな、前の仕事と合わせればどんだけ
日本好きだって話だよ。けど仕方ない。最初に相談したストレンジに文字通り一蹴、
みごと蹴り出されちゃ他の魔術師を探して津々浦々、東へ西へどこでもござれだ。

そういや魔術師の名前はクロギリ…なんだっけな?ユミヅカ?まあとにかく、そんな名前の
片腕が駄目になってるボンクラメガネだったのは覚えてる。
が大切なのはそんな事じゃない。
あいつが教えてくれたベイベとそのパワーだ、あれを思い出したら今でも感動で体が震えちまう。
俺が今こんな下ごしらえをしてるのは、そもそも愛すべき“彼女”の存在を知ったからだからな。

けどあいつ、少女にあんなにメッタ刺しされるとかどんな犯罪やらかしたんだろうなー。
いや殺すの手伝えって依頼受けたの俺だけどさ。
指示通り変な事しゃべる前に口塞いでグサー!から依頼人にザックザックさせたけど、
魔術師ってあんなんで死ぬんだよなーとんだモヤシ野郎だぜまったく。


*   *   *   *   *   *   *   *   *


この卑しいロシアン家畜め!!家畜め!!家畜め!!
アニモー!イングリッシュだとアニモー!!アニモーアニモー!!

……ったくブヒブヒうるせーなー、何だよハンマーが痛いのか?
え、タタキってこういうのだろ違うのか?
じゃあ予定を変更して今度はツルシギリってのやってみるわ。
おたく、コールドスチール社のCMって見た事ある?
実は予備であそこのカタナ持ってきてるんだよ。
ああ痛かったら言ってくれよウルセエってブン殴るから♡

え、なんで地元のヤクザじゃなくてこっちを狙うのかって?
そりゃ半分お仕事だからだよ。お前んとこのボス、脅迫にガキ拉致ってレイプしてバラしただろ。
それもなんて事のない、現場を見たかも分からないカタギのガキを。

だから下準備ついでにボランティアってやつ?もう金は受け取れないけどこういうのも悪くない。
後お前んとこの建設中のホテル、あそこ俺ちゃんのステージに丁度いいんだ。
ボスも丁度来てるんだろ?よりによってパニッシャーに追われて日本に逃げ込んできたんだってな?
平和ボケした国の地方ヤクザならどうにかなるとか思った?チョーウケる。
本国にもホームにも帰れないってねえ今どんな気持ち?なあどんな気持ち?

ああ?そうだよ、それだけに決まってるじゃん。
うっせーなー、アンコウがうだうだ騒ぐんじゃねえよ。あ、そうだよお前アンコウじゃん。
じゃ今からツルシギリのお時間なー?痛かったら手を上げてーってホラスッパリー!


*   *   *   *   *   *   *   *   *


最初に探したのはヒーリングファクターを無効化できる武器だった。
ムラマサブレード。噂だけは聞いてた不死身殺しの妖刀、ステンレス合金のカタナなんざ
足元にも及ばない最強最悪の日本刀だ。
噂を頼りに方々を回って幸運にも手に入れることが出来た、途中でカタギ悪党問わず随分
と殺したけどな。だが、俺の幸運はここまでだった。

最初にセップクを試した。腹をかっさばいて次に首、火事場のクソ力で残り皮一枚まで刃を
押し込んだ。けどそこで止まりだ。
確かに再生能力は無効化できた。だがそこまでだ。刃の通ってる間は再生しちゃいなかったが、
目が覚めたらそこはデスのいる死の世界じゃあない。
俺がさっきまで派手にセップクショーをしてた、血まみれの単なるボロ家だ。

不死の呪い。
俺に嫉妬する宇宙の大馬鹿野郎がかけた、文字通り死ななくなる呪いだ。
俺はブチ切れた。叫んで何度も自分をブッ刺した。何度も何度も自分の体を刻んで、心臓を刺して
肝臓を刺して肺を刺して喉を刺して目を刺してそこから脳をかきまぜた。
それでも結局その度に気を失って、目覚めるたびに元通りになってる自分を見て、泣いた。

俺を殺すには再生能力を殺すだけじゃだめだ。
この呪いをどうにかしなくちゃならない。だが、これを掛けた奴は宇宙の彼方。
例え会えたとしても、俺にはそいつをどうにかする力はない。
元凶を無視して、呪いを解く方法が必要になった。







因みに今日のBGMはワム!でケアレス・ウィスパー。
日本でカバー曲出すのは良いけどさ、『抱きしめてジルバ』って馬鹿じゃねえの?


*   *   *   *   *   *   *   *   *


そういやさ、トマス・ハリスの新作って今年出るって話なんだよな。
なんとあの羊たちの沈黙の続編が11年ぶりの刊行。
まあ俺ちゃんはその前に死ぬ予定だけど、そこだけがちょっと気掛かりだ。

それはそれとして今日のメニューは子羊の脳ミソをソテー。
俺ちゃん特訓のおかげかで料理の腕も随分と上達した、今日はかなりの自信作だ。
なんせ、材料のマフィアン羊ちゃんから生きたまま脳の一部を切り取るとこまで
バッチシだったからな。
つっても俺ちゃんはこんなの食いたくないし、これは当人と連れの豚みたいな
用心棒にでも食わせようと思う。

さあ羊ちゃんと豚ちゃん、エサもといディナーの時間だよ?
おやおや食わず嫌いは良くないでちゅねー、とっても美味しいでちゅよー多分。
君の母も言うだろう。新しいものを食べてみることが大事なのよ、てな?


*   *   *   *   *   *   *   *   *


オハヨーゴザイマス…って日本じゃこうヒソヒソ声でやるんだっけか?
それはともかく、今日の朝は一杯のコーヒーと新聞からスタートだ。
さてさて今日の世界情勢は、と……。

っておいおい。何だよこれ。
俺ちゃんの殺しが載ってる、それはいい。けど何で肝心のラブコールが載ってねえんだよ!?
これじゃ散々拉致ってバラしてる意味ねえじゃねぇか!
このクソ(ピー)マスゴミがジャーナリズムのJの字もねえのかよこの××××!!

たくしょうがねえ、これ無しじゃそもそも始まらないからな。
足が付く可能性があるのはキツいが、ここはリークしとくしかないか。


*   *   *   *   *   *   *   *   *



「運命の人 俺をその青い眼で見て そして殺して殺しあって 

                        親愛なるウィルソンより」



よし、今日もメッセージが上手に出来ましたー♪
見てくれよこの記念写真、今日は実業家気取りのフライも添えてベストの一枚だ。
ソースにも使った血のインクがとってもクール!
アメリカで撮ったらピューリッツァー賞も狙えたのが少しだけ残念なところだな。

で、ここに取り出したるはジャパンの週刊誌。
きっちりバッチリ、俺ちゃんのメッセージ付きの写真が載ってる辺り実にいい仕事してる。
ジャーナリズムってのはこうでないとな。用心しながらしリークした甲斐があったってもんだ。
テレビでも頻繁に取り上げ始めたし、そろそろ仕上げに取り掛かろうとするかね。


*   *   *   *   *   *   *   *   *

7 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/09(月) 23:29:53


*   *   *   *   *   *   *   *   *



俺の名前はウェイド・ウィルソン。
生まれはオハイオ、後にクソな実家を出て軍に、その後は傭兵やら殺し屋をしてカナダ国籍に。
末期ガンになった俺はXウェポン計画に志願、一旦は失敗作扱いされて死んだが生き返った。
ヒーリングファクターと嫉妬で食らった不死の呪いのダブルパンチでな。

今の俺は全身がガン細胞だ、顔も醜く焼けただれてる。
笑っちまうだろ?顔をマスクで覆わないと俺は電話にすら出れやしない。

正直なハナシ、生きる実感なんてものが俺にはない。
刺激を求めたら少しはマシになるかと思った、だからどんな危険なヤマにも手を出した。
だがそんなのはドラッグと同じだ。やってる最中はハイになるが、終われば決まってウツになる。
当然のように依存とエスカレートのコースを辿ったが、結果なんて言うまでもないよな?

そんな俺の人生は当然のように孤独で、最低で、最悪で、クソ同然で、将来を約束してた女は
俺を利用してただけのクソコピー女だった。
俺を理解してくれようとした女もいた、けど、やっぱり上手くいかなかった。
俺が身も心も醜く腐り果ててるからだ。だが、だからこそ俺にはどうしようもない。


正直、もう限界だ。
俺にとって、この世は結局クソ溜めだ。ピンクとマーブルのユニコーンが頭の周りを回ってる。
一回だけ人気者になろうとした。自分なりにボランティアもやってみた。悪党を格安でぶち殺しもした。
だが決まって俺は嫌われてそっぽを向かれる。ヒーローにも市民にもそうどいつもこいつもだ。
レンガこそ投げられないが要は同じさ。仕返しされるのが怖いだけ、用が終わればツバを吐いて回れ右。
ドブネズミ扱いは慣れてはいた。が、ものには限度ってもんがある。


俺は死にたい。
どうやって?ああ、彼女が殺してくれる。
あの魔術師が教えてくれた。


          ―――『―――は』『君を』『殺す』。


俺は幸福になる。
どうやって?ああ、彼女は幸福の女神だ。
あの魔術師が教えてくれた。



          ―――『君は』『―――と』『殺し合う』。



何よりも力強い言葉だ、天啓だ、そして何よりの希望だ。


だから、俺はその瞬間の為に生きよう。
だから、俺はこの最期の為に捧げよう。
何もかも。努力を惜しまず全力を傾けよう。

そんな事は言ってない?ああ、だろうな。
けど俺にはこう聞こえたんだ。あの時、俺の頭の中で彼はそう言ったんだ。
だから、これは俺にとっての真実なんだ。



*   *   *   *   *   *   *   *   *





だから、最高の舞台を始めよう。

最後の晩餐を楽しもう。

招待状は送っておいた。とっておきの殺し文句さ。





*   *   *   *   *   *   *   *   *


さて、このVTRを見てるみんなに悪いお知らせがあります。
それは今日で俺ちゃんのこのインタビューも最終回だってこと。
ようやく全ての準備が整ったからね。名残惜しいが、これ以上は俺ちゃんも続ける必要がないんだ。

撮影の後、俺ちゃんはこれから素敵なディナーに出かけます。
最高で最後のめくるめくディナー。ダ・ヴィンチ風に言えば『最後の晩餐』ってやつ。
けどジーザスのように弟子とぞろぞろ飯を食いに行くわけじゃない。
これはディナーだ。となれば当然、お相手はそれはそれは素敵なレディーに決まってる。


さてここで意気消沈してるみんなに今度はいいお知らせ。
なんと今日は最初で最後のスペシャルゲストが来てらっしゃいまーーーす!!
ヤッフゥウウウウウウウドンドンドンパフパフー!!!

はい、そんなワケで今日の栄えあるゲストはK・Mさん!
俺ちゃんの足取りを掴んだばかりか潜伏先まで辿り着いちゃいましたスゲエエエ!!
イッツァミラクル!日本の優秀()なケイサツすら掴めなかった俺ちゃんの足取りを掴むとか!
実はあれだろ?ボンクラメガネと見せかけてとんだ名探偵とかそういうオチだろ?
日本って案外名探偵って多いとか聞くぜ?アカシヤサンマとか!



さて、ここで問題。
そんな“予定通り”俺ちゃんの懐にのこのこ来ちゃったKさんの命運はいかに?

正解はCMのあとで。
じゃ、チャオ♪



*   *   *   *   *   *   *   *   *

8 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/09(月) 23:31:06





「嗚呼 運命の人 あなたの想い人はどこにいる? 
 答えは満月の夜に 観布子ハイアットホテル最上階 ディナーの席は取ってある
 
                        ウィルソンより愛を込めて」





9 名前:デッドプール ◆zZQX9NVr63/V :2018/04/09(月) 23:57:39

よし、最初に謝罪か。謝罪だな!
俺ちゃんは(ここ数年は)こう見えて謝れる男マーベルランキング100くらいには入った男だ!
このジュージューと焼けた鉄板の上で伝説の焼き土下座を…え、いらない?


それはそれとして、先ずは一週間近くかかっちまって済まないとキチンと言っとくよ。
情けないことに、書くとこまでテンションを上げられたのが週末から今晩くらいのとこでね。
逆に言えば週末〜週明けには頑張れるから、遅くともその辺りには大体レス出来るとここで約束しとくよ。
因みにフラグにはならない、いや、シタクナーイ!?シニタクナーイ!いやシニタイ!

【どっちだよ】


という訳で俺ちゃんの謝罪と前置きはともかく、これが俺ちゃんサイドの導入だ。
うん、自撮り。この時代だからユーチューバーじゃなくてホームビデオみたいなノリだけど。

進出してきたロシアンマフィアを諸々の事情で拉致ってZANSATU
→式っちへのラブコールを添えて一部『料理』された惨死体と共にリリース!
たぶんSATUGAI現場は捜査かく乱のためヤサだったり他の場所だったり
まちまちなんじゃないかな、じゃないとあっさり捕まりそうだし。

ともあれ、マフィアが狙われる理由は大体俺ちゃんの勝手な都合だ。
舞台装置のモブだから最近実家の稼業がちょっときな臭くなってたレベルの
過ぎないと思う。まあ惨殺事件だから誰かさんは首を突っ込むだろーなーとか
そういう切欠になりもするんだが。



・Kさんについて
一言で言えば、さあどうなるんデショーネー?

【シュレディンガーの猫ならぬKさんか】

だな、悪いが今はそうだとしか言えねえ。
とりあえず、伏線的に不穏なことになったのなら俺ちゃん的には成功だ。

後は伽藍の堂に招待状が届く→建設中のホテルへGO!
な感じで来てくれれば俺ちゃんとしては助かる。
最上階でスタンバッてるんでね。
そこで俺ちゃんに声かけなりして、そこはターン交代だ。



とりあえず俺ちゃんとしては現状そんな所だ。
質問とかあれば遠慮なくしてくれよな!なんか分かりにくいとことかすげえありそうだし!

【そんなのばっかりだったら死にたくなるな?】

はははよせやい、割と凹むぜ。

10 名前:両儀式 ◆w7RsINNERs :2018/04/11(水) 22:09:46
ちょっと間が飽きそうなので現在執筆中とだけ連絡しとく。
今のところは問題ないよ。

11 名前:両儀式 ◆w7RsINNERs :2018/04/17(火) 03:32:51
>>6-8


 街頭のテレビ、週刊誌、人々の噂。その全てが猟奇連続殺人事件で賑わっていた。
 しかしそれは、私にはなんら関係のない話だ。
 何しろ、やり口がえげつない。シリアルキラー、あるいはサイコパスを連想させる死体
遊びはあまりにも苛烈で、人を人とも思わない所業だ。それは殺戮者であって殺人鬼では
ない。既にヒトを辞めてしまった―――ケダモノの仕業。

 断片的に甦った記憶は衝動と共に私を苛んでいるが、この連続殺人事件と共鳴すること
は無い。標的も現場もやり口も―――二年前のあの時とは何もかも違っている。両儀式は
狂気ではなく、正気のまま殺人衝動を抱えていて、こんなナニカが壊れてしまった殺し方
には共感も嫉妬もしなかった。

 だから、コレは警察とか公安とか、社会的な抑止力の仕事で。
 そのはずだったのだけど。

 ―――考えてみれば、危惧すべきだったのだ。

 アイツが、こんな事件を前にして、何もせずにはいられないはずがないと。
 あるいは―――こんな事件にこそ、アイツは巻き込まれてしまうのだと。
 鈍った意識と感覚でも、気付くべきだった。


 …


「黒桐幹也が誘拐された。恐らく、件の猟奇殺人の主犯によるものだ」

 渋い顔をした橙子が、私に封筒を差し出して、そう言った。
 はらわたが煮えくり返るかと思った。

「……落ち着け。とりあえず―――コイツはオマエを名指ししているようだぞ、式。何処
で知ったか知らないが、お前の『眼』の事までご存知らしい」

 発火寸前で真っ白に焼けている頭を宥めながら、封筒の中身―――手紙と、写真に目を
通す。私が冷静さを保てているのは、奇跡と言う他に言い様が無い。
 中身は短い文章と―――真紅に染まった、廃ビルと思しき一室。
 丁重に飾り立てられた、鮮血のディナータイムを切り取った一瞬。
 その非常識と狂気に彩られた世界の中で、無垢な赤子のように眠っている、幹也の姿。


「嗚呼 運命の人 あなたの想い人はどこにいる? 
 答えは満月の夜に 観布子ハイアットホテル最上階 ディナーの席は取ってある
 
                        ウィルソンより愛を込めて」



 メッセージは、招待状のようで、挑戦状のようでもあった。
 相手が何を求めているかは明確で、何を賭けに置いているかも明瞭だった。
 幹也を人質に―――そして、

「コイツは、何でオレを招待しようとしてるんだ」

 間違いなく、私と殺し合いになる事を分かった上で、誘っている。

「……幹也がある程度、調べを付けている。ウェイド・ウィルソン。渾名はデッドプール。
アメリカで行われた生体実験の犠牲者で、今は不死身のバケモノとなって世界各地に出没、
不定期に暴れているらしい」
「―――なんだ、それ。B級映画かよ」

 冗談のような話だったが、橙子の顔は冗談を言うような顔では無かった。
 非常識の塊みたいな魔術師が、こうまで言うのだ。なるほど、相手も非常識極まりない
のだろう。

 ―――既に、戻れなくなっている。

 自分も、相手も。
 どちらの意味でも、相手は一線を越えている。
 浅上藤乃とも、巫条霧絵とも、荒耶宗蓮とも、玄霧皐月とも違う、異常者。
 止まる理由は無かった。誰にも止められるはずがない。私は止まらない。

「さあな。ただ、何をしても死なないくらい不死身なのは事実だぞ。……皮肉なことに、
本人は死にたがっている、というのも付け加えておこうか。厄介な相手だ」
「知るか、そんな事。オレは行く、それだけだ」

 死にたがりに付き合う義理は無い。
 けれど、今回は、只では済まされない。

「式」
「ああ、殺すよ。……後の面倒な事は全部任せた」

 ―――いいだろう。顔も知らない不死身の殺戮者。
 生きているのなら、お前だって殺してみせる。


12 名前:両儀式 ◆w7RsINNERs :2018/04/17(火) 03:35:27
>>11


 ―――風が、唸っている。
 死んだように静かな夜は、造り損ないのビルでも変わらない。周囲が灯火を点けて彩り
を成す中で、ここだけが影絵のような真っ黒の姿に染まっている。
 まるで書割のようだ。ナイフでちょっと引っ掻いてしまえばあっさり崩れ落ちてしまう、
虚言のような脆い世界。実感のない生の中でも、ひときわ空虚な異常の空間があった。

 ナイフを抜いて、立入禁止のテープを切り裂く。構えたまま、ビルの中へ。
 足音一つ立てない。この状況、何処から何が来るか分からない。
 藍色の着物、赤いジャンパー、編上げのブーツ―――私はいつものような姿で、しかし
いつもとは違う意識と感覚で、暗闇の中を進んでいく。
 途中で通りがかった鏡には、蒼い瞳が映っていた。

 ぼんやりと浮かんでいる光の先には、鉄の箱と鉄の扉があった。幸いなことに、電源は
入っているらしい。エレベーターを使わなければ、長い階段を駆け上がる必要があった。
体力は極力温存すべきだ。

 最上階行きのスイッチを押すとごぉん―――と唸りを上げて箱が動く。薄暗い、小さな
密室の中で、殺意で研ぎ澄まされた意識だけが体内で渦巻いて、より鋭くなっていく。
 それはアクセルのようで、その実ブレーキでもあった。私は、息を整えて絶えず意識を
研ぎ澄ませておかないと、今は辺り構わず斬りつけかねないくらい苛立っている。それを、
殺意と衝動をただ一点に集中させることで押さえつけていた。
 どれもこれも―――アイツのせいで。

「この貸しは大きいからな、幹也」

 けれど、それでも―――奪い返さないといけなかった。
 それは―――両儀式が夢見たモノなのだから。


 …


 扉が開いた。
 かつん、と存在を確かにするように、足音を立てる。
 それは、この先に居るはずの相手に対する威嚇でもあり。私の我慢ならない意志が端的
に現れた苛立ちでもあった。
 開いた世界は書き割りを砕いて、その向こう側をみるようだった。高高度の吹き付ける
風はますます強い。この時期の風は骨に沁みるほど冷たいが、元より、寒暖の差など私に
とっては無に等しい。
 作りかけの壁面、突き出した鉄骨、天蓋のない天井―――その先の雲ひとつない夜に、
凍えるような月だけがあった。書割と世界の境目に居るような気分になった。

「―――」

 ナイフを構えたまま、息を吸って、告げる。

「いるんだろ、死にたがり。約束通り来たぞ」

 そして、一際強く意識する。焦点を切り替える。
 ―――世界中に、死が満ちた。


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