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■ 日守 秋星 vs 後藤
- 40 名前:田村玲子 ◆bOIWj9Hr0g :2008/12/29(月) 00:26:38
- >>38
ごぉん。
全身の体重を乗せた後藤の拳が、コンクリートを打ち抜いた。
戦い…いや狩りを眺める広川はインパクトの瞬間、ほんの少しだが確かに地が揺れるのを感じていた。
「だが、空振りか……随分、粘るな。」
その時、広川はハッと何かに気がついた。
携帯電話を取り出し、仲間に連絡を入れる。
「もしもし、草野さん?すまないが服を一揃い持ってきてくれないか。」
飛び掛った後藤が迫り来る僅かな間に、秋星は奇声を上げてゴロゴロと転がって後藤の着地点から退避していた。
チッと腹立たしげに舌を打ち、拳を引き抜くと同時に相手に警告を発した。
「逃げるだけでは勝てんぞ!偶然もそうは続かん!」
それに逃げるだけの鼠に価値はない。
猫にとっては咬みつく鼠ほど甚振り甲斐があるものだ。
もっとも、わざわざ咬みつかせてやる義理もない。
脳から体に電気信号が走ように、後藤が体へと命令を下す。
後藤より右腕へ―硬化、最大伸張、刃数一
こいつの足は傷を負っている、簡単には立ち上がれん。
また転がって逃げるか、それともダメもとで向かってくるか。
そのどちらかだろう、ならば、どちらでもいいように殺す。
立ち上がる前にだ、これ以上余計な真似もさせん。
広げた刃を横薙ぎに振るう。
ヒュッと風が舞い、給水タンクに斬り込みが走った。
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