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■ 日守 秋星 vs 後藤
- 44 名前:田村玲子 ◆bOIWj9Hr0g :2009/01/13(火) 22:57:29
- >>42
方法は分からない。
ただ鈍い痛みが、反撃を受けた事を告げていた。
後藤を始めとする寄生生物達にとって、痛覚とは単なる情報に近い。
痛みそのものより、攻撃を受けたという事実が驚愕、恥辱、憤怒といった感情を呼び起こす。
ギリッと後藤の中で、何かの糸が張り詰める。
人の姿の奥底、巧妙な擬態の中に潜む後藤という名の怪物がチラリと顔を覗かせた。
しかし、精神の糸が千切れる前に理性が本能を飲み込み、後藤は瞬時に最良の決定を下す。
何も問題はない。
「やれ。」
後藤の言葉を受けると分断されたはずの右腕が動き出し、新たに浮かび上がった目でギョロリと目標を睨みつけると
得物を引き抜こうとする秋星を背後から斬り付ける。
そのままピョンピョンと弾けるように飛び回り、撥ねられた右腕は、元の位置に収まった。
「どうだ三木?」
「浅いねぇ。水がクッションになっちゃった。そもそも重さも足りないし。」
「そうか。最後まで粘る奴だな。なかなか楽しかったぞ。」
後藤より右足へ―硬化
「死因は飛び降り自殺でいいな?殺人鬼。」
流れる水に足をとられぬように、軸足に力を込め
人がサッカーボールを蹴るように、食人鬼は高く振り上げた右足を、勢いよく振り下ろした。
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