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■ <剣聖>と「呪われし公子」の会議場 〜機械庭園のカフェテラスにて〜

1 名前:◆GAinErMg8k :2011/07/01(金) 00:11:55




ようこそ狂い咲きの園へ


.

37 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/04(木) 00:55:40
>>訂正

 爆発によって巻き上げられた粉塵がゆっくりと晴れていく。
 その中より現れたのは、数多の色に輝く鎧を身に着けた騎士の姿。

 あの爆発に飲み込まれてなお、彼は傷一つ負わぬ姿でその場に在った。
 それは混沌に属する魔術を用い瞬時に多重展開された防御障壁、<地獄の鎧>と<地獄の楯>
のおかげであり、また何より彼の身を包む上方世界の鎧のおかげだ

 だが無傷であるはずの<呪われし公子>は、疲れはてたかのような緩慢な動作で首を振る。理
由は間断なくこみ上げてくる鬱病めいた発作だ。魔術を使用した後はいつもこうだった。分裂し
た自我の再統合が完全でない反動か、それとも彼が天秤の騎士であった頃の良心の咎めのせいか、
はたまた彼の本質が混沌よりも法寄りの存在であるゆえの拒絶反応であるからなのか、理由は自
身にもわからない。
 先の様な四大の精霊に属する魔術や動物や植物の精霊王に関する魔術ならばまだましだが、今
のように混沌に属する魔術を使った場合はことにその反動が酷い。

 <呪われし公子>は、憂鬱の発作に苛まれながらも<剣聖>の姿を探す。手応えはあった。少
なからぬダメージを与えているはずだが・・・・・・。
 探し求めた姿はすぐに見つかった。その姿を目の当たりにした。頭上にあるキャットウォーク。
爆発の衝撃で半壊し不安定なソレの上に立つ<剣聖>の姿を。 高速で再生していくその肉体を。
彼がかつて訪れた、混沌積層都市で目にした吸血種の様な超常の再生復元現象を。

 ・・・・・・なるほど。無限寿命者であるだけでなく超恒常性も持ち合わせているというわけ
か。あれほどの剣技とこれほどの再生能力、そして気高き意志の力が在れば語り継がれる<剣聖>
の伝説も頷けるというものだ。

 手に持った錬金術師の剣をもとの場所へと転移させ戻す。剣聖の恒常性がただの過剰な再生能
力ならばこの剣も効果があるだろうが、元ある姿へ戻ろうとする因果の逆転、復元能力ならばこ
の剣の魔力は何の意味もない。たとえ直接その肉体に突き立てスライムのような異形へと変貌さ
せようと、すぐさまもとのあるべき姿へと回帰することだろう。

 効果の不確かな武器を使うのは止めだ。わずかな隙が命取りになる相手と戦わねばならぬ以上、
不確かな手で一手無駄にするのはリスクが高すぎる。

 故に使うのは錬金術師の剣ではなく、魂を喰らい、上方世界の神々ですら放逐する神殺しの魔
剣。借り物ではない彼自身の魔剣だ。

38 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/04(木) 00:57:31
>>

「アンギュルヴァデル!」

 <呪われし公子>は、歌い上げるように己が魔剣へと呼びかける。

「 アンギュルヴァデル! アンギュルヴァデルよ!余は汝を召喚す。アンギュルヴァデルよ、余の
もとに来たれ。汝が主のもとへ疾く来たれ!」

 返答はすぐさまあった。うめく様な音とともに、揺らめくようにして彼の魔剣が姿を現す。赤み
を帯びた黄金の柄、闇夜を鍛え上げたかの様な漆黒の刀身。身の丈ほどもある大振りな両手剣。

 <呪われし公子>は、 眼前に浮遊する己の魔剣に手を伸ばし、その柄をしっかりとつかむ。そ
の瞬間、刀身に燃え上がるようにして焔のごとき深紅の魔術文字が浮かび上がる。

 アンギュルヴァデル。黒い剣の不完全な顕現とも剣の姉妹の一振りともいわれる漆黒の魔剣。幾
多の伝説でささやかれる呪われし魔剣の一振り。その刃は、ひとたび抜き放たれれば人の血肉を喰
らうまで収まることはないという。ゲイナーがその長く無数にある人生の一つで伴侶としていた剣だ。

 ミストにあふれるこの場所では剣聖の再生を止めることは不可能だろう。殺しきることも滅ぼす
ことも難しい。ならば、この次元より存在そのものを放逐する。

 黒い剣は対神兵器であり、魂喰らいの系譜につながるものだ。この剣をもってすれば再生を止め
ることはかなわなくとも、その魂に、存在自体に傷を負わせ負荷をかけつづけ、この世界に存在で
きなくすること、現世より放逐することは可能なはず。

 魔剣を手にした<呪われし公子>は、続けて異界の言葉、いにしえの言葉にて地獄の大公が一柱
を言祝ぎ、祈りを紡ぐ。

「マベロード 剣の王よ
 我は混沌の公子なり
 マベロード 無貌なる神よ
 我の敵は混沌の敵
 マベロード 戦士の守護者よ
 御身が敵を討ち滅ばさんため 御身が力を我に与えよ 
 狂戦士の祝福を我に与えよ」


 超常の力を行使する代償、激しく襲いかかる虚無感に耐えながら<呪われし公子>は呪文を詠唱
する。混沌の大神が一柱、<剣の王>マベロードへの祈りの言葉を。

 かくして祈りは聞き遂げられ、<混沌>の祝福が<呪われし公子>に齎される。混沌の公子が使っ
た魔術は身体能力の強化。とはいってもただのフィジカルエンチャントではない。混沌の神の力の
一部を自らの肉体に降臨させる神降ろしの魔術だ。はち切れんばかりの力が全身に満たされていく。

 <呪われし公子>は、強化した脚力を持って床を蹴り飛翔する。そのまま金属製の全身鎧に身を
包まれているとは思えぬ様な軽やかさで、キャットウォークへと着地。再生を終えた<剣聖>と向
かい合う。被我の距離は<呪われし公子>の間合いの一歩外。

 足下は非常に不安定だ。一歩歩くごとに軋みをあげて揺れる。重量のある彼にとってこの場所は
不利だ。一撃で片を付けるか、さもなくばこの先のもっと安定した足場まで一気に押しやる必要が在った。

 <呪われし公子>はゆっくりと腰を落とし、重心を下げた姿勢で両手剣を腰だめに構えた。

「よかろう<剣聖>よ。この程度では死なぬと云うならば、死に果てるまで殺し尽くし、この世界
より放逐してくれよう。汝を辺獄送りにしてくれようぞ!」

 云うや否や、<呪われし公子>は最後の一歩を無造作に詰め、己の刃圏に<剣聖>を捕える。同
時に腰構えからの真一文字になぎ払う車剣を放った。

 剛剣一閃。漆黒の刃が空を切り裂き<剣聖>に迫る。

39 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/04(木) 01:05:34
>>36は余のミスだ。余も改行を誤った。

 さて魔剣を召喚した。最終局面にて吸血鬼の魔剣とアルテマウエポンに持ち
変えるまではこれでいくつもりだ。

 こちらの一撃は好きに捌くがよかろう。

40 名前:ふりめるだ:2011/08/18(木) 05:54:44
ほんっっっっにごめんなさい!!
物理的に書き込みできない環境に使役されています。
来週月曜には帰還予定なのでそうなればすぐにでも返すつもりです。
毎日レスの公約をまったく守れず…心の底からお詫びします。
私の見通しが甘かったという他ありません。
重ねて謝ります。

なんなら柳生さんとの闘争を進めちゃってください…。
異次元ワープの辻褄はあとであわせる感じで…。

うぅ、ほんとにほんとにごめんなさい…。

41 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/21(日) 12:00:38
幕末へは汝との闘争後、忘却界(辺獄)経由でいったことにするため問題はない。
余も具合を崩していてレスがかけぬ状態であったため気に病むことはない。

42 名前:フリメルダ・ロティス:2011/10/11(火) 22:24:05
……

43 名前:フリメルダ・ロティス:2011/10/11(火) 22:29:15
謝意は、もはや言葉になりません。
もう一つの陰陽師殿との闘争を進めてくださっているのが唯一の救い。
それでわたしの罪が滅却されるわけではありませんが……。

レスは、書きます。
近いうちに、必ず。
ただ、手直しをしたいというか……。
〈少女〉周辺の設定や描写を大幅に変更したいので。
そこに手を加えてから改めて闘争レスを、と考えております。
見切り発車で深く練らずに書き捨てていたものが、
ツケとなって筆を止めてしまったようです。
深く反省して、今度こそ……今度こそは―――

陰陽師殿との闘争優先でまったくもって構いませんので。

ほんとにほんとにごめんなさい…。

44 名前:<堕ちた天秤の騎士>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/10/13(木) 22:05:55
 構わんよ。無限寿命者のおれには、待ち続ける時間だけはたっぷりとある。
 貴様のペースで進めてくれ。それによって闘争の完成度が上がるのなら、
おれにとっても喜ばしいことだ。

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