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■ 『異聞』 〜定められた終幕(エピローグ)へと到る物語〜

97 名前:『道化』ケフカ@不在(M) ◆AAo1qoPdKCCx :2011/12/04(日) 01:13:55
>> 続き



「な……どう、して…!?」


だが、これは奇跡などではない。


道化は動揺を隠せなかった。驚愕し愕然とし驚いていた。
左半身が吹き飛んだままの姿から、呆然とまでしながら呟いていた。

そうして消失は始まってゆく。
つい先程まで術式の穴から掠め取り、総身に滾らせていた絶大なまでの魔力。
それらが急速に急激に失われゆく。
幾多あった灯火が急速に消えて暗闇になってゆくように、内燃機関が熱を失って冷え付いていくように。
魔法の行使どころか生命維持、いやそもそもの形を保つことすら困難になるレベルで魔力が喪われてゆく。
自身を構築する因子が崩壊を初め、霊的な原子となって散逸しては霧散してゆく。


―――否、それは元々あった所へと吸い上げられていただけの事だった。

それは混沌の空を見上げれば分かる。
始原の夜を奪い去る術式と、それを更に掠め取る次元の穴。
その貪るような虚無の頂、其処には水晶と融合したような姿の巨大な竜が鎮座していた。

そう、次元の狭間に浮かぶ『神竜』―――この混沌を起こした偽りの道化を生み出した神たる竜が。



「……神、竜……きさ、まあ!!」


そう、それは奇跡などではない。
当初の予定から変更された結末であり、同時に只の約束された結末でしかなかった。
駒の役目は終わったのだ。『核』を壊さずして必要な『力』を回収できる今、偽りの破壊者など単に不要な
道具でしかなかった。

その事実をまざまざと見せつけられ、哀れな道化は呪詛を吐く。
だがそのありったけの呪詛ですら、竜には届かない。

崩壊の為の魔力は尽きてゆく、竜に吸われて尽きてゆく。
そして程なくこの壊れた次元も修復され、竜は再び次元の狭間を飛びたってゆくことだろう。
残された世界の常闇が存続するかはともかく、これで世界は救われる。





     そうか……。



            僕ちんは、      もう     いらないってか……。







>>357>>360

時同じくして声が聴こえる。
この次元の無数に繋がるどこかから、野太い男の声が聴こえる。
それは混乱の元凶となった吸血鬼の声であり終幕の宣言。

そう、宴は終わったのだ。
そして道化の舞台もまた終わったのだ。
あまりにも残酷で荒唐無稽で滑稽な、道化の哀れな哀れな一人芝居もまた終わるのだ。





「ちっくしょ……」



魂の輝きが、自らを構築していた最後の魔力が消えてゆく。
もはや彼にはなにもない。


「ちくしょう……ちくしょう……」


そう、この道化には何も無い。
未来もなく、力もなく、術もなく、そう―――――

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