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■ RHマイナス板専用テストスレッド

326 名前:青銅名無し客:2005/09/07(水) 01:13:50
 島の一番の高台に立って、俺は沈む夕日を見ていた。
 黄色い球体が、水平線でゆがんで潰れ、消えてゆくそのさまと、
 夕日が作る長い長い影が、島のすべてを覆い、飲み込み、おぼろな闇に沈んでいく様を、見ていた。

 黄色い輝きのすべてが没し、闇が完全に辺りを覆ってようやく、
 俺は自分が己でも気づかぬうちに、食い入るようにそれに見入っていたことに気づいた。

 静かに、息を吐き出す。
――途端、血臭が鼻腔を刺した。

 丘から見下ろすだけで、死骸がゴロゴロと目に入る。
 日が暮れるのを待っていましたとばかりに、そいつらは蠢きだしていた。

 この島は、今、どこでもこうだ。地相は最悪、積層都市の最下層並み。
 生者と死者と魔物を一緒くたにし、幾人もの贄を得て、
 殺し合いという名の祭祀を執り行おうとしている輩がいるらしかった。

 俺も贄のうちの一人というわけだ。
 気に入らないが、まあ、いい。俺は俺で、俺のゲームを始める。

 生者をすべて吸血鬼にしてしまえば、そいつらはさぞ慌てるだろうさ。

「マクスウェル、休暇をやるよ」
 その呟きを開始の合図に、俺は獲物を求めて闇の中へと踏み入った――

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