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484 名前:なめんなよ、この名無し:2006/11/09(木) 04:53:43
「ツェッペリンによって創造された歴史は、ツェッペリンにより再び浮上する」

 1937年5月。大西洋横断航路に就航していた硬式飛行船ヒンデンブルク号は、原因不明
の出火事故を起こし爆発炎上。この悲劇は巨大飛行船時代の終焉を告げるものとなった。
 ―――それから70年。
「伯爵の曾孫」によって、ツェッペリンは再び空を往く。

「新たな時代のツェッペリン(Zeppelin Neue Ara)」と名付けられた、全長1キロにも
及ぶ超巨大硬式飛行船は、ドイツ製飛行船による空の再征服計画「ネオ・ツェッペリン
・プロジェクト」によって完成された現代飛行技術の結晶だ。
 フンフツェーン・フォン・ツェッペリン伯爵によって発案されたこの企画は、スピード
ワゴン財団やトムスン・アンド・フレンチ商会など多くの有力者による出資協力や、ツェ
ッペリン・ルフトハンザ社などの飛行船企業から人材支援を受け、ヒンデンブルク号爆発
炎上より70年目の今日ついにお披露目となった。
 現在公表されているスペックは以下の通りである。プロジェクトチームによると、より
詳細なスペックは企画の次段階「ツェッペリン事業の開拓」に併せて公表するとのことだ。

  姿勢制御用小型エンジン12基
  推進用メインエンジン2基
  全高約350メートル
  全長約1000キロメートル
  最大飛行可能距離5000キロメートル

 大雑把なスペックだが、これだけでも「ツェッペリン・ノイエ・アラ号」が如何に巨大
な飛行船かは分かるはずだ。現在のところ、これを上回る飛行物は地球上に存在しない。
「新たな時代」の名に相応しい超ド級飛行船だ。

 プロジェクトの立案者であり、飛行船の設計技師でもあるフンフツェーン・フォン・
ツェッペリン伯爵は完成したド級飛行船に絶対の自信を賭けている。
彼の野望は曾祖父である飛行船の父<cェッペリン伯爵が成し遂げることのできな
かった「飛行船ビジネスの完成」だ。
 そのためには、今回の規格外な超ド級飛行船がどうしても必要だったと語る。

「現在、空は航空機によって支配されている」
「移動手段、輸送手段としての空の征服者は、以後数世紀航空機のままだろう」
「だが空を楽しむ≠ニいう一点においてだけは、今後の王者はツェッペリンだ」
「航空機の台頭によって忘れ去られた空の魅力はツェッペリンによって想起される」

 空を楽しむため。なぜ、プロジェクトのお披露目の第一段階が超豪華遊覧飛行なのか
という問いに対して、伯爵はそう答えた。富裕層のための新たな娯楽提供が第一の目的。
次に軍事利用。輸送や移動手段としての利用はあくまで二次目的に過ぎないと語る。
 事実、今回の進水式°yび処女航海≠フために用意された「南極上空遊覧飛行の
旅」は最安値のプランで1千ドルだというのに、一般受付を開始する前に各国のVIPによ
って席は買い占められてしまった。伯爵自身は乗り合わせず、離陸地のニュージャージ
ー州レイクハースト――ヒンデンブルク墜落の地だ――で飛行を見守る予定だと言う。

「南極上空遊覧飛行の旅」はアメリカ合衆国ニュージャージー州から出発し、途中アルゼ
ンチンで物資と燃料補給を受けてから南極上空を3日間遊覧、その後は全速力で帰路に就
き、生産国のドイツで着陸するという。全日程7日間豪華遊覧の旅だ。
 広大な容積を誇るゴンドラは、その殆どを娯楽施設と客室で占められている。飛行船と
いうよりも、空に浮かぶスウィートホテルと言ったほうが正しいだろう。

 ツェッペリン・ルフトハンザ社この旅程の成功により、飛行船による観光ビジネスは
一気に注目を浴びることになると強きの姿勢を見せている。


      ―――エアシップ・マガジン11月号特集『再浮上するツェッペリン』より抜粋

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