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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五

1 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2005/09/14(水) 04:32:37
ここは吸血大殲の闘争会議を行う場所だよ。
基本的に、第三者の口出しは厳禁。
闘争とは、その当事者によって進められるモノだからね。
文句、感想、突っ込みも、本スレで脚光が浴びるときを待ってるように。

長引きそうな闘争は、各自専用のスレを立てることをお薦めするね。
そっちのほうが、やりやすいはずだから。

247 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 01:46:50
遅くまでお疲れ様。
さっそく導入を拝見したわ。

フォッカーD.VIIとはまた良いセンスねぇ。
うんうん。この時代の飛行機は優雅でいいわ。
もちろん後世の物もそれぞれ美しいんだけど、複葉機ならではの優美さというものが―――。

―――ごほん、ええと。
そ、そうそう。バミューダトライアングルってスキマみたいよねぇ。
実際に行方不明が続発しているみたいだし。理由は様々みたいだけど。

うん。そうね。場所の想定等に要望や質問は無いわ。
どっちが撃墜されて地面に激突しても、人や人以外に被害は出なさそうだし。
私の側は適当にふよふよと散歩していたことにすれば良さそうね。
満月を眺めながら散歩。

戦闘の口火はすぐに切ったほうがテンポがいいかしら。
私は空中で制止できるけど、飛行機はそうもいかないでしょう?
モーラの心境にもよるだろうけど、ずーっと旋回しながら私と会話する絵面ってちょっとシュールな気がするわ(何

ああ、でも満月かあ。私もちょっとルナティックプリンセスになるかもね。あはは。

248 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 01:49:29
>私は空中で制止できるけど

私は空中で「静止」できるけど、ね。
カッコ悪いわねぇ、これ。本番じゃもっと気をつけないと。

249 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 02:43:31
大幅に加筆するから、でも大筋は変えないからその辺は安心してくれていいわ。

最初はフェアリーにしようと思ったの。
でも、あれは雷撃機だからドッグファイトなんて無理無理ね。

苦しい設定よ。
でも、それいうなら既にキャラのレシオ差が100:1ぐらいあるからね。
それに比べればこんなものは誤差の範囲よ。
そして、ほら、言うじゃない、足りない部分は勇気で補えって。

状況は了承ってことね。
じゃあ、このまま進めるわ。

私は或る程度近づいたところで銃撃するつもり。
理由は満月光線とか、まあ、色々作れるしね。

会話はお望み?
私はお望みなら考えるわ。

250 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 03:05:45
ええ、了解よ。大船に乗ったつもりでいるわ。

フェアリー……ソードフィッシュ?
確かに名機だけど、海が無い幻想郷じゃあ役に立たないわね。

ひゃ、100:1?そんなに差があるの?
私だって肉体的にはほとんど人間な上、戦闘技術も高くは無い……はず。姫だしね。
まあ別に、キャラの性能差が戦力の圧倒的差じゃないとは思うけどね。
貴方の言うとおり99%は勇気で補えるし。


うん、貴方の行動と場の状況についてはわかったわ。
会話はそうねぇ。ちょっとあった方が面白いかも。

251 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 03:13:15
次の夜までに仕上げるわ、何とかね。

だって、モーラは仮面ライダーでいう蜘蛛怪人も倒せないレベルよ?
基本全部不意打ちとかそんなのばかり。
大殲でも地味で使用率はとってもひくかったわ。
だから、使うのですけど。

それじゃ、今夜はこれでやすむわ、おやすみなさい

252 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 03:48:20
ええ、了解よ。でも、無理はしないで頂戴ね。

なるほどねぇ。
わかり易い例えね。ありがと、大体想像がついたわ。
―――見た目は知っているけど、モーラの中身や能力は貴方から得た情報しかないから。
イメージしやすくなって助かるわ。

じゃ、お休みなさい。またね。

253 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:24:46
 フリッツ、後背の山から施設への侵入は?

『難しいぜ。ざっと調べてみたが、施設まで最低でも五重の警戒網が施設まで存在する上、
 警戒網の中身がはっきりしねえ。日本の時の様にはいかねえよ」

 海からの侵入は?

『船、ボートの類はまず見つかるな。こっちも警戒の仕方が尋常じゃねえ。幾つもの巡視船が
 常に徘徊してる状況で突っ切るのは無謀だ。海中は論外、シャークヴァンプが放されてる。
 サメの餌なんて、笑えないジョークだ。増して、帰路も確保しないとならねえ。厳しいぜ』

 空からは?

『対空レーダーがネックだな。グライダーとかも考えたが、これだと帰路が確保出来ねえ。
 施設に侵入してサンプル奪取が今回の仕事だ。帰って来れねえと意味がねえ。ドンパチは
 あくまで最後の手段だな』

、確実に、悟られずに、且つ離脱も兼ねる手段を模索しないといけない訳ね。

『―――――何とか出来ない訳でもないんだが』

 それは?

254 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:26:04

「……まさかこんなものを調達してくるなんて、ね」

 目の前に鎮座する黒き巨鳥を見て、モーラは嘆息する。彼女が今宵身に纏う漆黒のド
 レスは、WW1最良の戦闘機と名高いドイツの複葉機『フォッカーD.VI』。この機体
 は運動性、旋回性、操縦性が高い次元で調和しており、そのもつ牙は多くの敵機の
 喉笛を食い千切った。その余りの優秀さに戦後、戦勝国たる連合国側がこぞって入
 手したと言う逸話を持つ機体である。

 とはいえ、これは一世紀前の骨董品である。日進月歩の進化を遂げている航空機の世
 界から見れば、遊覧飛行等ならいざ知らず、現代の実戦で使おう等とは狂気の沙汰と
 言っても良い。しかし、今、滑走路に佇む二人のヴァンパイアハンターは勝算があっ
 てこそ、今宵、挑むのだ。その勝算とは………

『この機体なら低空飛行をしていれば、レーダーにかからねえ。何せ金属製のパーツが
 大して使われちゃいねえからな。後は空域内に侵入後はエンジン切って、音も無く滑
 空すれば、そうそう気づかるものでもねえ。そして、夜間用に黒く迷彩を施してある。
 今日は月が出てねえし、目視でも補足は困難だろう』

 ええと頷いて、少女はひらりとコックピットに身を躍らせ、ぐっとペダルを踏み込み、
 出撃の口火を切る。BMWエンジンへと確かにその意思が伝達され、ぐるぐると機体
 は唸りをあげはじめる。連動して、回転計、エンジン温度計も0から10、20とデ
 ジタル/視覚的にテンションを漲らさせて、その高まる怒気がプロペラを回していく。
 
 ……………そうして、コックピットから見える風景が少しずつ流れていく。怪鳥が空
 に飛び立つ為の疾走体勢へと入ったのだ。

『後は無線でサポートする――――幸運を祈る』

 進路は15キロ南西。
 北緯33度、東経62度、目標バミューダ諸島D島イノヴェルチ施設。

 ―――――Fly High!

255 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:28:42

「フリッツ、霧が出てるわ」

『んだとぉ。今の時分に霧なんて出る筈が………。視界の確保は出来てるか?』

「一応は。でも変よ。今、高度500Mで飛んでるけれど、目下の島々が見えないの』

『奇妙だな。今の場所がどこか分かるか?』

「――――コンパスが無茶苦茶に回ってるわ! 下は海面の筈なのに、此処は……森?」

「詳しく説明しろ! 異常な事が」



――――――――――――

256 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:29:04

 全てが異常だった。海の上を飛んでいた筈が何時の間にか鬱蒼とした森の上を滑空している。
 曇り空で星ひとつ出てなかったはずなのに煌々と輝く満月。その光は今まで見た事が無い
 ぐらい冷たく怪しく光っていて、ダンピールの少女はその光に魅入られ亡(ぼう)と我を
 忘れた。

 しかし、その忘我も一瞬。更なる怪異が少女を覚醒へと促す。空にぼつんと黒い点が1つ。
 常人ならば、見落とすに違いない其れをモーラは己が瞳に捉えていた。

「人が浮いてる……?」

 相対距離300M
 其れは真っ当なヒトガタをしていた。翼を持っている訳でもない。二の足で確か空に立って
 いた。地に立つ筈の足が宙空を踏みしめている。何とアンバランスな構図である事か。
 相対距離200M
 其れは威風堂々たる体躯をしている訳でもない。表現として一言で述べるのであれば、可憐
 な人形といった所。そんな風貌の少女が浮いている。高度計を見るとその針の示す300M。
 それだけの高さの所に見た所、如何なるモノの助けを借りずに存在している異質。
 相対距離100M
 今まで相対してきた命を啜る異形、キメラヴァンプ。明らかにそれ等は人外の様相を呈して
 おり、鬼気を放っていた。しかし、其れは違う。状況は異常そのものであるのに、其れから
 は何も感じない。透明な異様さが逆にモーラの危機感を刺激する。
 相対距離50M40M30M…………口から漏れた言葉。
 
「貴方は敵?」
 
 其れから決して見えることはないが、モーラの指は無意識に機関銃のトリガーにかかっていた。






257 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:29:37
大遅刻!
ごめんなさい。

一応これで導入としたいけど、どうかしら。

258 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:15:25
いえ、こちらこそ確認が遅れてごめんなさいね。
―――うん。この導入で了解よ。

ただ、本当に細かくて申し訳ないんだけど、フォッカーは『D.VII』ではなかったかしら?
……小姑みたいね、こういうの。


259 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:22:05
いいえ、こっちが一日遅刻だし(苦笑

ミスは本スレ掲載時に修正しておくわね。
後加筆することは(撃墜された後の)武器を積み込んでましたってことぐらいね
本文中の建前だと施設潜入時の武装になるけれど。

260 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:23:24
貴方はどう対応してくれてもいいわ。
大体目測3〜4レス程度で撃墜されるつもりだしね

会話したいなら、お好きに。
ガンダム風カットイン的なイメージなら距離なんて無関係に会話できるとおもうし

261 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:23:50
疑問点、要望があったら遠慮なくいってね
可能な限り応えるわ。

262 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:30:54
遅刻なんて気にしないで頂戴。
私は永遠の暇人だから。一日や二日の遅れなんて何ともないわ。ふふ。

うん。じゃあ、お言葉に甘えて。
まずは会話を少々させてもらうわね。


そうねぇ、今のところ疑問点や要望は無いわ。
やっているうちに浮かぶかもしれないけど、それはその時に。

263 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:34:20
では、次の夜から本格的に始動しましょうか?
時間帯は完全に貴方にあわせるわ。
次の夜から待機してるけど、それでいいかしら。

264 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:39:55
ええ、そうしましょう。
基本的に22時〜23時には来るわ。
来られそうにない時は、前もって言うようにするからね。

265 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:45:20
わかったわ。
楽しく踊りましょう。

私は一回仮眠をとるわ。
それではお疲れさま。。

266 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:48:21
こちらこそ。
お手柔らかにお願いしますわ。

―――お疲れ様。無理はしないでね。
私も一旦休むわ。じゃ、またね。

267 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 22:13:52
とりあえず、待機ね。

268 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 22:33:33
お待たせ。
仮眠したら寝すぎちゃったわ。

269 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 22:51:26
こんばんは。まあ、今はお布団が気持ちよすぎるから気持ちは分かるわ(何

で、次は貴方のターンになるけど、それはいい?

270 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 22:57:10
こんばんは。
この季節は猫じゃなくてもコタツで丸くなっちゃうわね(何

ええ、良くってよ。
こちらから手は出さないつもりだけど。

そうそう、ひとつ質問なんだけれど、貴方は文花帖はやったことあるかしら?

271 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:05:34
あるわよ。
確かレベル8までコンプして力尽きてたはずね。
でも貴方の金閣寺の凶悪さは聞き及んでるわ。

272 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:09:06
なるほど。わかったわ、ありがと。
……金閣寺はねぇ。自分でもどうかと思うわ(何

273 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:14:08
趣味全開で作るとああなるという見本ね。
まあ、もう製作者には過去の遺物なんでしょうけど(何

じゃあ、まったり待ってるわ。
急がなくていいわよ、どうせ一日〜二日で1ターンなんだしね。

274 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:24:04
製作者いわく、「アレ、そんなに難しいですかね?(意訳」らしいわ。
―――まあ、過去は振り返らない主義だしね、製作者の彼。
号外なんて夢のまた夢よ。

あ。
一応、私のレス案はできてるからこっちに貼っておくわね。

275 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:30:03
幻想郷、迷いの竹林内。永遠亭。

この日、私は優曇華の鉢がある部屋で静かに書を読んでいた。
久しぶりに何処にも出かけずに、ただひたすら書を読む。
今日はそういう日にしようと決めていたのだが……流石に夕刻を過ぎると、目が疲れてきた。
如何に不死の身であるとはいえ、疲れも痛みも感じる。本当に不便極まりない。
……我ながら難儀な体だと苦笑しつつ眉間を軽く揉む。
そして。ふと、床の間に置いてある優曇華の鉢に目をやる。
ちょうど月光が当たるように調節されたその場所で、優曇華は鈍く輝いていた。

―――優曇華とは「穢れ」を取り込んで成長し美しい玉を実らせる植物の名であり、
その玉が生った枝のことを『蓬莱の玉の枝』という。
この玉の枝は七色の美しい玉とバランスが取れた枝振りの、まさに神宝と呼ぶに相応しい一品である。
また、地上では非常に高価なものとして扱われる宝の一種でもあった。

私は火鼠の衣など、様々な「宝」と呼ばれる品々を所有してはいるが、これらは所詮コピー品だ。
いつ何時、弾幕勝負を仕掛けられるかわからないため、
これらコピー品も一応『スペルカード』という形にして常時持ち歩くようにはしているが、
通常弾以上の威力はあるものの、決め手に掛ける。
元々避けられるようにしているという点もあるし、そもそも火力が足りないのだ。
だが、『蓬莱の玉の枝』は私が唯一持っている本物だ。
これは一振りすれば色とりどりの弾幕も放てるスグレモノでもあるため、護身用としていつも肌身離さず持ち歩いている。
弾幕ごっこ以外の用途―――滅多には無いだろうが、本気の戦闘の時に備えると言う意味も、あるにはある。
もっとも、これはずっと昔から持っているため、懐に無いと落ち着かなくなってしまった、という理由も大きいのだが。

―――『蓬莱の玉の枝』と言えば。ずっと昔にこれを持って来いという難題をだしたことを思い出した。
あの地上人の名は……確か、車持皇子……。
そしてその娘が―――腐れ縁のアイツ。思えば思うほど、長い縁だ。
今は少々変わってきたから楽しいが……。

―――などと、益体も無いことを考えていると、外から兎たちのはしゃぐ声が聞こえてきた。
読書と思索に耽り過ぎてすっかり失念していたが、外の様子からすると満月の夜に行われる祭り、例月祭は滞りなく終わったようだ。

「―――ふう。優秀な従者やペットがいると楽で良いわ」

祭りに参加できなかったことを残念に思いつつ縁側に通じる障子を開けると、
そこには私の従者兼恩師兼その他諸々である、八意 永琳が立っていた。

「輝夜、ようやくお出まし?もう例月祭は終わってしまったわよ」

永琳は呆れ顔をしながら、肩をすくめた。
私はそんな永琳の態度に少々腹を立てながら、文句を言い返す。

「声を掛けてくれても良かったんじゃない?いくらなんでも私抜きで祭りを進めるなんて酷いわ」

「掛けました。始める前に何十回もね。それなのに返事が無かったんだから。仕方ないでしょ?」

「……。」

即答された。どうやら、こちら側に完全な過失があったようだ。
返す言葉も見つからず、しばらくの間沈黙が訪れる。
確かに声を掛けられたことに気付かなかった以上、
月見団子にありつけなかったりや兎たちの音楽を聴きそびれたりしたのは自業自得だとは思う。
普段ならそう納得して、大人しく寝所に帰るのだが―――。
何故か、この日は苛立ちが収まらなかった。もしかしたら、満月に少々あてられたのかもしれない。

「……永琳、ちょっと散歩してくるわ」

強い調子で、宣言をする。

「こんな時間から?……まあ、いいわ。行ってらっしゃい」

こういう時の私には何を言っても無駄だということを、永琳は良く判っている。
半ば諦めたような口調で、あまり遅くならないようにね、と付け加えた後自室へと戻っていった。

私は永琳の言葉を聞き流し、夜空へと飛び立った。
行き先は決めず、適当にぶらつくことにしよう。

276 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:30:51
この日は、満月だった。
何回も何十回も何百回も何千回も何万回も繰り返されてきた、普段通りの満月。


ただ、一つ。普段通りではなかったことと言えば。
その満月を眺める場所が普段通りの永遠亭の縁側ではなく、
黒白や七色の人形遣いが住んでいるという魔法の森の上空であったと言うことだけ。


永遠亭を飛び出して適当に飛んでいたら、こんな場所に来てしまっていた。
あまりなじみの無い地区ではあるが、静かで良い所だ。
ハッキリとした満月を見つつ、暫くこの辺りをぶらつこうか、と考えていたとき―――違和感に気付いた。
―――?
なんだろうか。微妙に空気が振動している。
耳を澄ますと、何かが風を切っている音も聞こえてきた。

まさか、と思う間もなく、レトロな航空機が視界に入ってきた。
動力を切っているようではあるが、あれは間違いなく外の世界の人間と機械だろう。
そもそも、この地には空を飛ぶ機械というものは存在しない。
空を飛ぶ人間はいくらでもいるが。

さて。見たところ、あれは私に向かって飛んできているようだ。
せっかく出会えたと言うのに、避けてやり過ごすのも面白くない。
かといって、こちらから話しかけた挙句に驚かれて墜落でもされたら困る。
うーん、どうしたものか……などと悩んでいるうちに、あちらから声を掛けてきてくれた。
これは渡りに船。早速会話を―――。
って―――敵?物騒なヒトねぇ。

「あら。どうして初めて会った貴方と敵対しなければならないのかしら?
 私は貴方を敵視する理由が無いんだけどね」

ふわふわと空中に浮かびながら相手に視線を向ける。
相手の顔は視認し辛いが、どうやら人間のカタチをしているようではある。
まあ、身なりが人間でも人間以外の可能性が大きいのは言うまでもない。

見知らぬ土地に迷い込んで、空を飛ぶ人間を目の当たりにしたと言うのに、あの冷静さ。
多分普通じゃないはず。ちょっとは警戒した方がいいのかしら?
でも、うーん。見ただけじゃ良く判らないわ。
私も鈴仙みたいに相手の殺気が読めたりすればよかったんだけどねぇ。
生憎私は荒事担当じゃないし、その辺りの勘は鈍い自信があるのよ。困ったことに。

「初めまして、外の方。ようこそ幻想へ」

ま、それはそれとしてまずはご挨拶。
月を背に、微笑を浮かべて相手方に手を差し出す。
手に手をとって仲良くなれればそれでOK。
もしそうでなければ―――。

277 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:33:55
と、こんな感じなんだけど……どうかしら。。

278 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:40:31
確認。
なるほど、なるほど。
闘争を申し込んだ私の目は節穴じゃなかったわね。

後はこっちがどう因縁つけて攻撃するかを書かないといけないわね。
明日の夜までにはあげるけど、それでいいかしら?

そして、私の導入と貴方のこれを今から貼ろうとおもうけれどいい?

279 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:48:03
そう言って頂けると非常に光栄ね。
同時にちょっと怖いけど。

ええ。よろしくお願いするわ。
……ごめんなさいね。投げっぱなしで。

あ、いえ、私の分の貼り付けは自分でやるわ。
流石にそこまでやってもらうのは悪いもの。

280 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:54:39
吸血大殲第59章  交差する『血の軌跡(ブラッドローカス)』
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/

貼り付けてきたわ。
では貴方の分をお願いね。

281 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 00:05:44
確認。

あ、次から相手のレスには>>*みたいに指定をつけてね。
どうせ一まとめだからこれは問題ないとはおもうけど、一応ね。

282 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:06:14
確認&貼り付け完了よ。
さあ、それでは改めまして。

一緒に、踊り狂いましょう。

283 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:07:59
ああ、ごめんなさい。
次からは気をつけるわ。

284 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 00:10:41
そうね、いい闘争にしましょう。

では又明日の10時に会いましょう。
お疲れ様。

285 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:12:19
ええ。
また明日に。またね。

286 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 22:24:15
こんばんは。今書いてるけれど、戦端を開くにあたって1つ確かめたい事があるの。
満月光線にしようかと思ったけれど、それだけじゃ微妙に弱いのよね。
プラスアルファをいれようとおもって。

貴方の瞳って覗き込んだら傍目から見て常を逸してると思う?

287 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 22:55:37
こんばんは。

瞳?そうねぇ。
色は赤いし、普通ではないように見えると思うわ。
狂気をはらんだ瞳と言ってもいいかもね。

288 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 23:07:37
ああ、それなら何の問題もないわ。

これで最大の難関は解決ね。
日付が変わるまでには何とか仕上げられるとおもうわ。

289 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 23:16:11
設定的にも、私は「狂気のお姫様」だからね。
曲名にも現れているでしょ?

ああ、そんなに焦らなくても良いからね?
別にすぐ終わらせようって思わなくてもいつかは終わるでしょうし。

そうそう、明日なんだけど、こちらに来るのが12時を過ぎてからになりそうなのよ。
ごめんなさい。

290 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 00:42:36
 相対距離20M
 『敵ではない』
 『外の方』
 『幻想』
 相対距離10M
 『敵ではない』→イコール味方とも限らない。
 『外の方』→モーラ自身の事だろう。外という言葉が意味するのは転じて異端?
 『幻想』→言うまでも無く、人が宙に浮くのは幻想(ゆめ)に他ならない。

 現状、得られた鍵(キーワード)は三つ。現実への回帰という扉をこの鍵を元に開かな
 ければならない。
 
 注.制限事項。現在の燃料計の目盛りは半分強。これが即ち残された砂時計の砂となる。
 これが落ちきる前に状況を打破しなければならない。
 
       〜〜〜ニアミス(異常接近)〜〜〜
 
 そして、私は見た。其れもとい彼女の瞳を。ほんのりと紅く染まっている瞳。紛れも無く、
 それは今まで幾度と無く見てきた捕食者、蹂躙者、陵辱者の色と類を同じくするもの。
 命に価値を見出さず、己の愉悦でその灯火を消し去る化け物どもがその瞳に宿す狂気色。
 
       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 其れと機体が交錯し、何事も無く様に過ぎ去り、再び両者の距離が開いていく。
 
 相対距離10M
 『敵ではない』→イコール味方とも限らない→少なくとも私にとって敵になりうるもの
 『外の方』→否、何時だって自分の様な存在は異端なのだ。歓迎される居場所は何処にも無い。
 『幻想』→狂想を無に返すのが己に課した役割。
 
 相対距離20M
 
 「分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは」
 
 相対距離30M
 スロットルを倒す。少女の開戦の意思は電気信号となって幾つもの回路を通じ、しばしの間、
 惰眠を貪っていたフォッカーの心臓を刺激。覚醒した機体は獰猛な唸り声と武者震いを以って
 乗り手へと応える。今まで風の流れに任せて滑空していた黒鳥が自らの力で宙空を疾り出す。
 
 相対距離80M/時速30キロ
 相対距離340M/時速60キロ
 相対距離500M/時速120キロ
 
 距離と比例して、加算されていく速度。充填されていく戦意。その意思をそのまま動作へ還元。
 操縦桿を思いっきり右へ押し倒す。命に従い、機体は右方向へと急速旋回。少女の痩躯にぐん
 とかかるGが確かな実感を以って、これからの死闘を予感させる。

 相対距離230M/時速100キロ/高度300メートル

 レバーを下へと引き倒し、暴れる機首を叱り付け、尚も微調整を続けながら標的方向へと固定。
 旋回時に機体姿勢は右傾40度でそのまま疾空。言うなればぐるりと円を描く航空軌道。
 
 「DUST TO DUST」
 
 宣誓と共にトリガー。2丁のシュパンダウ製LMG08/15 7.92mm機銃が灼熱の鉄塊を乾いた音とも
 に吐き出す。一世紀前の骨董品とはいえ、300発/分、秒速900M、最大射程3キロと言う
 鋼の暴風は肉の衣をまとった人間サイズの相手ならば容易く肉片に引き裂いてしまう程度の威力
 は持っている!500M先の標的等次の瞬間には逢えなく粉砕しているだろう。
 
       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 トリガーの瞬間に計器に映った私の瞳。光の反射か紅く染まっていた。
 コックピットより、虚空に見える月は先よりいっそう透き通って怪しく輝いていた。
 たぶん、きっと、気のせいだろう

       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

291 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 00:44:23
とんでもないミスしてて遅くなったわ。
ごめんなさい。
最大の難所は越えたから、あとはそれなりにはやいとおもうわ。


で、旋回して攻撃。宣戦布告ね。
宣戦の理由は満月光線と瞳。

モーラはハンターだけど父親が腐れ外道(笑)吸血鬼で紅い瞳って
割とトラウマなの。
まあ、今回そういうのをかくと蛇足だから書かないけど。

292 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 00:58:54
確認したわ。

ふむふむ。紅い瞳にトラウマ、ね。
良いわね、問答無用っぽくて。
攻撃されたからこちらも反撃するわ。

それじゃ、こちら側も
明日のこの時間くらいまでには上げられるようにするから。

293 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 01:03:21
本スレに貼ってきたわ。
後は好きに料理してあげて。
どうせ撃墜って結果は変わりないからね。

それではお疲れ様。
向こうともども今後ともよろしくね。

294 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 01:24:57
確認完了よ。

あ、そうそう。
ちょっと聞きそびれちゃったんだけど、不死属性を使うのはありなのかしら?
勿論、無限に復活するつもりはないわ。
ちょっと演出上、ね。

295 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 01:27:37
全く問題ないわ。

296 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 01:48:51
わかったわ、ありがと。

その辺りも考えながら……ね。
うん、何だか案が浮かんできたわ。

それじゃ、私はそろそろ休むわ。またね。

297 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 23:53:12
>>863 >>864 >>865

返答の無いまま、レトロな飛行機は接近してくる。
攻撃を仕掛けてくる気配はない。

―――冷静なように見えたけど、結構びっくりしちゃってるのかしら。
ああ、驚きのあまり声も出ないっていうのもありえるわね。
そりゃ人が何の補助器具も無しに飛んでいたら、声も失うわよねぇ。


……などと考えながら一人で頷いていると、飛行機は目の前まで接近してきていた。
そして、一瞬―――操縦席の彼女と目が合った。


「あら、可愛い」


そんな呟きが零れてしまうほど、華奢で可憐な、可愛い女の子。
外からの訪問者は私の見た目と変わらない程度の年齢の少女であった。
それに、一瞬だったので詳しくはわからないが、外見は普通の人のように見えた。
少なくとも背中から羽が生えていたり、頭に角を生やしたりはしていないようだ。
どんな人や人以外が乗っているかと楽しみにしていたが、これは意外だった。
……少々肩透かしを食らったような思いで、通過していく飛行機を見送る。


―――あんな少女が飛行機に乗って幻想と現実の境界を越えてくるなんて。
あのスキマ妖怪の仕業かしら。
全く、あれは何を考えているの?
……まあいいわ、とにかくちゃんと話をつけて、外に返してあげないとね。


私は再び距離が離れてしまった彼女に声を掛けようとする。
しかし、それよりも一歩早く彼女から声が掛けられた。


>「分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは」


「な、何故そうなるのよ!」


私の慌てた声などお構い無しに、
彼女とその乗機は一体と化し、一気に速度を上げていく。
そして、ある程度離れたところで急旋回。
こちらに向かって突進してくる。


その行動には、明らかな殺意が込められていた。
鈍い私にもハッキリと感じられるほどの強い殺意が。


まずい、避けなきゃ―――。


―――機銃の発射音が聞こえる。
―――体に鉛弾が食い込む感触がする。


腕がちぎれる ―――久しぶりねぇ、こんなのは。
足が吹き飛ぶ ―――ああ、そう言えば銃撃されたのは初めてかもね。
腹に穴が開く ―――いつも炎で焼かれたり、刃物で切られたりばっかりだったし。
頭が砕け散る ―――あ、死んじゃった。





―――死んだままでいるのも面白くないし、リザレクションしようっと。
場所、さっきの所。再生するのは肉体のみ、衣服はそのままでいいわ。
ふふふ、あの子がそういうつもりならば、私もその気でやらなきゃね。



バラバラに飛び散った体だったモノが落下していく中に、再び人影が現れる。
ゆらり、と陽炎のように、先程とほぼ同じカタチの人間が出現した。
唯一つ違う点は衣服が銃撃を受けたかのようにボロボロになっていることだけ。



「ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった。
 ねぇ、貴方。出会い頭にいきなり人を殺すだなんて酷いんじゃない? ほら、服もボロボロになっちゃったし」


お気に入りだったのに、と頬を膨らませながら彼女に視線を向ける。


「まあ、弁償しろとは言わないわ。ただちょっと―――貴方に仕返しをしないと気が済まないけどね」


彼女に向けて手をかざし、先程撃ち込まれた鉛弾と同じ数だけの気弾を放つ。
ちょっとした『永夜返し』。

298 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 23:54:28
ううーん、やっぱり遅くなっちゃったわ、ごめんなさいね。

で、こちらからの反撃レスは取り合えずこんな感じ。

299 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:26:46
確認したわ。
本当にモーラが気の毒ね(他人事っぽく

ちょっと確認。永夜返しはどの段階の弾幕をイメージしてる?

300 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 00:33:41
可愛い子ほどいじめたくなるのよ(何

そうね、イメージ的には一番最初の「待宵」ね。
たくさんの細かい弾が飛んでいく感じがするから。
ただ、あくまでイメージだけ。永夜返しそのものじゃないわ。

301 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:41:42
分かったわ。

大体3〜4レスぐらいで撃墜される予定だし、
どんどん苦戦するから大丈夫(何が

貴方のレスを本スレに貼ってくれるかしら。
私のは明日の夜までにあげておくわ。

302 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 00:49:30
了解、貼ってきたわ。

あ。
うーん、ちょっとタグが失敗してるから、後でまた貼り直すわね。
もちろん、内容には変化なしよ。

それじゃ、またね。おやすみ。

303 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:50:35
ええ、お疲れ様。

304 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 22:28:44
こんばんは。

ひとつ質問いいかしら。
貴方の場合のリザレクションってどんな感じ?
妹紅は火の鳥が出るけど、普通(?)に周囲の空間がゆがんで再生みたいな感じ?

305 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 22:48:19
こんばんは。今日も良い夜―――とは言えないわね。
天気が悪いもの。

そうね。
私の場合は貴方の言ったようなイメージ。
地味で嫌になるわ(何

306 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 22:57:20
なるほど、ありがとう
また積極ミスをするところだったわ
あと20〜30分ぐらいであがるわ。

307 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 23:02:15
いえいえ。

私も妹紅みたいにわかりやすい復活の方法があればよかったんだけどね……。

308 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:44:37
 百年前とはいえ、元々は対戦闘機をも想定した武装である。人間が直撃すればこなみじん。
 化け物でも、その構成要素が血と肉である限りは結果は人間の場合と変わらずこなみじん。
 夜族(ミディアン)の再生能力は侮れないものがあるが、頭や心臓を含めた五体に百を超
 える鉛弾を撃ち込めば、一度の肉体の復元の余地無く、死の坂へ転落、塵へと還る。これ
 は生死を超越した夜族とて逆らう事の出来ないルール。

 故に標的は鋼鉄の暴風を動いて避けるしか選択肢はありえなかった。上か下か右か左か、
 避けた方向に対して追撃を加え、回避する余地を狭め、追い詰めて狩り倒す。………少な
 くともモーラはその様にこの戦いの流れを想定していた。

 しかし、結果は予想の斜め上を行った。フォッカーから放たれた鋼の牙は標的を一切の容
 赦・慈悲無く食い破ったのである。標的の身体が肉片と形を変え、更にその肉片を弾丸は
 幾度も咀嚼していく。腕や脚、頭であったものが血煙と共に百の肉片に堕ち、更に千の塵
 となって虚空に消えていく。



 「や、やったの……?」

 想定外の結果を受け、一瞬の自失の後に少女の口から漏れた言葉。しかし、狂った幻想の
 中での現実は容易くモーラの問いを明確な言葉と現象を以って否定する。

 其れの居た空間がぐにゃりと歪む。歪みから発生する点、一次元。転じて広がる線、二次
 元。絡み合う立体、三次元。瞬間で超えられる死と出つる生、四次元。そして、其れから
 告げられる宣戦の意。

 『ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった。
  ねぇ、貴方。出会い頭にいきなり人を殺すだなんて酷いんじゃない?
  ほら、服もボロボロになっちゃったし』

 『まあ、弁償しろとは言わないわ。
  ただちょっと―――貴方に仕返しをしないと気が済まないけどね』


 驚愕に身を任せている暇は与えられなかった。其れがすっと手をかざす。その手には何も
 無い、引くべきトリガーは存在しない。だというのに、其れの掌から放たれる白色の玉の
 奔流。幾重もの玉は怪異というには妖しく、異常というには一瞬見惚れる程の輝きを持っ
 ていた。しかし、それらは確かな圧力を持ち、幻想(ユメ)でも何でもなく現実(リアル)
 に他ならない。まともに巻き込まれれば今度はモーラが虚空に消える事になるのは必定。
 
「く………っ!」

 無駄口を利く時間等ありはしない。操縦桿を力の限り更に右に押し倒し、スロットルもマキ
 シマムへと同時に転ずる。機体の描いていた緩やかな旋廻軌道が高速度を以って急角度へと
 変ずる。ぐるりぐるりと回る視界。その最中に二枚の布張りの左翼が激変する空気抵抗にミ
 シミシと音を立てて、その身を膨らませ、悲鳴をあげる。だが、この程度は耐えてもらわね
 ばならない。白い弾丸の束が機体の右側を抜けていくのを凝視。
 
 間髪入れず、操縦桿を下方向へと叩きつける。高度計がその数字を目まぐるしく300台か
 ら200台前半へと減じていく。眼下に見える地上の森が一際大きくなったかの様な感覚。
 強力なGに黒鳥の騎手も一瞬の眩暈を覚えるほど。

 しかし、これだけの機動の間も機首は常に標的に向けられていた。この飛行機は元々は相手
 の身を引き裂く為だけに作られている。その役目を真っ当出来るとなれば、機体も乗り手も
 多少の重圧、負荷等は意に介するまでもない、否、意に介してはならない。果たされるべき
 目的は既に設定され、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)があるのみである!

 相対距離400M/高度200M/時速150キロ
 
「だったら、何度でも塵にするわ!」
 
 再び、怪鳥の嘴に在る重機関銃がけたたましく叫びだす。当たれば塵になるのは既に確認。そ
 れなら何度でも一瞬の猶予も与えず、無に還し続けるのみ。今度の鋼の咆哮は止まない、止め
 させない。モーラをレバーを上に倒し、期待に再上昇を促し、トリガーを引き続ける。
 
 作戦はいたってシンプル
 其れとの相対距離を詰めながらひたすらに撃つ、撃つ、撃つ!

309 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:46:37
みょんに時間がかかったわね。
ごめんなさい。

まあ、死亡フラグが微妙にはいったりしてるけど、どうせモーラだしね(何

急旋廻→急下降で回避。
無茶な制御をしながら、急上昇して撃ちまくり。
次で被弾させようかしら(何

310 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 23:56:36
いえいえいえ、気にしないで。

ああ……(遠い目
まあ、良いんじゃない?
死亡フラグは立てたのに生き残るっていうのも一興でしょ。

ふむふむ。了解よ。
じゃあ、次は当てる気で撃つわ(何

311 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:58:17
本スレにあげてきたわ。

じゃあ、後は精々いぢめてあげて(何

312 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/27(水) 00:17:08
確認完了。

それじゃ、明日の夜までにはあげておくわ。

313 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/27(水) 17:13:10
ごめんなさい、ちょっと今日の夜は顔を出せそうに無いわ。
申し訳ないけれど一日、時間を頂戴。
木曜には来られるようにするから―――本当にごめんなさいね。

314 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/27(水) 22:36:04
分かったわ。
私から申し込んだ闘争だし、気にしないで。

315 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/28(木) 14:54:06
ああ、もう、何度もごめんなさい。
野暮用が思いのほか長引いてしまって。
2月中はこちらに顔が出せなくなってしまったわ……。

3月に入ったらこちらの問題が解決できると思うから。
本当に申し訳ないわ……。

316 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/28(木) 23:37:21
二月って言ってももうおしまいだし、大丈夫よ
時間が出来たらで構わないから

317 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 21:50:36
>>867

当てるつもりで放った趣旨返しの弾幕。
最悪、直撃はしなくともダメージくらいは与えられるだろうと踏んでいた弾幕を。
彼女と相棒は無茶な機動でかわして行った。


―――驚きに目を見開きつつも、口元は自然と緩む。
久しぶりに、本当に久しぶりに、楽しい戦いが出来る。
因縁だとか、ルールだとか、そういった一切のものに縛られない戦い。
私は戦いを好みはしないけれど……それでも、血沸き肉踊る気がする。
きっとこれも満月の所為に違いない。そういうことにしておこう。


「―――なかなかやるじゃない。外の人間も捨てたものじゃなさそうね」


相手は一気に急降下した後、一転急上昇。
距離をつめながら再び銃撃の体勢に入った。
微笑みを浮かべたまま、その機動を眺める。


>「だったら、何度でも塵にするわ!」


彼女が叫ぶ。
でも、そうは問屋が卸さない。


「そう何度も塵にはなりたくないわねぇ。痛いし疲れるのよ、再生って」


にこやかに返事をしながら、彼女達の射線から僅かに身をずらし、銃撃をかわす。


「うーん。その飛行機、美しいわね。是非私のコレクションに加えたいところだけど―――ゆずってくれって言っても聞かないでしょうね」」


ふう、とため息を吐いた後懐から一枚のカードを取り出し、通り過ぎてゆく彼女達の背中に向けて、宣言する。


「壊したくはないけど―――敵である以上排除しなきゃ仕方ないわね。神宝『ブリリアントドラゴンバレッタ』」


瞬間。カードに込められた術式が開放され、色とりどりのレーザーと弾が辺りにばら撒かれる。
よく見ればレーザーの発射される方向には法則性があるが、ばら撒かれた弾が回避を困難にする。
しかし難易度は勿論ルナティック。手加減など一切無し。


「果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?」


人類は難題を解くには十分な時を過ごしてきた。
だが、人類以外はどうだろうか?

318 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 21:51:01
お待たせ。
ごめんなさいね、中断しちゃって。
こっちの問題は大体カタがついたわ。

こちらのレスはこんな感じよ。

319 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:36:35
おかえりなさい。
私の記憶が正しければ、確か最初にして二番目に面倒な部類のだったかしら。

となると戦闘機の大きさじゃ隙間は縫えないわね。
じゃあ、撃墜フラグを立てるわ、そろそろ。

明日の夜にまで挙げるわね。

320 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:37:35
少し気になった点

>「だったら、何度でも塵にするわ!」

こういう引用タイプは余り大殲ではみないのよね。
普通に「 」、区別をつけるなら『 』でもいいかもしれないわ。

321 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 22:39:08
ただいま。
そうそう。一番最初のカードなのに避けづらいアレ。

ええ、わかったわ。
それじゃ本スレに貼ってくるわね。

322 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 22:40:18
あ、なるほど。
助言ありがとう。『 』に直してから貼るわ。

323 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:50:24
本スレへの投稿を確認したわ。
後2レスぐらいで撃墜されて地上戦に移行するつもりね。

明日はなるべく早く上げるつもりよ。

324 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 23:09:30
了解よ。
地上戦ね……ふふ、面白そう。

それじゃ、また明日ね。お休みなさい。

325 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 22:52:26
 手を翳せば極彩色のレーザーが幾重にも虚空を舞い、無数の花火が散る……なんてのは
 子供向けのアニメーションやコミックでの話。実際にそんな事は不可能な御伽噺である
 からこそ、人はその手に刃や銃器を携え、鉄火を以って化け物を殲滅する。そんな前提
 を嘲笑うかの様に其れは可不可の壁を飛び越え、色彩豊な光の線で描かれた立体絵図を
 この空域に具現化させる。その見た目の美しさとは裏腹にモーラが感じたのは戦慄だった。



 ありふれたブラウン管の中の出来事であれば、何時の時代もよく飽きないわねと一笑に
 付した所だが、今回は私がそのブラウン管の中に居る。眼に映る七色の光と白球は確か
 な質量があり、熱を持つ。直撃しようものなら、童話にある怒れる龍の顎に噛み砕かれ
 た哀れな獲物の様に塵ひとつ残りはしないだろう。迫る死の予感を前にして、背に冷た
 いものを走る―――――そんな中、投げ込まれる言葉。

 『果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?』

 ………そして、その言葉で理解否再確認した。確かに仕掛けてくる事は今まで見た事も
 聞いた事もない想定外の業。だが、その裏は今まで戦ってきた、殲滅した化け物どもと
 何等変わりはしない。何時も高みから見下し、他者を一方的に蹂躙し、その足掻く様を
 見て興じ、飽きればその命ごと廃棄。そんな事は許せないし、許さない。誰かが、私が
 負の連鎖を断ち切らなければならない。

 「その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!」

 相対距離350M/高度180M/時速140キロ

 三次元で複雑に組まれた光の迷路。翼を含め10M弱あるこの巨体では無傷で抜ける事
 は到底叶わない。そう、「無傷で」抜ける事は叶わない。迫る黄の光を避けるべく操縦
 桿を左へ。黒鳥は左へと翔ける方向を変え、今までに無く機体が上下に激しく揺れる。
 おそらくレーザーが機体の腹を掠めていったか。痛みにのたうつ機体にフルスロットル
 で鞭を入れ、更なる飛躍を強制させ、機関銃のトリガーは引きっぱなし。吐き出される
 鋼鉄の既に機体は殲滅の意思もこの狂った光の空間と比較してあまりに矮小。先程から
 機体の声色が微妙に狂って聞こえるのもきっとそれを身を以って自覚しているからか。

 相対距離250M/高度230M/時速170キロ

 各計器の数値が目まぐるしく変わる。詳細なチェックは既に必要が無い。狙いは既に明
 確。その目標に向かって機体を疾らせるのみ。操縦桿の上下左右による僅かな制御で赤
 や青で造られた光の隙間を押し通る。ただし、その隙間には幾つも小さな光球が障害物
 として敷設されており、侵入者を阻害する。

 相対距離160M/高度260M/時速180キロ

 狂ったパーティーのクラッカーがぱん、ぱんと弾ける音が聞こえる。その度機体が激し
 く、揺らぐ。コックピットから見ると、左翼右翼上下二枚ともところどころに虫食いの
 様に穴が開いている。空を翔る為に必要な翼が今砕かれつつある。しかし、それでも、
 問題は、ない。

 相対距離100M/高度290M/時速186キロMaximum

 神話では蝋の翼は大いなる光で溶かされ、墜落を余儀なくされた。現在、布張りの翼は
 幾つもの弾に撃ち抜かれている。その先の待つのは神話と同じ悲劇か。……NO。狩人は
 自身もそのエモノも目標殲滅の為のツールに過ぎない。墜落、あるいはそれに準ずる結果
 となっても相手を殲滅出来れば目標のひとつは達せられた事にはなる。


 そうして、縮まる、零に近づいていく距離、これが意味するものは。

326 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 22:53:07
なんだかんで微妙に時間かかってるわね(苦笑


見ての通り、KAMIKAZE
これ以上ない撃墜フラグとおもうわ

327 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:16:50
いえいえ、こっちも散々遅れちゃったしね。気にしないで頂戴。


確認したわ。
なるほど、ボロボロの機体で突撃ね。
撃ち落すと私も爆発に巻き込まれそう。


328 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 23:20:43
これでいいかしら。

ああ、地上戦があるからぶつかる前に飛び降りるわよ、中の人は

329 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:30:58
ええ、大丈夫よ。
こちらのレスは明日の夜にはあげるわね。

なるほどね。
飛び降り了解したわ。

330 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 23:39:26
本スレ867は最後の一行が抜けてたから、後で修正依頼しとくわ。
一応、報告ね。


どうとでもしてあげて。
これはもう結末は1つしかないでしょうから。

地上戦も基本は現代携行兵器のみ。
ひとつだけ未来武装を使うけど、それは以前の馬の代案。
まあ、たいしたものではないわ。

それではお疲れ様。

331 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:56:08
投下確認。
現代の兵器って、私にとっては珍しいから―――逆に戦いにくいかも。
月時代にそれっぽいものを見たことはある気はするけど、あんまり覚えてないから参考にならないし(何

じゃ、またね。おやすみ。

332 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/03(月) 21:55:40
申し訳ないけれど、ちょっと時間を頂戴。
考えてたのがどうしても気に入らなくて―――練り直すわ。
水曜日のこの時間にあげるようにするから……我侭言ってごめんなさい。

333 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/03(月) 22:15:38
分かったわ。
何か分からないとか戸惑ってるとかあれば遠慮なく言ってね。
慣れてないのは確実にあるでしょうから。

334 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/03(月) 23:16:30
ええ、ありがとう。
貴方がそうくれると言ってくれると本当に心強いわ。
気になったことがあれば、すぐに質問させてもらうわね。

それじゃ、ちょっと待っててね。
また水曜に会いましょう。

335 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 21:36:39
>>869

当たり判定の大きな機体だから、すぐにでも被弾して墜落していくだろうと想像していた。
良く避けてはいるが、現に被弾している様が視認できる。
だが、彼女とその相棒は一向に墜落していく気配がしなかった。
むしろ、こちらに向けられる殺気やら戦意は増している。


―――この弾幕を目前にして、気が萎えないなんてねぇ。
相当な修羅場をくぐって来ているみたいね。
見た目は私と変わらないくらいなのに。
一体、どんな体験をしてきたのかしら……。


彼女の機動を一歩も動くことなく、目で追いかけながら。
彼女の生い立ちなど、頭の中で色々な想像が浮かんでは消えていく。
……一瞬のあいだ思考の海に沈んでいた私を、彼女の叫びが現実に引き戻す。


『その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!』


狂っている、と断じられてしまった。
間違っている、と否定されてしまった。
だが―――。


「あら、私が狂っているのは初めから。間違っているのもまた初めからよ?
 私は狂気の姫であり、永遠の罪人なんだから―――あはははは」


手の中でスペルカードが燃え尽きていく。
効果時間終了寸前のその最後の数秒間、色とりどりのレーザーが発狂したかのごとくその数を増す。
笑い声と共に無数の弾が彼女と相棒に殺到する。


ばら撒いた弾が翼に風穴を開ける。
極彩色のレーザーが胴体部分を舐める。
しかし、それらは全て―――致命傷とはなりえなかった。
弾幕のことごとくをギリギリでかわされる。
急所に当たるはずの弾が当たらない。
落としたと思った瞬間、機銃を放ちながら目前に迫る彼女と相棒。
一瞬、背筋に寒いものが走る。
この感覚は「あの」巫女と対峙した時と同じ。


なんて―――楽しいんだろう。


「あはははは、いいわ、すごくいいわよ貴方! こんなにドキドキするのはあの夜以来!! 」


全身に鳥肌をたてつつも高く高く嗤いながら、気弾を放つ。

被弾、被弾、被弾、右腕脱落、被弾、左腕損傷、被弾、大腿部損傷、被弾、被弾、胸部損傷出血大

しかしそれらは全て無視。目の前の彼女らに集中する。
動き辛くなった左腕を相手に向け、さらに気弾を放出。

―――狙いは機体の心臓部。機首のエンジン、ただ一つ。

336 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 21:37:23
お待たせ。
こんな感じでどうかしら。

337 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/05(水) 22:41:42
お疲れ様
お見事、正直、驚いてるわ。
あのスレの人達は本当に侮れないわね。

それじゃあ、墜落させましょうか。
やっと地上戦、戦闘機は描写が資料が無くて本当に困ったわ(自業自得

338 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 22:47:48
あら、褒めてもらえるなんて光栄ね。
ふふふ、ありがと。


地上戦も楽しみにしてるわ。
じゃ、これを貼って来るわね。

339 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/05(水) 22:56:16
ええ。
では明日の夜、最悪でも明後日までにあげるわ。
私も少し柔軟にやってみようと思ったし。

340 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 23:02:41
了解よ。

それじゃ、またね。おやすみなさい。

341 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/06(木) 23:19:06
ちょっと調整で時間がかかりそう。
明日の夜になるわ。

後、もう地上戦移行フェイズまでこちらで進めていい?

342 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/06(木) 23:49:57
ええ、その辺りは全てお任せするわ。

焦らないでゆっくりやってね。

343 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/07(金) 21:56:44
ごめんなさい。
今夜立て込んでいて無理かもしれないわ。
どんな最悪でも明日の夕方までには仕上げるけど(苦笑

344 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/07(金) 22:07:57
ええ、わかったわ。
のんびり行きましょう。

345 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 20:52:45


  鉛の鼓動に
  背骨がきしむ…
  命の重さに翼は
  しなる…
  鉄の棺は音より速く、
  心の糧を過去へと飛ばす
 
 
 長い眠りから叩き起こされて、再び、飛べるとは誰も思ってなかっただろう。
 皆、倉庫の片隅で埃を被って、そのままゆっくりゆっくり朽ちていくものと思っていた。
 生き残って余生と言うと聞こえはいいが、創られた本来の意図から考えれば不本意そのもの。
 
 それが何の因果か再び空を翔け、果てには異郷の地を飛び、火花を散らす等、
 数多く創られた其れの同胞の誰もがした事のない経験に違いない。
 確率にして七百分の一、0.0014%以下で辿られた数奇な旅路。
 その果てもまた凄惨だった。
 
 
 被弾→四枚の翼、左右、上下、有象無象の区別無く孔だらけ
 被弾→孔から血の代わりにごうごう気流が吹き抜け
 被弾→更に増える孔、通る風の圧力は右肩上がり。本来の強度を失った翼は風の圧力に屈し
   ⇒右翼脱落
 被弾→当然、片方の翼も同じ
   ⇒左翼脱落間近
 被弾→胴の部分も見慣れない黒い点が無数。点から黒煙がブスブスと立ち昇る。
   ⇒右胴下部損傷拡大中
 被弾→既に空を飛ぶ為の体裁は何処にも成していない五体不満足、露になるビス止めの心臓
 被弾→慈悲も容赦も無く其処に突き刺さる光
   ⇒爆発、閃光
 
 ひとつの花火となって周囲を眩しく照らし、其れは本懐を遂げる。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 かくして空の舞台は掃けた。空も地に在る森も静寂を取り戻し――――ぼん、と下の森から
 二発目の花火が上がった。花火の号名は「毒針」。その針はおよそ1、5メートルと巨躯を
 誇っており、炸裂すれば、一発目の花火に負けず劣らず、派手なものになる事は疑いない。
 

346 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 20:53:34
 
 詰まる所、戦略は単純だった。殺しても蘇り、死なない。確かに前代未聞の脅威である。
 しかし、死なないと言う事はイコール倒せないとは限らない。

  ――――痛いし疲れるのよ、再生って

 死ななくても、あの化け物は確かに痛みを感じて、疲れもしている。。人並みというには
 おかしいが、感覚は確かに持っているのだ。なら、与える痛みと疲労の限度を超えさせれば、
 活路を開く事は可能だろう。後は残った手札で其れを出来るかどうかの問題だ。
 
 
 
 私は機体が爆発する直前にコックピットから武器の詰まったサック片手に眼下の森へと飛び
 降りる。高度三百メートル強、普通の人間なら確実に死ぬ高度。無論、化け物であってもま
 ともに地面に激突すれば原型を留めない肉塊になり果てる。
 
 しかし、幸いにも下は平地でなく森である。鬱蒼と茂る木々の枝をクッションとして、衝撃
 を緩和すれば、生き残る事も可能な筈だ。こういう時の為の無意味に頑丈な身体なのだから。
 
 そして、飛び降りる瞬間に私は人外の視力を以って『視る』。眼下の森を、否、森という総
 体ではなく、木々を見定める。どの木がより多くの枝を持ち、より盛大に茂っているか。
 つまり、クッションになってくれるかを選び取り、最も適していそうな大木に向かって飛び込む!
 
 
 
 ………着地までに要した時間は十秒足らず。枝がクッションになったとは言え、衝撃が零には
 程遠い。身体の節々ずきずきとが痛む。切り傷、打ち身多数、肋骨の何本かは折れている。左
 上腕部の骨はおそらく皹が入っている筈。それでも、問題は、無い。少し時間があれば、跡形
 も無く治ってしまう、そういう呪われた体なのだから。が、今はその少しの時間も惜しい。ア
 レには一切の猶予を与えてはならない。サックに手を伸ばして、『武器』を取り出す。
 
 FIM92 "Stinger"本体起動。右肩に固定。上空に浮かぶヒトガタに照準を合わせ、

 「塵は塵に!」

 トリガーオン。バスンと音がして、ミサイルが目標に向かって撃ち上げられる。本来は対戦闘
 機用の銃火器。人間に使えば跡形も残らない。


 ………一体、あと何回殺すのかしら

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