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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五

1 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2005/09/14(水) 04:32:37
ここは吸血大殲の闘争会議を行う場所だよ。
基本的に、第三者の口出しは厳禁。
闘争とは、その当事者によって進められるモノだからね。
文句、感想、突っ込みも、本スレで脚光が浴びるときを待ってるように。

長引きそうな闘争は、各自専用のスレを立てることをお薦めするね。
そっちのほうが、やりやすいはずだから。

2 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/21(水) 23:35:51

 確認したと言う事で、此方に足跡を印そうか。

 さて、何分こういった事には不慣れでな。
 何から決めるべきなのかは知らんが、互いが書き上げ一度に貼るのか。
 それとも向こうで、所謂即レス形式で、踊るのか。

 後者は互いに時間の調整も必要だしな。
 前者の方が良いのかも知れぬ。
 

3 名前:紫擾津那美:2005/09/21(水) 23:45:08
>>2
ようこそ、と云わせて貰うよ。
僕が紫擾津那美(しじょう・つなみ)だ。宜しくお願いするよ。

この場合、僕が希望する形式としては、前者の方に近いね。
書ける時にそれぞれのパートを書き、ターンを埋めていくって事さ。
たまたま時間が合うのなら、リアルタイムの応酬をしても良いだろうけど。
中々毎日は、多分きついと思うんだ。済まないね。

さて、導入について話す前に、僕の事について説明した方がいいかな。
より詳しく、ね。

4 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/21(水) 23:56:41

>>3

 アレではまともに話が出来ぬのでな。このままだが許せ。
 此方もよろしく頼むと、伝えて置く。

 で、前者か。書ける時に向こうに貼りに行けば良い訳だな。
 時間さえ合えばリアルタイムも選択肢にはある、か。
 なに、毎日など期待せん。流石に事情もあろうしな。

 世話を掛ける事になるが、頼む。
 此方も必要ならばするが。
 

5 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:09:22
>>4
あ、済まない、言葉が足りなかった。
書いたレスは取り合えずここ、会議室へ上げる形で進行させて、闘争終了後に一気に貼り付け
るってやり方が、今では普通になっているんだ。
本スレへ直に上げてもいいのだけど、何しろ完結までに結構な時間が掛かってしまう場合も多
いからね。
手直ししたい場合も楽だし。

うん、じゃあ僕について、ちょっと述べさせて貰おうかな。
逆に僕も訊きたいのだけど。僕が相手をする事になる『君』について、君からレクチャーを受
けたい。
勿論自分でも調べてはいるんだけど、本人の認識に勝るものはないからね。

悪いね。僕が持っているKOFの記憶は、九十七年度辺りで止まっているんだ(苦笑

6 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 00:25:47

>>5

 ああ、そう言う事か。ならばそれに従おう。
 手直しを考えてもそれが一番な様な気もするしな。

 了解した。俺の解釈でアレを語れば良い訳だな。
 まあ、初出が97だからな。もしかすると見ている可能性もある。
 多少被る部分が出て来るかもしれんが、そこは見逃しておいてくれ。



 『ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ』

 八神の血筋は草薙から別れた物であった。
 が、太古の昔にオロチを封じた際にその力に魅入られ、血の契約を果す。
 それが事の起こりであり、長く続く苦しみを生んで行く。
 また、紫炎はその代価である。

 そして、この姿は八神庵がオロチの血の活性化により、破壊衝動・殺人衝動に目覚めた形。
 そこには暴力を嫌うと言う普段の姿も無く、まさに血に餓えた獣と言えるだろう。
 余談ではあるが、殺意の波動に目覚めた何某から理性を奪った、とも言えるかも知れない。

 戦闘スタイルなどは極めてシンプル。
 目の前にある動く物を敵と認識し、暴力的に燃やし、切り裂き、叩き潰し、殺す。
 防御などせずに闘う為、一撃の破壊力や速度は向上。
 その代わりに打たれ弱い。

 追記として、八神庵は歴代の八神家当主の中で最もオロチの血が濃い。
 だからこそ血に狂ってしまったとも言えるが、本人としては気にしていないらしい。



 とまあ、こんな所だな。他に疑問があれば答える。
 

7 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:42:11
>>6
説明、感謝するよ。
確かに僕は、“そうなってしまった君”を見ているね。些か記憶が曖昧だけれど。


僕の外見は、まあ「退廃的な白髪の美青年」という所だね。
……くくっ、自分で客観評価するとおかしいなあ。
実年齢は、幾つだったっかな。百歳前後ではあったと思うよ。
ごく簡単に云ってしまえば「魔人」なのさ。

能力は“火炎魔人”と呼ばれる発火能力。
不可視の火種(タネ)を飛ばして、触れたものを燃やす。これは一個だけでなく、複数飛ばせも
するよ。
威力は、ビルのワンフロアを吹っ飛ばす所から、人の体内の「吸血鬼化しつつある細胞のみ」
焼くなんてのまで融通が利くんだ、中々に。
闘争と云うステージにに於いては、君の炎といい勝負なんじゃないかなあ。


昔、僕は鬼退治屋をやっていたよ。
陰陽道の宗家、傍箕(わきみ)家から、鬼族退治の全権を任されてもいた。
ただ、もう彼らはいなくなってしまった。世界の何処からも。
そうして僕は身を引いた。

今は新宿で、私立探偵を開店休業中してる。――というのが簡単な自己紹介かな。
これだけじゃ疑問に思う事は多々あると思うから、それは追々質問して欲しい。
 

8 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:44:27
さて、導入について詳しい話をしたいんだけど――悪いね、今夜はそろそろ刻限のようなんだ。
続きは明晩以降で、と云う事で構わないだろうか。

まだ詳しく考えていないんだけど、例の「オロチ」を絡ませられれば、と思ってる。
それがお互い自然でもあるだろうしね。

9 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 00:59:18

>>8

 ああ、時間ならば仕方あるまい。恐らく明日も、十時以降であれば居るだろう。
 居れば此処に何か印して置く。

 で、「オロチ」を絡ませるか……鬼退治を何処まで過大解釈して良い物かは知らんが、
 人に仇為すであろう存在をも殺して行くのなら、狙う理由になるかもしれんな。
 「オロチ」の目的は地球に害である人を滅ぼす事なのでな。
 その血を持つ危険因子も潰して置くに越した事は無い、と取れば流れとしては……

 まあ、これは明日以降でも良いな。
 それでは、また時間が合えば。
 

10 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 01:08:20
>>9
「鬼」という存在は“滅びの具現”でもある――とされているから。
そういった所で色々と流れは考えられるだろうね。

申し訳ないね。
うん、じゃあまた明日にでも。

11 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 22:44:51

 居るぞ。多少遅れはしたがな。

 で、滅びの具現、か。此方の新作の動き次第では少々厄介かもしれん。
 と言う事は、97辺りで見ておくのが此方としても無難か。
 その辺りなら原典も知られているようだしな。
 まあ、イフの話なのだから如何でも良いと言ってしまえばそこまでだが。
 

12 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 23:34:42
>>11
滅び云々は、レトリックみたいな事でもあるから。
そう四角四面に捉えなくても大丈夫だと思うよ。――というのが、遅れた挨拶。

取り合えず、店頭にあった2001年度のを手に入れたよ。まだプレイしてないけど。
まあ問題があるとすれば、僕は未だに「昇龍拳」を満足に出せない、という所かな。
……どうしたものだろうね?(聞くな


そうそう、導入の一案なんだけれど。
僕らの作者が原作をしている別作品に、『夜刀の神つかい』というのがある。
八月の山門前夜祭で、カジやハセって連中がいたのは憶えてるかい? あいつらの原典さ。
日本固有の吸血鬼・夜刀の神が現代に復活し、新興宗教団体を隠れ蓑に東京中に蔓延。一般市
民には情報は伏せられているものの、警察の特殊部隊は激しくこれと交戦し、戒厳令が敷かれ
かねない東京の夜――って話さ。
ここを舞台にしてみたら、と思ってね。

僕達はお互い、吸血鬼作品が原典じゃない(前作だと、僕はドラキュラ伯爵と戦ってたりはする
けど)。
それを補って「吸血大殲としてのロジック」も満たせるし、モブキャラ扱いの雑魚夜刀の神を出
して、好きな様に斃すなり殺すなり喰うなりも出来る。


勿論仮の案だから、異論反論等は是非欲しいな。
君の方にも「吸血鬼が居ても可笑しくない状況」があるそうだし、それも聞きたいし。
あ、それと質問。
「ツキノヨル〜」バージョンへの変化って、何か明確な切っ掛けとかあるんだろうか?

13 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 23:50:44

>>12

 2001か……無かった事にしたいであろう作品、栄光の一位に輝ける……ああ、何でも無い。
 よく言われているが、一歩歩いて波動拳が練習にはなりそうな物だが。
 まあ、落ち着いて入力すれば案外簡単な物だ。
 と、これはさて置き。


 それはまた面白そうだな。モブに雑魚が居れば此方としては好都合だ。
 ただ、生憎これも原典知らず。それでも入手は可能だろう。
 これを詰めて行く方向で行きたいと個人的には、思う。

 此方の用意出来る状況はかなり特殊でな。
 相手を選ぶ上に、カプコン出身の奴にしか使えぬような手段。
 あの赤い魔物辺りにしか使えんのだ。残念な事に。

 血を求める鬼、ならば『ツキノヨル〜』で役割を果せる訳だが。
 これは少々ロジックとは違うしな。


 明確な切っ掛け……無いな。
 『オロチ』が存在する状況であれば、アレが血を活性化させる事で変化するが、
 それが無ければ血に酔うか月に狂うか。その程度の事が切っ掛けになるに過ぎん。
 変ってしまったのであれば、違いは楽に見て取れるのだが。
 

14 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 00:10:04
>>13
……引いてはいけないカードを引いちゃったのかな。くすっ。
素直に97も探した方がよさそうだね。
ああ、うん、そのアドバイスは有り難いんだけど。十年以上前にも同じ事を云われたような
記憶があるなあ。
いや、思い切りどうでもいいね。うん。


そうかい、気に入って貰えたのなら何よりだよ。
原典は、まあ然程知らなくても大丈夫だと思う。
――っていうか、凄い負担かけまくってるねえ。申し訳ない。

あ、そっちのは赤い悪魔用のなんだ。そう云えば、僕が順番を先取りしてしまったようなもの
だしね。

血に酔う、か。
夜刀の神と云う連中はね、とても死に難い。再生能力が強いんだ。
太陽光以外だと、「棒状のもので心臓を貫通させる」でしか滅ぼせない(この場合、服も含めて
灰、と云うか全て消えてなくなってしまう)。
成り立ての雑魚はそこまでではないけどね。

雑魚夜刀の神(ちんぴらみたいなのだと考えてくれていい)数人を相手取って、斃す為に必要
以上に攻撃を加えざるを得ず、相手を壊していく過程は「血に酔う」に当てはまるだろうか?
ついでにそれが、満月の夜ならば。

15 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 00:23:45

>>14

 投げっぱなしのストーリーが問題でな。
 KOFの売りである部分がどうしようもないのが、救えん。
 一人で遊ぶ分にはそれほど問題も無いだろうとは思うが。
 対戦格闘としてみると……だが。


 負担は構わん。貴様も同じ様な苦労があろう。
 導入に関しても任せてしまったような部分があるのだから。

 暴力的に暴れまわる事でオロチの血を活性化させるのは特に無理も無いだろう。
 暴力を嫌うのは、自身の内に眠る暴力を恐れているからと言う解釈も出来なくは無い。
 だからだ、必要以上に壊し続けていくと眠っていた暴力が表に出て来る。
 それを契機とすれば、自然だろう。望月の夜ならば余計に。

 所でその雑魚夜刀の神は、再生能力が多少強いだけで戦闘能力は
 一般人のそれと考えても良いのか?
 身体能力の向上などもあるのであれば、此方が傷付き殺す理由も作れる。
 それに、傷付く事で我を忘れていくと言う手法も取れる。
 一般人相手でもこれは出来るがな。
 

16 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 00:41:13
>>15
ストーリーは、そういうのは売りと聞いてるからねえ。
まあ、格ゲーに触れるの久し振りな人には、あんまり関係ないかも。くすっ。

あ、雑魚とは云え、夜刀の神の力やスピードは常人以上だよ。
数人掛かりなら、君でも少してこずるかもしれない。殺す理由には当てはまるね。

と云うか、序盤の対夜刀の神戦(と云っても数レス程度か)の雑魚は、僕が担当して動かした
方がいいかもしれない。
これは君のやり易い方で構わないよ。


それと、ばったり出会って即闘争、っていう遭遇戦よりは、最初から僕が八神庵本人を狙いに
行く方が面白いと思うんだ。……如何にも話を勝手に進めているようだけれど。

夜刀の神復活により、再び僕は鬼退治に手を染めるようになり、そこで夜刀の神などよりも遥
かに危険な存在、つまりオロチの血抹殺を依頼される。
依頼人は、オロチの血をを危険視する勢力かな。こっちの陰陽師の宗家辺りでもいいけど、何
かそれらしい相手に心当たりはあるかい?
いや、これで良いのなら、だけれど。

17 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:00:32

>>16

 如何に自分で貶めても、原典である事には変わりない。
 少しでも楽しんで貰えれば幸いだな。

 常人以上か。それならばやり易いと言えばやり易い。
 頭に血が昇りやすいからな。
 怒りで我を忘れオロチに飲まれてしまう、と言う手法も取れる。

 で、雑魚の担当か……知りもしない者が動かすよりは良いとは思うが、負担を強いるか。
 ある程度は此方でも調べ、出来れば五分は動かしたいと思う。
 数レスで済ませるのならその方が良かろう。
 それでも残りの半分は動かして貰う事にはなるな。世話を掛ける。


 いや、面白いと思う事をやってくれれば構わん。
 此方としても、単純に出会って殺し合うと言う方法では面白味に欠けると思っていた。
 まあアレは動いている物全てを敵と認識するのだから、此方から見れば遭遇戦にしか
 ならない訳ではあるが。

 そして問題の危険視する勢力だが……あると言えばある。
 が、その危険視する勢力の一員でもあるのが俺だったりもする。
 俺を殺してしまえば『オロチ』を封じられる者が居なくなってしまうのでな。

 そう言う事もあるかもしれないと言う範囲で考えれば、神楽と呼ばれる家系の分家筋の
 暴走で、そう言った依頼が入る事もあるかもしれない。若しくは草薙の分家筋かだな。

 ああ、もう一つ合ったか。『オロチ』の事を知った軍がある。
 俺の原典の中にある、世界中にネットワークを持つ傭兵の集団で組織された軍がな。
 そこから依頼が入る可能性もある。
 ただ、『オロチ』の事を知っているのならば、俗に呼ばれる三神器の事も知っている可能性が高い。
 まあこれも、上層部の暴走と言う形で済ませる事が出来るとは思うが。
 

18 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 01:14:37
>>17
いやいや、そもそも振ったのは僕だし、負担でもないから平気だよ。

そう云って貰えると助かる。うん、いざ闘争に入ってしまえば問答無用にしろ、前振りとして
例えば君のライブを偵察しに行って、先ずそこで接触・会話してみる、なんて案もある。
闘争はその後になるかな。
……多分長くなるけど。その分、互いのキャラ立ちは出来るし、闘争中の何がしかに繋げられ
るかもしれない。

成る程、候補になりそうな勢力は色々いるんだ。
僕が僅かなりとも確実に知ってるのは、神楽家かなあ。96か97だったっけ、にいた神楽ちずる
さんだね。

寧ろこっちの方の誰かを、君に担当して貰っちゃった方が良いかもしれない。
軽く掛け合いのような場面をね。手数をかけるけれども。

19 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:28:10

>>18

 ライブを偵察、接触……ふむ。
 長くなるであろうデメリットを考えてもリターンは大きいか。
 その案も捨てた物ではないな。

 例えば……妙な事件が頻発していて、その事件の殆どが化物の仕業としか考えられない物
 だったとすれば、夜に外を出歩くなと言う警告が出ていても可笑しくない。
 そんな中態々出歩く理由が、ライブだとすれば無理も無かろう。
 全ての事が一日で起きているなら、と言う事にもなるだろうが。
 いや、関係無いか。別口のライブでも入れてしまえば良いのだから。


 そうだ。その神楽だな。アレに極論を言わせてしまうのも良いか。
 オロチを封じた今でも、彼はオロチの血に苛まれている。
 それが今でも続いているのであれば、脅威は去ったのだから殺す、とな。

 少し考えてみよう。無理の無い範囲で、依頼の理由を。
 掛け合いは構わん。此方の原典だ。その程度は、な。
 

20 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 01:46:37
>>19
おっと失敬、また説明漏れだ。
夜刀の神連中はね、新興宗教「マゴーラカ教」というものを足がかりに増大していて、この団体
は世間的には「破防法認定を受けた武装テロ組織」と認知されてる。
警察と銃撃戦、なんてニュースが頻繁に取り上げられていて、夜間の検問があちこちで敷かれ
てたりもするんだね。

夜出歩く人は少ないだろうけど、ライブみたいな場合、熱狂的ファンはあんまり関係ないんじゃ
ないかな。
一般には、逆に「化け物云々」みたいな話が伝わってない状況なら特に。


うん、じゃあ悪いけど、そっちの手配の方はお願いするよ。
で、導入からの流れとしては……

・いきなりライブハウスのシーン。君弾く人、僕聞く人。
・ステージが引けて後、接触、会話。
・ここで僕の回想を入れる(依頼人が云々の掛け合い)
・その更に後、一人でいる所を夜刀の神に襲撃される庵→闘争、暴走
・ようやく二人の闘争開始へ


というのは如何だろうね? 仮案だけど。
修正・訂正・追加・削除等はどんなものだろう。

と云う辺りで、今夜はそろそろ時間切れっぽいなあ。

21 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:59:32

>>20

 そう言えば化物云々は伝わっていないと言っていたか……失念していた。
 で、検問が敷かれていると言うのならば、警官も巻き添えにしてしまうのも面白そうだな。
 目立つ風貌で危険人物とくれば、止められるのも自然だろう。
 血を多く見ると言う点でも、使えない事は無い。


 導入に関してはそんな物だと思うが、書き出しは此方からで良いのだろうな。
 演奏シーンから入った方が自然なように思える。
 特に付け加えたいという物も無い。
 取り敢えず、時間のある時に書き出しておこう。

 時間か。ならば仕方あるまい。
 

22 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 02:11:31
>>21
検問の警官も巻き添え、いいね。
そういう風に派手にするの、僕は好きだよ。

そう、初めは君のパートで先陣を切って欲しいんだ。
パンチの効いたベースを、是非お願いしたいなあ。

いや、時間の方は済まないね。
明日は恐らく来られないと思うけど、土曜は大丈夫だよ。何かあったらその時に。


あ、そうそう。会議室進行だから、別に急ぐ必要はないよ。
満足いくものが出来るまで、じっくりやって欲しいな。
では、お休み。

23 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:15

 時間に直せば日付が変わる頃、既に幕は開いていた。何組かのバンドが揃い、合同で開かれたイベント。
 爆音が木霊し轟音となり、それに打たれて震える紙屑の如く人は揺れる。
 その様子には悪酔いしそうで直視出来なかったりもするが、圧巻だ。

 この光景をどれだけの人間が上から、巻き起こした側として、見る事が出来るのだろうか。
 選ばれた数人とは言わないが、これだけの機会を持つ事が先ず無い。
 バンドをやっている人間の全てが見る事が出来ると言う物でもない。
 何かを犠牲にして音楽だけに打ち込んだ者だけが見る事が出来る、特殊な光景。
 そんな物が見たいが為に始めた訳ではないが、愉悦に浸れる瞬間かもしれない。

 そう言えば演奏中だったか。あまりに下らない為、余計な事を考えた様だ。
 演奏に集中するとしよう。失態を晒すのは御免だ。

 改めて音に集中すれば、馴染の深い系統の楽曲だった。名前など覚えてはいないが。
 地の底から這い上がってくるような叫びと、それを叩き落すかのようなドラムの音。
 二本のギターは怒りと哀しみ、歓喜と絶望。対になる感情を絶叫し続ける。
 それらが起す化学反応の結果混沌が生まれ、観客の喚声が加速度的にそれを速めているがその全てはバラバラだ。
 各々が好きに音を、声を出しているようにしか聴こえない。

 俺はその後を追う。本来メロディアスな曲なのだが、極力手数を減らして。
 冷たく固い音で、より一層破滅的な曲に聴こえる事だろうと言う狙いと、あまりの不出来に対する呆れを込めて。
 何時もは気になりもしないと言うのに、ピックのアタック音ですら今夜は耳障りだ。
 音の洪水を音楽としては聴かずただの音の集りだと思えば、テンポと共に加速する苛立ちも紛れるだろう。
 だがその行為は―――

 「――失格だな。ベーシストとして」

 零れる自嘲は轟音の中に沈んでいき、誰に聞き取られる事も無いまま音の波に潰された。
 どうせ他の何も聴こえはしない。此処に存在するのは俺のベースの音だ。
 ならば呟きには意味は無い。

 観客すら居ない、存在すらあやふやな、道化が踊る舞台は続く。
 果てはもう暫らく先だ。
 

24 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:33

 ライブも既に終盤。残すは後一曲のみ。それでこの寄せ集めとは別れられる。
 寄せ集め―――寄せ集めだ。演目も、メンバーも寄せ集め。
 偶々セッションし、一度だけ演って見ようと言う事で話が進み、演目は各自が好き好きに挙げた。
 そしてろくにスタジオに入らぬままにライブを当日を向かえ、結果はこれだ。
 全てはバラバラで、余りにも下らない音の寄せ集め。それでも耳が腐った客は喚声を上げる。
 その光景には吐き気を覚える。所詮――こんな物かと。

 俺が神経質過ぎるだけで、もしかすると他の奴には統率が取れているように聴こえるのかもしれないが。
 ――ハッ。自身すら騙せぬ嘘は吐くものではない、か。惨め過ぎる。余りにも。

 それにしても、これだけの人間が集まるとは思いもしなかった。
 なんでもテロ組織が暴動を起す可能性があるとかで、到る所で検問が行われたりしている。
 その煽りを受け、客の入りは少ないと思っていたのだが、八分は埋まっている状態だ。
 何の気兼ねも無くこんな場所に現れる事に危機感の無さが窺える。

 自分はそんな物に巻き込まれるはずが無いという浅はかな考え。
 ブラウン管の中の出来事は、自分の住む世界とは隔絶されていて、安全だと思い込む。
 他人の死を、自分の近くにもあるものだと受け入れられない。

 まあ、如何でも良い話だ。コイツらの誰かが死んだ所で、何の関係も無い。
 それに、一瞬の死と一瞬の快楽を天秤にかけた結果、快楽が勝ったのだからそれで良いのだろう。
 人間は享楽の中で生きていたい生き物なのだから。

 それにしてもこんな事を考えているのは、幾ら曲の合間とは言え流石に拙いか。
 演奏が最低のレベルで、観客の耳は可笑しく、そんな中での演奏。
 何かで気を紛らわせておかねば、演奏中に弦を引き千切ると言う暴挙に出かねない。
 それでも、後一曲で終われる。その曲さえ終われば、このライブも終わる。
 そう思って我慢しておくとしよう。そして、俺は俺の音を出すだけだ。
 幾ら寄せ集めで、最低の集りだとしても、俺まで最低な音を出す必要は無い。

 ヴォーカルが閉幕への狼煙を上げる。宣言は狂ったように呪詛を吐き散らす行為。
 ドラムがその呪詛を煽り、ギターは世界に彩りを与え、俺は淡々と後を追う。

 「―――Fuck」

 俺の声なのか、客席からの声なのか、ヴォーカルが吐き出したのか。
 それすらも分からないまま、果てへと向かって疾走が始まった。
 

25 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:48

 後十秒もすればこの曲も終わる。それでライブも終わる。この寄せ集めも、解散だ。
 周囲を見渡す。何故コイツらは満足げな表情を浮かべていられるのだろうか。
 音楽とは決して言えないような音の寄せ集めで満足出来るとでも言うのか。
 馬鹿馬鹿しすぎて、思わず力が篭る。お陰でピックが折れた。まあ、どうせこれで捨てるつもりだったが。
 弦を千切らなかっただけ、マシだと思う事にしよう。

 ベースへの集中が途切れた所為か、周りの音が鮮明に聞こえるようになった。
 バラバラで、聴くに堪えないのは分かりきっている。

 ならばと思い観客の方へ耳を向ければ、観客の喚声は止まる事を知らずそれが終わりを告げる
 鐘だとは気付いていない。
 喚声が大きくなればなる程、喚声に熱が篭れば篭る程、終わりは近づく。
 結局この客は目当ての奏者の演奏が見られればそれで良かったのかもしれない。
 音を聴くのではなく、演奏が見たいだけと言うのは面白くは無いが、それが現状だ。
 俺にも多数の視線が集まっているのだから、否定のしようも無い。

 少し視線を降ろしてやれば、それだけで喚声が上がるなど……俺は何時アイドルになったと言う。
 心地良いと感じる奴も居るのだろうが、今夜の演奏で受ける賛辞は屑にも劣る。
 それでも客席を見渡す。その中で酷く目に付く奴が居た。

 壁に背中を預ける様に、白髪の男が立っている。
 その出で立ちはこの場には不釣合いで、つい視線を囚われてしまった。
 目が合ったと思ったが、気の所為だろう。男は興味が無いかの様に横を向いている。


 そして、漸く舞台の照明が落ち、辺りは完全な闇へと包まれる。
 この暗闇は心地良いが、道化は早々に舞台から降りねばならない。
 下らない演奏しか出来なかったのだから、本来ならばこの場に上がる事すらおこがましい。
 此処は良いライブをやれる人間だけが上がれる場所なのだから。

 控え室にベースを仕舞い、誰とも会話もせぬままに外に出る。
 夜風は涼しく、あんなライブでも火照ってしまった身体と思考を冷ますには丁度良い。
 星は見えないが、夜空に月が映えている。

 暫らくこうしているのも悪くは無い。
 

26 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:15:38

 夜に時間が取れるか、少々微妙だったのでな。
 今の内に挙げてしまって置く。
 何か問題点でもあれば言ってくれ。修正に応じよう。

 一応無理のない範囲で接触出来るようにして置いた。
 バックステージにはパスが無いと入れなかったりもするからな。

 それでは、夜に会えれば。
  

27 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 00:17:13
>>26
失礼、遅くなっちゃったね。

うん、僕の方には何の問題もないよ。接触できる状況を整えて貰って、助かったし。
じゃあ次は、お月見状態の君に声をかける、という所かな。
明日の夜までには、上げられると思うから。

28 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/25(日) 00:32:05

>>27

 なに、此方も漸く来れた所でな。遅いなどとは微塵も思っていない。
 それではそれを待ちながら、神楽の方でも考えて置こう。
 

29 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 22:08:59
>>

 赤髪の男が月を仰ぎだしてから、どれ位経ったかは判らない。
 夜風の中に、幽かな歌声が混じり出した。
 数分と経っていないようでもあったし、また永劫に近い間隔が空いていたようでもある。
 どちらでも良いのだろう。月の下で流れる時間は、何処でもこうだ。
 それは常に蒼く、静かで、そして緩やかなのだった。


 月がとっても 青いから
 遠まわりして 帰ろう


 低い声で口ずさみながら、靴音もゆっくりと近づいて来た。
 路地の奥から来たようでもあったし、またそこよりもっと昏い――別の闇から訪れたようでも
ある。
 ただ、蒼い月の光はその人影に吸い込まれ、また撥ねられていた。

 ――光も闇も吸い込んでいるのは、長身の影が纏ったインバネスだ。
 色は紫紺。古代の地中海世界において、紫の装束は帝王のみ着用を許されたが、それを思わ
せる生地の深みである。
 闇に染まらず、月光を弾いているのはその髪だ。顔だ。

 背まで流れる髪は白い。いずれ春になれば溶けるのかと、不安を呼ぶ北国の雪のように。
 白蝋で出来ていると云われても寧ろ納得してしまいそうな相貌の刻み手は、不世出の彫刻家
の、それも渾身の腕だろう。
 他の色全てを穢れと断じるかの如く、白は白いと云うだけで孤立する。
 二十代と思しき冷たい美貌には、しかし寂しげな陰翳はない。
 生まれた時から一人だったと、事も無げに云いそうだ。聞く者もそれを是とするだろう。
 この古く明るい調べを、かくも密やかに歌えるのならば、と。


 腕をやさしく 組み合って
 二人っきりで さあ帰ろう


 歌声は止み、靴音も止まった。男の手前、五メートル程の所で。
 冬の湖面に似た瞳が、漸く先客に気づいたかのようにそちらを見た。

「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」

 そう云って、紫がかっている唇がくすり、と笑った。

30 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 22:10:24
>>28
お待たせしたね。
この歌詞はまあ、一番全部じゃないし大丈夫かな?

会話の方は、どう落とそうかとか、全然考えてない行き当たりばったりで進めてみようかな。
くすっ。

31 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/26(月) 00:25:06

>>30

 済まない。確認が遅れた。
 歌詞は一部引用の範囲だろう。恐らく大丈夫だ。

 会話は……ある程度で俺が立ち去るのも一つの手だとは思うが。投げっぱなしだが。
 まあいい、出来るだけ早く貼れるように善処する。
 

32 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/27(火) 01:56:43

 一人きりの静かだった空間に声が響く。
 その声から酒の匂いを感じ取る事は出来ず、場違いな音でもないのだから容認する。
 今宵の月は蒼く、雲の一つも掛からず、正円を描き、全てを照らしている。

 月を見上げているだけで身体が熱くなる。こんなに良い月であれば仕方が無い。
 蒼い光は凡そ殆どの物を染め上げているが、赤い髪や赤いパンツは攻撃的に色を跳ね除け、
 黒のジャケットは黒と言うだけで他の色を拒絶する。
 辛うじて黒いジャケットに白く抜かれた二十三夜月だけが、唯一光を吸っているのではないだろうか。


 ―――歌声が途切れる
                              熱が高まっていく―――



 「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」


 響いた声音はあの歌声の持ち主だろう。
 嘲るかの様な声音だが、それも仕方のない事だと受け入れてしまっている。
 位置は大体5メートル。飛び掛れば一息で殺す事が出来る距離。
 ライブ中のアレ、か。コイツの方がよほど感心がなさげだった気もするが。

 それよりも、間近で見る事で改めて容姿に目を奪われる。
 白い髪、白い肌、顔の彫りは中性的で熱を感じさせない。そしてそれらを包む紫紺の衣。
 例えるならば動く彫像だろうか。この世に在ってはならない美貌。
 だからこそそれは拒絶され、この蒼い光の中でも色を変える事がない。

 それは酷く孤高で、孤独で、絶望的ではないだろうか。
 幾万と居る――屑ばかりだが――人の中で誰と交わる事も許されない。
 関わりを自ら断つのではなく、関わりを他者から断たれる。
 それはとても、寂しい事なのかもしれない。まあ、如何でも良い話ではあるのだが。

 如何でも良い序でだ。
 二言、三言と言葉を交わしてみるのも悪くはないか。
 少し話せばこの体の熱も、消えてくれるだろう―――


 「……何の用だ。態々興味のない物を見ていたくらいだ。何かあるのだろう?」


 ―――とは言ったものの、他者に接する方法を持たないのだから憎々しげになるのは仕方ない。
 それに何か裏がありそうなこの邂逅の意味を知るのも、何かの役には立つだろう。
 

33 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/27(火) 02:00:21

 書き上げさせて貰った。本当に、会話は何処に落とした物か。
 必要な事を聞き出せない為、俺が立ち去る事になりそうな物だが。

 まあ良い、進める内に見つかるだろう。
 

34 名前:紫擾津那美:2005/09/29(木) 03:15:18
>>

「何の用だ、なんてひどいなあ。ファンがスターに会いに来たんじゃないか」

 黒い革手袋に覆われた手を口に当て、白い青年は忍び笑う。
 その艶やかさは異常ですらある。その気のない男でも陶然となりかねない。
 女なら嫉妬するだろう。なぜこの鼻梁が、この唇が自分に備わっていないのか、と。

「とは云っても――君のライブを拝見したの、今夜でまだ三度目だけれど、ね」

 相手の仏頂面を頓着する風もなく、ついでに俄かファンである事も露呈した。
 そもそも一面識もないファンが、贔屓のスターに取る態度ではなかったが。


 白い青年と相対する赤い髪の男。――人によっては、両者が漂わせる雰囲気を近しいものと捉
えるかもしれない。紅白は違えど、他者を寄せぬ怜悧さという点においてだ。
 見る者が見れば、少なくとも赤髪の方に関しては、それが誤りである事を知るだろう。
 火傷と凍傷が、現象としては似通ってしまうのと同じだ。見かけだけは冷たい青い火が、実
は赤い火を凌ぐ高熱であるように。

 赤髪の男の何処かで、青い――否、紫の炎は燃えている。
 それは他者より先、己を焼いている。


「期待していたんだよ、今夜は。面白いものが見られるんじゃないかと、そう思ってたのに。
 全然テーマが聞こえて来なくて、がっかりしちゃった」

 こつりこつりと数歩だけ、白い青年は足を進めた。
 人も通わぬ廃屋の、閉ざされた古い扉を叩くような足音。その一歩ごとに、美しすぎる笑み
は深くなった。

「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」

 優美な仕草で上げられた人差し指が、中天を指した。
 月も笑っている。凝視し続けていると、自然と背筋が粟立ちそうな光であった。

35 名前:紫擾津那美:2005/09/29(木) 03:19:08
>33
あんまり先々を何にも考えないのも、ちょっとあれかな、くすっ。

じゃあこちらとしては、何かを聞き出すというか、人となりを知ろうって感じなので……何とな
く怪しげで思わせぶりな事でも云って、ふっと消えようか、僕の方で。
ああ、君が立ち去るのでも良いよ。

36 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/30(金) 01:55:06

 彫像の形が歪められ、微笑の表情が刻まれる。
 月明かりの所為なのか。酷く妖艶で、こう言っては何だが、見惚れた。
 例えるならば月の女神が地上に降り立ったのかの様。
 女がこの場に居ればその妖しさに恋心を奪われるか、嫉妬の炎を燃やすか、どちらかだろう。

 風に乗る艶やかな声は聞こえてはいるが、それを言語として認識しない。
 何かが壊されていく感覚。それは眼前の男の所為だけではないだろう。


 ―――月。


 男よりも一層妖しく、一層艶やかな色彩と正円。しかしそれは全てを拒絶する。
 俺と言う人間を必死に繋ぎ止めている理性すら拒絶され、本能の檻を解き放とうとする。
 眠っていたものと今まで起きていたものが軽く交錯。
 憎々しい顔付きになったのは、男の言葉が気に入らなかったのか、本能を恐れたのか。
 恐らくは後者だが、前者だと言う思いに掏り返る。

 己が内に篭ったお陰で壊れていく何かを繋ぎ止める事が出来た。
 お陰で言語は認識でき、気に入らない発言まで聞く事ができる。
 ……コイツは何を考えている?

 相対する男。足取りは軽く、現実に存在するのかすら疑わしい。
 蝶の如き振舞い。蜘蛛の巣に囚われ様とも、蜘蛛の方が喰うのを躊躇うだろう。
 それほどまでに冷たく、何かを超絶してしまっている。
 壊れている―――何故か、そう感じている。


 「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」


 その声と共に男から視線を外す。心に既に焼き付いた虚像の月。
 それを払拭し、新たに焼き付け、吐き出す。

 「ハッ……他者に期待しても意味など無かろう。それに―――既に貴様は浮いている」

 少しだけ歩く。男の香気に当てられたのか。それとも―――ただ壊したくなったのか。
 歩く度に深くなる血の疼きもまた、月の所為か男の所為か。
 

37 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/30(金) 01:58:16

>>35

 見切り発車の終着駅も作ってやらねばならん、か。

 それならば俺の去り際に一言でも良さそうだな。
 怪しげな一言は引きに使えない事も無いだろう。
 手間を考えてもそう変わらんだろうしな。これは。
 

38 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 01:46:53
>>

 美貌の口元が更にほころぶ。
 歯列が露になった。白い美に彩られた中で、最も白い部位である。

「君もさ」

 そう云い捨ててから、「浮いているのは」とつけ加えた。

「人間は臆病な生き物だからね。少しでも自分達と違う者には我慢ならないんだ。
 だから“彼等”は、そいつを浮いているって事にして漸く落ちつくのさ」

 自分以外を全て“彼等”と、青年は他人事のように云う。
 こつり、と音を立て、彼我の距離が一歩分縮まった。

「髪が赤い、髪が白い。何だっていい、異物扱い出来るなら。――例えば」

 もう一歩。
 相手の苛立ったような素振りを知ってか知らずか、涼しい声で青年は続けた。

「そう、例えば――血が蠱(まじ)ってる、なんてのはその最たるものだよ、ね」

39 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 01:47:57
>>37
何はさて置き、お詫びを云わなきゃいけないね。……済まない、本当に。

半年近く止めておいて何なのだけれど。未だ付き合ってくれるのならば、そうして貰えたら
嬉しい。
もし「モチベーションが下がったのでちょっと……」という事で中止なら、それも止む無しと、
そう思っているよ。

40 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/02/19(日) 02:07:16

  久しいな。

  近日中に……いや、暫らく掛かるかもしれんが続きは上げさせて貰おう。
  またと無い機会となる可能性もあるのでな。
  まあ、気長に待っていてくれ。
 

41 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 02:23:25
>>40
やあ、これはまた素早い。

付き合って貰えるみたいで、ありがとう。
待つよ、何時まででも。

42 名前:◆4ypZOMBIEQ :2006/02/28(火) 03:10:17
ちょっと場を借りるよ。

>>


「うん、そうだったね」

涙に濡れた切っ先を一振りして弾き飛ばし、
自身は彼女の視線と同じ高さに来るように膝を折って。
他人事の様に、肯き返す。

「ずっと走り続けてきた。
. 走って、走って、転んでも、這いずってでも。
. だから、今だって止まれないんだ。
. 先に何があるかなんて知らない。
. 大丈夫だよ、セラス。私の中に諦めは存在しない」

―――だからこそ、救い様が無いのだけれど。

「心を砕かれようと、魂を砕かれようと、私は私として此処に在る。
. 私は私の意志で前へと進む。
. 操り人形には絶対にならない。だから―――」

閉じた瞳の向こうにいる、彼女はどんな表情をしているのだろう?

「選ぶんだ、セラス。
. 敵対の方法を。
. 私は世界を憎悪する。私は私の意志で、世界を終わらせる。
. あんたのマスターは世界の狗として在る事を選び、結果そこに斃れた。
. あんたは、どうしたい?
. 私の瞳には炎しか宿らない。木漏れ日のごとき慈愛は神の棲み家たるこの場所で灰燼と帰した。
. 救いは既に此処にない。それでも私を救おうと願うなら、私の世界を終わらせるしかない。
. さあ、覚悟を決めろセラス・ヴィクトリア。忘れたのか?」

瞳を開き、かつての後輩をしっかりと見据え、私は彼女に決断を迫る。

「あんたの中にある、銃爪を引かせるその力は、誰の為のものなんだ?」 

43 名前:◆4ypZOMBIEQ :2006/02/28(火) 03:25:58
も一回。



>>


頬を打ち抜く一撃。
本当なら眼から火花が飛び出るほど痛いんだろうけど。
痛みはない。
でも、そんな事はどうでもいい。
今、大切なのは――

「私が歳? あははっ、そう言うセラスは――」

  ――後方へ押し流される身体をぐっと踏ん張って堪え、
  ――腹筋と背筋を駆使して体勢を立て直し、
  ――反動をつけてお返しのパンチ。

「いつになったら保護者なしで出歩けるようになるのかな!?」

生意気な後輩を張り倒すこと。

44 名前:御坂美琴 ◆MISAKAR6VE :2006/03/06(月) 02:45:10
「―――不満かね?」

珍しい―――本当に珍しい事に、その沈黙を破ったのは、この不気味な部屋の主人であるアレイスターからだった。

「当たり前だ。今回ばかりは、オレは本気でお前のしょうきを疑っている」

闇の中から姿を見せたのは、長身にツンツン金髪、サングラスと丸っきり不良のような体裁をした少年。
彼の名は、土御門元春。
学園都市ちょうのうりょく)イギリス清教まじゅつ)の間を行き交う二重スパイである。

あんな組織燦月)なんぞに妹達シスターズ)の一体を提供する、だと!?
冗談にしても笑えないぞ、アレイスター!!」

ドガン! と。
全くの手加減抜きで振り抜かれた土御門の拳が、強化ガラスの円筒に撃ち付けられる。

「……今更憤った所で、君には分かっているのだろう?
私の行動動機が何であるか、そしてその詳細を君に話す事を私がするか否か、などというのは」

自らの納められた容器に対する攻撃を歯牙にかける様子も無く、アレイスターは呟いた。

「ああ、判っているとも。こいつも『手順』の短縮の一環だと言うのだろう。
お前はあの燦月製薬という会社が何によって成り立っているか、、、、、、、、、、、、、
燦月の研究所ラボ)に送られた御坂美琴の妹達シスターズ)
どういう目に合うのか、当然知っていて取引を行った。そうだろう。
そんな事は判り切ってるんだ。だがそれでも、オレにはお前の行動が解せんのだ」

そこまでを一気に捲し立てた後、土御門は一旦言葉を切る。

「……お前の予定では、あの妹達シスターズ)を世界中に拡散させる事こそが目的だったはずだろう?
その手駒の一つをむざむざ台無しにせんとすることに、何の意味がある、アレイスター」

「君はこれで何度、私に同じ問いをしたかね? そして私がその問いに、常にどんな回答を示してきたか、
忘れるほどに呆けたかね? 土御門元春」

全く変わらない、そう、腹が立つほどに調子の変わらないアレイスターの声に舌打ちし苦虫を噛み潰すような顔をして、土御門は応える。

「……、いずれ、わかる、か。それも聞き飽きた」

そう吐き捨てる様に呟き、円筒に背を向ける。

「なら、オレがこれからどう動くかも当然分かっているだろう。さっさと空間移動能力者を呼び戻せ。結標以外のな。
アイツは此処の所危なっかしくて仕方がない」

「ああ、何時もの様に踊ると良い。君の機嫌からして、今回は特別派手になりそうだな」

アレイスターの言葉と同時に、空間移動能力者が建物内に音もなく転移してきた。


―――かくて、歯車は回り始める。
『学園都市』を離れて遥か遠く、山陰の小さな町の中で。
二人と一人の少女の、とても数奇でとても残酷な運命の歯車が。

45 名前:なめんなよ、この名無し:2006/03/06(月) 22:51:56

名無しクドラクvs名無しモロイ

>>


 ――死を忘れた夜族(ミディアン)達にとって、退屈こそが全てに勝る敵である。
 眷属である六匹の狼に牽かせた戦車(チャリオット)の上で、生ける死者(モロイ)の令嬢はそんな益体もない事を考える。
 今宵は年に一度の人狩りの夜。父である邪な不死者(ノス***トゥ)と共に此度の祭りに参列した彼女は、
獲物のあまりの不甲斐なさに退屈を隠し切れず、無言のまま手にした握りをつけただけの有刺鉄線で周囲の石を
抉り、全身で不機嫌さを表現していた。
 お気に入りである黒のイヴニングドレスに似合う様な素敵なダンスパートナーも、持ち出したヴァイオリンの
音を引き立ててくれる様な絶叫(うたごえ)の持ち主も現れない。

 引き揚げるか否かを思案し始めたその時、

 歌が聞こえた。
 伸びやかなテノールが奏でるのは唾棄すべき聖歌。
 とても、不愉快な。

 あれは(・・・)黙らせなくてはならない(・・・・・・・・・・・)

 歌声を頼りに街の中央へ向かって戦車を走らせる。

 行き着いた先にある公園の中央で、不愉快な聖歌の歌い手は紫煙を棚引かせながら静かに佇んでいた。
 その男は乾いた瞳でこちらを睨め上げると、淡々と侮蔑の文句を投げつけて来る。

 ――この、男は。

「貴方、不愉快だわ」

 最早機嫌は最高に最悪だ。
 この不快感を堪えるなど、誰が出来よう。

 生まれてまだ百年と経たぬ生ける死者(モロイ)の令嬢は、頭に血を上らせたまま戦車から降りると、
手にした有刺鉄線を振り上げ、男の足元へと振り下ろす。


「死んで頂戴」

46 名前:名無しモロイ(M) ◆m6gPuppetA :2006/03/06(月) 23:04:17

名無しクドラクvs名無しモロイ

>>


 ――死を忘れた夜族(ミディアン)達にとって、退屈こそが全てに勝る敵である。
 眷属である六匹の狼に牽かせた戦車(チャリオット)の上で、生ける死者(モロイ)の令嬢はそんな益体もない事を考える。
 今宵は年に一度の人狩りの夜。父である邪な不死者(ノスフェラトゥ)と共に此度の祭りに参列した彼女は、
獲物のあまりの不甲斐なさに退屈を隠し切れず、無言のまま手にした握りをつけただけの有刺鉄線で周囲の石を
抉り、全身で不機嫌さを表現していた。
 お気に入りである黒のイヴニングドレスに似合う様な素敵なダンスパートナーも、持ち出したヴァイオリンの
音を引き立ててくれる様な絶叫(うたごえ)の持ち主も現れない。

 引き揚げるか否かを思案し始めたその時、

 歌が聞こえた。
 伸びやかなテノールが奏でるのは唾棄すべき聖歌。
 とても、不愉快な。

 あれは(・・・)黙らせなくてはならない(・・・・・・・・・・・)

 歌声を頼りに街の中央へ向かって戦車を走らせる。

 行き着いた先にある公園の中央で、不愉快な聖歌の歌い手は紫煙を棚引かせながら静かに佇んでいた。
 その男は乾いた瞳でこちらを睨め上げると、淡々と侮蔑の文句を投げつけて来る。

 ――この、男は。

「貴方、不愉快だわ」

 最早機嫌は最高に最悪だ。
 この不快感を堪えるなど、誰が出来よう。

 生まれてまだ百年と経たぬ生ける死者(モロイ)の令嬢は、頭に血を上らせたまま戦車から降りると、
手にした有刺鉄線を振り上げ、男の足元へと振り下ろす。


「死んで頂戴」

47 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:07:58

  時間に直せば日付が変わる頃、既に幕は開いていた。
  轟音が轟音を呼び、客席からはその轟音にも勝る声がする。
  半狂乱の聴衆達。その様は一種の地獄の様で、個を喪失した聴衆は一体化した蟲にし
 か見えない。

  危機感の無い奴等だと、ステージに立った瞬間に思った。一夜の宴の為に命をベットす
 る事が出来るのだから。
  現在の情勢は非常に不安定だ。連日連夜テレビではテロ組織による犯行と見られる最
 悪の暴力が映し出されていた。死傷者の数は覚えてはいない。が、その暴力の傷跡は酷
 く痛々しい物だった。
  その凶行は無能な警察や国家権力では止められる筈も無く、今でも続いている。一応、
 意味の無い検問や夜間の外出を控えるようにとの通達が出ている。それはその程度の事
 で止められると願っているからか、それともこの国が如何なろうと知った事ではないのかは、
 定かではない。

  それにしても、詰まらないステージだ。

  個々の演奏はとても息が合っているとは言えず、それに気付きもしない愚かな観客。煽動
 者である俺達は寄せ集めに過ぎず、一夜限りの為に結成された道化と言っても過言ではな
 く、その一員である事に吐き気がする。
  そのお陰か人間味が薄れていくような感覚が止らない。ベースを奏でている筈の腕は既に
 自分の物ではなくなってしまったようだ。ただメロディーを追うだけの壊れた機械。苛立ちを覚
 えるが自分の意思で制御出来ないのだから、仕方が無い。

  次第に思考まで虚ろになり、聴こえる音は自身の鼓動だけ。
  最近では感じる事が出来ないほど小さな波だった血の疼きが、はっきりと感じられる。
  視界が暗くなる寸前に、壁際に立つ誰かを見た。

  その誰かは興味が無いかの様に佇んでいる割に、不敵に微笑んでいた。
  白い髪が、白い肌が強烈に目に焼き付き、脳髄に刻み込まれる。
  目が合った様な気がするのは気の所為だと思う一方で、これから交わるであろう縁を感じて
 いた―――
 

48 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:08:54

>>

  ―――気付けばライブは終わり、控え室へと戻って来ている自分。
  過去にもこんな事は多々あった為に今では気にも止めないが、最近では減って来てい
 た筈だ。アレ以来―――オロチを封じて以来、記憶が飛ぶような事は無かった。それが今
 になって起こると言う事は、昨年のアレが原因なのだろう。

  心臓が震える。
  まるで、オロチと言う言葉に反応したかのように。

  「……ッ……」

  ざわめく鼓動。
  大きくなる血の疼き。
  血への渇望もまた、鎌首を擡げる。

  「……ハァ……ハァ……」

  苦しい。
  苦しい。
  クル、シイ。

  「……クッ……」

  紅い血が、零れた。
  黒い血も、零れた。


  暫らく夜風にでも当たるとしよう。
  夜空には星は無く、月だけが浮かんでいる。

  今にも落ちてきそうな月は、何を示しているのだろう。
 

49 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:10:11

>>

  一人きりの静かだった空間に声が響く。
  歌声は風に乗り、体を撫でるように通り過ぎて行く。
  「悪くない歌声だ……」そう一人呟き、空に浮かぶ月を見上げる。


  真紅の―――血染めの月だ。


  胃の奥から沸き立つ血の香りに酔いながら、悠然と浮かぶ月を見る。
  鮮血を溶かし込んだような紅い月。
  その光を受ける手足は、血に染まったかのように錯覚してしまう。


  ナニモカモガ、アカイ。
  カラダガ、アツイ。


 「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」


  自分の中の「異物」に取り込まれる寸前に、言葉が響く。
  助かったなどとらしくも無い安堵を抱き、声が響いた方向へ目を向けると、そこには
 類稀なる美貌の見本とでも言うべき彫像があった。何処かで見かけた記憶がある。が、
 思考にノイズが掛かり、目にした事があるのか無いのかも解からない。


  意識の底に落ちていく感覚。


  飲み込まれる前に、「俺」を掴む。
  細く細い、蜘蛛の糸の様なそれを。


 「……何の用だ。態々興味のない物を見ていたくらいだ。何かあるのだろう?」


  少しだけ落ち着いた様な気分になるが、所詮仮初の物。
  今夜は早く独りになるべきだろう。
  俺が「俺」で在る内に。
 

50 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:11:23

>>

  彫像のような造形美を誇る男も笑うのだな、などと下らない事を考えながら、ただ目
 の前にあるものを凝視する。
  月明かりの所為なのか。肌の下、肉の合間を流れる血液すら凝視出来る様な感覚。
  離れていても体温まで感じ取れるほど、神経が暴走している。

  それでも、神経は凍り付いていく。
  この月の女神すら裸足で逃げ出すような微笑は、絶対零度の微笑とでも言うべきだ
 ろう。全てを凍らせ、打ち砕いていく。そんな笑みだ。
  しかし、芯には炎の息吹が感じられる。紅く、赤い、今夜の月のような炎が。


  視点を変え、空を見上げれば未だ望む血染めの月。


  眼前の氷の微笑とは正反対に、この月は―――アツイ。
  まるで体の奥底に眠る、忌々しい「血」を目覚めさせるような波動を送り続けてくる。
  凍りついた神経が熱に犯されていく。

  一歩、また一歩と歩を進める。
  相対する男も軽やかな足取りで進み、何時か軌跡は交わるだろう。


               そのときに果たして
             オレハオレデイラレルノカ?


  その思いを掻き消すように、風に流れて声が響く。

  「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」
  「ハッ……他者に期待しても意味など無かろう。
  それとだ―――既に貴様は浮いている」


  これ以上近付かない事を心の何処かで祈りながら、吐き棄て、月を仰ぐ。
  変わらぬ色は心を惑わせ、昂ぶる血は神経を蝕む。
  血が―――ミタイ。
 

51 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:12:27

>>

  本来穢れの無い白である筈の歯も、今の俺には紅く見えてしまうようだ。
  髪も紅く、肌も紅く、着ている物も、何もかもが、紅い。
  鮮血に彩られた彫像はまた一歩、一歩と近付き、手を伸ばせば触れられそうな距離。

  「そう、例えば――血が蠱(まじ)ってる、なんてのはその最たるものだよ、ね」

  紡がれる旋律すらも紅く聞こえている耳を落としたい。


  ―――紅い。
  ―――アカイ。


  一歩踏み出し、更に一歩踏み出す。
  男の横に並び、呟く。

  「黙れ」

  また一歩踏み出す。
  漸く紅く染まった「人間」を見なくてすむ事に安堵し、

  「屑どもに如何に見られようとも、俺や―――貴様の様な人種には関係あるまい」

  そう呟いて空を仰ぐ。
  双眸は閉じたまま、それでも浮かぶ―――アカイツキ。

  「まあ、これは如何でも良い」

  心臓の脈打つ音が、五月蝿い。

  「貴様は、何を、何処まで知っている」
 

52 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:17:26

  およそ二週間か。待たせたな。以前書いた物が気に入らなかった為書き直しに時間が
 掛かった。まあ、どちらかと言えば『暴走』に到るまでが弱いだろうとと思ったから書き直し
 た、が正解なのだが。
  大筋は変えていないのでそちらに干渉する事は無い筈だが、念の為貼り付けておいた。
 >>47-50までがそれに当たる。

  で、>>51>>38に続く形となる。
  時間のある時にでも考えておいてくれ。焦る必要は無いのでな。
 

53 名前:紫擾津那美:2006/03/12(日) 04:15:15
>>52
ああ、修正については了解だよ。
僕の方は、特に直す必要はないみたいだね。

色々と考えたのだけれど、僕の次レスで何か挑発的な事を云って、そっちのターンで君がキッ
と僕の方を見るか、さもなければ思わずカッとなって攻撃をしかけるとあら不思議、僕の姿は
何処にもない。
みたいな形でこの導入部は締め、ってのはどうかな?
どうやって消えるのなんて訊かれても、僕だって判んないけどね(何

勿論君の方で、何かこうしたいっていう落とし所を考えているなら、それで構わないから却下
するよ。
という返答をするにも時間とっちゃって、全く申し訳ない。

54 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/12(日) 17:32:34

>>53

  導入の締めはそれで良いだろう。
  と言うか、何だ。俺もその流れに持ち込もうとしていたからな。
  まったく問題は無い。

  時間は……気にするな。
 

55 名前:紫擾津那美:2006/03/13(月) 01:59:42
>>

「そっちの台所の事情まで押さえているんだぞ、って感じかな」

 とぼけた口調で云い、青年は傍らの男と同じ場所を見上げた。
 再びくすくすと笑う。

「嘘うそ。僕は何にも知らないよ。知っている事といったら、さっきから君が何かを我慢してい
るって事位さ。……トイレじゃないよね?」

 からかう青年の声は、やや強くなってきた夜風の中に混じっていく。

 もし見ている者がいたとしても、赤髪の男の危険さは判らなかったに違いない。
 それは弾性に富む金属をたわめているような危うさだった。静物と見えながらも、いつ弾け
るかの判断などつかない。
 白い青年もそれを知っていた。
 知っていて猶、致死量には達しない程度に幽かな、しかし確かな毒物を声音に混ぜていた。
――嘲りという名の毒を。


「良くないね、我慢は良くない。フラストレーションを溜め込んで自爆しちゃうのは、現代人の
罹りがちな心の病だ」

 視線を上に遣ったまま、囁くように云う。
 満月の元にあって、光を纏ったその笑みは横倒しにした三日月の形をしている。

「好きに振舞ったらどうだい? したい様に、思う様に世界を造り替えてしまったら?
 君が触れて、視て、感じている“色”のままに」

 微笑はそのまま、月を臨む青年は何一つ感情の篭らぬ声で呟いた。
 降り注ぐ光が音声に変わったようであった。


「君にはその権利がある。そう、君は『全ての蛇の王』の――血の裔なのだから」

56 名前:紫擾津那美:2006/03/13(月) 02:01:48
>>54
あ、それは好都合でよかった。
では、そちらのリアクションをお願いするよ。

57 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:49:50

>>

  背中からは飄々とした声が響き、夜風はそれを掻き消すように流れ行く。


  ―――セキズイニヤケタテツガササル。


  その声には少量の毒と多量の嘲りが含まれ、着々と苛立ちが募るが聞き流す。
  未だ必要とする情報は聞き出せていない。
  三味線を引かれた真実などは不要でしかない。ただ必要となるのは、明確な境界線。

  敵か、それ以外の何かなのか。
  それだけでしかない。


  ―――ドクムシガハイマワルヨウニ。


  この場でこの男を殺してしまいたい衝動。
  しかしそれは最も忌むべき暴力でしかなく、必要以上に振るう気は無い。


  ―――メニヤキツイタアカイツキ。


  揺らめく自身の境界線は沸騰したかのような血液に溶かされ、天秤は壊れてしまった
 かのように、本能の方へと傾いていく。
  もしこの世に神と悪魔が居るのならば、この男は悪魔が作り出したのだろう。
  それだけ体を、神経を、犯して行く―――嘲り。


  ―――モウヒトツヤキツク、



  耳元で囁かれたかのように、鮮明に、脳に響いた、言葉。

 「君にはその権利がある。そう、君は『全ての蛇の王』の――血の裔なのだから」



                                         ユカリノホムラ―――
 

58 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:50:33

>>

  気付けばそこに居た誰かを殺める為に伸びる、紫炎と腕。
  紅い月の光の中でも色を変える事の無い、八神一族に根付く―――血の楔。
  それでも忌わしきこの色は、紅蓮の炎を纏うよりも遥かにマシではある。


        また一人背負うだけだと、
                       諦めにも似た感情が、
                                    湧いた。


  が、そこに男は既に居ない。
  どんな手品を使えばそのような現象が起きると言うのか。
  行動に移すまでの時間に消えたと言うのならば、これは悪い夢なのだろう。
  何故なら―――言葉を言い終える前に、既に俺は動いていたのだから。

 「フン……まあ、良い」

  誤魔化しだと、我ながら厭きれつつ見上げる月。

  その色は―――蒼。

  違和感に気付く事も無く、ただ帰路につこうと思った。
  帰る道など、既に無かったと言うのに。


  ―――物語るは紫炎。燻り続けるそれは、手に残ったままだった。
 

59 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:55:46

  待たせてしまったな。
  でだ、こんな所で良かったか?
  適当に消えて貰った事にしたが、不満があれば聞く。遠慮無く言え。

  で、次の展開だが……貴様の回想、だったか。
  神楽を使うのに都合の良い理由が新作のお陰で出来た為、当初の予定通り進める事は
 可能だが、その場合そちらのアクションを待ってからとするか如何かが問題か。
  無論、俺から進めた所で問題は無いが、その場合どの様な展開が望ましいかだけは聞
 いて置きたい所だ。
  貴様の見せ場だからな。

  それでは、今宵は消えさせて貰おう。
 

60 名前:紫擾津那美:2006/03/21(火) 02:49:11
うん、君の方については文句のつけようはないよ。
で、回想シーンだね。

これは僕が君の抹殺を依頼される、という状況だから、神楽ちずるさんが僕の探偵事務所を訪れ
ている場面という感じで、取り合えず僕の方から進めて構わないかな?
君の暗殺を依頼されて、事情を薄々察しつつも「えー僕人殺しなんてできなーい」なんてゴネて
みたりする流れを考えてる。
そうすると、ちずるさんはその辺りを色々と説明してくれるんじゃないか、という話で。

っていうのが一案なんだけど、どうだろう?

61 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/21(火) 03:45:14

  確認が遅れたが、その案で構わん。
  此方は此方で構想を練っておくとしよう。
 

62 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:37:51
>>

 ――そしてもう一つの赤い炎は、別の手にもあった。


 何処とも知れぬ闇の中で、それは灯っている。胸元に引き寄せた黒い手袋の上で。
 紫紺のインバネスを纏った美青年である。
 月光に充ち充ちたあの路地から、どうやってこんな所まで来たのか。――そんな問いなど無言
で焚き木にするかのように、炎は黒い人差し指の先端で燃えている。
 火種は何も見当たらない。それでも火は赤々と揺らめき、美貌に宗教画を思わせる陰翳を刷
いていた。

 青年はポケットから何かを取り出し、指先の火に近づけた。
 一枚の写真だ。先程の赤髪の男が写っている。
 遠距離からの撮影らしく、男は自分が被写体になっている事に気づいていない様子だ。
 炎はすぐ写真に移った。独特の臭気を発して燃え始める。
 どこか物憂げな表情で、青年は炎に侵食されていく男の顔を凝視している。


 その写真は、ひと月ほど前に彼の手元へもたらされたのだった。

63 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:39:42
>> 続き

「僕の仕事は私立探偵だけど、本業は別にあるんだ。貴女もよくご存知の通りにね」

 来客用の応接デスクにそれを置いた人物が、彼に欲する依頼を打ち明けた時、白い青年は
先ずこう答えたものだ。

 此処は彼の事務所だ。新宿の片隅である。
 電話も引いておらず、知る者も限られている。ついでに云えば久しく客もない。
 尤も幾ら大々的に宣伝しようが、十数年前に起きた核テロで廃墟と化し、再開発が棚上げに
なったままの犯罪地区に訪れる依頼人など、そうそうありはしないだろう。
 現にこの事務所があるビルも、見た目は周囲と同じ朽ちかけた廃屋なのだ。
 しかし外観とは裏腹に、整った室内には光があった。緑があった。

 明るいのは蛍光灯の所為で、緑は観葉植物だが、後者に関しては尋常の量ではない。
 それなりに広いオフィスは大小様々の植物で埋め尽くされ、さながら森の深奥のようだ。鬱蒼
としている、と云っていい。
 木々の息吹きの合間を縫うように少数のデスクや調度品が配され、美青年ともう一人はそこ
に座っていた。


「長らく休みにしてた本業が、突然忙しくなっちゃってさ。――これも貴女ならご承知の事と思うけ
ど。素行調査や迷子の猫探しなら、気晴らしに受けてみても良かったのにな」

 からかうように青年は云い、紅茶のカップをソーサーごと取り上げた。
 春摘みのダージリンだ。きりっとした香りを愉しみながら、紅茶と写真の脇に置かれた新聞に
少し眼を遣り、戻す。
 一面の記事は『深夜の銃撃戦 またもマゴーラカ神教』とあった。

「それにどっち道、殺人代行業はしてないんだよ。ねえレイコさん、これ、服務規程違反じゃない
かなあ?」
「服務規程ではなく刑法違反ですわね」と、遠くのデスクでノートパソコンに向かっていた美女が
顔を上げ、にこやかに答えた。
 かけている眼鏡のような、どことなく硬質な微笑を崩さぬまま続ける。

「刑法第百九十九条により、人を殺した者は死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処されま
す。また人を教唆して犯罪を実行させた者にも正犯の刑を科する、というのが同六十一条になり
ますわ」
「……だってさ」

 青年は軽く肩をすくめ、カップをテーブルに戻す。持ち上げた時と同じ、優雅な所作である。
 源氏の正統なる嫡流、“鬼”の天敵、そして『火閻魔人』。
 幾多の異名を持ち、嘗て日本の鬼族退治の全権を担っていた青年――今は別の名を名乗る彼、
紫擾津那美(しじょう・つなみ)は悪戯っぽく笑った。
 笑いを投じた目の前には、彼と同じ位美しい依頼人がいた。


「さあ困ったね。どうしよう、神楽ちずるさん?」

64 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:40:54
毎度、お待たせだね。
僕の事務所に関しては、上記のレスで書いた通り。内装自体はごく普通だね。
マゴーラカ云々は、まあ夜刀の神復活みたいな話は、神楽さんのような人だと耳に挟んでいて
もおかしくないかな、というだけだから。特に大した話でもない。

何か不明だったり不味かったりする部分はあるかい?
問題があるようなら速やかに訂正するので、お気軽にどうぞ。

65 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/28(火) 00:48:28

  返答が遅れた事を詫びよう。
  で、これと言って不明な点も、拙い部分も無いな。
  直ぐに取り掛かる―――と言いたい所だが、本業の方も片付けねばならん為遅れるだ
 ろう。気長に待っていてくれると助かる。
 

66 名前:紫擾津那美:2006/03/29(水) 00:50:57
>>65
ああ、何も問題ないのなら、それはよかった。
何、きっと僕の次のレスは、それに輪をかけて遅くなるだろうからね。
全く些細な事だと思うよ(大いに問題ありです

67 名前:神楽ちづる ◆FncB6Yata. :2006/08/03(木) 22:19:51

 「この国では古くから『鬼』と呼ばれるものが数多く存在します」

  神楽ちづると呼ばれた女性は、問い掛けなど無かったのかのように淡々と話を紡ぐ。

 「遡れば『出雲風土記』に記された一つ目の鬼にまで遡る事が出来ますが―――この
 国では邪な気もまた『鬼』と呼ばれ、人との生活に深く根付いていると言っても過言で
 はありません」

  ここで彼女はその美貌を少しだけ歪め―――

 「―――古の昔にこの国の鬼退治を全てになっていた貴方には釈迦に説法でしょうが」

  少しだけ自嘲を含めた声で語り、

 「本題へと移りましょう」

  その美貌を鋭利で怜悧な、真剣な表情へと変え、続ける。
  そこに神楽ちづるは無く――――

 「ヤマタノオロチ―――もちろんご存知でしょうが、かつてそう呼ばれたモノが居ました。
 厳密に言えば鬼とは異なるのかもしれませんが……人の傲慢で語るとすれば、それは
 邪な、『鬼』と呼ぶに相応しいモノでしょう」

 『三種の神器』――『三種の神技』の末裔。
 『八咫』ちづるが在った。

 「そのヤマタノオロチ―――私達のように古くから続く、一握りの家系の者は『オロチ』と
 呼んでいるのですが―――97年に一度復活し、様々な要因が重なり再び封じる事が出
 来たのです。『草薙』、『八神』――いえ、『八尺瓊』の助力もありましたから」

  彼女は再び表情を歪め―――そこにあるのは自嘲ではなく想像するに難い苦痛であっ
 たが―――淡々と、しかし抑え切れはしない激情を滲ませながら紡ぐ。

 「ですが再び―――『オロチ』の封は破られました。その頃を境に、貴方の本職も忙しく
 なってしまったのではないでしょうか? 『マゴーラカ神教』、何かときな臭い匂いのする
 『燦月製薬』、そして―――『ミレニアム』など、私の把握している限りでは、全ての『滅び
 の意思』の切っ掛けとなっている気がしてならないのです。『オロチ』の復活は」

  彼女はここで一旦話を止め、自分の前に用意されているティーカップを手に取る。
  香りを楽しむように、少し口に含み、嚥下し、揺れる水面に目を落とす。
  まるで結論を先延ばしにするかのように、ただただ呆然と。鏡を覗くかのように。

 「―――――――――」

  カップを戻し、何かを決心したかのように切り出す。

 「……『彼』は、『オロチ』の因子を色濃く受け継いでしまった、運命の鬼子です。
  その身に降りかかる命運は誰よりも悲惨で、陰惨で、壮絶に、救いが―――無い。
  今の『彼』は、とても危うい状態で、この状況が加速度的に進行する事で、『彼』と
 しての自我は消え去り、ただの『獣』―――『鬼』に身を窶す事でしょう。
  私にはそれを止めるだけの力も無く、また『彼』も偶然が重ならなければ呪縛から逃れ
 る事は出来はしない。
  ですから―――――」

  沈黙。
  場を支配するのは静寂と、頬を撫でるように過ぎ行く微風。

 「無理なお願いだとは承知していますが……『彼』を――――」

  その決心は苦渋の末の選択か、それとも――――

 「『八神庵』を――――」

  ただの同情か。

 「――――殺して下さい」
 

68 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/08/03(木) 22:23:17

  一応、上げて置くか。
  およそ五ヶ月―――随分待たせてしまったが、取り敢えず返した。
  そちらに続ける意思があるのであれば、今暫らく付き合って貰おうか。

  漸く俺の中での葛藤にも片が着いた。
  続けるのであれば速い返答が可能だろう。
  まあ、そちらの意向次第だがな。
 

69 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 19:27:03
ああ―――久しぶりだ。
ほんとうに久しぶりに、外に出た……。
世間からもアニメからも作者からも会社からも忘れ去られて、
いったい何年の時が経ったろう。

まあとにかく待とう。

70 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 19:47:41
>>69 シキ
 初めまして、よろしくバケモノ。

>忘れ去られて
 アニメが駄目ならコミックに出ればいいじゃない、とか

71 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 19:49:38
>>70
あん? ああ―――なんだ、バケモノか。
よろしくも握手もオレは言わないから、そっちで勝手に言え、バケモノ。
バタ臭いんだよバケモノ。

で、どうする。何か考えたか?
素晴らしいことにオレは何も考えてねーぞ。
どうだ? ステキだろう。けひひひ。

72 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 19:54:02
>>71
 やべー。何こいつ、テンションたけー。どうしよー。


 (スルーして)……で、闘争の話だ。

 ぶっちゃけ、即興ならあんまり大層な理由はいらねえよな。
 それこそ「見た目の色が似てて気にくわねえ」とかでもいいワケだ。

 いや、流石に俺から突っ掛かっていくって事はないけど。

73 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 20:00:48
>>72
 オレはオマエほどには白くないぞ。
 具体的に言うと、ここらへんがおまえより白くない。
 ほら……もっと近付いて見てみろ。
 ここだ、ここ―――ひはー! 嘘に決まってんだろうが何にもねえよ!
 オレもオマエも真っ白だよバーカ! ひはははは!

 ……と、まぁオレの勝利が決まったところで話を進めよう。
 知っての通り、オレも三咲町からは離れられないワケがある。
 外国なんかに高飛びしたら琥珀に何をされるか分かったものじゃないからな。
 聖域の森での闘争は―――あれは「気付いたらなぜか森にいた」なんて
無茶苦茶な理由だったから、できれば使いたくはないんだ。

 どうだ、バケモノ。何とかして三咲町に来られねーか。
 理由なんてどうだって良いんだ。オマエは頭悪そうだからな。
「何代か前のロアに恨みがある」とか「バトーが拉致られた」とか「電波を受け
取った」とか「観光中♪」とか、それっぽい理由があんだろう? おお?

74 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 20:06:17
>>73
 やべえ、ちょっと緊急で用事が出来たっぽい。

 21時までに帰ってくるから、頸洗って待ってて。マジで。

75 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 20:08:48
な、なんだ? くびを洗っていれば良いのか?
ちっ、しようがないバケモノだ。
おい―――琥珀、さっさとオレのくびを洗え。

76 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 21:04:12
 ただいま、っと。

 いや、悪い悪い。ちょっと野暮用をカタしてた(硝煙の臭い

>>73
 (冒頭スルーして)
 あー、俺がそっちに行く理由か……

 俺は最近、失踪した『前時代の遺児』達を見つける仕事を主にやってる。
 だから「ミサキ町のヤクザに攫われた子供達の保護」辺りが妥当かと思う。

 まぁ、俺がミサキ町に行く理由ってのはそんな感じでいいだろ。






 頭悪そうとか言うな。ていうか>>75見た限り、お前にだけは言われたくねえ。

77 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 21:11:11
>>76
 おうおう、それだ。それでいこう。それで問題ねーよ。
 因みにオレはバカじゃないからな。少なくともおまえよりかは。

 導入は決まった。次は―――舞台だ。
 どこで接触する? どこで殺して殺される?
 オレは殺人鬼だからな、夜の三咲町ならばどこにだっている。
 地下鉄あたりで戦ってみるか?
 それとも高速道路上とか?
 どうせおまえ、死なねーんだろう?

78 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 21:34:32
>>77
 フィールドかー。あー……何処にするかな……

 まぁ、どうせなら屋内がいいよな。
 地下鉄ってのは中々面白いかもしれない。
 そこでいいと思うぜ。

 高速道路は……俺がそこに行く理由がないし。

79 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 21:50:52
>>77
 了解した。ならば、地下鉄を血で染めよう。
 ヤクザの取り引きか何かを、終電後の車両内でやってみたらどうだ?
 整備か何かのため―――という名目で電車を走らせて、そこで取り引きをするのだ。
 そうすれば、わざわざ地下鉄まで誘き寄せる必要は無くなる。

 オレは……殺人鬼だからな。
 三咲町におまえがいれば、それだけで参上する理由にはなる。

80 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 22:19:26
>>79
 判った。じゃあ、アンタのいう感じで導入部分を書いてみる。

 確か23時でオチるとか言ってたよな?
 それなら、今日はこっちの話はこれまでにしていいぜ。
 俺は一人でシコシコ頭の部分を考えているからさ。

 出来上がったら……ここ、に張ればいいのか?

81 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 22:23:50
そうだな。それで構わん。
悪いがオレは明日は一日中いないから、本格的に始まるのは土曜日からだ。
せいぜい愉しもうじゃないか。

82 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:10:04
 さて、そろそろ張るか。

 一々説明するより、とっとと見てもらった方が早いだろうし。

83 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:10:52
ハイネVS遠野四季

 Deadly and Dogs(仮)



 時計の針はその日の終わりを告げ、既に日付も変わっている、三咲町の駅。
 その地下鉄ホームから発車する回送の電車に、乗り込もうとする複数の人影がある。


 数日前、三咲町のとある暴力団事務所に、取引を持ち掛けてきた華僑達がいた。

 ――――某所で買い取った『前時代の遺児』を売り払いたい。

 四季のない街の地下で生まれた、華やかなりし頃の遺伝子工学の産物。肉体の情報を著しく組み替えられた彼等彼女等の身体には、純粋な人間には存在しない動物の部位があった。
 相対的に見て愛らしく美しい外見を持つ彼等は、特殊な趣味を持つ好事家達によって"収集"され、或いは慰み者となり、或いはその下衆な趣味の前に命を散らす。

 当然この国の法律では人間として認められているので売買は禁じられているが、それを掻い潜る者もまた存在する。そして、この取引を持ち掛けられた方も、また持ち掛けられた方も、そういった非人道的な行為に関して、一切良心の呵責を感じない者達だった。


 取引は終電後の地下鉄で行われる事になっていた。

 具体的な方法はこうだ。

 まず、『購入資金』を持ったヤクザ側が、三咲町に停車した電車の最後尾に乗る。
 続いて『商品』を持っている華僑側が、隣の南社木市で最前車両に乗り込む。
 二組は丁度真ん中の車両で品を交換して直進、ヤクザは最前車、華僑は最後尾に行く。そしてそれぞれ、次とその次の駅で降りて、取引は終了――――とこういう事だ。

 当然、車掌や駅員は買収されており、互いの組の予備員がそれぞれの駅で部外者を入れないように見張っているので、回送電車に乗り込んでも不審がられる事はない。

 本来ならば厳重に警戒されたホテルなどに行けばいいのだろうが……お互いそれほど大きな組織でもない。余計な邪魔が入らないようにするなら、この辺りが妥当だった。


 そして結論からいえば……二つの組は、この車両に乗り込む事すら出来なかった。

 何故なら両方とも――――



 乗り込む前に全滅させられたからである。

84 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:12:45
>>83
「Deadly and Dogs(仮)」

 俺達の街とは違う何処か無機質な地下鉄のホームで、連続した銃声が響いていた。

 「……散れ」

 俺はモーゼルのトリガーを引いて、最後に残った中華野郎の胴体に銃弾を叩き込み、悲鳴
を上げて倒れたそいつの顔面を蹴り付けて完全に黙らせる。

 辺りには同じように銃弾を喰らって、死んだり死ななかったりして動けなくなっている連中が
山ほどおり、あまり心地良いとはいえない血の臭いが立ち上っている。

 「……終わったか、ハイネ?」

 銃の弾倉を交換していると、何処からか眼帯をつけた赤ロン毛の男が現れた。

 「てめぇ、バドー! 何処隠れてやがった!?」

 俺はそいつに掴み掛かって殴ろうとしたが、背後に控えていた子供を見て拳を引いた。

 質素だが生地の薄いゴシックドレスに身を包んだ、淡い金髪の少女だ。華奢な身体と端整な
顔は人形じみていて、どちらかといえばあまり元気がない。
 街に置いてきたアイツを思い出す。しかし、顔はあまり似ていないし、背中から白い羽が生え
た「翼種」じゃなくて、頭に角のある「羊属」だ。アイツじゃない。
 唯、アイツに似ている奴が死ななくて済んだのだから、気分が悪くない……事もない。

 「いや、その、目標の保護?」

 「何で疑問形なんだよ」

 「そんなカリカリすんなよ。怖がってるじゃねえか」

 バドーの後ろに隠れていた「羊属」が、怖がるような目を向けた。そんなに険を込めた積もり
はなかったが、怯えるぐらいには怖かったかもしれないと思うと、何だかバツが悪い。

 「まぁ、な……それより仕事も終わったし、とっとと帰ろうぜ」

 「いや待て待て。情報では後少しでこいつらの取引先が来るハズだ」

 そういえばそんな話になっていた事を思い出して、俺はその面倒臭さに吐きそうになった。
 面倒な事この上ないが、こういう連中は面子を重んじる。自分達の取引が全く関係ない第三
者に潰されたと知ったら……しかも商品を持ち逃げされたと気付いたら。

 「まず間違いなく追い掛けてくるだろうな」

 「ゲッ、マジかよ……」

 となると、どちらかが時間を稼いで、もう片方が「羊属」を連れて逃げるしかないが。

 「……俺はイヤだ。たまにはお前がやれよ」

 「そうしたいのはやまやまだけどな。お前、この子連れて逃げれんの?」

 「う……」

 確かに俺は全く戦えない奴を連れて、追手を気にしながら、痕跡を消して逃げる……なんて
芸当は出来ない。そして比較でいうなら、そういう真似はバドーの方が得意だし。認めたくない
が、戦うのだとしてもバドーよりは俺がやった方が幾らかマシなんだろう。

 「あぁ、クソ……判ったよ。俺がやりゃあいいんだろ?」

 結局俺が折れるしかなかった。流石にこんなところで仕事が失敗するとかは厭だし。

 「頼むぜ、相棒」

 「こんな時だけ相棒扱いすんな」

 駅のホームから去っていく相棒に吐き捨てて、俺は電車がやって来るのを待った。

85 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:17:18
 そして>>83の改行忘れた俺orz

 とにかく、こんな感じでシキは三咲町駅で、俺は南社木で乗り込む、と。
 それぞれ乗る車両が離れていれば、電車の乗る前から戦う事もないし。
 まぁ、>>84だと俺が乗り込む理由が少し希薄かもしれないが……まあいい。

 シキが運転手を死者にすれば、戦場がそのまま暴走列車に出来るだろ。
 その辺りはアンタの方で上手くやってくれ。

86 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:23:24
確認した。秀逸な導入だ。思わず、溜息が漏れるほどにな。
予想以上の出来映え―――これなら問題なく、戦闘に至れるんじゃないか?
つまり、オレは三咲町から乗り込んでヤクザを皆殺しにて南社木に到着する、と。
そういうことだろう? クカカ―――了解したぞ。

今から書く。なに、そう待たせはしない。

87 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:53:45
ハイネVS遠野四季
 Deadly and Dogs(仮)

 臭いに釣られるがまま。
 風に誘われるがまま。
 遠野シキは理由など欲しなかった。

 一昨日、繁華街の路地裏で制服姿の少女を襲い、戯れに血を与えたのも。
 昨日、苛立ちに任せて駐車場の監視員を肉片に変えたのも。
 理由なんて無いのだ。意味なんて存在すらしないのだ。
 シキ自身そう在ろうと心掛けていた。
 己は狂っているのだ。狂気に理由は存在しない。言葉では顕せないからこそ、
狂気は常に人を脅かす。故に己は―――理由を必要としない。
 今宵、ふと目に付いた階段から地下へと潜っていったのも―――彼の言葉を
用いれば、足がそちらを向いたから。それだけに過ぎない。

 だが、始めて目にする地下鉄の駅舎は四季を戸惑わせた。人生の八割を土の
下で過ごしたシキだったが、彼は知らない。奈落には、このような広大かつ静
謐な空間が用意されていたなど―――シキは聞いたことすら無かった。

 床は綺麗に磨き抜かれ、天井は高く、壁には退屈を紛らわせる掲示物が数多
く貼り付けられている。まるで息苦しさを覚えない。どころか、雑多で猥雑な
地上よりも澄んでいるかのようにすら感じられる。
 これは夜の静寂と、人気の無さ故の錯覚か。昼に訪れれば、やはり地上同様
に鬱陶しい人足がこの広大な空間を満たすのか。
 だが、どちらにせよ。
 
 ―――オレが長年虜にされ続けていた……あすこに比べれば、遙かに健全だ。

 不公平な限りじゃないか。奥歯がぎしりと悲鳴をあげる。
 自分には低い天井と、痛みきった畳みしか与えられなかった。
 新鮮な空気も、広大な空間も――そんなもの――ありやしなかった。
 だと言うのに、ここは……ここは……。

 その時、遠く果てから音が聞こえた。
 奈落より生ずる怨嗟のように、地を揺るがす音が。
 遠い……遠いが、かなりのスピードで接近しつつある。
 床を微かに揺らす振動が、シキの人外の聴力を補う。この揺れ方には覚えが
あった。そうだ。鉄道という奴だ。オレはかつて、幾度かそれに乗ったことが
あるはずだ。彼女と一緒に。あの最愛の人物と肩を並べて。

 ―――まさか、地面の下にも通っているとはな。

 シキの口端が僅かに釣り上がった。
 過去を偲ぶために、そして今は亡くしてしまったその過去を再び取り戻すため
に、白髪の青年はゲートを通過して、更なる地下を目指す。

 藍染めの色無地和服を粋に着流した着物姿。
 その裾が、三咲町駅のホームから流れる風に煽られ揺れた。

88 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:55:29
こんなところでどうだ?
ヤクザと遭遇描写は面倒だから割愛する。
次のレスでは既に皆殺しにしちまったことにするさ。
もしおまえが最後尾に辿り着いても、そこで目にするのは膨大な数の骸と血の池だ。

89 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 22:23:29
>>88
心理情景を描写出来る方が……えっと……強い(あry風
凄く癪だけど、やっぱり書き慣れている奴の文は違うって思ったぜ。

それで提案なんだが、遭遇は真ん中辺りの車両を使った方がいいんじゃないか?
俺は華僑と同じく最後尾から乗車するから、シキは最前列にいるっていう風に……
でもお前は最後尾から乗車して、俺より先に最前列に行くのがいいと思う。
それなら俺はヤクザの屍体を目撃出来るし、お前は運転手を下僕に出来る。

まぁ、俺は別にヤクザが全滅させられた事を知らなくてもいいんだけどな。
一つの案として考えただけだから、他にいいのがあったら言ってほしい。

90 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 22:35:53
 ふん、素直に褒められたと受け止めておこう。
 悪い気分はしないからな。

 提案については了承した。
 そっちの方が絵的にも栄えるだろうし、都合はいい。
 最前列でぶっ殺すとしよう。
 というか、お前が乗り付けた時点では運転席で遊んでいることにする。
 運転手ごっこは子供の頃からの愉しみだったからな。

91 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 23:30:43
>>90
あー、判る判る。俺も列車の運転は割と上手い方なんだぜ?
……「電車でGo!」だけどな!(まさにゲーマー

ていうか>>89は何だか意味が判んねーな。流石に徹ゲー明けは眠い……
俺は華僑と同じじゃなくて、とっとと終わらすために最後尾で待ってるんだっての。

要するに三行で説明すると
・俺はとっとと戦うためにヤクザのいる最後尾で待っている
・アンタは最後尾のヤクザをブッ殺して最前列に行っている
・その後、俺がアンタを追って最前列に行く
とこうなるワケだ。

駅につく前にアンタが最前列にいれば、華僑と俺が戦った後を見て警戒出来る。
逆に駅ついた時はまだ真ん中ぐらいなら、俺は油断しているアンタの不意を打つ。
どっちにするかは……取り敢えず俺が最後尾に入るトコ書くんで、その後決めれ。

それと俺がアンタの後をつけるのは、「血の跡が続いていた」でいいか?
アンタがそういう痕跡を残すかどうかイマイチよく判らないんで、訊いとくんだけど。

92 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 23:36:41
ああ? 悪いが痕跡とか指紋は残しまくりだ。
おまえの都合のいいようにでっち上げてくれて構わん。
殺しはただ単純に、オレの裡側が勝手に命令してくるだけだからな。
オレがやりたくてやってんじゃねーよ。多分。
だから美学とかもねぇんだ。

他のことについては了解した。
期待して待ってるぜ。

93 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:04:05
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 俺はホームの一番後端に当たる部分にある自販機の影で、列車が来るのを待っていた。
 華僑の一人をボコして、相手のヤクザ共がそっち側に来るのを聞いていたからだ。

 ……確かに奴等の取引方法は悪くなかった。お互いに別の場所で乗り合わせて、絶対に邪
魔者の入らない車内でブツを交換、後は擦れ違ってまた別の場所で降りる。
 これなら警察にガサ入れ喰らわない限りは大丈夫だし、駅員さえ買収しておけば掛かる費用
も殆どない。大きな組なら兎も角、中どころか小規模の組織には上手い手だ。

 しかしこの場合は、乗り合わせる前に第三者の邪魔が入る事を考えると、どうしても上手くい
かなくなる。というか何事もそうなんだろうけど。特にこの場合、最後尾にいるのが判ってるな
ら待ち伏せられるし、華僑に成り済まして取引を潰す事だって出来た。
 まぁ、流石にこの国では見ない顔の俺が、華僑に成り済ますってのは無理がある。他にも色
々手はあるんだろうが、車両が到着すると同時に不意打って終わりってのが一番っぽい。

 そうして俺が待っていると、あの街ではあまり見掛けない……しかし全く見覚えがない訳でも
ない、箱を横に並べたみたいな形の列車がホームに入ってくる。

 「やれやれ、やっと来たか……」

 俺は寄り掛かっていた自販機から背を剥がして、思い切り横に飛び出す。

 そしてホルスターから抜き出した二挺の銃を構えてトリガーを――――引かない。

 「……あ?」

 車両が到着した時から、何となく違和感はあった。
 それは、それこそ襟から小さな羽虫が入ってきたかのような、微かな感覚だ。

 しかしその中を覗き込んだ瞬間……それは確信になった。

94 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:04:24
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 「なん、っだこれ……ブラッドバスかよ」

 車両の中はべったりと紅い血が塗りたくられ、まるでケモノに食い千切られたみたいな肉塊
が散乱している。慣れていなければ吐いてしまいそうな、内蔵やら骨やら脳味噌やらの砕けた
「死の臭い」が充満し、有り触れた風景をとんでもない異世界にしている。

 「何があったんだ一体……俺より先に誰か来たのか?」

 にしては、あまりにも荒れ過ぎている。俺も殺しぐらいするが、ここまで徹底的に人体を破壊
する事はないしその必要もない。人一人殺すなら、頭を撃てばそれで済む。
 こういう事をするのは、余程こいつらを恨んでいるか……常識の通用しない異常者か。どち
らにしても人一人解体するのも大変なのに、数が判らなくなるほど壊すのも変だ。

 と、そんな事を考えていると、俺の背後でプシューッという空気の抜ける音がした。

 「って、あああぁぁぁ――――!」

 慌てて振り返った俺の視界に、無情にも閉まっていく自動ドア。手を挟んで止めようとするよ
り早く、両脇スライドのドアはぴったりと合わさっていた。

 「クソッ、この……!」

 両手の指を扉の隙間に強引に捩じ込む。俺も多少人とは違う身体だ。このぐらいなら腕力で
開けられる――――開けられる――――開けられる筈――――

 「って開けよゴルァアアァァァァッ!」

 とかやってたら爪割れたし。
 俺はガラスを割って外に出ようと思い、窓に向けて銃を構えた。
 しかし既に景色の流れる速度は、飛び出して無事で済む速度を超えていた。

 「チッ……マジかよ、クソッ……」

 銃を下ろして、どうすればいいのか考える。脱出は出来ないし、どうせヤクザ共も死んでいる
んだからこの電車に乗っている意味なんて欠片もない。

 「あー、もう。しょうがねえなぁ」

 俺は頭を掻きながら、戦闘車両に向かう事にした。
 車掌や駅員が買収されてるなら、運転手を脅して止めさせてやろうと思ったんだ。

95 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:05:59
長くなったんで二つに分けた。
つーか中々出会わねえな。

痕跡云々は後に回して、取り敢えず前に行ったから。
後はアンタが待ち伏せるのか油断してんのかで変わる、と。

96 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 01:24:24
確認した。問題はないだろう。
オレは電車goしていて、そこにおまえが出くわすということで構うまい。
おまえに因縁をつける理由は、こじつけだが一応考えた。
レスにうつる。しばし待て。

97 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:05:40
「ガタンゴトンガタンゴトンーガタンゴトンガタンゴトンー……ハ、ハハハ。
こいつは調子がいい。―――思い出したぞ。オレはな、ガキの頃からこいつが
好きだった。どれくらい好きかって言うとよ……毎日ヒマさえあれば踏切に行
って、こいつが通り過ぎる度に感嘆の声をあげちまうぐらいに好きだったんだ」

 ガラス越しに映し出される風景。燦然と輝くライトに照らし出され、闇から
から生ずる景色をシキは夢中で見入った。接近しては過ぎ去り、追い付いては
追い越してゆく景色を眺めながらそれ≠ノ語りかける。

「ご存じの通りオレのところの家庭はそこそこ裕福でな。送迎の一切は自動車
で済ませていた。だから電車なんて見る機会も乗る機会も滅多に無かったんだ。
電車という乗り物が一体何なのか、すら深くは知らなかった。だからオレは
ただ単純にすごい乗り物≠チてことで、こいつに憧れていたんだ。いつかは
こいつの運転手になりたい、なんて一丁前に凡庸な夢まで持ったりしたっけな。
くひひ。その度に、遠野槙久のクソオヤジに『そんな卑賤な職には就くな』と
眉を寄せられたっけなぁ? ……ちっ、いま思えば失礼な話だぜ。おまえの
ように日夜、利用者のために身を削って働く『運転手様』をあのクソオヤジは
卑賤と言い切ったんだぜ? 許せるものじゃないよなぁ。少なくとも卑賤な家
系の家長なんざやっているクソオヤジに言われたくはないだろう? 遠野の
薄汚れた血に比べれば、あんたの職務は仏様みたいなもんだ。オレはおまえを
尊敬するぜ。だから、元気を出せ。……ああ、安心しろ。仇は討った。あいつ
はオレがぶっ殺してやった。もう誰もおまえを卑賤だなんて言わせない」

 語りかけながらも、シキは窓から目を離すことをやめない。何せ、ここは
観覧者専用の特等席。今宵、彼のためだけに解放された運転室なのだから。

「おまえ、良い奴だな。こんな素晴らしい席にオレを通してくれるなんてよ。
オレ、人間にここまで優しくされたの始めてたぜ」

 天井まで届く視界良好なフロントウィンドウ。そこから広がる景色を、
シキは如何にもご機嫌といった様子で受け入れていた。

「疾いよな。こんなに疾いのに、風がないなんて―――信じられないぜ。お陰
で景色がよく見える。残念なのは地下ってことか。もっと広い景色を目にして
みたかったぜ。……だけど、地下ってのも悪くない。この底の窺えない闇。実
にそそられるじゃないか。まるでオレの寝床へ送ってくれる直行便だ。くひひ。
 ―――あ? 良ければ運転してみないかって? やめろよ。この恰好を見れ
ば分かるだろう」そう言ってシキは両袖を持ち上げてみせた。「オレは古い
人間なんだ。過去に捨てられちまった人間なんだ。こんな最新の技術、扱える
はずがない。そりゃ、少しは運転してみたいが……壊しちまったら、おまえに
悪いかな。大人しく景色だけ見ているとするよ。ガタンゴトンガタンゴトンー
ガタンゴトンガタンゴトンー―――ひひひ。さいっこうに気持ちいいぞ。
 なあ? おまえもそう思うだろう? なんか言えよ、おい」

 シキはようやく窓から目を離すと、彼の隣に直立する運転手の肩を小突いた。
 がくんと一度大きく揺れて、運転手は様々な計器やハンドルが並ぶ操縦盤に
突っ伏す。運転手は喉元から胸下まで鋭く切り裂かれており、本来紺色のはず
の制服が今ではどす黒く染まっていた。操縦盤やフロントウィンドウには、噴
き出した鮮血がこびり付いている。

「ああ―――」白髪の青年は、いま始めて気付いたかとでも言うように、頭に
手をおいた。「そう言えばおまえ、死んでいるんだったな。そいつは悪いこと
した。なんだよ、じゃあ人間に優しくされたわけじゃないのか。死人だもんな」

 ぶつくさと呟きながら、シキは運転手の右手を肩からもぎ取った。

「運転だけなら左手だけで十分だろう? こっちはオレがもらうぜぇ」

 歯を立てて二の腕にしゃぶり突く。
 視線はすでに流れる風景へと戻っていた。シキの様子は、まるで映画鑑賞を
愉しみながらキャンディーを舐める子供のようだ。

「ああ、やっぱりあんたは良い奴だ。味わってみるとそれが分かる。男にしちゃ
なかなか美味いぜ。少なくとも、後ろにいた連中よりかはな」

98 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:05:51
オレも少し長くなったな……

99 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:09:19
結局待ちだ。おまえの行動次第でアクションに出る。

100 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 02:29:15
 眠いっつーか眠いっつーか、眠い(何

 悪いがこのままではまともなのが書けそうにない……
 ので、今日はここまでにしてハイネはクールに寝るぜ。

 また明日ヤろうぜ。じゃあな。

 【盗んだバイクで走り出して退場】

101 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:31:22
ああ? 全然構わん。オレは他にもやることがあるしな。
気を付けて帰れよ。オレはここで待っている。

102 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 23:11:37
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 「うへぇ。酷いな、血の臭い」

 俺は車両の中を歩きながら、そんな台詞を呟いていた。

 何しろ、最後尾から一体どれだけ暴れたのか、血の跡がずっと続いている。
 屍体も一つの車両に最低二つはあるし、どれもこれも徹底的に破壊されていた。

 これだけ死の臭いが濃いと――――あの時を思い出してしまう。


 あの、地の底で自分と似たようなマヌケ面を延々と殺し続け、

 狂った俺の両腕が、君を貫き、引き裂いた日のコトを――――


 「……チッ」

 舌打ちをして、俺はふと窓の外を見た。
 ……何だか先刻より、走る速度が上がっているような気がする。

 「もしかして、かなりヤバイんじゃないか?」

 面倒な事態は好転するどころかどんどん面倒になっている。
 多分このままあっさり帰れる訳じゃない事も、いい加減に判っていた。

 だってこんなにも――――首筋にビンビンキテる、危険な緊張感は。

 「ここが最後か」

 前から二番目の車両までは何事もなく進めた。
 しかしそこから先頭、っていうか運転席を除いた時、俺は既に銃を構えていた。


 運転席でこちらに背中を向けているのは、あまり見掛けない服を着た若い男だ。
 そいつは運転席で死んでいる血塗れの車掌の腕をもぎ取り、嬉々として貪っている。

 ……人の趣味をとやかく云わないが、共食いなんてするのは異常者の証拠だろう。

 それに――――見覚えがあり過ぎる、真っ白な髪の色――――

 「ヘイ、ミスター」

 俺は声を掛けると同時、両手に握った二挺拳銃のトリガーを、きっちり二回ずつ引いた。
 7.62mm×25の重い音と9mm×19のやや軽い音と共に、銃弾が男の背中を食い破る。

 「運転手殺したら――――電車が止まらなくなるだろうが!」

 続いて叫びながら、俺はソイツのいる運転席目掛けて駆け出していた。


 背中に四発も銃弾を喰らえば、普通は動けなくなるだろう。
 しかし、俺には確信があった。

 あんなに俺に似ている奴が――――この程度で死んだりするもんか。

103 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 23:14:25
 祭りの相談してる最中にこっそり投下。

 もう恥も外聞もなく不意打って銃撃した。
 尤も、こんな程度で吸血鬼が死ぬワケねえだろ?

 さて。
 来て早々悪いが、ちょっと席外すぜ。
 すぐ戻るから待ってろ。

104 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 23:30:20
吸血鬼と言ってもオレに再生能力は無いんだがな。
まあ代わりに不死≠フ能力はあるから、無茶はできるが。

不死性では
   ハイネ>>オレ

身体能力では
   オレ>>ハイネ

と言ったところか。

105 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/06(月) 00:20:57
ただいまー

>>104
何だよ、そんなもんなのか?
もっと凄いと思ってたんだけど。

まぁ、この次気を付ければ大丈夫だよな?
このぐらいで勝負つくほどじゃないだろーし。

106 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/06(月) 00:55:38
 鼻をくすぐる、甘い匂い。今まで嗅いだことの無いそそられる臭いだ。
 そのあまりの甘美さに、「ガタンゴトンごっこ」に興じていたシキの注意が
一瞬逸れる。―――と同時に、背中が弾けた。

「おあぁ?!」

 予期せぬ背後からの衝撃に、白髪の青年を為す術もなく倒れ込む。彼の胴部
を貫通した弾丸がフロントウィンドウを穿ち、縦横無尽に亀裂を走らせた。

「あぁー!」

 口元から血を滴らせながらも、絶叫をあげる。

「ち、畜生……何にも見えん! どういうことだ!」

 フロントウィンドウに拳を突き立て、視界を妨げるひび割れたガラスを薙ぎ
払う。視界が開け―――同時に突風が運転席を蹂躙した。

「あああ?!」

 ―――なんて、こと。

 風がびょうびょうとシキの耳朶に飛び込む。空気を穿ち進む列車はそれ故に
風の抵抗を浴びて、運転席に突風を招き入れていた。
 彼が憧れてやまなかった静寂の疾走は、いま完璧に破壊されたのだ。

 己が銃撃されたこと。それは別にどうでもいい。
 この程度の負傷なら、いくらでも換えはきく。己の不死は揺るがない。
 だけど、もう―――あの静寂は無くなってしまった。
 あれほど厳かだった疾走も、今では猥雑な風の音に駆逐されている。

 ―――なんて、こと。

「フツーに考えれば分かるだろう……次の駅まではオレの番だって言うこと
ぐらいが! キサマは順番待ちもできないのかぁ!」

 怒りが血液に滾りを与える。視界が真っ白に染まった。
 これはもはや理性による行動ではない。半ば憎悪に突き動かされる形で、
シキは懐から引き抜いた短刀を擲った―――振り向き様に、この奇跡を台無し
にしてくれた者に向けて。

107 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/06(月) 00:58:05
>>105
 オレの中の吸血鬼っていうのはロアだからな。
 こっちのオレの場合は、それがあんまり強くは作用していないんだ。
 だから吸血鬼としての能力は限られている。
 再生能力もないんだな。

 だが、代わりになかなか死ねない身体を持っているし、色々と便利な能力もある。
 ふつーのバケモノ程度には力もスピードもあるしな。 

108 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/06(月) 05:03:28
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 『フツーに考えれば分かるだろう……次の駅まではオレの番だって言うことぐらいが!』

 そいつは全く意味の通らない事を喚きながら、こちらに振り向いた。
 銃弾で思い切り背中を抉られたってのに、まるで何事もなかったみたいに、元気でいる。

 整っているが狂気に歪んだ顔。
 血のように紅い濁った瞳。
 色を無くしてしまった髪。

 ほら、こんなにも俺に似ている奴だから、死なないと思っていた――――

 『キサマは順番待ちもできないのかぁ!』

 「!!」

 そいつは振り向き様、手にしたナイフを思い切り投げ付けてきた。
 真っ赤に濡れた銀色の刀身は、この惨状を作り出した道具である事を語っている。

 「……チッ」

 そいつの外見に気を取られてしまって、一瞬反応が遅れた。
 咄嗟に右手を振ってガードしたが、ナイフの刀身は手の甲に突き刺さる。

 「ッ――――」

 痛みに叫び出したくなる衝動を抑えてナイフを抜くと、ぶしゅっ、と血が噴き出した。

 「ハァッ――――ク、……ハァ、ッ……ハ……」

 掌を握り締めると、痛みが徐々に治まっていく――――そうだ、これでいい。

 「ふゥ――――。ふー…………」

 俺は固められた拳を眺めて、くっ、と自嘲するような笑みを零した。

 「……チッ。カッコ悪りィの」

 呟きながら落としたモーゼルを拾い上げ、改めてその男に向き直る。

 こうしてみると、俺とは全然似ている気がしない。そもそも人種が違うし、こいつの目には理
性の光みたいなものはまるで伺えない。俺とは……違う。

 ここにいるのは、狗でも持っている見境すら失くした――――唯の異常なバケモノだ。

 「楽しんでるトコ、邪魔して悪いな。でも、こんな事するお前が悪いんだ」

 線路だって無限に続いている訳ではないし、脱線する事だって在り得る。当然、俺にこの電
車を止める術はないが……運転手が死んだ以上、俺が止めるしかないだろう。
 まぁ、やろうと思えば出来る。問題は、このどう見ても殺人鬼にしか見えない男の存在だ。

 こういう奴は殺人における動機を持たない。動機があっても殺すが、全くなくても殺す。判り
易くいえば、そいつが「右を向いたか左を向いたか」って理由だけで殺せる。
 真逆俺がこの暴走列車を止める作業をしている間、黙って見ててくれたりはしないだろう。

 ここまで判っているんだから、わざわざコイツを捨て置いて他所にはいけない。
 俺はまだ、こんなところで死んでしまう訳にはいかない――――

 先に攻撃したのは俺だし、今更「ごめん」っつって赦してはくれないだろうけど。

 「『電車ごっこ』は終わりにして――――危ない事して、遊ぼうぜ?」

 俺は半身になり、ルガーを突き出した格好でそいつに狙いをつけた。
 不意打ちや油断してるんでもない限りは、ナイフ投げなんてのが届くハズはない。

109 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/06(月) 05:06:28
 うん、寝てたんだ、すまない(´・ω・`)

 という訳でこっちは適当にイチャモンつけて攻撃態勢整えた。
 後はもう鉛玉と血刀飛び交う修羅場って奴でラストまで一直線さ。

 そういう感じで今日はもう寝る。次はいつになるか、書いておいてくれ。
 俺は月、水、金はちょっと深夜来れないから、多分無理だと思うけど。

 それじゃーな。

【マンホールに飛び込んで退場】

110 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/06(月) 18:30:13
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 元々、陰湿な割には細かいことを気にしない性質の男だ。シキと同じ白髪の
青年の誘い≠ノ―――早速、彼は機嫌を良くして口元を歪めた。
 数秒前に必殺狙いで短刀を擲ったことなどとっくに忘れている。

「バンバン、愛する人が私を撃つ、バンバン―――My Baby Shot Me Down……
ひ、ひ。電車ごっこの次は鉄砲ごっこか。実を言うと、そっちはまだ未経験なん
だよなぁ。よし、面白そうだから乗るぜ。盛り上がってきたな相棒? こいつ
はどちらかが泣くまで帰れそうにないぞ。……んで? オレの鉄砲はどこだ。
おまえ、二挺持っているんだから一挺貸せよ」

 拳銃で撃たれたのも初経験だったりした。先程、邪魔だったから食い散らか
した男たちもそれらしいモノを持ってはいたが……銃爪を絞る暇をシキは与え
なかった。お陰で貴重な体験を逃してしまったと言える。
 白髪の男は一向に拳銃を貸してくれる気配がない。ちっ、と短く舌打ち。
こんなことだったら、さっき散らかした連中のを貰っておけば良かった。
 そうすれば撃ち合いができたって言うのに。

「ケチな野郎だな、キサマも……」

 ならば仕方ない。そう呟いてシキは―――ずい、と前に一歩出た。

「自前のを使うなら、もういらん」

 右腕を大振りに一閃した。青年との距離は遠すぎる。当然、右手は青年を
擦りもせず虚空に軌跡を残す。銃撃を受け自らの血で濡れた右手が弧を描く。
 飛び散る鮮血の―――滴。
 まるで散弾の如く青年に浴びせかけられた少量の血滴は―――その不定形
を血色の針に変え、二挺の拳銃を構えるカウボーイへと殺到した。
 シキに正しい知識があれば、この血弾の様子をこう例えたことだろう。
 鮮血のフレシェット弾、と。

111 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/06(月) 18:31:23
早速奥の手を使うオレ。
時間に関しては週末は一日中いない。
他はレスを書くぐらいは大丈夫だ。
と言っても、1日にそう何度も返せやしないがな。

112 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/07(火) 00:14:33
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 男は俺の提案した『危険な遊び』に乗るようだったが、その後にフザケた事を言ってる。

 「……やるわきゃねえだろうが。俺とお前は別にオトモダチってんじゃないし」

 そいつは矢張り頭のネジが二、三本イカレているのか、俺の銃を寄越せとぬかしやがった。
 唯でさえ敵を助けるようなどこぞの騎士サマみたいな趣味はないってのに、この二つはそこ
らの使い捨ての道具じゃない。持たせる気も、引き金を引かせる気もなかった。

 『ケチな野郎だな、キサマ……』

 「悪かったな。大体お前、俺に撃たれるだけっていうテもあるんだけど?」

 俺はごめんだけどな、と口の中だけで呟いて、俺は床を這うように駆け出した。
 同時、何処かダルそうな様子で佇んでいた男も、一歩前に出る。

 『自前のを使うなら、もういらん』

 そう言うや否や、突然右腕を大きく振った。
 俺の銃撃によって流れた血が、ぱっ、と霧のように散る。

 当然、お互いの距離は車両一つ分空いている。そんな攻撃が届くハズなんて……

 「って、何だァ?」

 俺は素っ頓狂な声を上げ、自分の目を疑った。
 飛び散った紅色の霧は突如、液体とは思えない速度でこちらに飛んで来た。

 「チッ――――!」

 腕を曲げて頭を庇うのと、紅い霧だったモノが俺の身体に『突き刺さる』のは同時だった。
 針――――原理なんてクソ喰らえだが、奴の飛ばした血が細かい針になったらしい。

 左側が確実に破壊されているのが判る。致命傷ではないが、動いていい傷じゃない。
 やがて俺は自分の意思と関係なく、ゆっくりと仰向けに倒れ――――

 「フ――――」

 手摺にルガーのグリップを引っ掛けるように、仰け反った身体を強引に起き上がらせた。

 「――――ッ、ザケんなアァッ!」

 痛みを怒号で掻き消して、空いているモーゼルの銃口を跳ね上げる。

 そのまま狙いも付けずにトリガー、
 トリガ、トリガー、トリガー、トリガー、トリガー、トリガー――――

 マガジンに入っていた全てを撃ち尽くしたが、構わず駆け寄り、回し蹴りを叩き込む。

 どうして血が針になったのか、なんて事にまで考えは回っていない。
 ただこのいけ好かないクソ野郎に先手を取られたのが、酷く癪に障るだけだ――――ッ!

113 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/07(火) 00:15:49
 ケガも気にせず銃弾ブチ込んでみた。

 まぁ、見た通りだな。そっちの出方待ち、っと。

114 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/07(火) 01:08:25
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 血弾の返礼は本物の鉛弾。錐揉みしながら撃ち出されたそれは、貫通力も
速度もシキが変容させた模造品とは桁違いだ。
 吸血種でありながら死徒に非ず。あくまで遠野の血により化生へと覚醒した
シキは、肉体を再生させる術をまだ£mらない。いくら不死の身体とは言え、
こんな破壊だけを目的として創造された兵器にそう何度も撃ち抜かれるのは、
面白くない展開だった。
 銃創の味は、もう4度も味わっている。
 これ以上付き合う義理も無いだろう。

「―――おいおい。ごっこ遊び≠ネんだろう? そう熱くなるなよ」

 カキン。右手の五指から鋭く爪が伸びる。一つ一つが研ぎ澄まされたナイフ
の如く鋭利だ。しかも、それを更に束ねて一つ刃に見立てている。その様子は
まるで右腕と同化した一本の長剣。
 今やシキの右手は彼が最も得意とする得物に姿を変えた。

「自分の身体にはない得物っていうのはどうにも扱いづらい。さっきキサマに
投げ付けてやった短刀もそうだ。アイツ≠ヘどうして、あんな不便な武器を
好むのか……理解できん」

 虚空で火花が散った。右手の刃が立て続けに3発、銃弾を切り落としたのだ。
 ふん、と鼻で嗤いながら迫り来る残りの銃弾も順々にかわしていく。
 先の不意打ちでは素直に4発も受けてしまったが―――落ち着いて観察して
みれば、弾丸というのは真っ直ぐにしか進めないことが分かる。距離さえ空い
ていれば、シキの身体能力と動体視力で十分に避けることができた。
 避けきれない弾は右手で弾けば良いまでのことだ。

「ひひひひ。容易いなぁ、白髪野郎」

 嗤笑しながら銃弾の進路から逃れる。
 裾が翻り、袖が舞った。その風流な出で立ちと涼しげな顔立ちのせいで、彼
の舞踏は迫る死≠ゥらの回避にはとても見えない。

「その甘い匂い、もしやと思ったが。やはり、そんなことは―――っうわあ?!」

 視界に突然、風を切って蹴り足が飛び込んできた。
 シキが銃弾の回避に神経を集中させている隙を縫っての攻撃だ。
 再び不意を討たれた彼は、慌てて右手の刃でブーツを受け止める。
 ―――が、衝撃までは殺しきれない。
 踵が浮き、背中から車両側部の窓に叩き付けられた。
 窓ガラスが粉砕し、轟音が流れ込む。

「鉄砲ごっこはどうしたんだ、キサマ―――! 行動に一貫性が無いぞ!」

 じゃきん。今度は左手の五爪が瞬時に伸びる。
 間一髪で車外へと蹴り飛ばされるのを逃れたシキは、カウボーイの無防備な
脇腹に刃を埋め込まんと左手を突き出した。 

115 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/07(火) 01:09:38
近接戦だな。
やばくなったら、オレは車外へと逃げ出すつもりだ。
せっかく列車に乗り込んでいるんだからな。
その利を活かしたい。

116 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/07(火) 01:51:32
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 「出鱈目な奴だな、クソッ」

 男の手の爪が伸び、飛んで来た銃弾をサムライ宜しく叩き落とし、更に残りの弾も躱した。

 確かに銃弾ってのは真っ直ぐにしか飛ばないから、軌道さえ判っていれば避ける事は出来
るだろう。しかし、言うのとやるのとじゃ全然違う……俺も"やったから"な。

 身体の性能では俺よりも上らしいのは判った――――けど、それだけだ。

 「ハッハァ――――!」

 叩き込んだ蹴りは男の腕に止められたが、渾身の蹴りによる衝撃は男を吹き飛ばした。男の
身体が電車の窓ガラスにぶつかり、強化ガラスを散らして風穴を空ける。
 電車が走っているのに相応しい強風が吹き込んだが、俺は気にせず突っ込んだ。

 どれだけ優秀な身体を持っていても、オツムがカスなら効果も半減してしまう。
 そして、俺はこのぐらいの身体能力の差だったら、経験で充分に補足出来るのだ。

 『鉄砲ごっこはどうしたんだ、キサマ―――! 行動に一貫性が無いぞ!』

 「オイオイ、人の話は聞いとけ。俺は『危険な遊び』としか言ってないぜ?」

 詰まり必ずしも銃を使うとは限らない訳だ。まぁ、言葉の通りに行動する必要もないし、まさか
こんな油断をしてくれるなんて思ってもみなかったんだが。

 「勘違いしたのはそっちなんだから、恨まれても困」

 る、と言い掛けたところで、俺は右手のモーゼルを持ち上げた。
 強く張られたウォレットチェーンの継ぎ目が、突き出された爪を受け止め、絡め取る。

 「ざァんねん」

 一瞬怯んだそいつの胸に、ルガーの銃口を押し付け、トリガー。
 殆どゼロ距離から撃ち込まれる軍用の9mmパラベラムが六発だ。痛くないワケがない。

 というかコイツは飛んで来た弾を「全部」躱していた。セミオートで撃ち込まれる拳銃弾程度、
俺なら頭さえ護っていれば何とかなってしまうっていうのに。
 それは詰まり、急所だけ護っていればいいというモンじゃないって事だ。

 コイツ、俺よりも死に易いんだ――――

 「駄賃だッ!」

 モーゼルから手放して、ポケットから取り出したナイフを展開、男の身体に振り下ろす。

117 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/07(火) 01:54:07
ナイフっていっても、B&Cでジョヴァンニに使ったカランビットみたいな奴な。
肩口に食い込ませたら、そのまま抉り取るように引っ掻いていく感じで使う。

118 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/07(火) 04:55:01
あー。実を言うとオレ、BULLETS CARNAGEのほうは読んでいないんだよな。
というか、存在すら知らなかった。
単行本一巻が出てるっぽいから、明日にでも買っておくか。

119 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/07(火) 04:55:59
まぁカランビット自体は分かる。

120 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/08(水) 02:12:15
……結局、本屋に行く暇が無かったオレ。
明日こそは―――と願いつつ、レスに取りかかる。

121 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/08(水) 03:02:44
「かはァっ!」

 口蓋から溢れ出た血塊が青白い肌を朱に染める。立て続けに撃ち込まれた
6発もの弾丸は、彼の体内を掻き回し内臓を肉片に変えた。
 引きつる狂気の笑み。体内に刻まれた、先と合わせて合計10発の銃痕。常人
ならまず助からない負傷だ。さしもの殺人鬼もたまらず血反吐を吐き散らす。

 ―――が、対するカウボーイの攻撃はこれに留まらない。
 肩から迸る激痛。一度殺した程度では物足りないというのか、二挺拳銃の青年
は素早く抜き出したナイフでシキの解体に取りかかった。
 肩に突き立った刃は内側の弧を描いておりまるで鎌のようだ。
 だが、禍々しい刃の輝きはとても農耕機具には見えない。人体を攻撃する
という単一目的のために製造された武器特有の、洗練された輝きを有している。

 距離をゼロに縮めて、密着する二人。ともに白髪で、極端に青白い肌を持ち、
赤い双眸を持つ―――特徴だけを捉えたアルビノの模造品だ。差異と言えば、
服装と―――方や刃を肉に埋め、肉に刃を埋められ。その程度の違いしかない。
 二人の間から、沈黙が流れた。
 車輪がレールと噛み合う金属音。割れたガラスから流れ込む風音。車両が揺れ、
僅かに軋む音。そういったもので世界は満たされた。
 一人の青年の死が空間を満たす、そう思われた瞬間

「―――ざァんねん」

 ぎょろり、と血色の瞳がカウボーイを睨んだ。
 同時に彼の全身から刃が生えた。
 比喩ではない。文字通り青年の身体から無数の刃が飛び出したのだ。
 血色の刃が。
 
 体外に流れ出た自身の血液を、自在に形状変化した後に硬質化させるという、
遠野の魔性の血を色濃く受け継ぐシキだからこそ許された魔技―――《血刀》。
 彼は自身の血を流せば流すほど、より多くの武器は纏うことになるのだ。
 シキ特有の体質《拒死性肉体》――傷ついた箇所を再生するのではなく、そ
のままの状態でも生きていけるように肉体を組み替える体質――だからこそ可
能な自傷の技といえた。
 遠野シキとカウボーイの不死性は、その根本的な性質が違うのだ。

 二挺拳銃の青年の反撃は、シキに意識を遠ざけるほど膨大な出血を許した。
 故に、硬化した血刀の数も同様に数多。
 剣山の如く鋭く伸び上がった血色の刃は、容赦なく青年の全身を貫いた。
 むろん、これで終わらせるつもりなどシキにはない。

「―――ひははははは、砕けろ!」

 青年を刃で抱き締めた恰好のまま、背後へ振り回す。
 力に任せて割れた窓から車外へ―――投げ付けた。

122 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/08(水) 03:03:27
オレも相手が不死身だと思って好き勝手やっているな。
言葉通り砕ける必要はもちろんない。うまく回避しろ。

123 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/09(木) 03:56:53
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 男が動かなくなる。白目を剥いた男の口と、ナイフで袈裟に抉った胴体から、ドス黒い血反吐
が大量に噴き出して、俺の腕から胸までをべったりと染める。
 ナイフを抜いて一歩下がる。男は動きを止めて、窓枠にぐったりと凭れ掛かっている。

 これでもう確実に死んだだろう、と思った次の瞬間、

 「――――ぁ?」

 身体中に鋭い痛み。見れば、俺の全身を紅い刃が貫いている。

 『―――ざァんねん』

 気が付くと、血の色だか何だかよく判らない色の瞳が、俺の方を睨んでいた。

 「そ、うだっ、た……」

 こいつは先刻、投げ付けた血を針に変えた。原理は知らないが、奴はそういう事を出来る。

 迂闊にもほどがある自分から離れていく血液ですら、固体に出来る能力を持つというのに、
これほど近くにいて、それと同じ事が出来ないなんて事がある訳ない――――

 「ごぼ」

 右肺、肝臓、左腎臓、胃と十二指腸、左上腕、右前腕と右手甲、それに心房と上大静脈だっ
たか、その間辺りを断ち切られて、俺まで血反吐噴くハメになった。

 『ひははははは、砕けろ!』

 奴は調子に乗って俺の身体を掴むと、ぐるりと位置を入れ替えた。
 人間一人を軽々と投げるなんて、随分と力持ちだな、と何処か他人事のように思う。

 そうして、俺は電車の外に放り出され、

124 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/09(木) 03:58:23
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 ――――気が付くと闇の中にいた。

 自分の手さえ確認出来ない真っ暗闇。
 上か下か左か右か、動いているのか止まっているのかも判らない。

 尤も俺には、自分が闇の中を堕ちているという、自覚があった。

 「……何、これ」

 呟いてみるが、答える者はなく、音の反響すらない。
 余程広い空間なのか……それとも?

 「なんだっけ」

 前にもこんな事があった気がする。

 一ヶ月前、一週間前?
 或いは


 ――――横たわる***の骸の傍らに立って、黒い狗が笑う――――


 『よぉ、飼イ主』

 「……またか」

 何時の間にか"ソイツ"はそこにいた。

 俺の頸に巻いた包帯を、解こうとするヤツ。
 "ソイツ"は自分によく似ていたが、勿論、「俺じゃない」と判っている。

 「早えんだよ、お前。もうちょっと感慨とか抱かせろよ」

 俺はまだ、彼女の名前すら呼んでいないっていうのに。

 『オイオイ、あんな名前も知らねえジャリにボコられる奴の台詞じゃねえな』

 …………。

 『おら。ま、俺もちょっと混ざってやっからよ』

 "ソイツ"はどう見ても俺とは似ていない笑みを浮かべ、首の包帯を全て解いた。

 『ケケッ。どっちが本物だかも判らねえクセに』

 ――――暗転。

125 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/09(木) 03:59:10
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs」

 「黙れよ、クソ狗」

 ハイネ――――或いはそれに類する何か――――は空いている手で窓枠を掴んだ。
 銀髪がトンネルの壁に擦れて焦げ臭い臭いを発したが、気にせず身体を車内に戻す。

 自分の状態を確認……ルガーは床に転がっている。モーゼルもホルスターにある。ナイフは
外に飛んでいってしまったが、それは別に大した問題じゃない。
 身体の方も問題ない。男の放った血の刀に刺し穿たれた身体は既にほぼ修復され、体内に
潜り込んだ他者の血も「喰って」しまったから、また貫かれる事もない。

 「あぁ。気に入ってたのによォ、この服は」

 ボロボロの服を眺めたハイネは、可笑しそうに唇の端を歪め、顔についた血を舐める。

 「コイツはメチャ赦せんよ――――なぁ!?」

 吼えるように叫んだハイネは、先刻とは比べ物にならない――――それこそ、人外の知覚を
持つ筈の鬼ですら反応を赦さない速度で男の眼前に駆け寄った。
 そのまま男の後頭部を鷲掴みにして、車両の床に思い切り叩き付ける。ごぉん、という重い
音と共に、尋常ならざる腕力で叩き付けられた金属の床がへこむ。

 ハイネの背骨に埋め込まれた『ケルベロスの脊髄』は、彼の肉体限界を"後先考えず"最大
限まで引き出す――――例え己の力に肉体を破壊されようとも。

 「アハハッ!」

 狂った笑いを上げながら、ハイネは男の頭を座席横の鉄パイプに叩き付け、割れていないガ
ラスに叩き付ける。相手の如何なる抵抗も、最早彼を止める事は出来ない。

 ――――ケモノの強さとは、自身の死を厭わぬ愚か者の強さだ。

 「お、か、え、し」

 自動ドアを男の顔面で使い物にならなくしたハイネは、男の鳩尾目掛けて強烈な膝蹴りを放
った後、最後に男の身体を運転席に向かって投げ付けた。
 濡れ雑巾のような音を立てて男の身体が運転席に消えたが、その身の内に黒い狗を宿した
少年は、そのぐらいの暴虐で獲物を取り逃してやる積もりはなかった。

 落としたルガーを拾ってマガジンを交換し、腰のホルスターに差してあったモーゼルも取り出
す。空弾倉の代わりに突っ込んだのは、二十連発のロングマガジンだ。

 モーゼルM712シュネルフォイアーのセレクターを、セミからフルに切り替える。
 そして両手の銃を運転席に向け、トリガーを――――引かずに、ゆっくりと歩き出す。

 「締めにしようぜ、ブラザー」

 そう言って歩き出したハイネは、全ての銃弾を男の頭に叩き込む積もりでいる。

 ――――どんな生き物だって、頭が無くなれば生きていけない。

126 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/09(木) 04:03:21
そろそろあk……げふんげふん……幕引こうと思って、滅茶苦茶やった。長え。

血を「喰う」辺りは自分でも暴走し過ぎたかなー、と思わないでもない。
狗と混じると身体能力が上がる、ってのもありがち、と思わないでもない。
っつーか、全体的にやり過ぎた感がフルチャージで……正直スマンカッタ

まぁ、やりすぎってんなら書き直せばいいよネー。ネー?(自信なさげ

127 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/09(木) 05:02:46
確認した。好き勝手は……まあ、お互い様だからな。
全然問題ねえが―――もう幕引きか?
いや、オレは構わないけどな。
頭無くなれば、さすがのオレでも死ぬし。多分。

レスは明日書く。適当に待っていてくれ。

128 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/10(金) 23:54:38
ちっ。週末突撃しちまったか。
悪いがレスは日曜まで待ってくれ。

129 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/10(金) 23:57:53
判ったけど。
日曜、ってか日曜と月曜の間に当たる午前0時以降は俺いないからなー。

130 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/10(金) 23:59:06
ああ、分かった。できるだけ早く返せるよう努力する。

131 名前:弓塚さつき@代貼り ◆zusatinwSI :2006/11/29(水) 06:22:26 0
花が開く。

夜空の黒を花火の光が一瞬包み込み、そしてまた黒に戻る。
その様は、まさに一時しか咲かない花のようで、だからわたしは、

「――ああ、だから『花火』というのね」

という、よく分からない感想を漏らしていた。





今日は花火大会の日。
そう言って嬉しそうに新聞の挟み込みチラシを持ってきたのは幹也だった。
結局それからすったもんだの末、何故か事務所の面子総動員で出かけるハメになった。
案外お祭り好きの面子が揃っているのかもしれないと、なかば自嘲もこめて思う。
かくいうわたしも例外ではないと、着ていく服を選んでいる時に気づいてしまったから。

そしてわたしは今、幹也たちと別れて一人で歩いている。
幹也と式が二人揃っている姿を見たくなかったから。
けどそれはひょっとしたら――式の、夜の徘徊へのかすかな憧憬だったのかもしれない。

夜の街は、まったく別な貌。
そこはまるで、初めて来た、見知らぬ場所。

行き交う人を、わたしは誰も知らない。
行き交う人も、わたしが誰か知らない。
こんなにも大勢の人がいるのに。
こんなにも、人で埋まっているというのに。
わたしが黒桐鮮花(わたし)であることを知る人は、誰もいない。
それは、礼園という限られた空間では、決してありえないこと。

だからわたしは、少しだけ愉快な気分になった。
まるで子供の頃、こっそりと草むらに入っていった時のような高揚感を胸に抱き。
黒桐鮮花、ではなく、無色透明な誰か、として、
知らない街の知らない人の間を、ただ徘徊する。
あまりに不安定で、不安な。
だけれどあまりに自由な。
不安と期待の間を綱渡りしながら、わたしは歩く。
かすかにステップを踏んで。


――そう、わたしは今自由。
そして一人。
まわりにはこんなに人がいるのに。
けれど彼らはわたしを知らない、わたしは彼らを知らない。
知らないということは、いないということと同じ。
だからわたしはこの大勢に包まれて、孤独になれる。

それは一時の孤独。一時の幻想(ユメ)
前も同じようなことをしたことがあった。
けどその時はすぐに終わってしまった。見知った顔に出会ってしまったから。
でも今日は、この幻想(ユメ)はもう少し長く続いてくれるだろう。
今日はもう、誰にも会うことがないだろうから。



空を飛ぶことにあこがれた人のように、自由な夜空を見上げてみた。
また一つ、大輪の花がはじけて消えた。

132 名前:弓塚さつき@代貼り ◆zusatinwSI :2006/11/29(水) 06:22:59 0
>>642 黒桐鮮花vs弓塚さつき 其の導入

 今夜はやけに人が多い。週末だと考えても異常だ。夜になれば、真っ当な人間なんて
滅多に通らないこの路地裏にまで、幸せそうな顔をした男女が幾人も迷い込んでくる。
 自分の世界に土足で入られた気がして、何人かは狩った。
 でも、そんな憤りが虚しくなるくらいにヒトは続く。中には場違いな浴衣姿の子もいて、
末期に見たある男の服装から、わたしは逃げるようにその場を去った。

 なんで、今日に限って―――

 その理由を知ったのは、頭上で唐突に大輪の花が咲き誇ったときだ。
 ビルとビルの間から広がる夜の空が光に侵されている。
 わたしは未だ慣れることのできない明かりに目を細めながら、それを見上げた。

 ああ、今日は、そうか―――

 地域の花火大会。隅田川や東京湾なんかに比べると、とってもちっぽけな規模だけど。
 毎年恒例となっているそれに風流を求める地元の人間は多い。
 わたしも、かつてはその一人だった。

 毎年欠かさず行っていたよね。
 中学二年生までは両親と。それからは、決まった友達と。
 確か、二年前―――高校に入り立ての夏。隣のクラスの男の子に誘われたっけ。
「一緒に行きませんか」って。
 突然だったし、恥ずかしかったし、人の目も気になって。わたしはイヤだった。
 でも、わたしとその男子の中を取り持としてくれた友達の手前もあったから。
 渋々了承したんだよね。
 あの時は、ほんとイヤだったな。結局、まともな会話なんて一つもなくて。ぎこちなく
気まずい空気のまま、花火大会を終わらせて。やっぱり友達や家族と行くのが一番だって、
改めて理解したんだ。

 ああ。
 そんな日々があった。
 あったんだ。

 次々と咲いては散っていく光の明暗。咲けば咲くほどに、わたしの眠らせた記憶が甦り、
散れば散るほどに現実を思い知らされる。
 そのあまりの眩しさに―――わたしは目を背けた。

133 名前:弓塚さつき@代貼り ◆zusatinwSI :2006/11/29(水) 06:24:26 0
 どん、どん、と地面に轟く火薬音。
 耳を塞いでも、壁の厚い廃ビルに逃げ込んでも途絶えてくれない。
 耳からではなく、お腹から響いてくる。

 いい加減にやかましく苛立たしい。でも、この音からは逃れられない。
 ならば、別の方法で怒りを発散するべきだと、と言う答えにわたしは行き着く。
 だから、路地裏に迷い込んできた兎が一匹、二匹。吸って散らかした。
 わたしは遊びをこれしか知らない。
 今夜はヒトが多い。更にもう一匹、吸ってみた。
 その間も、頭上で咲いた花がわたしを照らす。

「……退屈」

 お腹、減ってないのに食事をしても満たされるわけがない。
 でも、わたしはこれしか遊びをしらない。
 どうしようかと考えあぐねながら、わたしは繁華街の一角、雑居ビルの路地裏を歩いた。
 普段なら、街灯の明かりばかりが頼りなく闇を照らす場所だ。
 いまは光の花のせいで、唐突に昼に変わっては、夜に沈んでいる。

134 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2006/11/29(水) 06:32:39 0
あ……わたし、一人称だ。
すっごく新鮮だよ……。
でも舞台が夏祭りって、もう12月になるのにね(汗

取りあえず、何かあったら書き込んで欲しいな。>鮮花ちゃん

135 名前:遠野シキ ◆74/8MAH2os :2006/11/29(水) 22:31:02 0
>>125

ハイネvs遠野四季
「Deadly and Dogs」

「ひひひ」

 笑いが勝手に溢れた。

「やった。確実に殺っちまったぜ。このオレが! ―――ひひひ、オレがオレ
がオレが殺っちまったんですよオレが!」

 ひひ。ひははは。笑いが零れる。止まらない。
 喉をかきむしった。爪が皮膚を裂き肉を削ぐ。
「ひはは」それでも止まらない。ごぽりごぽりと指の隙間から鮮血が漏れる。
 たまらなく愉快だった。

  こんなに自分とそっくりな、
  自分自身とでも言うべき、
  自分を、
  殺してやったんだ!

 確信に満ちた勝利。
 分泌される興奮。
 全身を犯す陶酔。
 こぼれる笑み。
 ひひひ。

 ―――その全てが、次の瞬間には否定された。

「あ?」
 窓枠にかかる手。思わず右手を確認。よし健在。と言うことは、
「キサマ、まだ……!」

 異能、血刀発動―――喉から溢れる血塊が針山を形作る。
 何度でも蘇れば良かった。そのたびに滅ぼしてやる。
 四季にはそれだけの覚悟があり、また時間もあった。

 ―――が。

 暗転。
 次に衝撃。次も衝撃。遅れて痛みがやってくる。「ひああああ!?」
 抵抗の余地を一切見いだせない。
 殺意すら感じる暇を与えられず、ただ衝撃と痛みが繰り返し交錯する。
 怒涛の破壊。頭蓋骨が砕け粉塵と化してもまだ止まらない。

「ひああああ! やめて、やめて、やめてやめてやめてやめてやめてやめて!」

 死が限界まで近接する。生死の境界線―――踏み越えぬよう必死で留まった。
 時には激痛の海の中で反撃も試みた。
 車両中にまき散らされた血が刃となって青年を貫いた。
 確認の術は無かったが手応えはあった。
 しかし青年は止まらなかった。

136 名前:遠野シキ ◆74/8MAH2os :2006/11/29(水) 22:32:47 0
>>135

「ひああああ! バケモノめ、バケモノめ。あの女、オレをはめやがった。こん
なのは聞いていない。こんな奴がいるだなんてオレはまったく聞いていない!
ひははは! やめろ、やめてくれ、やめてやめて、ひはあはっはははぶ―――」

 悲鳴/哄笑―――唐突に途絶えた。
 錯乱による狂気で満たされていた車両が、硝煙に駆逐される。
 声が途切れた理由は単純だった。シキの口が吹き飛ばされたのだ。
 雨よと降り注ぐ拳銃弾によって。

 40発近くの9ミリ弾を浴びせかけられて、シキの頭部は完全に消失する。
 脳髄も牙も喉も呼吸器も全て肉片と化した。
 さしもの《拒死性肉体》でも、思考を司る脳髄の代換えはきかない。
 頭を無くした幽鬼は、前のめりにどうと崩れ落ちるとそのまま沈黙した。
 首からは血が滾々と湧き出している。
 シキが墜ちた地―――操縦室を朱で満たそうかと言うように。

 ぴくり、と屍の中指が動いた。
 この時、遠野シキの自我はもうここに存在していなかった。
 どこか別の高次元へと旅立っている。
 だが《拒死性肉体》は―――魂の死は許しても肉体の死は許さなかった。
 不死の肉体が、頭を欠損しても生きられるよう自分の身体を作り替える。
 絞り出された生命の残滓―――許された延命の時間は僅か数秒。
 この時、シキだった者≠ヘ何を選択し、何を求めたか。
 肉体に細胞レベルで遺された怒り、憎しみ、焦燥。
 全てを殺し尽くせ。
 それが遺伝子に刻み込んだ遠野シキのダイイング・メッセージだった。
 シキだった者はそれを忠実に従う。彼に思考の余地はない。

 この抜け殻は自身の中に残った全てを解放し尽くした。

 約5リットル―――全血液の変質。
 あらゆる朱が刃と化し、所構わず牙を突き立てた。
 シキ自身も自らの血刀に貫かれ、それが更に出血を促し自分を刻む。
 血池に変わった操縦室は原形を留めぬほど蹂躙され、操縦盤は全壊。
 床を突き抜けた血刀は車両の前輪をも穿ち―――脱線を誘発させる。
 世界が縦に揺れた。
 シキだったものは自身の血刀によって体内器官の8割と決別を告げ、
脱線の衝撃に任されるがまま―――車外へと、闇へと踊り消えた。

【遠野四季→死亡】

137 名前:遠野シキ ◆74/8MAH2os :2006/11/29(水) 22:34:09 0
よう、待たせちまったな。
こんな所だ。脱線自爆っていう置き土産を遺したが、まぁ好きに捌いてくれ。
で、テキトーにエピを書いて締め、だな。
まぁ元々練習闘争だ。
んな大層なエピを用意する必要はないと思うぜ?

138 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/16(金) 01:50:050
まあ、和風って言っても確かに難しいよねー。

実際、僕もあまり考えちゃいない。
キャラチョイスが和風ってのは割と前提条件だろうけどね。
のばらはその点吸血だし弱いし雰囲気重視だしで選んだよ。

イメージとしてあるのは何処かの武家屋敷? 廃村?
で全体として静な感じかなー。
マトリックス避け、MAPWの連発なんて無縁の世界みたいな?

妹紅お姉さんは何か抱いてるイメージある?

139 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/16(金) 01:56:210
 そうね―――強いて言うと。

・畳返しで飛び道具防御
・アクション一本で無く、静と動の対比
・障子に灯篭の光で影+返り血がかかって真っ赤に染まる
・見栄を切る
・朧月夜の暗闘
・妖怪大戦争(何)

 ……くらいかしら。
 まあどれもやってやれないことは、無いかなあ。

 場所はどっかの旅籠。
 私は旅に出てて、偶然吸血事件が起きてるとうわさの町で一泊する。
 そこであんたが襲いかかってくる―――とかおおまかに考えてみたけどどうかしら。
 そっちのイメージも聞いて摺り合わせようかな、なんて思ってるけど。

140 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/16(金) 02:10:220
なるほどなー。

旅、旅ねえ。
あー、妹紅お姉さんは幻想郷にたどり着く前は、
全国放浪してたんだよね?

その時ぐらいの時間軸でいいんじゃない?
余り度が過ぎない程度のレシオ調整にはなるだろうし。

のばらはそれだと実は制作年代に破綻をきたす恐れがあるけど、
それは窓から投げ捨てとく。
面白さ、楽しさの前には細かい矛盾(細かくない)なんてまさに戯言だし。

141 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/16(金) 02:25:190
 まあ、そういう「解釈」ではある。
 それなりに信憑性はあるけどね。
 私は、そういうことにしてる、ってことで。>放浪

 ……ただ、幻想郷に入ってからの方が丸くなってる、と思う。
 放浪中は遊び無しのガチで戦ってたわけだし。
 そう言う意味じゃ幻想郷入ってからの方がバランス調整としてはいいかも。
 現代、って時間も使えるわけだし。
 こっちも物見遊山って核は変わらないし。

 どうだろ、その辺。

142 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/16(金) 02:46:470
尖っていた方が僕としては面白いとは思うけど、うーん。

実際時間軸なんてどうでもいいというか、
ガス灯が出てきたら和風っぽくないだろというのが僕のイメージ(超偏見

妹紅おねーさんは妹紅おねーさん自身でくるのは確定として、
どう煮詰めるかなが課題か。
物見遊山はどちらにしても決まりだね?

逆転の発想としてそんなのは書かないというのもある。
一気呵成に勢いでやるならこれもありかな。

うん、そーだね。
とりあえず導入だけ書いてみるかな。
問題あるなら後から治せばいい、最初だしね。

…………でどう?

143 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/16(金) 03:16:080
 そうね。まずはやってみてから、ってところかな。
 とりあえず導入は適当に書いてみるわね。
 すり合わせはそれからでもいいし。

 時間軸は―――こっちは割と融通利くからそっちに合わせたいところね。
 それに現代でも灯篭使ってるところくらいある(何)

 ま、おおむね賛成、ってところでいいかしらね。
 それに幻想郷入り、ってのも現代付近のことだし。
 その直前とか、ってことでも悪くはない。

 それじゃ、今夜はコレで。
 おやすみ。

144 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/22(木) 03:14:130
 あ、そうだ。
 そっちの「のばら」っての。
 どう言うのか良く分かんないんだけど、掻い摘んで教えてもらって良いかな。

145 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/23(金) 17:10:110
そうだねー。
東方スレに今参加してるメディを毒真紅とするなら、
のばらは和真紅かな。
ただし毒真紅と違って性格はかなり悪い、
この辺は真紅にそっくりだ(酷

稀代の人形師音吉が作った人形で血が動力源。
特に異能力者の血ほど良いらしい。
原作だと性格ヘタレなマスターの方が圧倒的に強い(駄目

武装は伸縮自在の爪。
雑魚の式神なら即座にミンチにしてしまえるくらい。
でもネームド敵キャラには大抵やられるという或る意味典型的(何
上で言った「弱い」ってのはそういう意味だったりする。

146 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/23(金) 17:12:090
後原典は掲載紙が代わったり、単行本が予告されてから、
一年以上出ていなかったりと最近は何かと不遇。
だから僕も把握し切れてない部分もあるかもしれない。
闘争開始までには何とかするけどね。

147 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/24(土) 02:41:000
 ん、なるほど。故に雰囲気重視か。
 戦うとなると屋内だからこっちも制限受けるし、面白くなりそうね。
 ……さすがに他人の建物に火をつけたらまずいし(何)

148 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/24(土) 03:28:270
色々考えてるけど世界最強(笑)とアホメイドと不幸吸血鬼(偽)を抱えてるから、
もうちょっと待ってもらえると助かるかな。
このペースでいくと3月の本当に終わりか、4月初旬かなあ(死

149 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/25(日) 01:13:180
 ……やー、大回転だねえ。
 まあうん、こっちものんびりやりたいし、まだレスも全部終わってないし。
 慌てることもないでしょ。そのくらいでも都合は良いわよ。
 後は即興みたいにして長引かせないようにするだけだもの。

 まー、練るところは練りたいけどね、あはは。

150 名前:シュレディンガー准尉:2007/03/25(日) 21:33:460
http://charaneta.just-size.net/bbs/fupbbs/obj/obj334_1.jpg
http://charaneta.just-size.net/bbs/fupbbs/obj/obj334_2.jpg
http://charaneta.just-size.net/bbs/fupbbs/obj/obj334_3.jpg

のばらの画像。
二番目は血をすわずに動き出す前、このときはサイズが小さい。
三番目が初戦闘でバイオレンス。
最初は流石に派手に強かった(*気のせいでした^^

身長は150センチ程度で13歳の女の子ぐらい。
制作年代は江戸時代より前。
尚、これは4巻までの情報だね。

4巻の引きでのばらの秘密編の導入に突入したところで
つづくで3年、5巻発売予告から一年半立ってしまった^^

とりあえず補足はこれくらい。

後僕が闘争で決めてることはマスターは出さない。
出すと滅茶苦茶になるし雰囲気もへったくれもなくなるから。
この作品の黄金パターンはすったもんだあって、
話の最後にヘタレマスターの双頭のおろちが
今回の騒動の原因をとりあえずぱっくんちょしときますね><
だからねー。
ついでに僕は米は大嫌いなんだ(←1番の理由

三九六は終わったし、アホメイドは週1のノルマをこなしたから、
何とか間に合わせるつもりだよ。

151 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/03/26(月) 22:34:390
 オーライ。ありがと。
 あとは接点だけど、どうしようか。
 こっちは積極的に戦う理由が乏しいから難しいところなのよね。

152 名前:シュレディンガー准尉:2007/04/17(火) 19:17:480
ゴメンなさい
今端末がクラッシュ中で戻れるのに後一週間かかります(死
こっちから申し込んで不義理にも程があるけどホントゴメンナサイ。

153 名前:ゼアド ◆BLOODlbo6s :2007/04/19(木) 02:54:080

……少々、失礼致します。
実はこの場をお借りして、良ければお頼みしたい事がございまして。
いえ、というのは他でもありません。
吸血大殲祭り「悪魔城御前死合 血狂ひ」。
私どもも尽力してはいるのですが……何分、伝手もなければ、城主を含めて人外の方ばかり。
私どもだけでは運営による負担もあり、こと広報といったものを十二分に果たせぬのが現状。
……いやはや、情けないとは正にこの事。面目の次第もございません。


―――そこで、です。
引いては『最後の大隊』のシュレディンガー准尉殿……。
勝手な頼みではございますが、広報として協力していただけはしませんでしょうか?
いやいや、といっても何ら強制をするものではございません。
広報用に以下のトリップを用い、一刻館内にて自由に広報をしていただければそれにて結構。
無論、端末が回復すればで構いません。

トリップ『◆H70ToFESTA』
トリップキー『#krNlUXsd』

身勝手なお願いの上で恐縮ですが、承諾して頂ければこれぞ幸い。
宜しければ、なにとぞご一考の程をお願いする次第です。
 

154 名前:シュレディンガー准尉:2007/04/19(木) 23:09:270
見た。

端末が戻ってくるのが火曜だからそれ以降なら引き受けようか。
この前妹紅おねーさんや小悪魔とやった様な奴でいいんだよね。

155 名前:シュレディンガー准尉:2007/04/19(木) 23:14:260
幾つか気がついた点。

日程の早期決定。
これは必須、ただでさえ過去に無い形式なんだ。
固めれる分は固める事。

祭時に会議室みたいなのを立てるかどうか。
個人的には不要と思うけど、初心者の参加者が居る事を考慮してまあ立ててもいいか。

対戦カードの決定はどうするのか?
トーナメントな以上決めないといけないわけで。

更に長期日程に及ぶ祭りなので参加者の都合で一回の闘争のみということも考えられる。
この措置はどうするのか。

今ざっと気づいたのはこんなところか。
又明日この時間にチェックするから何かあればヨロシク。

156 名前:ゼアド ◆BLOODlbo6s :2007/04/19(木) 23:55:470

>>154-155
……おお、受けて下さいますか。それは真に何より。
ええ、無論火曜からで構いません。
城主に代わり深く感謝の意を申し上げます。

ttp://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1176475265/33-34

質問の委細に関しては、先程上げられた告知を見ていただければお分かになるかと…。
補足しますれば、組み合わせの決定は参加者同士による申告式をと考えております。
とはいえ、拗れや炙れが出ることもございましょう。
その場合は、運営を円滑とするため主催側が舵取りを行わせていただく所存です。
そして組み合わせの決定次第、トーナメント表を作る……といった流れとなります。

まぁ…表は直ぐにでも作り始めると致しましょう。
告知の補足もしておかなければなりません。それでは、また後ほど……。

157 名前:ゼアド ◆BLOODlbo6s :2007/04/20(金) 00:03:170

……ああ、私とした事が忘れておりました。

>ご両名
出来ましたら、祭りが終わるまで本スレでの闘争は控えて頂きたければと。
今より告知致しますが、祭りの一環に私用する予定もございますので……。
まこと勝手な頼みにて恐縮ですが……どうかご理解の程を。

158 名前:シュレディンガー准尉:2007/04/22(日) 22:52:070
おk

らしいけど、ってか責任は全面的に僕にあるんだけど(死
闘争は祭り終了後ってことでいいかな(滅死

159 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/14(月) 02:28:450


  とおりゃんせ とおりゃんせ
  ここはどこの細道じゃ 天神様の細道じゃ
  ちょっと通してくだしゃんせ
  ご用のないもの通させぬ
  この子の七つのお祝いにお札を納めに参ります
  行きはよいよい帰りは怖い
  怖いながらも とおりゃんせ とおりゃんせ…


旦那さんはこの歌は知っとるかね。
妾(わらわ)は女郎として此処に入れられてはじめて知ったわ。
そいで歌の意味を聞いて嗚呼ともう一度溜息をついたわ。

旦那さんは歌の意味を知っとるって?
そういや旦那さんとこは庄屋やって分限者(*金持ちの意)らしかね。
ほいじゃ妾と違って学もあるわな。
妾は、ほほ、女郎になるまで学どころか数を拾までも勘定しきれんかったよ。
女郎は牛馬とおんなしや言うがありゃ嘘や。
牛馬は数なんぞ数え切れんし、糞尿は垂れ流しで酷いもんや。
崩れかけた牛小屋で住んじょった妾がその辺良く知っちょる。
此処は天井もあるし、雨風も凌げるやろ、どう考えても女郎の方が恵まれちょるわ。



……妾について聞きたい?
旦那さんも変わっちょるねえ。
まあ、眠れんちゅうならひとつ寝物語でもするわ。

さっきの歌やけど、あれは間引きされた子等を悼んだ歌らしかね。
七つまでは子供は神様の預かりもんやけん、殺さん。
けどそれ以上やと飢饉が来りゃ口減らしや、天神様のお社の裏まで手を引いてや。
連れて行かれる子は祭やとはしゃいでよいよい。
帰りは当たり前やけど親一人や、後ろから子供が追いかけてくる様で怖い怖いとな。

本当は違うんよ――――妾の村では違っちょった。
そんな七つまでも生きられりゃせんもん、股座から引っ張り出されてすぐぽいや。
糞尿の桶に血塗れのままぽいと放り出されて仕舞い、親の方は見向きもせん。
飢饉でなくとも皆食う物に困る通称日照り村や。
楽しみと言えば股座に突っ込む事ぐらいで結果投げられる子ばかり増えていくんや。
じゃから、天神様のお社の裏なんて連れて行くなんてこともないんやな。
こないな子潰しの後始末が妾の仕事やった。

川にぽい、川にぽい、川にぽい…………山には投げんかったねえ。
川は皆流してくれる、実際はそんな事はないんやけど少なくとも山よりはマシや。
汚れた真っ赤なおべべは水が洗い流してくれる。
泣く声もさらさら歌う水音に混じって少しは綺麗に聞こえるわ。
それに水子って言うくらいやからな、水の中に還してやった方がとなあ。

そやけど、やっぱり気持ちいい光景やない。
大体、投げられても殆ど皆生きとるんや。
其れから数日かけてゆっくり渡っていくんよ、三途の河をな。
そいでもおぎゃあおぎゃあ泣いてその声が段々小そうなって……ぶつりはまだ幸せな方やで。

まず水に飲まれて溺れるな、これがけっこう多いわ。
泣いて泣いて涙をさんざ流して溺れての最期、こないなくしゃくしゃの最期の顔は
どれだけ見たかわかりゃせんわなあ。

で、これからが本題や。
或る時、いつもどおりに赤子はぽいしに、向こうのの川縁に人形が投げられとった。
これが割と大きくってな、しかもえらく綺麗な、精巧な人形やった。
はじめ妾が誰か倒れてると勘違いしてくらいにな。
ちいと考えれば妾の村にあないな高そうな牡丹の着物を来てるのなんておるわけがなかし、
皺だらけの女しかおらん日照り村に皺ひとつない女なんてありえんわ。
そんなこつで人じゃないと思う妾も大概やがな、そう思わせるものがあったんよ。

何でこないなもんが投げられとったかわかりゃせんかったが、勿体無いとは思ったわ。
といっても川は妾みたいな子供が渡れるほど浅くも緩くもなかった、雨上がりやったし。
橋まで結構あったんやけどひとつ決心して人形のところに行くことにしたんや。
―――――それが全部はじまりやったわ、妾も未だ夢かって思うくらいのな。



十分ちょいかかって橋を渡ってから其処までついた時、周りはかわっとった。
最初に見たのは血色の川辺………まあこれは実は珍しい事じゃないんよ。
狗や狐とかには投げられた赤子は格好のご馳走や。
さっき弱ってぶつりは幸せといったやろ?
生きたまま獣に食われるのに比べれば余程幸せや。
獣やし、お行儀とかはありはせん、さんざ血肉は食い散らかすわで
川辺が紅くなるなんて珍しくないんよ。
ほほ、妾も行儀でいえば獣どうこういえんけどな、箸は此処に来る前までは満足に使えんかったし。

もっと凄いのもあるんよ?
赤ん坊が赤ん坊を食おうとする、なんてのもあんまし無いけどあるんや。
流れてきてぶつかった赤ん坊をまだ元気のある赤ん坊がその指にしゃぶりついてがぶり、なんてな。
旦那さん、餓鬼ってこういうのをいうんかねえ………あ、話の続きな。
急かさんでも夜は長いから大丈夫や。

ま、そんな訳で別に赤いからぐらいじゃ妾はきょうさめん。
妾が肝を抜かれたのは、『立っていた』んよ、投げられて地面に倒れていた人形がな。
良く見るとな、人形の周りには狗だったものが散乱しとる。
嗚呼、そういえば何時もより紅い訳やと得心したわ。
赤子の他に狗どもの血肉までも一緒に散乱すりゃその分もっと赤くなるわ。

綺麗やったなあ、妾は多分これからもあないな綺麗なものは見る事はないわ。
そう人形は艶やかに笑ってつぶやいたんよ。

 「人になれず、肉になって、血のユメを見る……気分はどう?」

しんと周りが黙ったわ。
川のざわめきも、風のささやきも、虫の啼き声も、他の水子達の泣き声も。
くすくすって人形の哂いだけがずっとずっと続いて
………そうしてざっと地面を踏みしめる音が聞こえて…………………………


160 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/14(月) 02:32:320
書いたよー。

アンチヒロイックらしいから(何が)、こっちはさらに違うものにしてみたつもり。
視点はとある女郎の回想から。

死ぬほど貧しい口減らしが当たり前の村。
捨てられた赤子が獣の餌になって血が撒き散らされて、
捨ててあった人形もといのばらがそれを吸って動き出した、みたいなー。

最後の足音は一応妹紅おねーさんを想定してるつもりだけどどうかなー?

161 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/14(月) 07:37:510
 ……や、あまりにもすごすぎてちょいと混乱したわ。
 ともあれ、分かった。うん、オーライ。こりゃ負けてられないね。
 一週間以内には書き上げておくよ。

162 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/19(土) 22:02:060
 ……あー、悪い。いらん用事が入ったから二、三日遅れるかも。
 待たせて悪いね。

163 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/19(土) 22:47:050
んー、急がなくて良いよ。
納得いくまでやってくれて構わないよ。

164 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/26(土) 15:52:440



藤原物語序


 余、たまたま怪しき閑話在りて、ここに記す。
 羅子は水滸を撰して三世唖児を生み、紫援は源語を著はして、一旦悪趣に堕するは、け
だし作り話にて世を惑わせし業の故也。雨月は雉鳴き龍戦ふ杜撰なる話にて、もとより当
に信と謂はざるべきものなりて、悪趣免れけり。余、これより語りし閑話は何れも偽り無
き事ゆえ、剪枝畸人とは違う異種にて悪趣免れんと思すなり。いみじくも浅ましく恐ろし
き話にて、目に見し地獄を語らんとす。之摘読せし者は、斯く浅ましき様を覚え、神仏に
祈り、慎ましやかに暮らせん。蓬莱遊人書す。




 暁に 負いし陽炎 胸焦がし
   茜差す日の 暮れ行く道へ


 §


 昇る日は、日照りの香りを宿したり。
 河辺は水子の霊と血肉で赤く冷たく染まり、この世ならざる光景を浮かべり。
 見る者、年の頃は若きと見ゆれども、目鋭く、歳経た獣の如し。
 網笠を外せば、絹の糸零れ、白き顔現れ、其の者白子と思しけれ―――



「いつの間に餓鬼道地獄に迷い込んだのかね、私は」

 旅の道すがら水を欲し、川べりを辿って清流を求めれば、出たのは悪鬼悪霊の類。川上
から流れてゆく赤子水子を見る限り、ろくでもないとは思ったが、まさか浮世に地獄が落
ちるとはさすがに思わなかった。続く日照りがそれだけ苦役ということだろう。
 遠めには、干からびた村が見える。ほとんど生きては居まい。居ても半死半生だろう。

「―――あさましい」

 胸元を血で汚し、周囲に肉を散らばせた餓鬼。
 河を紅くしているのはそいつの仕業に相違ないだろう。曇り眼鏡を外してみれば、その
美貌神妙なる人形。されど、行いは浅ましき餓鬼道なり。手に取れるもの全てを喰らい、
餓え続ける苦の輪廻。それこそ餓鬼道。

 さて、ここで取れる道は二つ。
 目の前の鬼を調伏するか、それとも見てみぬ振りをするか。
 正直を謂えば、面倒は御免という処。降る火の粉は払うが、自ら撒くこともあるまい。
 しかし―――首筋を焼けるような悪寒が走っている。
 それが、背を向けて去ることを許さない。

 一体何だというのか。あの人形は―――

 知らず、私は懐で符を握っていた。
 不動明王。炎を以って悪鬼を駆逐する護符である。
 大抵の妖怪であれば、一撃で退散するものだった。


165 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/26(土) 15:54:380
 まあ、こんな感じ。
 とある説話の一説、見たいな感じでオープニング作ってみた。

 ぶっちゃけ古文の部分は適当だから信用しないでね(何)

166 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/27(日) 00:17:190
ふむふむふむふむ。

おkおk。

進行形式は半リアルタイムでいいかなー?
一日か二日に1レスずつ返していくので。
出来たら本スレに貼り付けていくみたいな。

リアルタイムは主に僕の方で無理があるんだよね。
方言変換でやたら手間取るし(死


167 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/27(日) 00:23:190
適当に補足。

のばらはかなり殺気立ちやすいけどそれだけじゃ殺りあう契機にはならない。
なので最初のレスで既に動機は仕込んでおいた。

生まれたばかりなのにすぐ死に行く命の血を吸って復活したから。
ずっと生を謳歌している者が憎らしい、そんな感じで襲わせるつもりー。
血は全ての命の通貨だからね(何

168 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/27(日) 05:20:240
 ん、そうね。そのペースで大丈夫かな。
 ちょっと遅れるかもしれないけど。
 最近眠気がこらえられなくてねー。気がついたら朝に(何)

 ともあれ、そっちから仕掛けてくるのは了解。
 のんびり待ってるわ。

169 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/05/28(月) 02:02:290
ふむう。

ずさっちん闘争が終結してから張り始めるかなー?
あ、明日か明後日には言ったとおりこっちに返しとくから安心しといていいよー。
ずさっちん闘争が終わってから纏めて貼るとしようか。

170 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/30(水) 02:28:180
ちょっと反応遅れた。

うん、了解。
のんびり行こう。

171 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/01(金) 04:43:210
ごめん。
これだけ教えて。
妹紅おねーさんの格好はどうなってるかな?
永夜抄のあれ?

172 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/01(金) 11:27:170
 んー、この時代にブラウスとモンペはないからなあ。
 普通に男装してると思って頂戴。胸は晒しで押さえてるから目立たない。
 髪はポニーテールスタイルで。丁髷にも見えなくは無い(何)

173 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/03(日) 17:32:460
強訴谷に迷うてやってくるなんてなあ。
ほんに運の無い人もいたもんや。
旦那さんはその意味じゃ運が良かね。
妾がなんぼ醜女と言うてもオカイチョウすれば何も変わらん。
見れば地獄、踏み入れて極楽や。踏み入りても地獄な妾の村とは違うわ。

うん、その迷い人はどげしたかて?
生きとう人間やよ。
何や、当たり前の事を言うなって顔しとるねえ。
そいけど、旦那さん、妾の村、生きとうか死んどうか分からん者ばかりやったから。
ひどか時は食うに食われず草木彫りつくしゃ壁土まで剥がして皆口にするんや。
さっき崩れかけた牛小屋に住んどうたと言うだろ?
妾が剥がしたせいで危うく崩れかけるところやったんよ、ほほ。


迷い人が生きとうって思うたのはな、目にしかと光がおうたことやな。
まだひとつ大きゅう理由があるんやけど………
……………旦那さん、少し話変わるけんど、妾達をどう思うかね?
外で妾達が客引きに格子から手を伸ばす光景がどう見えるんか。

さいやきょうてえんか。大目に見てつかあさいよ。
妾達もあないに手を伸ばして旦那さんみたいなお客さんを引かんといかんのよ。
客取れんとお内儀(かみ)さんにえろういちゃう目に合わさるう。
ほんで、そのきょうてえ様をちいとくわしゅう聞かせてもらえん?

白い手だけが伸びてくう?
格子の奥がくろうて見え辛いからきょうてえ?
何本も手が蛇みとうにふらふらと人をおがくしとる様に見ゆう?
そうやねえ……………

174 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/03(日) 17:34:150


   ………何本も手が伸びていたんよ。
   こまいこまい手がふよふよな。

   「ねえ。うらやましいって言ってる。聞こえる?」

   赤子の手がうっすらそよそよ宙をただよっとるんよ。
   肉の手やない、幽かな手、手、手。

   「のうのうと生きてられるあんたがねたましいって言ってるよ」

   いっち妾のことかと思うたけどちごうた。
   手のゆらゆら漂う方向も、人形の目も嘲りも、迷い人を向いとうた。

   なして妾を水子等は、人形は見もせずに、手どもも掴もうとせんやったのかねえ。
   妾も生きてない、死んどるって思われたやろか。
   其れは其れであんまし喜べんなあ。
   まあ、女郎にならんかったら今妾は飢え死んどうてもおかしうなかったけどな。

   「血の海から産まれて、泥水の海で捨てられ溺れ、無念の海で泳ぎ続ける……」

   青白い手どもがわらわら迷い人を掴もうとしとるんよ。
   何やろうねえ、砂糖にあつまろう蟻か灯火にあつまろう蛾、そないな光景。

   「そんな自分達から見たら何人分も何倍も生を謳歌しているあんたが許せないだって。
    はははははっ!」

   そん時背がひやりとしたわ。
   水子の手がひとつ妾をすうっと通り抜けていったんや。
   それがすごう氷みとうにちべたかったんよ。
   遊郭の格子から伸ばす肉の手どもとちごうてなあ。

   ……投げるために川に行く時もちいとずつ温かさを赤子はのうなってゆく。
   泣いて泣いて泣き疲れてちべとうなって命がのうなっていくんよ。
   そないしてよーに温かさのうなかすとああもちべとうなるやな。

   「ねえ、あんた。せっかくだし―――この子達の為に死んでやったら?」

   その声を合図にか、あの手どもがいくつもいくつも迷い人に流れていったわ。

175 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/03(日) 17:40:040
遅れたー、ごめん(土下寝
どうもしっくりこなくてさ。

妹紅おねーさんの描写はあんまりしてない。

簡単に言うと水子たちの手がうようよとおしよせてる?
尚、こんな表現はのばらの原典には一切無い。
――――でも東方にはあるよね。
主に妖々夢5面と6面で幽霊ががんがんふよふよ(何
その辺を意識してみました。
これは弾幕はじゃないけど大量にまとわりつかれると死ぬ、みたいな?

176 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/03(日) 20:47:490



 人形、託言を騙りて笑ふと、あやしき手、白き人を招きて、むなしき人にせむとして集
き寄せ返しける。そのさまいとあやしくおそろしきものなれど、驚き恐れ給はず、人形に
歩みたりける。白き手、その足を掴みて引きけるが、



「……物言わぬ死人が言葉を吐くかね。それはあんたの言葉だ。こいつらじゃない」



 くれないのほむら、足元より噴き上がりて手を払いける。いと畏くも清らなる火、彼の
人を取り巻きて、鷹の形を成せば、心静かに肩に止まれり。


「……この時勢、生まれてすぐ死ねる方が楽じゃないか? 生きていても飢えと乾きに苦
しみ続けにゃならん。なら、来世に望みを繋ぐ方がマシさ。咎なくて死すのはある意味で
幸福だよ。少なくとも、お前みたいな浅ましい姿にはならんからな」


 いまいましきと思しければ、白き人、人形を指差し―――


「とっとと通り過ぎてやろうと思ったけど、気分が悪いから止めだ。
――――――燃えちまえ」


 燃ゆる鷹を放ち、かからせたり。


177 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/03(日) 20:49:290
 ……どうでもいいけど水子の概念って明治からなのよね。
 こっち、あとで冒頭部分書き直さないと。雰囲気も合わせたいし。

 とりあえず、まとわり付いて来たのを焼き払って、そっちに攻撃。
 カイザーフェニックスみたいなもんだと思ってくれれば(何)

178 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/03(日) 22:03:100
早っ。


おねーさんの古文てきとー発言以上に僕の時代考証は適当なんだ(駄目
真面目に考証しだすと格子から手をのばす云々もかなり怪しくなる。
まあ、地方ではありえた話だろうけど吉原の作法だとありえない。

今なら直せるし、ずさっちんが終わるのはおそらく今夜中だろう。
といっても終わったら直ぐ貼るって訳でもないしね、満足するまでどうぞー。

179 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/03(日) 22:09:540
後妹紅おねーさんはのばらを甘く見てる。
何しろベースは1話と2話だけなんだ^^(後は使い物にならなかったともいう

そうだな、二日後ぐらいを目処にで。
それまでに妹紅おねーさんの導入改定ができたら張ってしまおう。
張ってしまえば後は尻に火がつくからね。
これは僕には凄く重要だ(死

180 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/03(日) 23:24:550
 いやまあ、正味六時間くらい寝るのに時間使ったんだけどね。
 久しぶりに古語辞典見ながら。
 もしかしたらまた後で加筆するかも。

 まあ、導入改定はなるべく早めに作れるようにするよ。頑張る。

 あとのばらがどれだけ強いか楽しみ。
 遠慮なく来てねー。むしろいきなり死なせる勢いで(何

181 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/04(月) 00:32:030
加筆上等。
どんどんやっちゃってよ。

のばらはだから弱いってば^^
まーそれを補うだけの何かは持ち合わせているつもりだから
泥舟タイタニックにでも乗ったつもりでいてくれれば。



結論:大沈没、むざーんむざーん、だって大殲だもの

182 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/04(月) 00:36:210
ずさっちんは今夜中はなさそうだな。

ついでだ。微妙に気になるんだけど、まー分からなかったらそれでいい。
極めて近く限りなく遠い何処かの王様発言見られてる?(何

183 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/07(木) 12:39:370


 空ろなる身に紅さす
 千代に千代に覚め憶ゆるは苦患の世





 紅から流れるる想い憂し痛し辛し
 抱かるるべき手は股より転がり落ちし時より既に無し
 母求め小さき手を伸ばさんとするも虚を泳ぐのみ
 黒洞々たる泥の中へと棄てられ幾許

 耳に聞こゆる唸り
 眼もしかと開かぬ身に感ずおどろおどろし気色
 鼻に流れるる其の息はいと臭くゆゆし

 ぎゃあと泣く
 ぐじゅるぐじゅる。裂かるる白き肉
 ぶしゅるぶしゅる。流れ出る赤き命
 ぎゃあと哭く

 腸(はらわた)を食われ犯され穢されおぼゆ事は憂し痛し辛し
 果てに願ふは切に死にたし死にたし生きたし





 のばらなる身に命さす
 千代に千代に覚め憶ゆるは無間の世




184 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/07(木) 12:40:360


    沸き立つ炎の鳥を見、餓鬼驚いて

   『火? あのもんも人じゃらん!?』

    否。之はただの炎に非ず
    硝子の瞳に煌々と映るは瑞々しき命の顕れ
    妬し憎しと内から外から響く声にくすりと頷き応ず

    幾日も雨風に晒れ震へて弱りて仕舞いにぶつん
    泥水に飲まれ溺れて足掻きてもがきて挙句ごぼり
    地べた這いずりて生を求むも川へ水取りの村人の足でぐしゃ
    百に一度二度、実の父母の足でぐしゃ、曰く嗚呼気持ち悪いと躯(むくろ)を更にげしり
    他畜生の餌となる赤子も数多くがぶり

    かかる死を迎えし千々の手が幽らり幽らりと燃ゆる生を摘み取らんとし
    赤く虚ろへと染まりて皆ぎゃあぎゃあと死して再び末魔を断たる




    鷹が食らいつき、じゅうと血肉が焼ける様いと臭く餓鬼は顔顰め

    『………毛色悪かね、肉が焼こう臭いは…………肉?
     焼けちょうのは赤子と狗どもで…………人形は………あ??』

    あはははと空から哂ふ

    妬し憎し
    己の頭をはじめがぶり撫でたものは畜生の牙にて母の手で無し
    撫でられ頭蓋がぐにゃり割れだらり漏れ出た桃色の脳髄をずるずる吸わる
    いっそ最後まで食ろうてくれりゃ楽にもなろうものを所詮畜生
    半ばで飽きて次は畜生腹へ飛び付きぐちゃりぐちゃり食わる
    殺せ殺せと泣いた所で畜生故聞く耳持たず
    しばし後に畜生にようやく喉元断たれ、嗚呼、生きたかったと最期思ひて闇へぶつん

    妬し憎し
    勝手抜かす女の頭をざくり撫で
    女の頭蓋ががんと割れたら漏れ出た紅色の脳髄を半分ずるり地べたに吸わせ
    続け様女のさぞ白かろう腹にずぶずぶ爪を突きたて腸を引きずり出し
    最期苦悶を詠う女の喉をぶつんと締め………

    ひやうふつと想いに応じた爪が一筋命の塊たる女の頭に堕つ

    ざん



185 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/07(木) 12:44:550
カイザーフェニックスに飛び込み大パンチ(何


>>183の似非古文調はのばらが目覚めた時の一人称
>>184の似非擬古文調が現在進行形の一人称

女郎語りでもよかったけど延々だと芸がなさそうだしね。
女郎一人称語り、のばら台詞のスタイルから
のばら一人称語り、女郎台詞のスタイルにシフトしてみた。
今後は使い分ける可能性があるかな。

186 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/06/17(日) 06:27:520
っと。

これから25日ぐらいまではまともに動けないからじっくり練ってもらっていいよ。
見たところこの闘争以外にもたくさんあるみたいだしね。
おねーさんが納得いくものをね。

187 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/17(日) 22:56:370
 §


 昇る日は、日照りの香りを宿したり。郷の河辺は赤子の霊と血肉で赤く冷たく染まり、
この世ならざる光景を浮かべり。まさしく餓鬼道と思しき景色なり。歩み来たりて見る者、
年の頃は若きと見ゆれども、目鋭く、歳経た獣の如し。網笠を外せば、絹の糸零れ、白き
顔現れ、其の者白子と思しけれ―――



「いつの間に餓鬼道地獄に迷い込んだのかね、私は」

 水を欲し、川べりを辿って清流を求めれば、悪鬼悪霊の類、群れ成してけり。川上より
流れてゆく赤子水子を見て、あさましきかなと思ひたれど、ゆめゆめ浮世に地獄が落ちる
とはさすがに思わざりけり。旱母の降りけるはかくも苦しき。遠目には小さき村見えたる
が、すでに死したると思しけり。

「―――あさましい」

 紅く汚れし餓鬼を見て心悪しく思ひたる。
 河紅きはかの仕業に相違なし。あやまたず見れば、美貌神妙なる人形なれど、行いは浅
ましき餓鬼道なり。手に取れるもの全てを喰らひ、餓え続ける悪しき夢と思しける―――


188 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/06/17(日) 22:58:030
うーん、すこし量が足りないかな。
とりあえず、>>164導入の書き直し。
またもう少し足すかもしれないけど、今はこれで。

もうちょい資料用意しとかないとなあ。

189 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/05(水) 10:33:190
 さて、と。なんとか時間取れるようになったから再開したいところだけど。

 んー、なんというかちとアレよね。噛み合ってない気がする。
 変に凝りすぎて軸がぶれてると言うか。
 私がそっちの文体に合わせた方が統一感取れるかも知れない。

 一応、こっちはまだ古文調で書いてはいるけど。
 ものすごく時間かかるのが欠点なのよね、これ(苦笑)

190 名前:シュレディンガー准尉 ◆SatooB.weA :2007/10/22(月) 00:51:29
うっわ。
返答まで余裕で一ヶ月あいてるね。
全くひどい奴もいたもんだ(死

三ヶ月、諸事情つなぐ事が出来なかった、ゴメン。

ふむむむ。
確かに「らしく」ないかもしれないねー。

いっそのことリセットって手もあるよ。
好きなところからやりなおすって手もね。
セーブからやり直しなんて今や常識。
僕としては妹紅おねーさんが全力出してもらえるなら、それでいいからね。

191 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 21:06:23

⊂(゚ー゚*⊂⌒`つ≡≡≡≡≡≡≡≡

192 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 21:06:48

じゃあ、改めまして。
わざわざ足を運んでもらってありがとうございます。
王さまの貴重な時間を割いてもらったんだから、
がんばって退屈させないようにしますっ。

それで、状況なんだけど。
導入を見てもらえば分かるけど、もう始まってます。
すでにさつきは満身創痍です。
死にそうです。血だらけです……。

さつきは追われるヒト。
英雄王さまは追うヒト。
さつきは必死に逃げて、
英雄王さまはいたぶるように追ってくる。
それだけ、だよ……です。

逃亡戦……追撃戦……になる、のかな。
でも、よくある「策を練って逃げながら戦う」って
いうのは考えていないよ。
弓塚さつきは最弱で、英雄王さまは最強なんだっていうのを
強調したいだけの闘争かな。

それじゃあ、よろしくお願いします(ぺこり


193 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 21:09:49

あ、あと。
いちおう、英雄王さまの服は私服verってことで……
お、お願いしまーす。

194 名前:英雄王:2008/02/12(火) 21:16:54
 
 此方でキャップは使えんのでな。
 間違いなく我は我だ。
 
 今から書く。
 三十分かそこら待っているがよい。

195 名前:英雄王:2008/02/12(火) 21:50:58
 
 分割すべきだったか――まあいい。
 読めば判るであろう。が、不足があれば何なりと聞くがよい。
 

196 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 21:54:52

確認しました!
さすがは英雄の王さま……ほんとにレスが速いよっ。
さつきもがんばってすぐに返します!
……で、でも、さすがに一時間ぐらいかかると思うんだ。
ちょっとだけ待っててー。

197 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 22:41:18

お待たせ!
そういうことで、ゾンビ地雷だよ。
通りかかったら「うぅ」とか呻いて、足を引っ張るんだ。
……バイオハザードで、そういうゾンビさんいなかったっけ?
もしいたら、イメージはそれで!

……貧弱な攻撃でごめんなさい!

198 名前:英雄王:2008/02/12(火) 22:44:41
 
 確認した。
 フン――まあ、良かろう。
 三十分を目安に書き上げるつもりだ、くつろいでおくが良い。

199 名前:英雄王:2008/02/12(火) 23:16:32
 
 金塊が飛んで行ったと思えば良かろう。
 まあ、読めば判るだろうが。
 
 グールは踏み潰した、グールと認知しないままに。
 モブはこんな扱いでも良かろうて。

200 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/12(火) 23:56:21

お待たせ!
今度もゾンビ攻撃だよ。
今度はたくさん持ってきたよ。
でもやっぱり雑魚なんだよ。

これも一掃してくれると、
次でわたしはほんとうに追い詰められちゃうって感じかな。
迫り来る絶望!

―――でも、金塊って……。
そ、そういう武器があるんデスか?
変わった名前の武器……。

今夜はそろそろ限界かな?

201 名前:英雄王:2008/02/12(火) 23:59:26
 
 金塊は金塊だ、それ以上でもそれ以下でもない(何
 
 まあ、冗談はさて置き。
 我としては怠惰に眠り惚けたい気分なのでな。
 
 明日は割と時間に融通が利く、昼間のうちにでも上げておこう。
 という訳で我は眠る。
 貴様も休むが良い。

202 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 00:02:00

うん!
わたしももう、これぐらいでギブーギブーだから。
ちょうど良かったよ。

それに、思った以上に進んだもん。
このペースなら、明日か明後日には終わっちゃいそうなくらい(汗

じゃあ、また明日!

203 名前:英雄王:2008/02/13(水) 18:04:05
 
 上げておいた。
 アイデンティティを奪う行為をしてみた、反省など我がする筈もない。
 
 何かあれば呼べ、適当に暇を潰している。

204 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 19:48:52

お待たせ! ワンテールでもさつきはさつきだよ。
……その前の食屍鬼攻撃のほうに、描写の力を入れちゃったけど(汗

そういうことで、さつきはボロ切れみたいに道路に転がって、
呆気にとられているって感じかな。
今回はなにもしてないね……。
遠慮なく攻撃してきて、いいよ。

205 名前:英雄王:2008/02/13(水) 19:56:07
 
 ふむ――確認した。
 まあ、例によって例の如く三十分ほど待っているが良い。

206 名前:英雄王:2008/02/13(水) 20:28:30
 
 上げておいた。
 まあ、特に説明も要らぬであろう。
 
 我は夕食を取る。
 焦らずに書いて置くことだ。

207 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 21:31:58


お待たせ!
そういうことだから、今度は右足を捨てて逃亡再開だよ。
と言っても、ずりずりといもむしみたいに進むだけだから、
逃げられるはずなんて無いよね。

……えーと。
予定通り、そろそろクライマックスかな。
わたしはこのまま逃げ続けます。
街の外を目指して逃げます。
逃避のための全力ダッシュです。
本気、出します。

だから次で必殺技の枯渇庭園も発動させちゃいます。
逃げる、ために。

やりたいことはー。
Fate/Zeroの英雄王さまvs征服王さんの正反対なんだ。
あの戦いでも、征服王さんは最後まで止まらなかったよね。
あれと同じで、さつきも止まりたくないんだ。
ただ、さつきの場合は全力で逃げるため、だけど。
背中を見せて全力逃避。
どんな攻撃をされても逃げ続ける、って感じかな。

208 名前:英雄王:2008/02/13(水) 21:36:10
 
 ふむ――了解した。
 適当に書いてくる。
 
 三十分ほど待っているコトだ。

209 名前:英雄王:2008/02/13(水) 22:01:52
 
 書き上げた。
 イヂメろとのコトなので徹底的にな。
 
 後の展開に関しては適当に合わせる。
 好きにするが良い。

210 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 22:03:23
かくにーん! じゃあ、ちょっと時間をもらうね!

211 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 22:58:05

お待たせ!
ヨクワカンナイ固有結界を発動したよ。
わたしの躯で欠けちゃった部分は、
砂が義体みたいになってくれているって感じかな。
そんな能力じゃなかった気がするけど?
あんまり気にしないで!

わたしが視ている沙漠は、幻視みたいなものだから、
もちろん他のひとには見えませーん。

良かったら、ちょっとだけ本気を見せてください。
そろそろ終わりが近いデスっ。

212 名前:英雄王:2008/02/13(水) 23:01:02
 
 また三十分ほど待て。
 
 しかし――まあ、そうだな。
 最後くらいはまじめにやるか。

213 名前:英雄王:2008/02/13(水) 23:30:49
 
 固有結界のみを破壊したと思えば良かろう。
 
 後はハッタリだけだ。
 どう解釈しようが構わん。

214 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 23:33:23

ま、まさか、わたしなんかに乖離剣を使ってくれるなんて……
喜ぶべきなのかな……泣くべきなのかな……。
全力過ぎるよ英雄王さま……さすがデス。

取りあえず、今日はもう疲れたから切り上げたいと思うんだけど。
明日は何時ぐらいからいますか?
たぶん、わたしのほうが早いから、
英雄王さまがこっちに来る前に上げておきたいんだけど。

215 名前:英雄王:2008/02/13(水) 23:37:28
 
 ふむ――我の帰宅時間、か。
 恐らくではあるが――二十一時には顔を出せるのではないかと思うがな。
 最悪でも二十二時といったところだ。
 
 まあ、最悪でも上がってさえいれば一つは返す事が出来る。
 此方の都合は勘定するまでもあるまい。

216 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/13(水) 23:38:51

わっかりましたー。
じゃあ、それまでに上げておくね。
あとはもう終わらせるために終わるだけだから、
急がなくても安心安心。
じゃあ、お疲れ様です! また明日!

217 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/14(木) 19:17:38

お待たせさまですっ。
そういうことだから、上げておいたよ。
一人称だから分かりにくいけど、
ようするにずるずると這って逃げようとしているんだ。
……って、わたしってばそればかり(汗

良ければ、わたしの背中に王の財宝をバビってください。
わたしは次で串刺しにされてゲームオーバーになりたいと思いまーす。

218 名前:[-{}@{}@{}-] 英雄王:2008/02/14(木) 21:45:10
 
 確認はした――が、思考が胡乱でな。
 暫く体を休めてからだ。
 
 一時間ほど見ておけ、恐らくそれ以上は待たせん。

219 名前:[-{}@{}@{}-] 英雄王:2008/02/14(木) 22:58:10
 
 待たせたな。
 少々規制やら何やらに巻き込まれていたようだ。
 
 決定的な事は何一つとして書いていない。
 好きなように料理するが良い。

220 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/14(木) 23:45:15

お待たせ!
そういうことだから、死んできたよ!
王さまの財宝でバビられちゃった。
全身が灰になったから、死体も残らないって感じかな。
てきとうにエピでしめてくれると助かります!

わーい、終わったよー。

221 名前:[-{}@{}@{}-] 英雄王:2008/02/14(木) 23:49:03
 
 ならば、適当に締めておこう。
 終わらせる為にも迅速にな。

222 名前:[-{}@{}@{}-] 英雄王:2008/02/15(金) 00:20:06
 
 簡単にではあるがレス番纏めもしておいた。
 大儀であった。暇潰しになった事くらいは、褒めてやろう。
 
 それではな。

223 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2008/02/15(金) 00:22:38

わー、お疲れさまです!
短い間だったけど、わたしも楽しかったです。
突然のお誘いに付き合ってくれて、ありがとうございました。
わたしはやりたいことができたので、とても満足。
また遊んでくださいっ。

それにしても、ほんとに三日で終わったよ。
すごいー。

224 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/16(土) 22:26:46
さてと、待機ね。

225 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 00:00:07
ああ、ごめんなさい。
随分と待たせてしまったみたいね。
……まだいるかしら?レン。

226 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 00:24:15
15分おきにチェックしてたから、心配はいらないわ。
誘いをかけたのは私だしね。
それじゃ、煮詰めましょうか。


一応、こっちのコンセプトは下記のとおりだけど、

○ガンファイト(中距離〜遠距離)
○舞台は一応森みたいなもの(遮蔽物があったり色々使いやすいから)
○キャラは一応モーラだけど、誰か希望があるなら、誰でもいいわ
○文章(スタイル)はDIOや先のさつきの闘争みたいな突飛なのは無し、スタンダード

何か希望とかこうしてほしい、みたいなのはある?
可能な限り、応えるつもりよ。
後分からない事があるなら何でも聞いてね。

227 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 00:34:57
そう?
それなら良いんだけどね。


ふむふむ、なるほど。
貴方の提示したコンセプトに異論は無いわ。
舞台は森で、ガンファイト。実に結構ね。
もっとも、私の側はガンファイトと言っても実弾じゃなくて気弾やお札とか
そういうのがメインになっちゃうけど、それでもいいかしら?
もし実弾系がお望みならば、鈴仙を引っ張り出すことも可能だけど。


希望などは特に無い……というか、ね。
お恥ずかしい話だけど、私はこれが初めての戦いだから右も左もわからない状況なのよ。
今も緊張のキワミ。ドキドキしてるわ。

228 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 00:45:53
構わないわよ。
結局、ミドルレンジ以降で戦えれば良いのだしね。
戦法もキャラも貴方の一番やりやすいもので構わないわ。

確かに月兎の方がやりやすいとは思うけどね。
敢えて言うなら目を閉じて頭の中でイメージが出来るほう、かしら。
その辺りも貴方の自由、全面的にこっちが合わせるからね。
エスコートするのはいつだってホストの役目よ。

で、「モーラ」について詳細な解説、こちらの行動方針とか解説したほうがいいかしら?

229 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 00:54:28
目を閉じて、イメージ……なるほど、そういうものなのね。
ありがとう。良くわかったわ。

うん。やっぱり私は「私」で戦わせてもらうわ。
折角の初戦を私以外の誰かでやるのもアレだしね。


そうね、是非それらの解説をお願いしたいわ。
知っておかないと後々困るでしょうし。
ああ、そうそう。「私」の解説もした方がいいかしら?

230 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 01:15:44
モーラは吸血鬼と人間の間に産まれた娘。
いわゆるヴァンピールね。
まあ、この辺は募集スレのテンプレート通り。
自然治癒能力もあるけど、吸血鬼のそれより低いわ。
ただ吸血鬼特有の弱点は通じにくいわね。

基本戦略はマシンガンやらグレネードランチャーを撃ちまくりながら、
各所を高速移動しての攻撃。
貴方が(多分)固定砲台だと思うし、その意味で霍乱させる為にも
移動しての射撃は当然と思うしね。
………馬は、ちょっと考えるわ、これは開始まで時間もらうわね。
移動するのがこっちが主になるから、ちょっと考える必要があるから。


貴方というキャラについては大体のことは分かるわ。
シリーズは風神録はハードまで。
それ以外は全部ルナまではクリアしてるからね。

そうね、敢えて言うなら知りたいのは貴方の『解釈』だけど、
闘争に限って言うなら、どういう風な攻撃をするのか、やっぱり固定砲台なのか。
ぐらいね。
まあ、でも、MAPWとかされない限りは大体対応できるとおもうわ。


他、聞きたい事はある?

231 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 01:36:41
ふむふむ。半吸血鬼、と言う捉え方で良いのかしら。
常人よりは体力と運動能力が高いってことね?

うーん、なるほどねぇ。
そういう実弾系の攻撃は見慣れてないし苦戦しそうね。
まあ。それも楽しそうだから問題ないわ。
移動手段についてはゆっくり考えて頂戴、こっちは時間を気にしないから。


あらら、私よりも腕前は上ね(何

それじゃ、『解釈』について少々。
今回の闘争では、私はあんまり動かないから。動いたとしてもふわふわゆっくり。
イメージ的にはアレね。本家STGの時みたいな。
あとはそうねぇ。「私」はあんまり殺伐とした雰囲気を出さない。
コレは各人のイメージが大きそうな点だから、予め言っておくわね。
いわゆる徒歩○分っぽい感じ(わからなかったら申し訳ないわ。ここは無視して頂戴)にはなりたくない、と。そうイメージしてもらえると助かるわ。
まあ、闘争しているうちにヒートアップしちゃうかもしれないけどね。ふふふ。

他には……あ、そうだ。この闘争はいつくらいから始める予定かしら?

232 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 01:53:57
そうね。本編では実は戦闘シーンが殆どないのよ。
OPでハンマーふりまわして、敵を追い払って、
ラストでパンツァーファウストで戦車一台撃墜してるぐらい。
びっくりの戦闘の露出の少なさね。

以前は最終鬼畜兵器を倒せる程度の能力だったけど、
夢の世界でまどろんでる内に出来なくなったわ(何


なるほど、大体は分かったわ。
最初に戦う動機づけは必要そうね。
モーラはいわゆる「良い子」だから、問答無用!じゃないしね。
どうしてもの時は裏技使うけど、これも少し考えようかしらね。

はじめるのは、そうね、20日夜、最悪でも20日夜から。
一日〜二日に1ターンずつ進行で二月いっぱい、遅くとも三月初旬までに、どうかしら?
導入はこちらで容易するわ。

233 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 02:06:47
戦闘の少なさで言えば私も似たようなものよ。
原作でも二次創作界隈でも、ね。
それにしてもパンツァーファウストとはねぇ……。
まるで独逸の降下猟兵じゃない。

あら。彼女を倒したことがあるなんて流石ね。
私は絶好調の紫魔法使いに落と(ry
……やらないと腕ってすぐに落ちちゃうのよね(何


そうねぇ、まあその辺りは私の気まぐれ、ってことで適当でも良いわよ?
殺伐としたくはないけど、売られた喧嘩は買うし。
「私」にとっては何事も暇つぶしだから。

20日夜ね。わかったわ。時間はどうする?私は22時〜23時くらいには必ず来られるようにするわ。
あ、ちょっと質問。
1ターン=それぞれの攻守を一回ずつ、という解釈でいいのかしら。

234 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 02:16:08
書いているのがウロブチだから、仕方ないわよ。
ヴェドゴニアのヒロインはモンスターバイクのデスモドゥスだもの。
モーラは脇役よ(断言

ううん、オリジナルの死ぬが良いの方よ。
尚、黒歴史の方は一面のボスに降格されているのは、
知られてないのよ、案外。
七色の方は結構劣化してるから、というかさせないと、
普通にクリア不能になりかねないから、当然だけどね。
腕はもう今笑えるぐらい落ちてるわね。
元々クリア至上主義者だから、突破だけはかろうじてね。


一番、何も考えなくていいパターンは
そっちでいう萃夢想なり緋想天なりのキャラクターセレクト画面を用意して、
そこから選択→開始とかでもいいわ。
掟破りすぎるけど、元々、闘争の中身が肝だしね。
物語に懲りすぎる何処かの黒いアリスのほうが寧ろおかしいの。
まあ、何も妙案が思いつかなかったら、これにしようかしら。

ええ、一ターンはそれぞれの一回の攻防ね。
これなら無理なくなんとかなるとおもうし、どちらかがレスをあげて、
次の日の夜までに書いておくとかしておくこともできるわ。

235 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 02:38:48
わ、脇役なの?
……恐るべしニトロプラス、ね。

あ。
恥ずかしい、勘違いもいいところね!死にたいわ、死ねないけど!
―――ごめんなさい。

どんなゲームでも稼ぎプレイが出来る人っていうのは凄いと思うわ。
大抵は一回クリアしただけで大抵満足しちゃうもの。


物語に凝るのも悪くないけど、
それを考えるのに力を使いすぎて中身が疎かになっちゃったら本末転倒だものね。
あんまり考えても疲れるだろうし、開始のパターンは緩くて構わないわ。
……丸投げしちゃって申し訳ないわね。

なるほど、了解よ。
二月いっぱいの終了を目指して頑張りましょう。
三月初旬は最悪の場合、ということで。

236 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/17(日) 02:46:05
こっちから誘ったのだし、闘争の経験の差もあるわ。
私がセッティングするのは当然だから、この辺は任せて。
それじゃ、19日〜20日の夜まで導入をあげるわね。

進行は本スレ直貼り→こちらで分からない事とかあれば相談でいきましょう。
そう肩肘張らずやってくれればいいわ。


後、おかげさまで色々やる気が出たわ。
二年ぶりに一定期間だけど、現役復帰することにしたわ。
近い内に姿形を変えてお世話になると思うから、
改めてよろしくね。

それじゃおやすみなさい。

237 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/17(日) 03:00:04
ええ、導入については了解よ。
それと、ありがとう。お言葉に甘えさせていただくわ。
こういう経験を生かして、ゆくゆくはエスコート側に回れるようになりたいわね。

OK。何かあったらこっちに書くから。
肩肘張らずに……うん、そうね……出来るだけそうするわ。


んん?
よくわからないけど、何かの役に立てたのならば幸いよ。
違う姿でも逢える時を楽しみに待っているわ。
その時はこちらこそよろしくお願いね。

じゃ、お休みなさい。またね。

238 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/19(火) 23:15:08
ちょっと今夜中には厳しいわね。
ネタ思いついたけど、下調べが必要なの。

とりあえず、方針としては輝夜が余り動かないなら、
当初の馬案は破棄。でも、ガンファイトしてこそ、
東方キャラは映えるでしょうから、最初、複葉機で
空中戦
をやるつもり。
ちなみに撃墜された後は地上戦でどうかしら。

何故、アナログな複葉機かって?
単純に絵になるからよ。

239 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/20(水) 00:06:08
そんなに急がなくてもいいわよ。
時間はたっぷりあるしね。

あらあら。素敵な案ね。
優雅に舞うには金属製の単葉機よりも、複葉機よね。
撃墜後の地上戦も了解よ。
ふふ、運動不足なんて評判は消し飛ばしてあげるわ(何

>単純に絵になるからよ。
貴方、良いセンスをしているわねぇ。
仲良くなれそうよ。

240 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:05:51
ごめんなさい。帰宅が遅くなったわ。
とことん推敲いれるけど、雛形はこんな感じ

241 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:06:12
 フリッツ、後背の山から施設への侵入は?

『難しいぜ。ざっと調べてみたが、最低でも五重の警戒網が施設まで存在する上、警戒網の
 中身がはっきりしねえ。日本の時の様にはいかねえよ」

 海からの侵入は?

『船、ボートの類はまず見つかるな。こっちも警戒の仕方が尋常じゃねえ。幾つもの巡視船が
 常に徘徊してる状況で突っ切るのは無謀だ。海中は論外、シャークヴァンプが放されてる。
 サメの餌なんて、笑えないジョークだ。増して、帰路も確保しないとならねえ。厳しいぜ』

 空からは?

『対空レーダーがネックだな。グライダーとかも考えたが、これだと帰路が確保出来ねえ。
 施設に侵入してサンプル奪取が今回の仕事だ。帰って来れねえと意味がねえ。ドンパチは
 あくまで最後の手段だな』

、確実に、悟られずに、且つ離脱も兼ねる手段を模索しないといけない訳ね。

『―――――何とか出来ない訳でもないんだが』

 それは?

242 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:06:35
「……まさかこんなものを調達してくるなんて、ね」

 目の前に鎮座する黒き巨鳥を見て、モーラは嘆息する。彼女が今宵身に纏う漆黒のド
 レスは、WW1最良の戦闘機と名高いドイツの複葉機『フォッカーD.VI』。この機体
 は運動性、旋回性、操縦性が高い次元で調和しており、そのもつ牙は多くの敵機の
 喉笛を食い千切った。その余りの優秀さに戦後、戦勝国たる連合国側がこぞって入
 手したと言う逸話を持つ機体である。

 とはいえ、これは一世紀前の骨董品である。日進月歩の進化を遂げている航空機の世
 界から見れば、遊覧飛行等ならいざ知らず、現代の実戦で使おう等とは狂気の沙汰と
 言っても良い。しかし、今、滑走路に佇む二人のヴァンパイアハンターは勝算があっ
 てこそ、今宵、挑むのだ。その勝算とは………

『この機体なら低空飛行をしていれば、レーダーにかからねえ。何せ金属製のパーツが
 大して使われちゃいねえからな。後は空域内に侵入後はエンジン切って、音も無く滑
 空すれば、そうそう気づかるものでもねえ。そして、夜間用に黒く迷彩を施してある。
 今日は月が出てねえし、目視でも補足は困難だろう』

 ええと頷いて、少女はひらりとコックピットに乗り込んだ。………BMWエンジンが
 小さく唸りを上げる。プロペラが回転をはじめ、再び怪鳥は空に飛び立つ時が来た。

『後は無線でサポートする――――幸運を祈る』

 進路は15キロ南西。
 北緯33度、東経62度、目標バミューダ諸島D島イノヴェルチ施設。

243 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:06:56

「フリッツ、霧が出てるわ」

『んだとぉ。今の時分に霧なんて出る筈が………。視界の確保は出来てるか?』

「一応は。でも変よ。今、高度500Mで飛んでるけれど、目下の島々が見えないの』

『奇妙だな。今の場所がどこか分かるか?』

「――――コンパスが無茶苦茶に回ってるわ! 下は海面の筈なのに、此処は……森?」

「詳しく説明しろ! 異常な事が」



――――――――――――


 全てが異常だった。海の上を飛んでいた筈が何時の間にか鬱蒼とした森の上を飛んでいる。
 曇り空で星ひとつ出てなかったはずなのに煌々と輝く満月。その光は今まで見た事も無い
 ぐらい冷たく綺麗に光っていて、ダンピールの少女はその光に魅入られ亡(ぼう)と我を
 忘れた。

 しかし、その忘我も一瞬。更なる怪異が少女を覚醒へと促す。

「人が浮いてる……?」

 二の足で地を這いずるだけの機能しか持たない筈の人が翼を持たずに空を侵している。そ
 の構図はアンバランスで幻想的な絵図。普通の人間ならば、きっと感動のひとつでも覚え
 るところだろう。

 しかし、モーラは違う。生粋のハンターであり、目覚めた思考は現状を把握すべく、フル
 に回転を行う。その間に「人」との距離が縮まっていく………

 500M
 400M
 300M

 モーラの指は無意識に機関銃のトリガーに指がかかっていた。

244 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:09:01
推敲するところ

→戦闘機の詳細な描写、というかこれがメイン

補足

Fokker DVII airplane pictures & aircraft photos - RAF Museums
http://www.rafmuseum.org.uk/london/collections/aircraft/fokker-dvii.cfm


戦闘機はこんなの。
武装は機関銃しかないわ。

245 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:11:54
続・補足

あらすじ

バミューダトライアングルにある施設を襲撃しようとしました。
しかし、事故って行方不明になりました

おしまい


こういう不思議スポットって便利よね。
場所はそっちの魔法の森辺りを一応想定してるわ。

後、戦闘の口火をすぐに切るべきなら切るわ。
モーラは基本的に弱キャラだから満月光線の影響を受けたとかでもいいしね。
質問、要望等あるなら遠慮なくいってね。

246 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 01:13:12
あ、飛ばされる前の描写はオマケだから貴方は気にしなくていいわ。

247 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 01:46:50
遅くまでお疲れ様。
さっそく導入を拝見したわ。

フォッカーD.VIIとはまた良いセンスねぇ。
うんうん。この時代の飛行機は優雅でいいわ。
もちろん後世の物もそれぞれ美しいんだけど、複葉機ならではの優美さというものが―――。

―――ごほん、ええと。
そ、そうそう。バミューダトライアングルってスキマみたいよねぇ。
実際に行方不明が続発しているみたいだし。理由は様々みたいだけど。

うん。そうね。場所の想定等に要望や質問は無いわ。
どっちが撃墜されて地面に激突しても、人や人以外に被害は出なさそうだし。
私の側は適当にふよふよと散歩していたことにすれば良さそうね。
満月を眺めながら散歩。

戦闘の口火はすぐに切ったほうがテンポがいいかしら。
私は空中で制止できるけど、飛行機はそうもいかないでしょう?
モーラの心境にもよるだろうけど、ずーっと旋回しながら私と会話する絵面ってちょっとシュールな気がするわ(何

ああ、でも満月かあ。私もちょっとルナティックプリンセスになるかもね。あはは。

248 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 01:49:29
>私は空中で制止できるけど

私は空中で「静止」できるけど、ね。
カッコ悪いわねぇ、これ。本番じゃもっと気をつけないと。

249 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 02:43:31
大幅に加筆するから、でも大筋は変えないからその辺は安心してくれていいわ。

最初はフェアリーにしようと思ったの。
でも、あれは雷撃機だからドッグファイトなんて無理無理ね。

苦しい設定よ。
でも、それいうなら既にキャラのレシオ差が100:1ぐらいあるからね。
それに比べればこんなものは誤差の範囲よ。
そして、ほら、言うじゃない、足りない部分は勇気で補えって。

状況は了承ってことね。
じゃあ、このまま進めるわ。

私は或る程度近づいたところで銃撃するつもり。
理由は満月光線とか、まあ、色々作れるしね。

会話はお望み?
私はお望みなら考えるわ。

250 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 03:05:45
ええ、了解よ。大船に乗ったつもりでいるわ。

フェアリー……ソードフィッシュ?
確かに名機だけど、海が無い幻想郷じゃあ役に立たないわね。

ひゃ、100:1?そんなに差があるの?
私だって肉体的にはほとんど人間な上、戦闘技術も高くは無い……はず。姫だしね。
まあ別に、キャラの性能差が戦力の圧倒的差じゃないとは思うけどね。
貴方の言うとおり99%は勇気で補えるし。


うん、貴方の行動と場の状況についてはわかったわ。
会話はそうねぇ。ちょっとあった方が面白いかも。

251 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/21(木) 03:13:15
次の夜までに仕上げるわ、何とかね。

だって、モーラは仮面ライダーでいう蜘蛛怪人も倒せないレベルよ?
基本全部不意打ちとかそんなのばかり。
大殲でも地味で使用率はとってもひくかったわ。
だから、使うのですけど。

それじゃ、今夜はこれでやすむわ、おやすみなさい

252 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/21(木) 03:48:20
ええ、了解よ。でも、無理はしないで頂戴ね。

なるほどねぇ。
わかり易い例えね。ありがと、大体想像がついたわ。
―――見た目は知っているけど、モーラの中身や能力は貴方から得た情報しかないから。
イメージしやすくなって助かるわ。

じゃ、お休みなさい。またね。

253 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:24:46
 フリッツ、後背の山から施設への侵入は?

『難しいぜ。ざっと調べてみたが、施設まで最低でも五重の警戒網が施設まで存在する上、
 警戒網の中身がはっきりしねえ。日本の時の様にはいかねえよ」

 海からの侵入は?

『船、ボートの類はまず見つかるな。こっちも警戒の仕方が尋常じゃねえ。幾つもの巡視船が
 常に徘徊してる状況で突っ切るのは無謀だ。海中は論外、シャークヴァンプが放されてる。
 サメの餌なんて、笑えないジョークだ。増して、帰路も確保しないとならねえ。厳しいぜ』

 空からは?

『対空レーダーがネックだな。グライダーとかも考えたが、これだと帰路が確保出来ねえ。
 施設に侵入してサンプル奪取が今回の仕事だ。帰って来れねえと意味がねえ。ドンパチは
 あくまで最後の手段だな』

、確実に、悟られずに、且つ離脱も兼ねる手段を模索しないといけない訳ね。

『―――――何とか出来ない訳でもないんだが』

 それは?

254 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:26:04

「……まさかこんなものを調達してくるなんて、ね」

 目の前に鎮座する黒き巨鳥を見て、モーラは嘆息する。彼女が今宵身に纏う漆黒のド
 レスは、WW1最良の戦闘機と名高いドイツの複葉機『フォッカーD.VI』。この機体
 は運動性、旋回性、操縦性が高い次元で調和しており、そのもつ牙は多くの敵機の
 喉笛を食い千切った。その余りの優秀さに戦後、戦勝国たる連合国側がこぞって入
 手したと言う逸話を持つ機体である。

 とはいえ、これは一世紀前の骨董品である。日進月歩の進化を遂げている航空機の世
 界から見れば、遊覧飛行等ならいざ知らず、現代の実戦で使おう等とは狂気の沙汰と
 言っても良い。しかし、今、滑走路に佇む二人のヴァンパイアハンターは勝算があっ
 てこそ、今宵、挑むのだ。その勝算とは………

『この機体なら低空飛行をしていれば、レーダーにかからねえ。何せ金属製のパーツが
 大して使われちゃいねえからな。後は空域内に侵入後はエンジン切って、音も無く滑
 空すれば、そうそう気づかるものでもねえ。そして、夜間用に黒く迷彩を施してある。
 今日は月が出てねえし、目視でも補足は困難だろう』

 ええと頷いて、少女はひらりとコックピットに身を躍らせ、ぐっとペダルを踏み込み、
 出撃の口火を切る。BMWエンジンへと確かにその意思が伝達され、ぐるぐると機体
 は唸りをあげはじめる。連動して、回転計、エンジン温度計も0から10、20とデ
 ジタル/視覚的にテンションを漲らさせて、その高まる怒気がプロペラを回していく。
 
 ……………そうして、コックピットから見える風景が少しずつ流れていく。怪鳥が空
 に飛び立つ為の疾走体勢へと入ったのだ。

『後は無線でサポートする――――幸運を祈る』

 進路は15キロ南西。
 北緯33度、東経62度、目標バミューダ諸島D島イノヴェルチ施設。

 ―――――Fly High!

255 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:28:42

「フリッツ、霧が出てるわ」

『んだとぉ。今の時分に霧なんて出る筈が………。視界の確保は出来てるか?』

「一応は。でも変よ。今、高度500Mで飛んでるけれど、目下の島々が見えないの』

『奇妙だな。今の場所がどこか分かるか?』

「――――コンパスが無茶苦茶に回ってるわ! 下は海面の筈なのに、此処は……森?」

「詳しく説明しろ! 異常な事が」



――――――――――――

256 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:29:04

 全てが異常だった。海の上を飛んでいた筈が何時の間にか鬱蒼とした森の上を滑空している。
 曇り空で星ひとつ出てなかったはずなのに煌々と輝く満月。その光は今まで見た事が無い
 ぐらい冷たく怪しく光っていて、ダンピールの少女はその光に魅入られ亡(ぼう)と我を
 忘れた。

 しかし、その忘我も一瞬。更なる怪異が少女を覚醒へと促す。空にぼつんと黒い点が1つ。
 常人ならば、見落とすに違いない其れをモーラは己が瞳に捉えていた。

「人が浮いてる……?」

 相対距離300M
 其れは真っ当なヒトガタをしていた。翼を持っている訳でもない。二の足で確か空に立って
 いた。地に立つ筈の足が宙空を踏みしめている。何とアンバランスな構図である事か。
 相対距離200M
 其れは威風堂々たる体躯をしている訳でもない。表現として一言で述べるのであれば、可憐
 な人形といった所。そんな風貌の少女が浮いている。高度計を見るとその針の示す300M。
 それだけの高さの所に見た所、如何なるモノの助けを借りずに存在している異質。
 相対距離100M
 今まで相対してきた命を啜る異形、キメラヴァンプ。明らかにそれ等は人外の様相を呈して
 おり、鬼気を放っていた。しかし、其れは違う。状況は異常そのものであるのに、其れから
 は何も感じない。透明な異様さが逆にモーラの危機感を刺激する。
 相対距離50M40M30M…………口から漏れた言葉。
 
「貴方は敵?」
 
 其れから決して見えることはないが、モーラの指は無意識に機関銃のトリガーにかかっていた。






257 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 00:29:37
大遅刻!
ごめんなさい。

一応これで導入としたいけど、どうかしら。

258 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:15:25
いえ、こちらこそ確認が遅れてごめんなさいね。
―――うん。この導入で了解よ。

ただ、本当に細かくて申し訳ないんだけど、フォッカーは『D.VII』ではなかったかしら?
……小姑みたいね、こういうの。


259 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:22:05
いいえ、こっちが一日遅刻だし(苦笑

ミスは本スレ掲載時に修正しておくわね。
後加筆することは(撃墜された後の)武器を積み込んでましたってことぐらいね
本文中の建前だと施設潜入時の武装になるけれど。

260 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:23:24
貴方はどう対応してくれてもいいわ。
大体目測3〜4レス程度で撃墜されるつもりだしね

会話したいなら、お好きに。
ガンダム風カットイン的なイメージなら距離なんて無関係に会話できるとおもうし

261 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:23:50
疑問点、要望があったら遠慮なくいってね
可能な限り応えるわ。

262 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:30:54
遅刻なんて気にしないで頂戴。
私は永遠の暇人だから。一日や二日の遅れなんて何ともないわ。ふふ。

うん。じゃあ、お言葉に甘えて。
まずは会話を少々させてもらうわね。


そうねぇ、今のところ疑問点や要望は無いわ。
やっているうちに浮かぶかもしれないけど、それはその時に。

263 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:34:20
では、次の夜から本格的に始動しましょうか?
時間帯は完全に貴方にあわせるわ。
次の夜から待機してるけど、それでいいかしら。

264 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:39:55
ええ、そうしましょう。
基本的に22時〜23時には来るわ。
来られそうにない時は、前もって言うようにするからね。

265 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 01:45:20
わかったわ。
楽しく踊りましょう。

私は一回仮眠をとるわ。
それではお疲れさま。。

266 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 01:48:21
こちらこそ。
お手柔らかにお願いしますわ。

―――お疲れ様。無理はしないでね。
私も一旦休むわ。じゃ、またね。

267 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 22:13:52
とりあえず、待機ね。

268 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 22:33:33
お待たせ。
仮眠したら寝すぎちゃったわ。

269 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 22:51:26
こんばんは。まあ、今はお布団が気持ちよすぎるから気持ちは分かるわ(何

で、次は貴方のターンになるけど、それはいい?

270 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 22:57:10
こんばんは。
この季節は猫じゃなくてもコタツで丸くなっちゃうわね(何

ええ、良くってよ。
こちらから手は出さないつもりだけど。

そうそう、ひとつ質問なんだけれど、貴方は文花帖はやったことあるかしら?

271 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:05:34
あるわよ。
確かレベル8までコンプして力尽きてたはずね。
でも貴方の金閣寺の凶悪さは聞き及んでるわ。

272 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:09:06
なるほど。わかったわ、ありがと。
……金閣寺はねぇ。自分でもどうかと思うわ(何

273 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:14:08
趣味全開で作るとああなるという見本ね。
まあ、もう製作者には過去の遺物なんでしょうけど(何

じゃあ、まったり待ってるわ。
急がなくていいわよ、どうせ一日〜二日で1ターンなんだしね。

274 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:24:04
製作者いわく、「アレ、そんなに難しいですかね?(意訳」らしいわ。
―――まあ、過去は振り返らない主義だしね、製作者の彼。
号外なんて夢のまた夢よ。

あ。
一応、私のレス案はできてるからこっちに貼っておくわね。

275 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:30:03
幻想郷、迷いの竹林内。永遠亭。

この日、私は優曇華の鉢がある部屋で静かに書を読んでいた。
久しぶりに何処にも出かけずに、ただひたすら書を読む。
今日はそういう日にしようと決めていたのだが……流石に夕刻を過ぎると、目が疲れてきた。
如何に不死の身であるとはいえ、疲れも痛みも感じる。本当に不便極まりない。
……我ながら難儀な体だと苦笑しつつ眉間を軽く揉む。
そして。ふと、床の間に置いてある優曇華の鉢に目をやる。
ちょうど月光が当たるように調節されたその場所で、優曇華は鈍く輝いていた。

―――優曇華とは「穢れ」を取り込んで成長し美しい玉を実らせる植物の名であり、
その玉が生った枝のことを『蓬莱の玉の枝』という。
この玉の枝は七色の美しい玉とバランスが取れた枝振りの、まさに神宝と呼ぶに相応しい一品である。
また、地上では非常に高価なものとして扱われる宝の一種でもあった。

私は火鼠の衣など、様々な「宝」と呼ばれる品々を所有してはいるが、これらは所詮コピー品だ。
いつ何時、弾幕勝負を仕掛けられるかわからないため、
これらコピー品も一応『スペルカード』という形にして常時持ち歩くようにはしているが、
通常弾以上の威力はあるものの、決め手に掛ける。
元々避けられるようにしているという点もあるし、そもそも火力が足りないのだ。
だが、『蓬莱の玉の枝』は私が唯一持っている本物だ。
これは一振りすれば色とりどりの弾幕も放てるスグレモノでもあるため、護身用としていつも肌身離さず持ち歩いている。
弾幕ごっこ以外の用途―――滅多には無いだろうが、本気の戦闘の時に備えると言う意味も、あるにはある。
もっとも、これはずっと昔から持っているため、懐に無いと落ち着かなくなってしまった、という理由も大きいのだが。

―――『蓬莱の玉の枝』と言えば。ずっと昔にこれを持って来いという難題をだしたことを思い出した。
あの地上人の名は……確か、車持皇子……。
そしてその娘が―――腐れ縁のアイツ。思えば思うほど、長い縁だ。
今は少々変わってきたから楽しいが……。

―――などと、益体も無いことを考えていると、外から兎たちのはしゃぐ声が聞こえてきた。
読書と思索に耽り過ぎてすっかり失念していたが、外の様子からすると満月の夜に行われる祭り、例月祭は滞りなく終わったようだ。

「―――ふう。優秀な従者やペットがいると楽で良いわ」

祭りに参加できなかったことを残念に思いつつ縁側に通じる障子を開けると、
そこには私の従者兼恩師兼その他諸々である、八意 永琳が立っていた。

「輝夜、ようやくお出まし?もう例月祭は終わってしまったわよ」

永琳は呆れ顔をしながら、肩をすくめた。
私はそんな永琳の態度に少々腹を立てながら、文句を言い返す。

「声を掛けてくれても良かったんじゃない?いくらなんでも私抜きで祭りを進めるなんて酷いわ」

「掛けました。始める前に何十回もね。それなのに返事が無かったんだから。仕方ないでしょ?」

「……。」

即答された。どうやら、こちら側に完全な過失があったようだ。
返す言葉も見つからず、しばらくの間沈黙が訪れる。
確かに声を掛けられたことに気付かなかった以上、
月見団子にありつけなかったりや兎たちの音楽を聴きそびれたりしたのは自業自得だとは思う。
普段ならそう納得して、大人しく寝所に帰るのだが―――。
何故か、この日は苛立ちが収まらなかった。もしかしたら、満月に少々あてられたのかもしれない。

「……永琳、ちょっと散歩してくるわ」

強い調子で、宣言をする。

「こんな時間から?……まあ、いいわ。行ってらっしゃい」

こういう時の私には何を言っても無駄だということを、永琳は良く判っている。
半ば諦めたような口調で、あまり遅くならないようにね、と付け加えた後自室へと戻っていった。

私は永琳の言葉を聞き流し、夜空へと飛び立った。
行き先は決めず、適当にぶらつくことにしよう。

276 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:30:51
この日は、満月だった。
何回も何十回も何百回も何千回も何万回も繰り返されてきた、普段通りの満月。


ただ、一つ。普段通りではなかったことと言えば。
その満月を眺める場所が普段通りの永遠亭の縁側ではなく、
黒白や七色の人形遣いが住んでいるという魔法の森の上空であったと言うことだけ。


永遠亭を飛び出して適当に飛んでいたら、こんな場所に来てしまっていた。
あまりなじみの無い地区ではあるが、静かで良い所だ。
ハッキリとした満月を見つつ、暫くこの辺りをぶらつこうか、と考えていたとき―――違和感に気付いた。
―――?
なんだろうか。微妙に空気が振動している。
耳を澄ますと、何かが風を切っている音も聞こえてきた。

まさか、と思う間もなく、レトロな航空機が視界に入ってきた。
動力を切っているようではあるが、あれは間違いなく外の世界の人間と機械だろう。
そもそも、この地には空を飛ぶ機械というものは存在しない。
空を飛ぶ人間はいくらでもいるが。

さて。見たところ、あれは私に向かって飛んできているようだ。
せっかく出会えたと言うのに、避けてやり過ごすのも面白くない。
かといって、こちらから話しかけた挙句に驚かれて墜落でもされたら困る。
うーん、どうしたものか……などと悩んでいるうちに、あちらから声を掛けてきてくれた。
これは渡りに船。早速会話を―――。
って―――敵?物騒なヒトねぇ。

「あら。どうして初めて会った貴方と敵対しなければならないのかしら?
 私は貴方を敵視する理由が無いんだけどね」

ふわふわと空中に浮かびながら相手に視線を向ける。
相手の顔は視認し辛いが、どうやら人間のカタチをしているようではある。
まあ、身なりが人間でも人間以外の可能性が大きいのは言うまでもない。

見知らぬ土地に迷い込んで、空を飛ぶ人間を目の当たりにしたと言うのに、あの冷静さ。
多分普通じゃないはず。ちょっとは警戒した方がいいのかしら?
でも、うーん。見ただけじゃ良く判らないわ。
私も鈴仙みたいに相手の殺気が読めたりすればよかったんだけどねぇ。
生憎私は荒事担当じゃないし、その辺りの勘は鈍い自信があるのよ。困ったことに。

「初めまして、外の方。ようこそ幻想へ」

ま、それはそれとしてまずはご挨拶。
月を背に、微笑を浮かべて相手方に手を差し出す。
手に手をとって仲良くなれればそれでOK。
もしそうでなければ―――。

277 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:33:55
と、こんな感じなんだけど……どうかしら。。

278 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:40:31
確認。
なるほど、なるほど。
闘争を申し込んだ私の目は節穴じゃなかったわね。

後はこっちがどう因縁つけて攻撃するかを書かないといけないわね。
明日の夜までにはあげるけど、それでいいかしら?

そして、私の導入と貴方のこれを今から貼ろうとおもうけれどいい?

279 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/23(土) 23:48:03
そう言って頂けると非常に光栄ね。
同時にちょっと怖いけど。

ええ。よろしくお願いするわ。
……ごめんなさいね。投げっぱなしで。

あ、いえ、私の分の貼り付けは自分でやるわ。
流石にそこまでやってもらうのは悪いもの。

280 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/23(土) 23:54:39
吸血大殲第59章  交差する『血の軌跡(ブラッドローカス)』
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/

貼り付けてきたわ。
では貴方の分をお願いね。

281 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 00:05:44
確認。

あ、次から相手のレスには>>*みたいに指定をつけてね。
どうせ一まとめだからこれは問題ないとはおもうけど、一応ね。

282 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:06:14
確認&貼り付け完了よ。
さあ、それでは改めまして。

一緒に、踊り狂いましょう。

283 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:07:59
ああ、ごめんなさい。
次からは気をつけるわ。

284 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 00:10:41
そうね、いい闘争にしましょう。

では又明日の10時に会いましょう。
お疲れ様。

285 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 00:12:19
ええ。
また明日に。またね。

286 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 22:24:15
こんばんは。今書いてるけれど、戦端を開くにあたって1つ確かめたい事があるの。
満月光線にしようかと思ったけれど、それだけじゃ微妙に弱いのよね。
プラスアルファをいれようとおもって。

貴方の瞳って覗き込んだら傍目から見て常を逸してると思う?

287 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 22:55:37
こんばんは。

瞳?そうねぇ。
色は赤いし、普通ではないように見えると思うわ。
狂気をはらんだ瞳と言ってもいいかもね。

288 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/24(日) 23:07:37
ああ、それなら何の問題もないわ。

これで最大の難関は解決ね。
日付が変わるまでには何とか仕上げられるとおもうわ。

289 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/24(日) 23:16:11
設定的にも、私は「狂気のお姫様」だからね。
曲名にも現れているでしょ?

ああ、そんなに焦らなくても良いからね?
別にすぐ終わらせようって思わなくてもいつかは終わるでしょうし。

そうそう、明日なんだけど、こちらに来るのが12時を過ぎてからになりそうなのよ。
ごめんなさい。

290 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 00:42:36
 相対距離20M
 『敵ではない』
 『外の方』
 『幻想』
 相対距離10M
 『敵ではない』→イコール味方とも限らない。
 『外の方』→モーラ自身の事だろう。外という言葉が意味するのは転じて異端?
 『幻想』→言うまでも無く、人が宙に浮くのは幻想(ゆめ)に他ならない。

 現状、得られた鍵(キーワード)は三つ。現実への回帰という扉をこの鍵を元に開かな
 ければならない。
 
 注.制限事項。現在の燃料計の目盛りは半分強。これが即ち残された砂時計の砂となる。
 これが落ちきる前に状況を打破しなければならない。
 
       〜〜〜ニアミス(異常接近)〜〜〜
 
 そして、私は見た。其れもとい彼女の瞳を。ほんのりと紅く染まっている瞳。紛れも無く、
 それは今まで幾度と無く見てきた捕食者、蹂躙者、陵辱者の色と類を同じくするもの。
 命に価値を見出さず、己の愉悦でその灯火を消し去る化け物どもがその瞳に宿す狂気色。
 
       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 其れと機体が交錯し、何事も無く様に過ぎ去り、再び両者の距離が開いていく。
 
 相対距離10M
 『敵ではない』→イコール味方とも限らない→少なくとも私にとって敵になりうるもの
 『外の方』→否、何時だって自分の様な存在は異端なのだ。歓迎される居場所は何処にも無い。
 『幻想』→狂想を無に返すのが己に課した役割。
 
 相対距離20M
 
 「分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは」
 
 相対距離30M
 スロットルを倒す。少女の開戦の意思は電気信号となって幾つもの回路を通じ、しばしの間、
 惰眠を貪っていたフォッカーの心臓を刺激。覚醒した機体は獰猛な唸り声と武者震いを以って
 乗り手へと応える。今まで風の流れに任せて滑空していた黒鳥が自らの力で宙空を疾り出す。
 
 相対距離80M/時速30キロ
 相対距離340M/時速60キロ
 相対距離500M/時速120キロ
 
 距離と比例して、加算されていく速度。充填されていく戦意。その意思をそのまま動作へ還元。
 操縦桿を思いっきり右へ押し倒す。命に従い、機体は右方向へと急速旋回。少女の痩躯にぐん
 とかかるGが確かな実感を以って、これからの死闘を予感させる。

 相対距離230M/時速100キロ/高度300メートル

 レバーを下へと引き倒し、暴れる機首を叱り付け、尚も微調整を続けながら標的方向へと固定。
 旋回時に機体姿勢は右傾40度でそのまま疾空。言うなればぐるりと円を描く航空軌道。
 
 「DUST TO DUST」
 
 宣誓と共にトリガー。2丁のシュパンダウ製LMG08/15 7.92mm機銃が灼熱の鉄塊を乾いた音とも
 に吐き出す。一世紀前の骨董品とはいえ、300発/分、秒速900M、最大射程3キロと言う
 鋼の暴風は肉の衣をまとった人間サイズの相手ならば容易く肉片に引き裂いてしまう程度の威力
 は持っている!500M先の標的等次の瞬間には逢えなく粉砕しているだろう。
 
       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 トリガーの瞬間に計器に映った私の瞳。光の反射か紅く染まっていた。
 コックピットより、虚空に見える月は先よりいっそう透き通って怪しく輝いていた。
 たぶん、きっと、気のせいだろう

       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

291 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 00:44:23
とんでもないミスしてて遅くなったわ。
ごめんなさい。
最大の難所は越えたから、あとはそれなりにはやいとおもうわ。


で、旋回して攻撃。宣戦布告ね。
宣戦の理由は満月光線と瞳。

モーラはハンターだけど父親が腐れ外道(笑)吸血鬼で紅い瞳って
割とトラウマなの。
まあ、今回そういうのをかくと蛇足だから書かないけど。

292 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 00:58:54
確認したわ。

ふむふむ。紅い瞳にトラウマ、ね。
良いわね、問答無用っぽくて。
攻撃されたからこちらも反撃するわ。

それじゃ、こちら側も
明日のこの時間くらいまでには上げられるようにするから。

293 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 01:03:21
本スレに貼ってきたわ。
後は好きに料理してあげて。
どうせ撃墜って結果は変わりないからね。

それではお疲れ様。
向こうともども今後ともよろしくね。

294 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 01:24:57
確認完了よ。

あ、そうそう。
ちょっと聞きそびれちゃったんだけど、不死属性を使うのはありなのかしら?
勿論、無限に復活するつもりはないわ。
ちょっと演出上、ね。

295 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/25(月) 01:27:37
全く問題ないわ。

296 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 01:48:51
わかったわ、ありがと。

その辺りも考えながら……ね。
うん、何だか案が浮かんできたわ。

それじゃ、私はそろそろ休むわ。またね。

297 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 23:53:12
>>863 >>864 >>865

返答の無いまま、レトロな飛行機は接近してくる。
攻撃を仕掛けてくる気配はない。

―――冷静なように見えたけど、結構びっくりしちゃってるのかしら。
ああ、驚きのあまり声も出ないっていうのもありえるわね。
そりゃ人が何の補助器具も無しに飛んでいたら、声も失うわよねぇ。


……などと考えながら一人で頷いていると、飛行機は目の前まで接近してきていた。
そして、一瞬―――操縦席の彼女と目が合った。


「あら、可愛い」


そんな呟きが零れてしまうほど、華奢で可憐な、可愛い女の子。
外からの訪問者は私の見た目と変わらない程度の年齢の少女であった。
それに、一瞬だったので詳しくはわからないが、外見は普通の人のように見えた。
少なくとも背中から羽が生えていたり、頭に角を生やしたりはしていないようだ。
どんな人や人以外が乗っているかと楽しみにしていたが、これは意外だった。
……少々肩透かしを食らったような思いで、通過していく飛行機を見送る。


―――あんな少女が飛行機に乗って幻想と現実の境界を越えてくるなんて。
あのスキマ妖怪の仕業かしら。
全く、あれは何を考えているの?
……まあいいわ、とにかくちゃんと話をつけて、外に返してあげないとね。


私は再び距離が離れてしまった彼女に声を掛けようとする。
しかし、それよりも一歩早く彼女から声が掛けられた。


>「分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは」


「な、何故そうなるのよ!」


私の慌てた声などお構い無しに、
彼女とその乗機は一体と化し、一気に速度を上げていく。
そして、ある程度離れたところで急旋回。
こちらに向かって突進してくる。


その行動には、明らかな殺意が込められていた。
鈍い私にもハッキリと感じられるほどの強い殺意が。


まずい、避けなきゃ―――。


―――機銃の発射音が聞こえる。
―――体に鉛弾が食い込む感触がする。


腕がちぎれる ―――久しぶりねぇ、こんなのは。
足が吹き飛ぶ ―――ああ、そう言えば銃撃されたのは初めてかもね。
腹に穴が開く ―――いつも炎で焼かれたり、刃物で切られたりばっかりだったし。
頭が砕け散る ―――あ、死んじゃった。





―――死んだままでいるのも面白くないし、リザレクションしようっと。
場所、さっきの所。再生するのは肉体のみ、衣服はそのままでいいわ。
ふふふ、あの子がそういうつもりならば、私もその気でやらなきゃね。



バラバラに飛び散った体だったモノが落下していく中に、再び人影が現れる。
ゆらり、と陽炎のように、先程とほぼ同じカタチの人間が出現した。
唯一つ違う点は衣服が銃撃を受けたかのようにボロボロになっていることだけ。



「ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった。
 ねぇ、貴方。出会い頭にいきなり人を殺すだなんて酷いんじゃない? ほら、服もボロボロになっちゃったし」


お気に入りだったのに、と頬を膨らませながら彼女に視線を向ける。


「まあ、弁償しろとは言わないわ。ただちょっと―――貴方に仕返しをしないと気が済まないけどね」


彼女に向けて手をかざし、先程撃ち込まれた鉛弾と同じ数だけの気弾を放つ。
ちょっとした『永夜返し』。

298 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/25(月) 23:54:28
ううーん、やっぱり遅くなっちゃったわ、ごめんなさいね。

で、こちらからの反撃レスは取り合えずこんな感じ。

299 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:26:46
確認したわ。
本当にモーラが気の毒ね(他人事っぽく

ちょっと確認。永夜返しはどの段階の弾幕をイメージしてる?

300 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 00:33:41
可愛い子ほどいじめたくなるのよ(何

そうね、イメージ的には一番最初の「待宵」ね。
たくさんの細かい弾が飛んでいく感じがするから。
ただ、あくまでイメージだけ。永夜返しそのものじゃないわ。

301 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:41:42
分かったわ。

大体3〜4レスぐらいで撃墜される予定だし、
どんどん苦戦するから大丈夫(何が

貴方のレスを本スレに貼ってくれるかしら。
私のは明日の夜までにあげておくわ。

302 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 00:49:30
了解、貼ってきたわ。

あ。
うーん、ちょっとタグが失敗してるから、後でまた貼り直すわね。
もちろん、内容には変化なしよ。

それじゃ、またね。おやすみ。

303 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 00:50:35
ええ、お疲れ様。

304 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 22:28:44
こんばんは。

ひとつ質問いいかしら。
貴方の場合のリザレクションってどんな感じ?
妹紅は火の鳥が出るけど、普通(?)に周囲の空間がゆがんで再生みたいな感じ?

305 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 22:48:19
こんばんは。今日も良い夜―――とは言えないわね。
天気が悪いもの。

そうね。
私の場合は貴方の言ったようなイメージ。
地味で嫌になるわ(何

306 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 22:57:20
なるほど、ありがとう
また積極ミスをするところだったわ
あと20〜30分ぐらいであがるわ。

307 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 23:02:15
いえいえ。

私も妹紅みたいにわかりやすい復活の方法があればよかったんだけどね……。

308 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:44:37
 百年前とはいえ、元々は対戦闘機をも想定した武装である。人間が直撃すればこなみじん。
 化け物でも、その構成要素が血と肉である限りは結果は人間の場合と変わらずこなみじん。
 夜族(ミディアン)の再生能力は侮れないものがあるが、頭や心臓を含めた五体に百を超
 える鉛弾を撃ち込めば、一度の肉体の復元の余地無く、死の坂へ転落、塵へと還る。これ
 は生死を超越した夜族とて逆らう事の出来ないルール。

 故に標的は鋼鉄の暴風を動いて避けるしか選択肢はありえなかった。上か下か右か左か、
 避けた方向に対して追撃を加え、回避する余地を狭め、追い詰めて狩り倒す。………少な
 くともモーラはその様にこの戦いの流れを想定していた。

 しかし、結果は予想の斜め上を行った。フォッカーから放たれた鋼の牙は標的を一切の容
 赦・慈悲無く食い破ったのである。標的の身体が肉片と形を変え、更にその肉片を弾丸は
 幾度も咀嚼していく。腕や脚、頭であったものが血煙と共に百の肉片に堕ち、更に千の塵
 となって虚空に消えていく。



 「や、やったの……?」

 想定外の結果を受け、一瞬の自失の後に少女の口から漏れた言葉。しかし、狂った幻想の
 中での現実は容易くモーラの問いを明確な言葉と現象を以って否定する。

 其れの居た空間がぐにゃりと歪む。歪みから発生する点、一次元。転じて広がる線、二次
 元。絡み合う立体、三次元。瞬間で超えられる死と出つる生、四次元。そして、其れから
 告げられる宣戦の意。

 『ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった。
  ねぇ、貴方。出会い頭にいきなり人を殺すだなんて酷いんじゃない?
  ほら、服もボロボロになっちゃったし』

 『まあ、弁償しろとは言わないわ。
  ただちょっと―――貴方に仕返しをしないと気が済まないけどね』


 驚愕に身を任せている暇は与えられなかった。其れがすっと手をかざす。その手には何も
 無い、引くべきトリガーは存在しない。だというのに、其れの掌から放たれる白色の玉の
 奔流。幾重もの玉は怪異というには妖しく、異常というには一瞬見惚れる程の輝きを持っ
 ていた。しかし、それらは確かな圧力を持ち、幻想(ユメ)でも何でもなく現実(リアル)
 に他ならない。まともに巻き込まれれば今度はモーラが虚空に消える事になるのは必定。
 
「く………っ!」

 無駄口を利く時間等ありはしない。操縦桿を力の限り更に右に押し倒し、スロットルもマキ
 シマムへと同時に転ずる。機体の描いていた緩やかな旋廻軌道が高速度を以って急角度へと
 変ずる。ぐるりぐるりと回る視界。その最中に二枚の布張りの左翼が激変する空気抵抗にミ
 シミシと音を立てて、その身を膨らませ、悲鳴をあげる。だが、この程度は耐えてもらわね
 ばならない。白い弾丸の束が機体の右側を抜けていくのを凝視。
 
 間髪入れず、操縦桿を下方向へと叩きつける。高度計がその数字を目まぐるしく300台か
 ら200台前半へと減じていく。眼下に見える地上の森が一際大きくなったかの様な感覚。
 強力なGに黒鳥の騎手も一瞬の眩暈を覚えるほど。

 しかし、これだけの機動の間も機首は常に標的に向けられていた。この飛行機は元々は相手
 の身を引き裂く為だけに作られている。その役目を真っ当出来るとなれば、機体も乗り手も
 多少の重圧、負荷等は意に介するまでもない、否、意に介してはならない。果たされるべき
 目的は既に設定され、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)があるのみである!

 相対距離400M/高度200M/時速150キロ
 
「だったら、何度でも塵にするわ!」
 
 再び、怪鳥の嘴に在る重機関銃がけたたましく叫びだす。当たれば塵になるのは既に確認。そ
 れなら何度でも一瞬の猶予も与えず、無に還し続けるのみ。今度の鋼の咆哮は止まない、止め
 させない。モーラをレバーを上に倒し、期待に再上昇を促し、トリガーを引き続ける。
 
 作戦はいたってシンプル
 其れとの相対距離を詰めながらひたすらに撃つ、撃つ、撃つ!

309 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:46:37
みょんに時間がかかったわね。
ごめんなさい。

まあ、死亡フラグが微妙にはいったりしてるけど、どうせモーラだしね(何

急旋廻→急下降で回避。
無茶な制御をしながら、急上昇して撃ちまくり。
次で被弾させようかしら(何

310 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/26(火) 23:56:36
いえいえいえ、気にしないで。

ああ……(遠い目
まあ、良いんじゃない?
死亡フラグは立てたのに生き残るっていうのも一興でしょ。

ふむふむ。了解よ。
じゃあ、次は当てる気で撃つわ(何

311 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/26(火) 23:58:17
本スレにあげてきたわ。

じゃあ、後は精々いぢめてあげて(何

312 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/27(水) 00:17:08
確認完了。

それじゃ、明日の夜までにはあげておくわ。

313 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/27(水) 17:13:10
ごめんなさい、ちょっと今日の夜は顔を出せそうに無いわ。
申し訳ないけれど一日、時間を頂戴。
木曜には来られるようにするから―――本当にごめんなさいね。

314 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/27(水) 22:36:04
分かったわ。
私から申し込んだ闘争だし、気にしないで。

315 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/02/28(木) 14:54:06
ああ、もう、何度もごめんなさい。
野暮用が思いのほか長引いてしまって。
2月中はこちらに顔が出せなくなってしまったわ……。

3月に入ったらこちらの問題が解決できると思うから。
本当に申し訳ないわ……。

316 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/02/28(木) 23:37:21
二月って言ってももうおしまいだし、大丈夫よ
時間が出来たらで構わないから

317 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 21:50:36
>>867

当てるつもりで放った趣旨返しの弾幕。
最悪、直撃はしなくともダメージくらいは与えられるだろうと踏んでいた弾幕を。
彼女と相棒は無茶な機動でかわして行った。


―――驚きに目を見開きつつも、口元は自然と緩む。
久しぶりに、本当に久しぶりに、楽しい戦いが出来る。
因縁だとか、ルールだとか、そういった一切のものに縛られない戦い。
私は戦いを好みはしないけれど……それでも、血沸き肉踊る気がする。
きっとこれも満月の所為に違いない。そういうことにしておこう。


「―――なかなかやるじゃない。外の人間も捨てたものじゃなさそうね」


相手は一気に急降下した後、一転急上昇。
距離をつめながら再び銃撃の体勢に入った。
微笑みを浮かべたまま、その機動を眺める。


>「だったら、何度でも塵にするわ!」


彼女が叫ぶ。
でも、そうは問屋が卸さない。


「そう何度も塵にはなりたくないわねぇ。痛いし疲れるのよ、再生って」


にこやかに返事をしながら、彼女達の射線から僅かに身をずらし、銃撃をかわす。


「うーん。その飛行機、美しいわね。是非私のコレクションに加えたいところだけど―――ゆずってくれって言っても聞かないでしょうね」」


ふう、とため息を吐いた後懐から一枚のカードを取り出し、通り過ぎてゆく彼女達の背中に向けて、宣言する。


「壊したくはないけど―――敵である以上排除しなきゃ仕方ないわね。神宝『ブリリアントドラゴンバレッタ』」


瞬間。カードに込められた術式が開放され、色とりどりのレーザーと弾が辺りにばら撒かれる。
よく見ればレーザーの発射される方向には法則性があるが、ばら撒かれた弾が回避を困難にする。
しかし難易度は勿論ルナティック。手加減など一切無し。


「果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?」


人類は難題を解くには十分な時を過ごしてきた。
だが、人類以外はどうだろうか?

318 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 21:51:01
お待たせ。
ごめんなさいね、中断しちゃって。
こっちの問題は大体カタがついたわ。

こちらのレスはこんな感じよ。

319 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:36:35
おかえりなさい。
私の記憶が正しければ、確か最初にして二番目に面倒な部類のだったかしら。

となると戦闘機の大きさじゃ隙間は縫えないわね。
じゃあ、撃墜フラグを立てるわ、そろそろ。

明日の夜にまで挙げるわね。

320 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:37:35
少し気になった点

>「だったら、何度でも塵にするわ!」

こういう引用タイプは余り大殲ではみないのよね。
普通に「 」、区別をつけるなら『 』でもいいかもしれないわ。

321 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 22:39:08
ただいま。
そうそう。一番最初のカードなのに避けづらいアレ。

ええ、わかったわ。
それじゃ本スレに貼ってくるわね。

322 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 22:40:18
あ、なるほど。
助言ありがとう。『 』に直してから貼るわ。

323 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/01(土) 22:50:24
本スレへの投稿を確認したわ。
後2レスぐらいで撃墜されて地上戦に移行するつもりね。

明日はなるべく早く上げるつもりよ。

324 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/01(土) 23:09:30
了解よ。
地上戦ね……ふふ、面白そう。

それじゃ、また明日ね。お休みなさい。

325 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 22:52:26
 手を翳せば極彩色のレーザーが幾重にも虚空を舞い、無数の花火が散る……なんてのは
 子供向けのアニメーションやコミックでの話。実際にそんな事は不可能な御伽噺である
 からこそ、人はその手に刃や銃器を携え、鉄火を以って化け物を殲滅する。そんな前提
 を嘲笑うかの様に其れは可不可の壁を飛び越え、色彩豊な光の線で描かれた立体絵図を
 この空域に具現化させる。その見た目の美しさとは裏腹にモーラが感じたのは戦慄だった。



 ありふれたブラウン管の中の出来事であれば、何時の時代もよく飽きないわねと一笑に
 付した所だが、今回は私がそのブラウン管の中に居る。眼に映る七色の光と白球は確か
 な質量があり、熱を持つ。直撃しようものなら、童話にある怒れる龍の顎に噛み砕かれ
 た哀れな獲物の様に塵ひとつ残りはしないだろう。迫る死の予感を前にして、背に冷た
 いものを走る―――――そんな中、投げ込まれる言葉。

 『果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?』

 ………そして、その言葉で理解否再確認した。確かに仕掛けてくる事は今まで見た事も
 聞いた事もない想定外の業。だが、その裏は今まで戦ってきた、殲滅した化け物どもと
 何等変わりはしない。何時も高みから見下し、他者を一方的に蹂躙し、その足掻く様を
 見て興じ、飽きればその命ごと廃棄。そんな事は許せないし、許さない。誰かが、私が
 負の連鎖を断ち切らなければならない。

 「その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!」

 相対距離350M/高度180M/時速140キロ

 三次元で複雑に組まれた光の迷路。翼を含め10M弱あるこの巨体では無傷で抜ける事
 は到底叶わない。そう、「無傷で」抜ける事は叶わない。迫る黄の光を避けるべく操縦
 桿を左へ。黒鳥は左へと翔ける方向を変え、今までに無く機体が上下に激しく揺れる。
 おそらくレーザーが機体の腹を掠めていったか。痛みにのたうつ機体にフルスロットル
 で鞭を入れ、更なる飛躍を強制させ、機関銃のトリガーは引きっぱなし。吐き出される
 鋼鉄の既に機体は殲滅の意思もこの狂った光の空間と比較してあまりに矮小。先程から
 機体の声色が微妙に狂って聞こえるのもきっとそれを身を以って自覚しているからか。

 相対距離250M/高度230M/時速170キロ

 各計器の数値が目まぐるしく変わる。詳細なチェックは既に必要が無い。狙いは既に明
 確。その目標に向かって機体を疾らせるのみ。操縦桿の上下左右による僅かな制御で赤
 や青で造られた光の隙間を押し通る。ただし、その隙間には幾つも小さな光球が障害物
 として敷設されており、侵入者を阻害する。

 相対距離160M/高度260M/時速180キロ

 狂ったパーティーのクラッカーがぱん、ぱんと弾ける音が聞こえる。その度機体が激し
 く、揺らぐ。コックピットから見ると、左翼右翼上下二枚ともところどころに虫食いの
 様に穴が開いている。空を翔る為に必要な翼が今砕かれつつある。しかし、それでも、
 問題は、ない。

 相対距離100M/高度290M/時速186キロMaximum

 神話では蝋の翼は大いなる光で溶かされ、墜落を余儀なくされた。現在、布張りの翼は
 幾つもの弾に撃ち抜かれている。その先の待つのは神話と同じ悲劇か。……NO。狩人は
 自身もそのエモノも目標殲滅の為のツールに過ぎない。墜落、あるいはそれに準ずる結果
 となっても相手を殲滅出来れば目標のひとつは達せられた事にはなる。


 そうして、縮まる、零に近づいていく距離、これが意味するものは。

326 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 22:53:07
なんだかんで微妙に時間かかってるわね(苦笑


見ての通り、KAMIKAZE
これ以上ない撃墜フラグとおもうわ

327 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:16:50
いえいえ、こっちも散々遅れちゃったしね。気にしないで頂戴。


確認したわ。
なるほど、ボロボロの機体で突撃ね。
撃ち落すと私も爆発に巻き込まれそう。


328 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 23:20:43
これでいいかしら。

ああ、地上戦があるからぶつかる前に飛び降りるわよ、中の人は

329 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:30:58
ええ、大丈夫よ。
こちらのレスは明日の夜にはあげるわね。

なるほどね。
飛び降り了解したわ。

330 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/02(日) 23:39:26
本スレ867は最後の一行が抜けてたから、後で修正依頼しとくわ。
一応、報告ね。


どうとでもしてあげて。
これはもう結末は1つしかないでしょうから。

地上戦も基本は現代携行兵器のみ。
ひとつだけ未来武装を使うけど、それは以前の馬の代案。
まあ、たいしたものではないわ。

それではお疲れ様。

331 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/02(日) 23:56:08
投下確認。
現代の兵器って、私にとっては珍しいから―――逆に戦いにくいかも。
月時代にそれっぽいものを見たことはある気はするけど、あんまり覚えてないから参考にならないし(何

じゃ、またね。おやすみ。

332 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/03(月) 21:55:40
申し訳ないけれど、ちょっと時間を頂戴。
考えてたのがどうしても気に入らなくて―――練り直すわ。
水曜日のこの時間にあげるようにするから……我侭言ってごめんなさい。

333 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/03(月) 22:15:38
分かったわ。
何か分からないとか戸惑ってるとかあれば遠慮なく言ってね。
慣れてないのは確実にあるでしょうから。

334 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/03(月) 23:16:30
ええ、ありがとう。
貴方がそうくれると言ってくれると本当に心強いわ。
気になったことがあれば、すぐに質問させてもらうわね。

それじゃ、ちょっと待っててね。
また水曜に会いましょう。

335 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 21:36:39
>>869

当たり判定の大きな機体だから、すぐにでも被弾して墜落していくだろうと想像していた。
良く避けてはいるが、現に被弾している様が視認できる。
だが、彼女とその相棒は一向に墜落していく気配がしなかった。
むしろ、こちらに向けられる殺気やら戦意は増している。


―――この弾幕を目前にして、気が萎えないなんてねぇ。
相当な修羅場をくぐって来ているみたいね。
見た目は私と変わらないくらいなのに。
一体、どんな体験をしてきたのかしら……。


彼女の機動を一歩も動くことなく、目で追いかけながら。
彼女の生い立ちなど、頭の中で色々な想像が浮かんでは消えていく。
……一瞬のあいだ思考の海に沈んでいた私を、彼女の叫びが現実に引き戻す。


『その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!』


狂っている、と断じられてしまった。
間違っている、と否定されてしまった。
だが―――。


「あら、私が狂っているのは初めから。間違っているのもまた初めからよ?
 私は狂気の姫であり、永遠の罪人なんだから―――あはははは」


手の中でスペルカードが燃え尽きていく。
効果時間終了寸前のその最後の数秒間、色とりどりのレーザーが発狂したかのごとくその数を増す。
笑い声と共に無数の弾が彼女と相棒に殺到する。


ばら撒いた弾が翼に風穴を開ける。
極彩色のレーザーが胴体部分を舐める。
しかし、それらは全て―――致命傷とはなりえなかった。
弾幕のことごとくをギリギリでかわされる。
急所に当たるはずの弾が当たらない。
落としたと思った瞬間、機銃を放ちながら目前に迫る彼女と相棒。
一瞬、背筋に寒いものが走る。
この感覚は「あの」巫女と対峙した時と同じ。


なんて―――楽しいんだろう。


「あはははは、いいわ、すごくいいわよ貴方! こんなにドキドキするのはあの夜以来!! 」


全身に鳥肌をたてつつも高く高く嗤いながら、気弾を放つ。

被弾、被弾、被弾、右腕脱落、被弾、左腕損傷、被弾、大腿部損傷、被弾、被弾、胸部損傷出血大

しかしそれらは全て無視。目の前の彼女らに集中する。
動き辛くなった左腕を相手に向け、さらに気弾を放出。

―――狙いは機体の心臓部。機首のエンジン、ただ一つ。

336 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 21:37:23
お待たせ。
こんな感じでどうかしら。

337 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/05(水) 22:41:42
お疲れ様
お見事、正直、驚いてるわ。
あのスレの人達は本当に侮れないわね。

それじゃあ、墜落させましょうか。
やっと地上戦、戦闘機は描写が資料が無くて本当に困ったわ(自業自得

338 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 22:47:48
あら、褒めてもらえるなんて光栄ね。
ふふふ、ありがと。


地上戦も楽しみにしてるわ。
じゃ、これを貼って来るわね。

339 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/05(水) 22:56:16
ええ。
では明日の夜、最悪でも明後日までにあげるわ。
私も少し柔軟にやってみようと思ったし。

340 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/05(水) 23:02:41
了解よ。

それじゃ、またね。おやすみなさい。

341 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/06(木) 23:19:06
ちょっと調整で時間がかかりそう。
明日の夜になるわ。

後、もう地上戦移行フェイズまでこちらで進めていい?

342 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/06(木) 23:49:57
ええ、その辺りは全てお任せするわ。

焦らないでゆっくりやってね。

343 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/07(金) 21:56:44
ごめんなさい。
今夜立て込んでいて無理かもしれないわ。
どんな最悪でも明日の夕方までには仕上げるけど(苦笑

344 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/07(金) 22:07:57
ええ、わかったわ。
のんびり行きましょう。

345 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 20:52:45


  鉛の鼓動に
  背骨がきしむ…
  命の重さに翼は
  しなる…
  鉄の棺は音より速く、
  心の糧を過去へと飛ばす
 
 
 長い眠りから叩き起こされて、再び、飛べるとは誰も思ってなかっただろう。
 皆、倉庫の片隅で埃を被って、そのままゆっくりゆっくり朽ちていくものと思っていた。
 生き残って余生と言うと聞こえはいいが、創られた本来の意図から考えれば不本意そのもの。
 
 それが何の因果か再び空を翔け、果てには異郷の地を飛び、火花を散らす等、
 数多く創られた其れの同胞の誰もがした事のない経験に違いない。
 確率にして七百分の一、0.0014%以下で辿られた数奇な旅路。
 その果てもまた凄惨だった。
 
 
 被弾→四枚の翼、左右、上下、有象無象の区別無く孔だらけ
 被弾→孔から血の代わりにごうごう気流が吹き抜け
 被弾→更に増える孔、通る風の圧力は右肩上がり。本来の強度を失った翼は風の圧力に屈し
   ⇒右翼脱落
 被弾→当然、片方の翼も同じ
   ⇒左翼脱落間近
 被弾→胴の部分も見慣れない黒い点が無数。点から黒煙がブスブスと立ち昇る。
   ⇒右胴下部損傷拡大中
 被弾→既に空を飛ぶ為の体裁は何処にも成していない五体不満足、露になるビス止めの心臓
 被弾→慈悲も容赦も無く其処に突き刺さる光
   ⇒爆発、閃光
 
 ひとつの花火となって周囲を眩しく照らし、其れは本懐を遂げる。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 かくして空の舞台は掃けた。空も地に在る森も静寂を取り戻し――――ぼん、と下の森から
 二発目の花火が上がった。花火の号名は「毒針」。その針はおよそ1、5メートルと巨躯を
 誇っており、炸裂すれば、一発目の花火に負けず劣らず、派手なものになる事は疑いない。
 

346 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 20:53:34
 
 詰まる所、戦略は単純だった。殺しても蘇り、死なない。確かに前代未聞の脅威である。
 しかし、死なないと言う事はイコール倒せないとは限らない。

  ――――痛いし疲れるのよ、再生って

 死ななくても、あの化け物は確かに痛みを感じて、疲れもしている。。人並みというには
 おかしいが、感覚は確かに持っているのだ。なら、与える痛みと疲労の限度を超えさせれば、
 活路を開く事は可能だろう。後は残った手札で其れを出来るかどうかの問題だ。
 
 
 
 私は機体が爆発する直前にコックピットから武器の詰まったサック片手に眼下の森へと飛び
 降りる。高度三百メートル強、普通の人間なら確実に死ぬ高度。無論、化け物であってもま
 ともに地面に激突すれば原型を留めない肉塊になり果てる。
 
 しかし、幸いにも下は平地でなく森である。鬱蒼と茂る木々の枝をクッションとして、衝撃
 を緩和すれば、生き残る事も可能な筈だ。こういう時の為の無意味に頑丈な身体なのだから。
 
 そして、飛び降りる瞬間に私は人外の視力を以って『視る』。眼下の森を、否、森という総
 体ではなく、木々を見定める。どの木がより多くの枝を持ち、より盛大に茂っているか。
 つまり、クッションになってくれるかを選び取り、最も適していそうな大木に向かって飛び込む!
 
 
 
 ………着地までに要した時間は十秒足らず。枝がクッションになったとは言え、衝撃が零には
 程遠い。身体の節々ずきずきとが痛む。切り傷、打ち身多数、肋骨の何本かは折れている。左
 上腕部の骨はおそらく皹が入っている筈。それでも、問題は、無い。少し時間があれば、跡形
 も無く治ってしまう、そういう呪われた体なのだから。が、今はその少しの時間も惜しい。ア
 レには一切の猶予を与えてはならない。サックに手を伸ばして、『武器』を取り出す。
 
 FIM92 "Stinger"本体起動。右肩に固定。上空に浮かぶヒトガタに照準を合わせ、

 「塵は塵に!」

 トリガーオン。バスンと音がして、ミサイルが目標に向かって撃ち上げられる。本来は対戦闘
 機用の銃火器。人間に使えば跡形も残らない。


 ………一体、あと何回殺すのかしら

347 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 20:55:04
結局、日が暮れてるし(死



爆発前に飛び降りて、森にまぎれてスティンガーで砲撃。
戦略も一応明らかに書いたわ。勝てるわけないだけどね(何

348 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/08(土) 22:26:39
ごめんなさい、今確認したわ。
なるほどねぇ―――スティンガーで撃たれるなんて。
幻想郷じゃ絶対に経験できないわね。

うん、それと。機体にも黙祷を捧げたくなるわ。
老体に鞭打って、こんなところで果てる。悲しいけど、美しいわね。


349 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 22:42:09
まあ、最大の焦点はごっこ遊びじゃなくて殺し合いで不意打ちとか何でもありだから、
その点でモーラ頑張るしかないわね。大変ね(また他人事風に


じゃあ、これで貼ってきていいかしら?

350 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/08(土) 22:46:03
こっちは死んでも「あー痛かったー」で済むから、
不意打ち騙まし討ち、なんでも思う存分やって頂戴ね。
私、あんまり体力に自信がないから(何

ええ、それで大丈夫よ。

351 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 22:57:07
あっと、レス番指定忘れてるわね
後で修正依頼出しておくわ。


じゃあ、精々にいぢめてあげて(何
それが売りだから

352 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/08(土) 23:06:33
確認完了よ。

ふふふ。それじゃ可愛がってあげるわ(何
明後日の夜までには上げるわね。
明日中にはちょっと無理かもしれないから、余裕を持って、ね。

353 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/08(土) 23:10:59
ええ。あわてなくていいわ。


それでは今夜はここまで
おやすみなさい。

354 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 22:22:18
>>871 >>872

各所に穴が開き、ずたぼろの姿になっても墜落せずに目前まで迫る彼女の相棒。
私は寡聞にしてこのツワモノの素性を知らないが、きっと外の世界では名の知れた戦闘機であったのだろう。
「彼」もしくは「彼女」と言うべきか―――どちらが正しいかは判らないが、
このツワモノからは、確かに誇りと挫けぬ心を感じ取れた。
永琳には機械に心なんて存在しない、と言われてしまいそうだが、私は確かにあのツワモノの『心』を感じた。


そして……散り際も見事なものであった。
最後の最後の瞬間まで、私の喉笛を噛み千切らんとしていた。
その様はまさに―――誇り高き『戦士』。


「―――貴方の戦さぶりと勇名は、永遠に残るでしょう。私が、約束するわ……。
 今はゆっくり休みなさい、外の世界の誇り高き戦士よ」


爆散していく姿を見送った後。
ボロボロになった左手を胸に当て、瞑目する。
こんなカタチで、あの子を破壊したくはなかった―――。
もっと違う形で出会っていたのなら―――


ぼん。


爆裂音と共に思考は強制中断。
一拍遅れて全身を激痛が駆け巡る。


―――くっ、しまった……操縦手の彼女を見失っていたわね……。


今更ながら、戦闘中であったことを思い出す。
体の機能をざっとチェック。


右腕欠損、左腕脱落寸前、右大腿部損傷大、左脚大腿部から下欠損、胸部腹部重度の火傷―――。


「これはダメね……。ああ……もう!服が原型を留めてないじゃない!」


地面へ向けて落下しながら、特に狙いは定めず弾幕をばら撒く。
大きな弾が一定の間隔で地上へ向けて着弾していく。


「しかもねぇ、折角人が感慨に耽っていたというのに邪魔をするなんて。無粋よ、貴方!」


やり場の無い憤りを弾に込めてばら撒き続ける。
木々が薙ぎ倒されるのが見えるが、そんなことは気にしない。
木はいずれ生えて来る。これくらいでへこたれるほど、自然は柔ではないことは重々承知している。
特に地上の自然はしぶとい。月のモノとは訳が違う。


しばらく自由落下した後、地上に激突。
体が文字通りバラバラになった―――当然、とても痛い。いかな蓬莱人とはいえ、痛覚はある。
普段の生活では大きなメリットだが、こと戦いの場においてはデメリットにしかならない。


痛みに顔を歪めながら、体を再構成する。
傍目からは傷も全て回復しているように見えるだろうが、痛みは痛みとして記憶されてしまう。
体の傷は消えても、脳―――魂に刻まれた痛みはそう簡単には消えない。
しかも再構成にはかなりの体力を使う。
そう何回もリザレクションは出来ない……あの焼き鳥は例外だ。
私はあいつと違って死に慣れていない。あと復活できるのは二回くらいか……。


しばらくその場でへたり込んでいたいが、今は戦闘中。そんなことは出来ない。
どうにか動いて、手近な木の幹に身を隠して様子を伺う。


「―――っはぁ、はぁ……ほ、本当に訓練しておくべきだったわ。これじゃ押し切られちゃいそう……」

355 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 22:22:54
お待たせ。
こんな感じなんだけど、どうかしら。

356 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 22:33:13




………………………………………………




…………なんて空気の読みっぷりかしら!
モーラはさつきとほんの少しレシオが上なだけ(ポテンシャル考慮せず)なのに!!

357 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 22:35:08
あ、これ、褒め言葉よ。

まさか、ここまでやられてくれるとは思わなかったわ、いい意味で。
うん、全く問題ないわ、ぐっじょぶといえばいいのかしら。

358 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 22:44:42
…………。
な、なんてことなの!無意識にノンカリスマモードに入ってしまっていたわ!

まあ、ほら。
やられるのは結構好きだからね(何


それじゃ、コレ貼ってくるわね。

359 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 22:47:38
ええ。いってらっしゃい。

360 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 22:58:09
確認、と。

後は銃撃戦ね。
目測決着まで4レス(4ターン)ぐらいかしら。

361 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 23:03:54
そうね。4ターンもあれば決着がつくと思うわ。
私もそんなにリザレクションできないしね。

362 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 23:06:14
それじゃ、明日の夜には返すわ。
後は調べ物はしなくてもいいから大丈夫でしょう。



後、私の雑感だけど、輝夜はもう普通に誰とでもしっかり闘争になるわよ。
私が太鼓判を押してもいいぐらい。

363 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 23:19:54
ええ、了解よ。
あとはノリでいっちゃいましょう?



その言葉……本当に嬉しいわ。
こんなに良い経験をさせて貰えたのは、私にとって財産よ。
貴方には感謝しているわ。ありがと。

364 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/10(月) 23:22:24
こっちこそ。

それでは今夜はここまでね。おやすみなさい。

365 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/10(月) 23:28:03
ええ、それじゃあね。おやすみなさい。

366 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/11(火) 21:46:06
 
 天から降り注ぐ極彩色の光の雨。
 恵みを齎す水色の雨とは違い、其れは徒、破壊のみを齎す。
 閃光・轟音・爆発の三重奏。晴れのち不毛。
 
 そうして、木々が薙ぎ倒され、草花は塵と化し、地面が抉れ、そこに潜む私は退避を
 余儀なくされる。
 
 兎に角、遮蔽物を利用し、ゲリラ戦を展開しないとと話にならない。
 元々、狩人と化け物の戦いの構図は単純な力では話にならない。どれだけ意識の死角
 を突くか、これに狩人の意識は集約される。今、行うべきはアレの集中力を奪い、疲
 弊を誘い、殺し続ける事、それも速やかに合理的に。その為の切欠を探さねば………。
 
「それなら、地面に激突する貴方の方が無粋を通り越して、喜劇ね!」

 墜落してきた化け物を木陰から挑発しつつ、役目を果たしたスティンガーを地面に投
 げ捨てる。サックの中から爆弾を取り出し、足元にセット、デジタル表示で示される
 数字は00:30。右手首に嵌めた腕時計のタイマーも同じ数字に設定。
 
 <00:25>
 
 可能な限り、息を潜め、身を屈めて草叢に隠れつつ、爆弾から離れる。相手も木陰に
 隠れて、様子を伺っている様子。
 
 <00:18>
 
 私も相手も互いの正確な位置は分からない。幾らヴァンピール故に夜目が利くと言って
 も、完全に隠れる事に専念されると捕捉するのは難しい。
 
 <00:12>
 
 ならば、相手から自分の位置を示させれば良い。至って、シンプルな答えが導き出さ
 れる。
 
 <00:08>
 
 囮の爆弾が爆発すれば、そこに釣られて攻撃を仕掛ける筈。その間隙の数秒で決着を
 つける。……爆弾から距離はかれこれ50メートル。これだけ離れれば問題はない。

 <00:05>
 
 残り5秒。私はサックから取り出したイングラムM10を右の手に構え、時を待つ……。
 あの化け物を殺し続ける策はもう完成している。後、必要なのは私の覚悟だけ。

 <00:01>


              SHOW DOWN!


367 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/11(火) 21:49:58
かくれんぼ→囮爆弾設置→隠れながら移動→爆弾爆発直前


繋ぎのレスね
策って言っても、延々心臓狙いで心臓を潰し続けるだけ。
生き物なら心臓潰されると、それ以外の機能が直ぐに停止するでしょう。

まあ、再生されるとどうしようもないけれど、再生するまでは心臓は動かない
心臓が動かないなら他のところも機能するはずがない。
手から弾幕だって撃てないだろうから、事実上無力化。
――――――つまり、ずっと心臓潰し続ければ勝てるって算段。

368 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/11(火) 21:50:59
まあ、甘いわよね(何

369 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/11(火) 22:54:10
ハデで良いわね。
弾幕戦とは一風変わった楽しみがあるわ。

確かに体のつくりはヒトと同じだから、心臓狙いされたらお手上げね。
弾道を見切れるほどの超人的な反応速度とか無いし。


―――いや、良い点突いてると思うわよ?
私は普通の蓬莱人だもの(何

370 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/11(火) 22:55:11
でも、弾幕放つのに手はいらないでしょ(何

これでいいかしら。

371 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/11(火) 22:57:25
ああ!(ぽん)
そうね、そうね。『出ろー』って念じたら出るのが弾幕だもの(何

ええ、問題ないわ。

372 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/11(火) 23:01:30
貼ってきたわ。

モーラにはきっと死兆星がみえるわね(何
じゃあ、今週以内を一応の目処にしましょう。

373 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/11(火) 23:13:28
確認完了よ。

今週以内ね。了解、そうしましょ。
こちらのレスは明日上げるわ。

それじゃ、おやすみなさい。またね。

374 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/12(水) 21:20:39
>>874


―――本当に、不味い状況ね。


肩で息をしながら、心の中で呟く。
リザレクション……蘇生の繰り返しで体力が尽きつつある上、不慣れな地上戦に持ち込まれてしまった。
空を飛ぶ手段を持たないが、戦闘慣れしている彼女。
自由気ままに空を飛びまわれるが、お世辞にも戦闘が得意とは言えない私。
両者を比べるまでもなく、地上では彼女が圧倒的なアドバンテージを有している……とは言え。
この時点で負けを認める気など毛頭無い。
戦う前から負けだなんて、絶対に認めない。



―――私は永遠亭の主、蓬莱山 輝夜。
この名に掛けて―――いえ、名前はわりとどうでもいいんだけど、とにかく。
あの子が幻想郷内でこれ以上暴れないとも限らないし、ここで止めておく必要はある。
打ちのめせば大人しくなって、話を聞くことも出来るようになるだろう。
元の世界に返すことだって決して不可能ではないはずだ。
あの子のためにも、幻想郷のためにも。ここで負けるわけにはいかない!



いざ心を決め、相手への攻撃の仕掛け方を思案し始める。
不慣れな戦ならば、後の先をとることが大切だ―――と、確か、鈴仙が言っていた気がする。
相手の技量が上か、そもそもどのような力を持つのかが不明な場合は、
相手の攻撃を一旦受けた後に反撃の手段を考えろ、と。
まあ、あの子が何もせずに時を浪費するとは考えにくいし、この案を採用することに何の問題もない。
先程空中から攻撃した例もあるし、先に仕掛けて効果的な攻撃になるとも思えないから、これで行こう。
そう決意した瞬間、彼女から罵声が飛ぶ。



『それなら、地面に激突する貴方の方が無粋を通り越して、喜劇ね!』



ビキビキッ



―――落ち着くのよ、私。あんな見え透いた挑発には乗らない……乗らないんだから……!



逸る気持ちを抑えきれず、手には一枚のカードを握っていた。
……だが、まだだ。まだ仕掛けるタイミングではない。
深く息を吐いて、心を落ち着ける。
一度、二度、三………………



三度目の深呼吸が終わる寸前に、激しい爆発音が響く。



「―――! 来たわねッ! 食らいなさい、神宝『サラマンダーシールド』ッ!! 」



反射的に木陰から飛び出して、カードを掲げ宣言する。


辺り一面に広がる、木々を焼き尽くさんとする炎はまさに火竜のごとし。
更に広範囲攻撃に加えて、彼女が潜んでいそうな辺りには炎を纏ったレーザーを打ち込む。
これで逃げ場はほとんど無い。
例え仕留められなかったとしても、炙り出した後にゆっくりと狙い撃ちをすればコトは済む。


挑発によって少々、冷静さを欠いていたと思わなくもないが、まあとにかく後の先らしきものは取れた。
後のことは後に考える!

375 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/12(水) 21:22:50
ということで。
クールになりきれない私でした、まる。


挑発で熱くなった所に爆弾破裂。
ついつい飛び出して体を晒しちゃった、ってところね。

376 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/12(水) 22:27:53
この闘争でのモーラの絶頂が遂にやってきたわね!
………1レス限定で(何

ええ、全く問題なしよ。
とりあえず、次は心臓に向けてマシンガンうちまくって、
零距離まで駆け抜けて尚も打ちまくるみたいな感じでいいかしら。

377 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/12(水) 22:33:31
思う存分やっちゃって頂戴。
それ相応に反撃するから(何


それじゃ、貼ってくるわね。

378 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/12(水) 22:54:22
確認。

では次の夜にあげるわ。
オーバーキルしまくるけど、問題ないわよね?(何

379 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/12(水) 22:57:27
問題ないわ、当然。
私は死なんよ!何度でも甦る!(某大佐風)

380 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/12(水) 23:00:48
じゃあ、殺しまくるわ^^

次の夜にまた会いましょう
お疲れ様

381 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/12(水) 23:08:10
お手柔らかに……ね?(弱気

ええ、それじゃまたね。おやすみなさい。

382 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/13(木) 22:50:39
>>875
 
 あらゆる化け物は心臓を破壊されれば、生き返ることは出来ない。 
 しかし、目の前の其れはかかる不文律すら超越している。
 ならば、心臓を破壊する事は無意味なのか?



 『NO』。化け物の左胸に照準セット。引き金が落ちる音がカチリ。
 
 
                パラパラパラ
 
 
 目標の雪の様な白い左胸にぽんっと赤い華が咲いた。鉛の弾が皮膚をその灼熱で焼き、
 食い破り、中の赤い肉を掻き分け、生命の源たる心臓へと殺到する。一の弾でも届き
 さえすれば致命傷。それほどにこの器官はデリケート。何せ、ここから血が全身に行
 き渡らなければ、思慮を司る脳も命令を遂行する四肢も満足に動作をしなくなり、最
 後にはその機能を停止を余儀なくされ、結果、死に至るこの化け物はそれでも
 しつこくしつこく新しい心臓を創り出して
 
 
         パラパラパラ
 
 
 トリガーを引きっぱなしにしながら、あいた左の手でサックを掴んで踏み込む。照準は
 左胸のまま依然固定。銃口から吐き出された9mmパラベラム弾が更に貪欲に化け物のハ
 ートを貪る。右心室は既に鉛弾で満席、立ち見も不可。左心室もそろそろ満員御礼。溢
 れた乗客は両の心房に殺到し………コンディションオールレッド。全身に送られる予定
 の血が行き場を無くし、鉛弾によって穿たれた孔から噴出。化け物自身を真っ赤に染め


 パラパラガツン


 そのまま化け物に体当たりして押し倒して、カチリとイングラムが空虚な音を立て限界
 を訴える。イングラムを投げ捨て、左手のサックから漁る。何でもいい、殺す事が出来
 れば。ゴツリと冷たい鉄の感触。其れを引っ掴んで化け物の左胸に押し付けて、まだ引
 き金をパラパラパラ。手にしたスコーピオンがその毒を炸裂。

 ビクビクと痙攣する化け物の身体。それは単に銃撃への単なる反射(リアクション)?
 いいえ、まだまだ新しい血や肉片が飛び散ってる。これだけ撃ってるのに風孔も開かな
 い。普通は向こうが見通せてもおかしくないぐらいにオーバーキル。それはしぶとくし
 ぶとく血や肉が補充されてるから。ねえ、それは何人分の血肉?命?いい加減にしてく
 れないかしら。むせ返る血の匂いでこっちが卒倒しそうよ。化け物でも血の温かさと香
 りだけは一人前。全く、忌々しい。そうして、スコーピオンもカチリとギブアップ。面
 倒の極みね、でも、まだまだ追加はあるわよ。撃って撃って殺して殺して

383 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/13(木) 22:51:17
立て込んでてちょっと遅れたわ。

うーん、まだ足りないかしら

384 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/13(木) 23:05:25
―――凄いわね、本当に。
このまま死んじゃっても良いくらいに素晴らしい殺しっぷりね。

私は十分だと思うけど、不満があるのなら練り直してもいいんじゃない?

385 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/13(木) 23:09:57
うーん、一応、これで。
貼るのは次の夜にでいい?
路線変更はないから、加筆修正の余地があれば次の夜にするってことで。

386 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/13(木) 23:17:39
ええ、OKよ。

387 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/13(木) 23:18:32
では、その方針で

後は好き勝手に料理してあげて
多分一発で終わる紙装甲だからw

388 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/13(木) 23:22:55
ふふっ、了解。
さーてと、どんな風に可愛がろうかしら?
楽しみだわ!


それじゃ、またね。お休みなさい。

389 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/14(金) 04:13:38
目が覚めて手持ち無沙汰だったから、若干の加筆修正を加えて投下したわ。

390 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/14(金) 22:53:56
確認したわ。
こちらのレスは明日の夜には投下するわね。

391 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/15(土) 02:14:04
…………今気づいたわ(死

ええ、了解、待ってるわね。

392 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 16:33:25
>>876



―――?


体に、衝撃、が、走る、
一拍、遅れ、て、激しい、痛み、が―――
ふと、見ると、彼女、が、駆け寄って来てい、る
手、には、銃、それ、を乱射……いや、確、実、に、私の、心臓を潰―――



「―――あ」




「ああああああああああああああああああああああああああああ! 」




どすん、と、鈍い、衝撃、彼女が、私、を、突き飛ばす、更に、銃撃、
銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃
銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃





痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、死ぬほど痛い。
再生も追いつかない、再生した瞬間に穿たれる。


何度も何度も何度も何度も死ぬ。
絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望、ただひたすらに絶望。
一縷の光すら絶えてしまった真っ暗闇。
私の人生ゲームオーバー。
永遠にずっと彼女のターン。



……永遠?
物質に永遠なんてものは、存在しない。
弾薬は撃てば無くなる。
武器も使えば損耗する。
いくら永遠に攻撃し続けるかに思えても、限界はやってくる。
それは物質である以上仕方の無いことだ。



だけど、私は―――永遠と須臾の罪人。
永劫赦されることの無い罪を背負い、永遠に生き続ける。
体が滅したとしても、魂は消え去らない。そういう『薬』を飲んだから。
ゆえに―――この私は永遠そのもの。『永遠に等しい』程度では、太刀打ちできない。
ゼロと1の間には、大きな大きな差があるということを、今、示す。



「あああああああ―――はあ。痛かったわ。ねぇ? か弱い少女の心臓を狙い撃ちだなんて酷いじゃない」



再生場所、彼女の背後。衣服も含めて全て完全再生。
でも……これでもうお釣りはなし。正真正銘最後の再生。
体力は限界で膝が今にも笑い出しそうだが、必死に堪える。



「ねぇ? すっごく痛かったのよ?それはもう死んじゃうくらいにね」



背後から抱きついて、彼女の耳に軽く息を吹きかける。
……体力が尽きていることを悟らせないように、余裕ぶった表情を見せておかねば。



「ふふふ、でも凄く貴重な体験が出来て嬉しかったわ。貴方も体験してみない? きっとセカイが変わるわよ? 」



ニタリと大きく嗤って、懐から一本の枝を取り出す。
その枝には七色の玉が生っていて―――その全てが、弾幕の素となる。



「ふふ、ふふふふ……貴方にとっておきの夢を見せてあげるわ」



言い終わると共に枝を振り上げる。



神宝「蓬莱の玉の枝 -夢色の郷-」



辺りが昼かと思うほどの明るさに包まれる。
その明るさの元は全て弾。隙間が見えない密度の七色の弾。


今までとは比較にならないほどの弾幕が彼女と―――私を襲う。
抱きついた体勢のまま、私は高く嗤う。



「あははははは、あはははは、楽しいわ! 楽しすぎて―――」



死んじゃうわ。

393 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 16:36:56
あら、ちょっとバランスが悪かったわね……まああとで修正するわ。

ということで、おかしな時間に投下。
適当な時間に見ておいて頂戴な。


私のターンはこれでおしまい。
特攻のお返しということで、ね。

394 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/15(土) 22:07:15
モーラ、女房思いのいい奴だったわね(違

では、こっちのレスは次の夜にあげるわ。
本当に短い絶頂だったわね、蜻蛉並

395 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 22:13:45
ムチャシヤガッテ(AAry

了解よ。
ああ、でも、もうこっちは切り札切っちゃったから……。

396 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 22:16:10
途中送信!? 
なんてこと、この私がミスをするなんて!


で、続きね。
こっちはもう攻撃の手段は無しよ。
次死んだら、復活は無し。少なくともこの闘争中はね。


397 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/15(土) 22:21:40
大丈夫

モーラの死亡はコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実だから
仮に最後の攻撃をしてもどうがんばっても相打ち→モーラ昇天ぐらいね

後目測2ターンぐらいでおわるかしらね

398 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 22:27:51
あら。死んじゃうの?
別に生き残ってもいいのに。


ああ、そうそう、凄く申し訳ないんだけど……。
月曜以降ちょっと予定が立て込んじゃってね。
明日の貴方のレスに対する返事を書き込めるのは、早くても来週末くらいになりそうなの。
本当にごめんなさい。

399 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/15(土) 22:29:17
来週?


分かったわ。
ではそれまでに練っておくわね、お疲れ様。

400 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/15(土) 22:38:06
ええ、日にち的に言えば20日以降ね……ごめんなさい。


貼り付け完了。
それじゃ、またね。おやすみ。

401 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/19(水) 23:15:48
予定通り、というかちょっと早いけど復帰。
今日以降ならばもう大丈夫よ。

とりあえず、ご報告までに、ね。

402 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/19(水) 23:17:21
……見たことのない奇妙な記号列が頭に付いてる!?
何なのかしら、これ……。

403 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/20(木) 02:41:52
それは焼き鳥っていって、特定のホストに対する警告だったかしら。
単に巻き込まれてるだけでしょうし、実害はないはずだから大丈夫よ。
他のスレでもこれついてるヒトいるしね

404 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/20(木) 02:42:34
了解

では次の夜にはあげるわ

405 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/21(金) 00:28:05
今帰ってきたわ(苦笑

今夜中にあげるわね。
流れとしてはフルボッコされて力尽きる描写。
これで死亡にしたいけどいい?

406 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/21(金) 00:34:09
って、時間感覚が我ながら狂ってるわね(死
一応報告だけ。

とりあえずシャワー浴びて書いてくるわ。
こちらにまずあげておくわ

407 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/21(金) 00:46:05
ミテルワヨー

遅くまでお疲れ様。
今日は寒かったし、体には気をつけて頂戴な。


ええ、その流れで問題ないわ。
〆の描写は―――どうすればいいかしら。

408 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/21(金) 00:58:36
「月」をみあげてとか簡単でいいとおもうけどね

モーラは別に書いても書かなくても、みたいな
闘争に極論EPなんて不要だったりするし

409 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/21(金) 01:02:34
簡単でいい、かぁ。
うん、そうね。そうするわ。

まあ、折角だから終わりは終わりってハッキリわかった方が良いかなって思っただけだから。

410 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/21(金) 01:04:07
まあ、週明けまでにはおわるでしょう

それでは書いてくるわね

411 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/22(土) 00:40:29
>>876

 赤い閃光が奔った
 
 ちいさな右の足首がぽんと宙を舞うが見える。おかしいわね。私が狙い続けていたのは
 あくまで化け物の心臓だけ。何かの見間違いかしら。あ、でも、あの靴の形は見覚えが
 ある………というより、私の靴? いいえ、違うわね。私の靴の色は真っ黒だもの。あ
 んなに真っ赤ではないわ。―――――でも、何か重心が取りづらいわね。振り向いて殺
 さないと駄目なのに、ああ面倒!

 橙色の光が目に眩しい
  
 地面に左の腕がボトリと落ちる。ああ、あれは間違いない、私の左の腕だ。これぐらいで
 音をあげるなんて、我ながら何て情けない。私の覚悟の足りなさの表れともいえる。でも
 問題はない。右の手はまだまだ健在。銃の引き金を引ければそれで良いの。この身は化け
 物を殺す為だけにあるのだから。

 黄の矢がキラキラと飛んでくる
  
 私の脇腹にぶすり。熱くて鈍い感触。見ると綺麗な小さな穴が開通。でも、馬鹿だわ。
 こんなことしたら、私だけでなく羽交い絞めにしている貴方にも被害は及ぶでしょうに。
 ほら、現に私を抑える力が緩んだわ。空いている左の腕で肘打ちをして………左腕は目の
 前の地面、肝心な時に役に立たない!

 森緑に紛れて絡みついてくる緑光
  
 纏わりつかれて全身が焼ける様な悪寒、そして脱力感。けれど、この光は等しく背後の
 化け物も焼いている。自滅でもしたいの?ああ、貴方は死なないのだったわね。だから、
 こういうことも出来る。その思考が化け物なのに。でも、私だって「まだ」死んでない
 わ。銃の引き金だって、まだ引く事は出来る、殺す事がで

 飛び込んでくる青い魔光
  
 私の左の目が最後に見た光景がそれだった。じゅうと嫌な音がして、左の視界にカーテンが
 かかる。……右の視界に間髪入れず映ったのは

 藍色の殺意の奔流
  
 それは容赦なく私の心臓のある位置、左胸を背後の化け物もろとも一片の慈悲も貫いて

 全部紫色に………
 


 ―――――― Border of life ――――――



 随分と身が軽くなった気がする。まるで羽が生えた様。右の目に見えるのはあの化け物の顔。
 まだ生きているらしい。右の手の銃で………ふと、右の手が無いことに気づく、否、そもそ
 も胴も両の足も無い。自由なのは首から上だけ。

 そして、交錯する私の顔と化け物の顔、距離は零。そこで唯一意のままになる口で動かす、
 相手の喉下に向かって



 がぶり


 ……………

 ………

 …………………………まずい


 ―――――― Border of death ――――――


412 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/22(土) 00:42:09
寝落ちていた挙句に24時間後になるなんて世話ないわね!(死
本当にごめんなさい。

書いたわ。
7つの光がささって最後首をはねられた!
その首が…………ってスプラッタ


まあ、キャラの原型留めてないけど、そんなの関係ないわね(何

413 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/22(土) 02:25:12
……ご、ごめんなさい。私も寝てたわ……。
取り急ぎ、確認を―――。


(絶句)


―――首だけで動くなんて、私よりよっぽど化け物じみてる。まるでものの○姫の狼ね(何
こちらのレスは、土曜の夜には上げておくわ。
死亡確認の風景を書くつもり。

それじゃ、またね。

414 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/22(土) 13:47:36
まあ、ここは「大殲」だからね。
キレイなものはぐちゃぐちゃになるのがデフォなのよ(しれっと

今夜は0時ごろになるとおもうけどレスは急がなくてもいいわ。

415 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/22(土) 22:27:22
>>878


目の前でバラバラになっていく彼女。
後ろから抱き締めている私も当然、ほぼ同じダメージを受ける。
辛うじて四肢は胴体と繋がってはいるものの、もはや自由に動かすことは叶わない。


必死に私を殺そうとしている、彼女の横顔がとても美しく見えた。
きっと、気のせいではないだろう。


―――ああ。私はこんなに可愛い子を殺そうとしているのね。
殺されそうになったから、正当防衛……なんてのは言い訳ね。
私は、確実な意思を以って、この子を、殺す。
恨みなどという暗い想いで殺すのではない。
私はただ……遊びで、この子を殺す。自分の愉楽のために、殺す。
―――ああ、人を殺すのって―――こんなにも、楽しかったのね


笑いがこぼれる。腹の底から笑えてきた。


「くく、くくくくく…………ッ あははははははははは―――楽しいわ、今凄く楽しい! 生きるって素晴らしい!!
 ねぇ、貴方もそう思うでしょう!? 」


目の前で襤褸切れのようになっていく彼女に問いかける。
……もはや彼女の耳には届いてはいないだろうが、構わず叫ぶ。


「こんなにも楽しい人生、終わらせたくは無いものよね? ―――でも残念、貴方はここでゲームオーバーよ! 」


そんな叫びが聞こえたのか。
七色の内の一撃が、一分も違わず彼女と私の心臓を貫く。
その衝撃で彼女の体が手の中から離れていく。


その刹那。別の一撃が、彼女の可愛らしい頭部と胴体を綺麗に分割。
見るも無残な肉塊へと彼女を変貌させた。


「―――如何に只者ではないとは言え、流石にそうなっちゃあお仕舞いね」


舞い上がり、地に落ちんとする彼女の首へと語りかける。
ソレとすれ違うようにして私は前へ進む。
体が異常に重い。もはや体全体を再生することは不可能だ。
咄嗟に心臓だけは再生させたが、もう限界。
とりあえず、木にもたれ掛かって休みた―――


がぶり


「―――え? 」


喉元に視線を遣る。
そこには、首だけになった彼女が居て――――――。


「……人のことを散々化け物呼ばわりして……あ、貴方の、方が……よ、ほど、ばけも、……」


喉から溢れ出る血に妨げられ、最後まで言葉を紡ぐことは出来なかった。
力を使い果たしていた私は、再生を行うことも叶わずその場に倒れ伏すが、
地面とキスし続けるのは御免だと、力を振り絞って仰向けになる。


空には満月が輝いていた。
透き通った空気の、美しい夜だった。


―――こんな結末になったのは、全て、あの満月の所為ね―――。


そんなことをふと考え。私の意識は闇に溶けていった。

416 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/22(土) 22:29:15
しまった、死んじゃったわ(何


まあ、ということで。私もこの場では死亡。
こちら側のレスは以上、と言った感じかしら。

417 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/23(日) 03:38:07
今帰ってきたわ(死

確認。
ええ、これで何の問題もないわ。
どっちが悪役か分からないけど既に。

〆に何かいれるべきかしらね?

418 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/23(日) 03:57:06
あら、おかえりなさい。
……こ、こんなに遅くまで本当にお疲れ様。

悪役?
こんな些細なことで殺し合いをする輩なんて、悪以外の何者でもないと思うわ。
つまり、どっちも十分悪役。

うーん、出来れば最後に何か一言でもいいから欲しいわね……。


それじゃ……私は再び冷たい寝床に戻るわ。
イナバが居てくれればいいのに(何

419 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/23(日) 04:06:30
ええ。

では次の夜までには考えておくわ
今思案がまとまらないから
それじゃおやすみなさい

420 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/23(日) 23:24:11
こんばんは、今戻ったわ。

そうね、今回は基本的に狂気よね。
狂気で何かネタになるのは…………


そうね。
今までの闘争のレスの台詞とか切り貼りしてそれっぽくするのはどうかしら?
後は一言入れればキレイにしまるとおもうしね

421 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/24(月) 00:02:02
こんばんは。

なるほど……台詞ね。
うん、良いわ。その案で行きましょうか。

422 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/24(月) 00:03:45
では私が適当に纏めて、それをこっちにあげるって形でいいかしら?

423 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/24(月) 00:15:06
ええ、そうね。
お願いしてもいいかしら?

424 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/24(月) 00:15:42
わかったわ。
最後の最後で手間かけてごめんなさい。

最悪明後日までにあげるわね

425 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/24(月) 00:23:16
気にしないで……というよりも、むしろ私のわがままだから、これは。
こちらこそ、手間掛けさせてごめんなさいね。

ええ。
もう終わりだし、焦る必要も無いから……。

426 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/24(月) 00:29:34
ありがとう。
ではお疲れ様

また明日か明後日にね

427 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/24(月) 00:31:54
ええ、それじゃ、またね。お休みなさい。

428 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/25(火) 23:08:52
今帰宅。

シャワー浴びた後、仕上げてしまうわ。
時間がかかると思うから、すり合わせは明日の夜になるとおもうけど(苦笑

429 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/25(火) 23:12:38
おかえりなさい。

うん、了解よ。
明日の夜は比較的早い時間からここに居ると思うから。

430 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/25(火) 23:29:23
ええ、わかったわ。

それじゃちょっといってくるわね

431 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:04:17

 (First contact)

 ――――貴方は敵?
 
  あら。どうして初めて会った貴方と敵対しなければならないのかしら?
  私は貴方を敵視する理由が無いんだけどね
 
 分かったわ。なら、ここは何処なのか、貴方は何者なのかを
 
 (Invisivle FullMoon)
 
 ⇒error
 
 分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは
 
 
  ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった
  ねぇ、貴方。出会ったばかりの人を殺すなんて酷いんじゃない?
  ほら、服もボロボロになっちゃったし
 
 (Catastrophe)
 
 ここは退くべき、か。正体不明にも程がある
 だったら、何度でも塵にするわ!
 
  果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?

 その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!
 
  あら、私が狂っているのは初めから。間違っているのもまた初めからよ?
  私は狂気の姫であり、永遠の罪人なんだから―――あはははは
 
  あはははは、いいわ、すごくいいわよ貴方! こんなにドキドキするのはあの夜以来!!

 
 
 
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――Over the Red Line...
 

 
 しかもねぇ、折角人が感慨に耽っていたというのに邪魔をするなんて。無粋よ、貴方!

 『地面に激突する貴方の方が無粋を通り越して、喜劇ね!』
 __________
 広範囲攻撃に加えて、彼女が潜んでいそうな辺りには炎を纏ったレーザーを打ち込む
 これで逃げ場はほとんど無い
 例え仕留められなかったとしても、炙り出した後にゆっくりと狙い撃ちをすればコトは
 
_『撃って撃って殺して殺して――――――
  ビクビクと痙攣する化け物の身体。それは単に銃撃への単なる反射(リアクション)?
  いいえ、まだまだ新しい血や肉片が飛び散ってる。これだけ撃ってるのに風孔も開かな
  い。普通は向こうの景色が見通せてもおかしくないぐらいにオーバーキル。しぶとくし
  ぶとく何処からとも無く血や肉が補充されてるから。現れる心臓の欠片、飛び散る心筋、
  繋がり切れる神経、砕ける動脈、更に吹き出る血液、エンドレスで続く三文映画。
  ねえ、それは何人分の血肉?命?いい加減にしてくれないかしら。むせ返る血の匂いで
  こっちが卒倒しそうよ。化け物でも血の温かさと香りだけは一人前。全く


 「ああああああああああああああああああああああああああああ! 」

 どすん、と、鈍い、衝撃、彼女が、私、を、突き飛ばす、更に、銃撃、
 銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃

 私の人生ゲームオーバー。
 永遠にずっと彼女のターン。

 ⇒continue

 ―――はあ。痛かったわ。ねぇ? か弱い少女の心臓を狙い撃ちだなんて酷いじゃない

 ふふふ、でも凄く貴重な体験が出来て嬉しかったわ。貴方も体験してみない? きっとセカイが変わるわよ?

 
赤い閃光が奔った橙色の光が目に眩しい黄の矢がキラキラと飛んでくる 
 森緑に紛れて絡みついてくる緑光飛び込んでくる青い魔光藍色の殺意の奔流 
 全部紫色に………

 『ひらり。かぶり』

 ……人のことを散々化け物呼ばわりして……あ、貴方の、方が……よ、ほど、ばけも、…

 『ごろり』


 ―――こんな結末になったのは、全て、あの満月の所為ね―――。

 Mode

   Easy
   Normal
   Hard
   Lunatic

 Game Over......

432 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:06:32
 (First contact)

 ――――貴方は敵?
 
  あら。どうして初めて会った貴方と敵対しなければならないのかしら?
  私は貴方を敵視する理由が無いんだけどね
 
 分かったわ。なら、ここは何処なのか、貴方は何者なのかを
 
 (Invisivle FullMoon)
 
 ⇒error
 
 分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは
 
 
  ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった
  ねぇ、貴方。出会ったばかりの人を殺すなんて酷いんじゃない?
  ほら、服もボロボロになっちゃったし
 
 (Catastrophe)
 
 ここは退くべき、か。正体不明にも程がある
 だったら、何度でも塵にするわ!
 
  果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?

 その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!
 
  あら、私が狂っているのは初めから。間違っているのもまた初めからよ?
  私は狂気の姫であり、永遠の罪人なんだから―――あはははは
 
  あはははは、いいわ、すごくいいわよ貴方! こんなにドキドキするのはあの夜以来!!

 
  
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――Over the Red Line...
 

 
 しかもねぇ、折角人が感慨に耽っていたというのに邪魔をするなんて。無粋よ、貴方!

 『地面に激突する貴方の方が無粋を通り越して、喜劇ね!』
 __________
 広範囲攻撃に加えて、彼女が潜んでいそうな辺りには炎を纏ったレーザーを打ち込む
 これで逃げ場はほとんど無い
 例え仕留められなかったとしても、炙り出した後にゆっくりと狙い撃ちをすればコトは

 
 『撃って撃って殺して殺して――――――
  ビクビクと痙攣する化け物の身体。それは単に銃撃への単なる反射(リアクション)?
  いいえ、まだまだ新しい血や肉片が飛び散ってる。これだけ撃ってるのに風孔も開かな
  い。普通は向こうの景色が見通せてもおかしくないぐらいにオーバーキル。しぶとくし
  ぶとく何処からとも無く血や肉が補充されてるから。現れる心臓の欠片、飛び散る心筋、
  繋がり切れる神経、砕ける動脈、更に吹き出る血液、エンドレスで続く三文映画。
  ねえ、それは何人分の血肉?命?いい加減にしてくれないかしら。むせ返る血の匂いで
  こっちが卒倒しそうよ。化け物でも血の温かさと香りだけは一人前。全く


 「ああああああああああああああああああああああああああああ! 」

 どすん、と、鈍い、衝撃、彼女が、私、を、突き飛ばす、更に、銃撃、
 銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃

 私の人生ゲームオーバー。
 永遠にずっと彼女のターン。

 ⇒continue

 ―――はあ。痛かったわ。ねぇ? か弱い少女の心臓を狙い撃ちだなんて酷いじゃない

 ふふふ、でも凄く貴重な体験が出来て嬉しかったわ。貴方も体験してみない? きっとセカイが変わるわよ?

 
赤い閃光が奔った橙色の光が目に眩しい黄の矢がキラキラと飛んでくる 
 森緑に紛れて絡みついてくる緑光飛び込んでくる青い魔光藍色の殺意の奔流 
 全部紫色に………

 『ひらり。かぶり』

 ……人のことを散々化け物呼ばわりして……あ、貴方の、方が……よ、ほど、ばけも、…

 『ごろり』


 ―――こんな結末になったのは、全て、あの満月の所為ね―――。

 Mode

   Easy
   Normal
   Hard
Lunatic

 Game Over......

433 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:07:36
 (First contact)

 ――――貴方は敵?
 
  あら。どうして初めて会った貴方と敵対しなければならないのかしら?
  私は貴方を敵視する理由が無いんだけどね
 
 分かったわ。なら、ここは何処なのか、貴方は何者なのかを
 
 (Invisivle FullMoon)
 
 ⇒error
 
 分かったわ。少なくとも貴方は排除しないといけないという事だけは
 
 
  ああ、痛かったわ。思わず死んじゃった
  ねぇ、貴方。出会ったばかりの人を殺すなんて酷いんじゃない?
  ほら、服もボロボロになっちゃったし
 
 (Catastrophe)
 
 ここは退くべき、か。正体不明にも程がある
 だったら、何度でも塵にするわ!
 
  果たして貴方は、私からの難題を解くことが出来るかしら?

 その物言いそのものが既に狂っている、間違っているって事に気づきなさい!
 
  あら、私が狂っているのは初めから。間違っているのもまた初めからよ?
  私は狂気の姫であり、永遠の罪人なんだから―――あはははは
 
  あはははは、いいわ、すごくいいわよ貴方! こんなにドキドキするのはあの夜以来!!

 
  
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――Over the Red Line...
 

 
 しかもねぇ、折角人が感慨に耽っていたというのに邪魔をするなんて。無粋よ、貴方!

 『地面に激突する貴方の方が無粋を通り越して、喜劇ね!』

 広範囲攻撃に加えて、彼女が潜んでいそうな辺りには炎を纏ったレーザーを打ち込む
 これで逃げ場はほとんど無い
 例え仕留められなかったとしても、炙り出した後にゆっくりと狙い撃ちをすればコトは

 
 『撃って撃って殺して殺して――――――
  ビクビクと痙攣する化け物の身体。それは単に銃撃への単なる反射(リアクション)?
  いいえ、まだまだ新しい血や肉片が飛び散ってる。これだけ撃ってるのに風孔も開かな
  い。普通は向こうの景色が見通せてもおかしくないぐらいにオーバーキル。しぶとくし
  ぶとく何処からとも無く血や肉が補充されてるから。現れる心臓の欠片、飛び散る心筋、
  繋がり切れる神経、砕ける動脈、更に吹き出る血液、エンドレスで続く三文映画。
  ねえ、それは何人分の血肉?命?いい加減にしてくれないかしら。むせ返る血の匂いで
  こっちが卒倒しそうよ。化け物でも血の温かさと香りだけは一人前。全く


 「ああああああああああああああああああああああああああああ! 」

 どすん、と、鈍い、衝撃、彼女が、私、を、突き飛ばす、更に、銃撃、
 銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃、銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃
 銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃銃撃

 私の人生ゲームオーバー。
 永遠にずっと彼女のターン。

 ⇒continue

 ―――はあ。痛かったわ。ねぇ? か弱い少女の心臓を狙い撃ちだなんて酷いじゃない

 ふふふ、でも凄く貴重な体験が出来て嬉しかったわ。貴方も体験してみない? きっとセカイが変わるわよ?

 
赤い閃光が奔った橙色の光が目に眩しい黄の矢がキラキラと飛んでくる 
 森緑に紛れて絡みついてくる緑光飛び込んでくる青い魔光藍色の殺意の奔流 
 全部紫色に………

 『ひらり。かぶり』

 ……人のことを散々化け物呼ばわりして……あ、貴方の、方が……よ、ほど、ばけも、…

 『ごろり』


 ―――こんな結末になったのは、全て、あの満月の所為ね―――。

 Mode

   Easy
   Normal
   Hard
   Lunatic

 Game Over......

434 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:08:25
私の虚弱ぶりは嫌になるわ(死

ごめん。最初の2レス無視して。
キリハリしてまとめてみたけどどうかしら。

435 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/26(水) 22:11:29
虚弱?
いやいやレン、病弱っ娘は萌えよ(何

うん、確認したわ。
私のレスの整形もしてくれたのね。ありがと。

―――いいわねぇ。実に狂ってる。
〆に相応しいと思うわ。

436 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:13:51
ありがとう。
じゃあ、後は貼るだけね。

>>411>>415>>433の順ではっていきましょう
>>411を貼ったら、>>415を貼ってもらえるかしら。

437 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/26(水) 22:17:42
了解よ。

438 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:20:28
最初のをはったわ。
じゃあ、お願いね。

439 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/26(水) 22:23:07
こちらも完了。
最後、よろしくね。

440 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:29:06
おしまい、と。
レス番まとめはこっちでやっておくわね。

本当にお疲れ様。
私のスケジュール調整が甘かったのは改めて謝るわ。


でも、本当に凄いわ。
ここまで適応できるなんて思ってもなかったし、
寧ろ私が気圧されていたぐらいね。

輝夜なら誰とでも上手くやれると思うわ。

441 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/26(水) 22:42:21
確認完了。
ええ、ありがと、レス番まとめはお願いするわね。

レンもお疲れ様。
いえ、謝るのはこっちよ。色々と我儘を言ってしまってごめんなさい。


本当にやれるのか不安だったけど、貴方のお陰で最期まで辿り着けた。
ありがとう、レン。凄く楽しかったわ!
貴方にも楽しんで貰えていれば、これ以上の喜びは無いわ。

その言葉、凄く心強いわ。ふふ。
また機を見て、やってみるわね。

442 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2008/03/26(水) 22:53:19
なら、次も期待していいってことかしら。
まあ、楽しみにしておくわ。

4月上旬からしばらく離れるけど、それまで終わってよかったわ。
それじゃ、お疲れ様。

機会があればまたね。
おやすみなさい。

443 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/26(水) 22:55:58
ええ。
のんびりまったり待っていれば、その内、ね。


お疲れさま。
またの機会を、楽しみにしているわ。
それじゃ。おやすみなさい。

444 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/02(金) 00:32:01

「これが――龍穴?」
 
 草木も眠る丑三つ時/逢魔ヶ時=逢間ヶ辻――そこで少女はポツリと呟いた。
 青磁器の如き白い肌/腰まで届く絹糸を垂らしたかのような白髪/収穫には未だ早い果実を包むシックな制服/
スラリと伸びた手足は蝋細工のように可憐――内に秘めた暴虐はその素振りも見せず/表情はいたって冷静/
その胸の内に驚愕を秘め/それでも崩れない表情――さしづめ機功人形といった風情。
 
 瘴気にも似た風に揺れる髪を抑え/スカートの裾が翻る――そちらはさして気にしていない模様/懐かしくも汚
らわしいと感じる血の匂いが流れるそこに立つ――可憐な腕=暴虐でもある腕に一振りの刀を抱き。
 
 少女の驚愕――それは眼前の龍穴の穢れ。
 龍穴/一般的な呼称=パワースポット。
 龍脈から流れた氣の吹き溜まり――本来ならば清く澄み渡り、美しいとは言えないまでも、神聖であると感じ
られる場所である。
 
 ここは一つの結界の要でもあった。――いや、要と成るべくして創られた。
 穢れは在るべくして在るモノであり、それを抑える為に創られていたのだから。
 普段であれば、ここは寒気を覚える程度で済む。
 
 だが――現状=死屍累々の屠殺場。
 
 勿論比喩――少なくともここは法治国家/路上に死体が落ちている確率はここ数年で跳ね上がった――それ
でも宝くじで一等を引く確率のほうが高い。
 
「畏怖の念を集めるとは言え――それでも一つの信仰だというのに、これでは」
 
 愁いを帯びた言葉/脳裏を過るのは主君の顔=命を賭して仕えると決めた絶対の君主。
 幾度と時代は巡り、かつて駆け抜けた戦場はここにはない。自分の名を自覚せず、安穏と過ごせば退屈――
或いは憂鬱と鬱屈を抱え――安穏と過ごす事も可能だった。
 それでも少女は彼女に――己が手を血で染め上げ、上質の絹糸の如き髪を真紅に染め上げる覚悟を決め、
主君の下へ馳せ参じた。かつて交わした約束を果たす為に。
 
 龍脈+龍穴の乱れは彼女に深刻な被害を齎す――<新宿>の一件は記憶に新しい。
 彼女の内に宿る『龍』は、一般的に負と定義付けられるもの――破壊/死/加虐――といったものに非常に強
い反応を示す。最近も、自分が自分であるか判らない時が在ると、零していた。
 
<新宿>の一件以来、徐々に、徐々に。
 それ程までに、あの<魔震>が龍脈に与えた影響は大きいのだ。
 
 少女は、彼女の憂いを取り除こうと暗躍する。滅多に彼女の顔を見れないのも、そのせいだ。
 ただし、それが悲しい事だとは微塵も思っては居ない。むしろ誇らしい事だと思っている。
 あの心優しき君主が、魑魅魍魎+悪鬼羅刹の類に落ちるのは、見るに耐えない。
 
『魔王』は彼だけで良い。少女の主は、そうである必要はない。
 だから少女は一人、穢れた龍穴に足を踏み入れる。
 
 其処に待つ化生/悪鬼/魍魎/怨霊――恐るるに足りず。
 
 一歩/一歩――アスファルトを打つローファーは、静かに覇気を放つ。
 静かに――静かに。

445 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/02(金) 00:45:43
――さて、これが根幹となります。長いですね。
 恐らく、これの前に幾つかレスを書き足す事になるかとは思いますが、そちらの導入の目安にでもなればと思い
ます。如何でしょうか?
 
 補足を箇条書きで。
 
・舞台は将門塚を予定しています。将門塚にした意味は――「甲冑」にあるのですが、それは加筆予定です。
・<新宿>に深い意味はありません。在るとすれば、私達と言う幻想をより幻想仕立てにする為の小道具と思っ
ていただければよいかと。
・書き足されるエピソードは断片的なものになります。将門塚に立つ為の過程、ですね。
・私の原典における時間軸は、我が主、劉備玄徳が龍に目覚めた後――関羽雲長が曹操の元へと経つ前――
といったところでしょうか。アニメ版では色々と不都合がありますので、原作に準拠です。
 
 その他で不明な点があれば何なりと。
 今夜は時間ですので、これで。

446 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/03(土) 19:21:50
 
 雨=生命を育む象徴。
 雨=時に暴虐なる自然を起こす破壊の権化。
 
 雨――血液すら洗い流す慈悲。
 
 
                        ※  ※  ※  ※  ※
 
 
 二人の少女が踊っている。
 その顔に浮かぶ微笑は互いの為に/或いは現実逃避。
 救い様のない現実には目を背けたくなる=人の性。
 
 この場を支配するのはモノは何十にも及ぶ願望=少女達にとっての絶望。
 容赦/慈悲/希望――皆無。
 
 肉欲/獣欲を前面に押し出した顔に浮かぶ下卑た笑み。
 加虐心/愚かしい支配欲の発露。女は虐げられるべき/愚かな信仰。

 しかしそれも数分前までの出来事。
 状況は依然として変わらずに少女達は雨の中を踊り続ける。 
 その顔に浮かぶ微笑は互いの為に/或いは散り逝くモノへの鎮魂歌。
 
 スッと音もなく差し込まれた青龍刀/空気を送り込むようにクルリと捻る/それは外と内とを繋ぐ楔。
 紫電の如く奔り抜ける日本刀/首の皮一枚を残し切断/それでも飽き足らず頭蓋も叩き割る/確実な死。
 
 朱の色に染まらぬ互いの得物――刃が踊る軌跡だけを残し駆け抜ける。
 容赦/慈悲/希望――その胸の中。
 
 されどその行為に一切の容赦/慈悲/希望――垣間見えず。
 
 二人の少女が踊っている。
 舞/踊り/淡々/冷静/殺めた命を偲ばず――かつて人であった亡骸を。
 
 そうして、十分と掛らずに亡者は消え去った。
 それはかつて人であった事実すらもなかったかのように、灰と成って流れて散った。
 
  
                        ※  ※  ※  ※  ※
 
 雨=生命を育む象徴。
 雨=時に暴虐なる自然を起こす破壊の権化。
 
 雨――亡骸が流す歓喜の涙。

447 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/03(土) 20:39:53
 
「初めに聞いておくべきだったが――どう言う事だ?」
 
 ブッラックオニキスを鏤めたような髪/日に焼けた褐色の肌/丈を切り詰めすぎた結果=惜しげもなく晒され
る傾国の肢体/アレだけの行為に及んでも乱れる事なき呼吸/表情には不満の色=欲求不満=準備運動にも
ならない/次いだ二の句「本当の敵はお前か?」/浮かぶ優美な微笑――さながら黒豹と言った風情。
 
「今までは私だけでも抑えられました。あの一件以来、数が増えまして」
「以前にも居た、か」
「そう言う事になりますね」
 
 淡々と告げられる事実=フィクション/ファンタジーの実在。
 常識の理から外れた化物の存在/今居る現実すら疑ってしまう事実。
 
「――世話をかけていたようだな」
「いえ、私は私のすべき事を果たしているだけです。それに――彼女は貴女方と居るべきなのですから」
「自分は影で良いと?」
「寄り添う事は叶わずとも、側に居る事は出来ますから」
 
 少女達は微笑を浮かべる/情事の後の恋人のように=変わる事なき信頼の証。
 
「ところで――彼女の様子は、如何でしょうか」
「アレ以来飲み込まれる事が多くなった――その度に、誰かが血を流す。本人は知らないが、知ってしまえ
ば容易く壊れてしまうだろう」
 
「そう――ですか」と呟くと同時に「――私が、守る」と幽かに漏れる声。
 秘められた決意/決心/覚悟――語るに及ばず。
 
「それでは、そちらはお任せしましょう。私は私の為すべき事を。それだけを考えていられますから」
「もう行くのか? せめて一目くらいは会って行っても――」
「いえ、あまり猶予もありません。私達の悲願の為に必要な戦いはすぐ其処まで迫っています。貴女にも、
私にも。その中で遂げなくてはならない役割があります。イレギュラーの排除は、早い方が良い」
 
「貴女の為にも」――その科白を白い少女は飲み込んだ。
 今この場で告げるのはあまり面白いとは思えない。
 
 だから――
 
「それでは、私は行きます。彼女にはよろしくお伝え下さい。貴女も――風邪など召しませんように。どうやら
下着も着けていないようですし――形、崩れますよ?」
 
 雨で濡れた制服/ボディースーツのように体に吸い付く/露になる肢体のライン/夜+雨と言えども隠しきれぬ
事実=制服の色――白。
 94と言う数字=嘘偽り――介在する余地、無し。
 
「――放っておけ」
「言わせて頂きますが――関羽雲長。貴女はもう少し恥らった方が良い」
 
 相手にするのも面倒だと言わんばかりに関羽と呼ばれた少女/反転。
 その行動に幽かな微笑を浮かべ白い少女/反転。
 
 互いに行くべきところへ向かい歩き出す。
 それが例え修羅道であろうとも。

448 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/03(土) 21:36:37

 歩む/ただ一人の道を。
 歩む/ただ一人で道を。
 
 歩む――嘘か真か定かではない情報を手に。
 
 
                       ※  ※  ※  ※  ※ 
 
 
「お嬢さん、お茶でもいかが?」
 
 声を掛けられた少女――黙して語らず/それどころか殺気の発露。
 
「冗談だよ。ジョーダン」
 
 咥えた煙草からたっぷりと紫煙を吸い込み――同じだけたっぷりと時間を置いて吐き出す。
 それが切っ掛け/男の急変=在り得る筈もなし。
 
「オタクも悩んでるんだろう? 『龍』に。いや、コッチも大変でさ。気付いてるだろうが――アレ以来そこかしこ
で人死にが出てる。俺達に関係在るモノから、ないモノまで。そうなってくれば、ウチの大将もオタクの大将も
同じようなもんを飼ってるんだから――もう一人居たか。アレは前々からだが余計に酷い有様らしいが、ま、
悩みは同じ。イレギュラーは排除したいってワケ」
 
 吸いきった煙草を無造作に投げ捨てる/新しいものを取り出す/着火/再び吐き出される有害物質。
 偽りの金に染め上げた髪/焼けた肌/終始ニヤついた表情――されど笑っていない眼光/南陽学園の制服
――勿論ノーネクタイ/身に纏う雰囲気すら軽薄――典型的昼行灯。
 
「――それで?」
 
 初めて口を開く少女/嬉しそうに微笑む男。
 
「結界が綻んでいるのさ。関東一帯に張られた馬鹿デカイ結界が。たった一人の為に、恐ろしい――バケモ
ノを鎮める為だけに」
「平将門、ですか」
「聡いね、御名答だ。アレのお陰でそこかしこに走ってた氣がボロボロに引き裂かれただけならまだマシだっ
たんだろうが、どーにも結界にも罅が入った。押さえつけてたのが将門なんてバケモノじゃなけりゃ、救いが
在ったんだが……甲冑を着込めば右目が二つ、体は矢も刺さらないくらいに硬い――挙句にゃ斬首されよう
が空を飛ぶ。正真正銘の、バケモノさ」
「――それで、私は何処へ向かえば?」
「――……ふぅ、つれないね。寂しい限りだ」
「南陽にも人員を裂く余裕がない。そして、貴方が私の前にいると言う事は、なにかしら策があるのでしょうし、
私にとって不利な状況になっていることも十分に推測できます」
「――お手上げだね。じゃあ、結論」
 
 
                      ※  ※  ※  ※  ※
 
 歩む/ただ一人の道を。
 歩む/ただ一人で道を。
 
 歩む――悪意蔓延る将門塚へ。

449 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/03(土) 21:38:27
 時間が時間でしたので、予定を大幅に省きましたが、これで完成です。
 色々と不十分かもしれませんが、不味い部分が在れば加筆修正も致しましょう。
 また、御質問等にもお受けします。
 
 それでは、私は待機しておりますので、何かあれば。

450 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 21:45:57
 
―――御免。
 
成る程…仔細の程は確認致した。
然らば、かの将門公が首塚にて居座るが彼奴…「ビシャモン」という解釈で宜しかろうか?
 
左様なれば、それがしが方の導入に取り掛かると致そう。

451 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/03(土) 21:49:30
 ええ、その解釈で問題ありません。
 龍脈に憎悪を載せていたとか――そのような理由で充分でしょうから。

452 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 23:42:18
 
 はんにゃ [般▽若]
 [名]
 ・分別・対立を越えて真理を悟る知恵。
 ◇梵語の音訳。
 ・能の女面の一つ。二本の角と大きく裂けた口をもつ鬼女の面。般若面。


 
  般若といふもの
 
  般若は経の名にして苦海をわたる慈航とす。
  しかるにねためる女の鬼となりしを般若面といふ事は
  葵の上の謡に六条のみやす所の怨霊行者の経を読誦するをききて
  あらおそろしのはんにや声やといへるより転じてかくは称せしにや
 
                                 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
  「般若」といふもの
 
  般若は甲冑の名にしてたましひ喰らふ異形とす。
  しかるに嗤ふ鬼の貌となりしを般若胴といふ事は
  奥羽に一組の胴丸甲冑を着込みし侍のものぐるひ吼えずるをききて
  あらおそろしのはんにや声やといへるより転じてかくは称せしにや




 はんにゃ [般▽若]
 [名]

 ・D級魔界獣の一種。
  魔界全土で2000体以上確認されているB+級に相当する魔力を持つ寄生甲冑。
  尋常ならざる力を宿主に与えるが、同時にその意識を支配し殺人鬼へと変貌させる。
  殺したものの返り血と魂を主食とする。
  ダレイ家当主の宝物庫より消失した後、その姿が人間界で確認されている。
  
                   マルアス著・シエラ=ド=ギルマン編纂『魔界獣大全』より
 

453 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 23:43:22
>>
  
 
摩訶般若波羅蜜多心経
           観自在菩薩
              行深般若波羅蜜多時
                       照見五薀皆空 
                             度一切苦厄
 
  「嗚ァこの刃応え、返り血の味! 殺しの道楽止められンのゥ!!」
舎利子
   色不異空   「クワァー刃ッ刃ッ刃ァ!!」
      空不異色
         色即是空
「この程度では」   空即是色
                受想行識  「物足りぬゥ!」 
                   亦復如是
「此の魔界とやらに在る魂も皆喰らい尽くしてくれるわァァ!!」
舎利子 
   是諸法空相
       不生不滅 
         不垢不浄
           不増不減
             是故空中無色
                 無受想行識
                    無眼耳鼻舌身意
                         無色声香味触法

                「そうはさせぬ!!」
無眼界乃至無意識界
          無無明
            亦無無明尽
                乃至無老死 
                    亦無老死尽 
                        無苦集滅道
                            無智亦無得

「そんなに我が名が欲しくば呉れてやる…冥土の土産に持って逝くがいい」
以無所得故
      菩提薩た             「だが」
         依般若波羅蜜多故
                 心無罫礙
   「その前に」          無罫礙故
                       無有恐怖
                          遠離一切顛倒夢想
  「お主が喰らった魂、返してもらうぞ! 迷える魂解き放たれィィ!!」
究竟涅槃 
    三世諸佛
       依般若波羅蜜多故
               得阿耨多羅三貎三菩提
                          故知般若波羅蜜多
                                   是大神呪

      「餓ウゥお嗚オォオオオオ乎おオオぉ……!!」
是大明呪
     是無上呪
        是無等等呪   
            能除一切苦     「に、人間」
                真実不虚
                   故説般若波羅蜜多呪
 「如きにィ」                       即説呪曰
 
           「このワシが…!」
  
羯諦 莫迦なァ羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅嗚呼アぁァ嗚ぁアぁ唖ぁァ羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯ァァぁぁ……!!波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 
  
 
    『我が力の全てを以って此処に封ずる。
  
     願わくば、

     我が命尽きし後も、

     この静けさの続かん事を』

  
 
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵 
 

454 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 23:44:18
>>


     ―――後の世に於いて、幾星霜―――
 
 
 
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 
  
 
    『我が力の全てを以って此処に封ずる。
  
     願わくば、

     我が命尽きし後も、

     この静けさの続かん事を』

  

羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵     



     
 
 
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 我が羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 名は 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 
  
 
    『我が力の全てを以って此処に封ずる。
  フ
     願わくば、         
                      ハ
     我が命尽きし後も、
       ハ
     この静けさの続かん事を』

                          

羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵     
 

455 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 23:45:03
>>
 
 
      ―――世の境目はゆらぎて、綻びに満ち。
 
 

羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 羅羯諦 羯諦 諦 波羅
 羯諦 波羅羯 羯諦 羯諦 波羅諦 羯 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 我が羯諦 羯諦 羯諦 波羯諦 羯諦 諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯我 が名 は羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 
  
 
    『我が力の全てを以って此処に封ずる。
  フ              ハ
     願わくば、         
         ハ             ハ
   フ 我が命尽きし後も、  ハ
       ハ             ハ
     この静けさの続かん事を』

    フ                     ハ

羯諦 羯 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅諦 羯諦 羯諦 波羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
諦 羯諦 波般羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅若諦
羯諦 羯諦 波羅否諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯 羯諦 羯諦 波羅羯若 羯諦 諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯 羯諦 羯諦 羅羯諦 羯諦 諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅否羯諦 否提否婆否  

 
 
 
羯諦 羯諦 波羅鬼ッ 悲ッ 悲ッ 悲ッ羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 我が名は羅羯諦 羯諦 羯諦 我が名は 羯諦 怒ゥ刃刃刃刃ァ
フハァハハ波羅羯我が名は 羯諦 羯諦 波羅諦 羯 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦“ハンニャ”? 否羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 我が羯諦 羯諦 羯諦 波羯諦 羯諦 諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯我 が名 は羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 火ヒャヒャヒャヒャ羯諦 ヒヒヒ 波羅羯諦 愚ワァーッハッハ羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 
  
 
   『我力の全を以っ此処封ず。 
  フ  ハ  ハ  ハ  ハ  ハ  フ  ハ  ハ  ハ
    フ  ハ  ハ  ハ         
         ハ  ハ  ハ  ハ  フ  ハ  ハ
    我が尽き後も、ハ  ハ  ハ  ハ  ハ
    ハ   ハ   ハ   ハ   ハ   ハ    ハ
  フ  ハこのけさ続か事をハ  フ  ハ

    
  
羯諦 羯我が名は諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯我が名は諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 “ビシャモン”羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦 羯諦 羯諦 波羅羯諦
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵     
 
 
 
「そう、我が名はビシャモン―――悪霊侍ビシャモンじゃあ!」
 
  
 
  ―――世の境目はゆらぎ、綻びに満ち。
  <魔震>、<魔次元>、<神降し>に因り極となる。 
  
  故に封ずるは解け、悪鬼は今首塚に嗤ふのだ。 
 

456 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/03(土) 23:51:11
 
……先ずは遅参を詫びよう。
 
>>452-455
 
一先ず、以上が此方の導入となる。
彼奴は首塚にて同じく沸いた物の怪、無頼を問わず切り殺しながら巣食っておる…さよう考えて良い。
 
次はお主と彼奴がまみえる、といった流れが妥当か。
…では、お主に筆を預けるとしよう。

457 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 00:32:19
 
 その中は既に異界――全ての生在るモノへの憎悪/憤怒/拒絶。
 幽かに動く表情/その眼に映るはずもない死界の顕現――言うまでもなく此処は地獄。
 歴史に名を刻む鬼への畏敬を抱いた墓碑/儚き信仰は見るも無残――その心無さに、少女の美貌は歪む。
 生者/死者=弄るなど愚劣の極み。
 
 数秒の静止=黙祷を捧げる為。
 
 哀悼――無残な亡骸に。
 哀悼――平穏に眠るべきモノに。
 哀悼――信仰を寄せたモノに。
 
 胸に抱いた感傷=これを区切りに決着/視線を前方へ。
 
 目的――龍穴としての正常化。
 
 
                      ※  ※  ※  ※  ※
 
 
 左慈元放――南陽学院が四天王の一人/曰、
 
「結界の要所――龍脈から到った氣が集まる龍穴、どーにもそこがクサイ。龍脈に損傷はあれど、一本や
二本千切れ飛んだ所で揺らぐようなチンケナ作りじゃないからな。となると、要がぶっ飛んだって考えるのが
自然だろう。そこから溢れる憎悪やらなんやらが尋常じゃなけりゃ、龍脈そのものも犯されるって寸法だ。ま、
正確に調べてない以上、確証はないが」
 
 少女の黙考――或いは愚考/曰、
 
「――龍脈の修復など誰にも出来ないかと思いますが」
 
 男の顔に浮かぶは愉悦――自らの思惑通りといった顔/曰、
 
「元々そこには何かが封じてあった、と考えれば。その名の通り首が在るのか、それとも別の何か――太刀
や具足――が眠っているのか。どちらにせよ、相当念の篭ったものがそこにあれば――というか、在るんだ
ろう。そうでなきゃ、辻褄が合わない」
 
 
 
                       ※  ※  ※  ※  ※
 
 
 視界/死界――その先に佇み呪の声を上げる怨霊。
 恐らくは眠っていた何か=平将門?
 
 何かが違うと訴えかける――それは少女が持つ本能/或いは既視感。
 君主として立つにはあまりに不相応な破壊+暴虐+残忍=悪性。
 
 僅かに鯉口を切り/一歩/また一歩――前進。

458 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 00:34:02
 戦闘態勢を取りつつ、接近と言ったところでしょうか。
 気付いているか判らぬ者を斬るほど落ちぶれては居ませんので。
 
 何か不明な点があればお答えしましょう。

459 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 01:36:00
>>
 
 
虚空の虚と空に満ちるはずは呻きと呻き。
薄闇の至るところに散乱し、また至る所に積み上げられている骸と骸。
そしてなお、今も刻まれ無惨に散り逝く異形と異形。
 
しかし、響くべきは響かず。
其れは死した霊の無念、啜り泣き、されど一縷の声もなく。
されど、流れるべきは流れず。
其れは死した骸の鮮血、大出血、しかし一滴の残りもなく。
 
嗤い、哂い、嗤う。悪は、笑う。鬼は、笑う。鬼が、笑う。
まるで書き割の如く浮き出た月の光に、鬼が、無惨なる光景を笑う。
 
 
  ズバッグシャッフハハハハバシュズズズバッシャ
  
――――哂い、そして喰らう。
魂魄、否、怨霊など浮かばぬ筈だ。喰らい尽くされるのだから。
骸より出でた魂は、甲冑を鎧う鬼に吸われ、今もなお咀嚼されているのだから。
呪う声、その正体は他ならぬ。すなわち、死して尚も蹂躙される魂どもの断末魔。
だが、それは大魚に呑まれる雑魚のように、あまりに弱い。
 
 
  ヒッヒヒヒグシャズパッハァーハッハズボシュ  
   
――――嗤い、そして啜る。
血潮、否、鮮血など残らぬ筈だ。吸われ啜られ尽くされるのだから。
骸より流れる血は、鬼のぬらぬらと刃紋を蠢かせる刀に、水が砂へ染み込むように吸われゆく。
無血の屠殺が真相は奇異、しかし明白。すなわち、死してなお搾取される命の残り。
いわば蟻に貪られる餌のように、あまりに無情。
    
  
  血じゃ! 目の前が真っ赤じゃア! 
  ヒヒャグシャズブッヒャフブシャアァヒャヘヘ!! 


 
―――そして、骸は晒される。
石段に並ぶ。虚ろな顔の首が、顔が、上体が。ずらりと無惨に並ぶのだ。
咎は“生”。
そう、鬼は告ぐ。
故に“殺”。
そう、鬼が哂う。哂いて殺し、殺して晒す。とが首、そっ首、殺して晒す。 
殺し、刎ねて、晒す、晒す。
恨めしく睨む残骸の数々を見て哂い、笑い、哂いて、喰らい、晒す。
 
 
逝くは、破戒。

    ――――腐悲悲悲悲悲悲悲悲悲ィ! 喚け、呻け、そして叫べィ!!
 
来るは、破壊。
 
    ――――うぬらが魂をもっと喰らわせイ!血を、もっと吸わせィィ!!
 
総て、刃潰。

    ――――グ亞ハハ刃ハ刃ハハハ刃刃刃ハハハァ!怒ゥゥゥハハハッハッハァ!

 
                          
                  ――――うぬも、死ぬるかのゥ?  

 
鬼が、ぬらりと振り向いた。

460 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 01:41:40
 
…一時、といった所か。お待たせした。 
 
凶行を繰り返していた途中で接近したお主に気づき、振り向いたといったところか。
周りには積み上げられた骸の胴体。
石段には居並ぶ生首。
そして墓標の前には、凶行の只中であった彼奴……という具合よ。
  
敵と認めるには十二分だろう。
存分に戦端を開かれよ。

461 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 02:36:18
 
「ええ――何時かは。それが今ではない事は確かですが」
 
 邂逅――それは一期一会。
 開口――それは宣戦布告。
 開攻――それは修羅之道。
 
 軽やかな飛翔/無音の羽ばたき/通常の認識=地を這う黒い影。
 少女の表情/無貌の仮面/押し殺した感情の顕現=疾駆/物理法則はもはや無意味。
 少女――例えるならば銀の弾丸/機功人形の如き美貌は損なわないまま/火薬=義憤/燃焼は刹那/瞬間的な
爆発力=測定不能。
 
 しかし、感情はいたって冷静/双眸に映すは悪鬼。
 鮮血に塗れたかのような紅の甲冑/般若のような貌/少女のウエストの如き四肢/身に纏う剣呑な雰囲気――
何処までも付き纏う冥府魔道の臭気=人の油+肉+血液が混ざり合い腐ったかのよう/背筋も凍るかのような哄笑
――まるで絵に描いたかのような悪鬼羅刹。
 
 龍脈+龍穴+主が為に――一旦捨て置く。
 故にこれは私闘/主が為と仕えてから一度も振るった事のない「私」の剣/無益な戦いを好むのは愚か/自らの
為に振るう剣など無意味/仕えるべき者の為に――それが少女の「力」。
 
 そう――これは私闘。
 亡骸と言えど無益な殺生を行うのは感心出来ない/それ程までに阿鼻叫喚/首+首+首――果たして夢か幻か/
骸+骸+骸――果たして夢幻か現世か。
 
 理解/必要性――皆無。
 人間的思考/狂気と断定――或いは悪と。
 
 しかしあくまで建前――少女はそれを斬らねばならぬ敵だと認識した=それが理由。
 無益――それは充分に承知の上/少女の主であれば満足な返答が得られずとも理由を問い質すだろう。
 だが少女はその必要すらないと判断/彼の者にある理由――エゴでしかないと断定。
 己が欲――その言葉に尽きる私利私欲のための虐殺/屠殺。
 
 だから少女は爆ぜた弾丸の如く疾駆する/露になる白い下着――さして気にせず/最短距離をひたすらに進む/
愚直なまでの突進=カウンターすら恐れぬ鉄の意志=信仰にも似た己への自信。
 
 瞬きの間に肉薄/彼女の間合い――一撃の下に意識の断絶/或いは生命の断絶――それらを可能とする距離。
 流れるかのような一連の動作/踏み込む右足/勢いを殺す事なく腰へ/捻りを加えられ加速された勢い/余す事
なく――エネルギーの伝達ロスを無視したかのように肩へ/肘へ/更に加速/留まる事を知らぬ加速は右の手に集
約/その速度――並の成人男子ですら一撃で昏倒/更に鞘走りにより加速される愛刀/銘を妖刀村正「斬龍」/龍で
すら斬り殺すと言われる業物/それが加速に加速を重ねた結果――人の眼には映らぬ速度で駆け抜ける。
 
 居合い――抜かば斬れ。
 それが真理/道理/摂理――故に必殺。

462 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 02:38:44
 遅れましたね。申し訳ありません。
 長くはなりましたが、ただの居合いです。
 サービスシーンは少なめですね(何
 
 それでは、次手をお願いします――と、言うべき所でしょうが、そろそろ時間も時間です。
 今夜のところはこの辺りで切り上げましょうか?

463 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 02:43:04
 
……見えぬ、それがしには何も見えぬ。恐らく(何
 
―――失礼した。
ふむ……確かに夜も深い。
承知した。では今宵は互い、これにて切り上げると致そう。
 
夜半までには此方のを上げておく所存ゆえ、左様心得られたく。
―――では、御免。

464 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 02:45:26
 かしこまりました。
 それでは、また明日に。

465 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 22:26:01
>>
  

―――命は、平等ではない。
 
生まれつき力の強い者。美しい者。親が人ならぬ者。
惰弱な肉体を持つ者。
生まれも、育ちも、能力も、生命は皆、異なる。
そう、命は差別される為にある。
だからこそ命は争い、殺し合い、そこに弱肉強食の世界が生まれる。
捕食者という絶対強者と、生贄という絶対弱者。
     
 
縮地神速と、人は云う。
積み重ねられた技術と論理、研ぎ澄まされた実技と経験。
術理として攻めに向かぬ抜刀居合い、しかし、その開祖が理想としたのは必殺の一ではなかったか。
ならば、この美しき龍が放つ太刀筋は、机上の不利をすら吹き散らす一太刀に違いないのだ。
人を嘲笑(わら)う化生、人の技を弱しと笑う異形が相手ならば、かくも無情と斬り捨てる。
    
 
だが―――運命は平等ではない。
  
戦士の直感が、刹那の体捌きが、五分の見切りが、達人の技巧が。
鬼の喰らった魂の記憶が、鬼が持つ刃の本能が、そしてかつて支配した侍の剣技が。
人外の果て無き腕力脚力、総身の力に後押しされ剣を振る。
奥義と等しい刹那の業に、刹那を切る正確無比な業が応える。
 
向かう刃に追う刃。
刃に刃が添えられて、刃の軌跡が違えて奔る。
 
  鬼ッ悲ッ悲ッ悲ッ、随分といきの良い娘じゃのゥ? 
    
―――嗚呼、鬼が笑う。
僅かに刀をつたう子龍の血を、鬼が舐め、刀が啜る。
正しき怒りは嘲笑(わら)われて、一陣の疾風(かぜ)がいなされた。
鞘走った剣は、鬼の兜にのみ傷を付け。迎えた剣は、趙雲子龍の脇をのみ掠めていた。
 
 
  じゃがユラリ嫌よ嫌よも数奇のヒュンッ内、刻まれ続けばヒュアアッよがり狂おうて!
 
   
淀みなく向き直るのは鬼。そう、構えから仕掛けるのは鬼。
下段構えから小突き、小突き、草刈り一の文字を切る。
重さすら感じさせないほど早く、しかし空気の壁すら貫き通すまでに強く、重く。
        
     
  ヒュン疾いで喃!シュパッザン重いで喃!スシャァッ
 
鋭いもの。
長いもの。
強靭なもの。
それは鬼、ビシャモンの妖刀鬼炎である。
 
 
  ザザン血を見るまでヒュカァッ暴れっぱなしでのゥゥゥ!!カカカカカッ
 
 
鬼と龍、互いに刃の強さを競うか。


466 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 22:32:08
 
お待たせ致した。
……何やら「反逆」の二文字が我が頭に浮かんだが、気にされぬよう…(何
 
 
居合いを合し打ち…すなわち返す刃を添えていなし、連撃(ちぇーんこんぼ)に
よる押しの一手に入った、と云う流れとなる。

貴殿に極めて軽く傷を負わせてしまったが、服と肌が浅く切れたゆえ支障はない筈…
支障あれば何なりと申されよ。

467 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 22:39:45
 確認が遅れた事をお詫びしておきましょう。

 そして――特に問題はありません。
 三十分ほどお待ち下さい。

468 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 23:19:41
 
 飛び散る火花/必殺/必倒の一太刀――防がれる。
 動揺の色――なし。
 それも当然――常に必殺=幻想/常勝こそを望むべき=二の太刀、三の太刀と――寸断。
 返す相手の一刀――一振り/二振り/三振り。
 
 少女の一刀よりも派手さはない――しかし確実な一手/多くの武士を斬ってきた事を匂わせるに足る連撃。
 重く/速く/鋭く――白銀のきらめきが残す軌跡=もはや視認不能。
 常人ならば三度死ぬ/達人なれど二度は死ぬ/況や少女は生き残れるか?
 
 華奢な腕/脚/体躯――それをとっても荒事には不向き。
 彼の悪鬼――どれをとっても少女に劣る所なし=殺人の業を背負うに足る。
 ならば少女は無残と散り――その純潔を散らすであろう/ただ一度の死によって。
 
――――されど。
 
 少女の体は舞う――潜り込む様に。
 内へ/中へ――刃物の間合いを潰すかのように=自らの攻撃もまた不能。
 悪鬼の徒手空拳による迎撃/恐らくはないと判断/人体切断の余韻を愉しむタイプ/間違った選択肢であれば
その段階で待つのは死/少女は進む/躊躇――まったく感じられず。
 恐怖/畏怖/絶望――感じられず/ここに到ってもなお無貌/まるで慌てる事が罪と言わんばかり。
 
 紅く染まるブラウス――切口から覗く白と赤のコントラスト/極めて背徳的/ちらりちらりと覗く下着がより一層
引き立てる――余談/バスト89/収まる下着――清楚に白。

 出血のある今/少女にとって長期戦は不利/体格――或いはモノとしての違い――の違いからも同じ事を推察。
 少女にとってのこの戦/短期決戦/結論=多少の怪我は致し方なし。
 もとより闘士として生きる彼女/染み一つない珠の肌――無縁の代物。
 
 一つ/二つ/三つ――次々と増えて行く裂傷/致命傷だけを回避=成功。
 肌を這う紅い筋――右肩/右頬――左太腿。
 
 ついに少女は到達/暴風の中心/刃を滑るように駆け/少女の視界/反転。
 重力の枷/放棄=飛翔/悪鬼の腕に絡む蜘蛛の糸=少女の絹糸の如き髪/刹那の間を生み出す事に成功/少女
の好機には十分/翻る太刀/先ほど掠めたと同じところに直撃/悪鬼に対するダメージ――不明のまま。
 
 悪鬼を背に少女の着地/同時に納刀/愛刀はあるべき場所へ。
 無防備な背中/少女の思考――勝利を欲す/なれば罠。
 
 悪鬼に何処まで通ずるか――未だ不明。
 分の悪い賭け――己が部を信ずれば悪くはない/不敵な微笑。

469 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/04(日) 23:22:30
 イメージとしては、腕を蹴って上空へ。その腕に髪が絡みついて一時的な行動不能。初撃と同じところへ一太
刀――背後に回って納刀。隙だらけ、となります。
 ダメージ描写は適当にお願いしますね。
――他? 何かありましたか?(何

470 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/04(日) 23:29:09

確認致した。
……はて、何もありはせんが(何
 
では、暫し待たれよ。

471 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 00:21:46
>>
 
   
華は、散らされてこそ美しい。
柔らかい肉に刻まれ増える紅い筋。ゆえに、鬼は呵呵大笑する。
徐々に露わとなる珠の肌。ゆえに、鬼の獣欲は加速する。
哄笑―――追い詰める鬼は、女を膾に斬り殺したいと強く願う。
啜る血のぬめりを望む。
死を欲する。
殺を渇望する。
 
しかし。
正義、忠義、信念。全てを有して死線を潜る少女が一人。
恐れを知らぬものは、愚者たり得るのか?
それとも尊ぶべき存在なのか?
趙雲子龍が、今死地に舞う。
――――いわば、飛翔。もはや、飛翔。
迎撃の切り下ろしを越え、剣閃を越え、死線を越えた飛龍の太刀が、今再び鬼を捉える。
鬼の頭が僅かに揺らぎ、呪詛を言祝ぎ―――だが、鬼は振り向きはしない。
 
女は、鬼の背後に降り立った。
鬼は、少女の背後に陣取った。
嗚呼しかし、二人は振り向かない。
視線の先にあるものは、互いの背に相対する対手のみ。
繰り出すものは
 

        「般若」といふもの

        般若は甲冑の名にしてたましひ喰らふ異形とす。
        しかるに嗤ふ鬼の貌となりしを般若胴といふ事は
        奥羽に一組の胴丸甲冑を着込みし侍の 怨霊とばし絡めるをみて
        あらおそろしのはんにや鎧やといへるより転じてかくは称せしにや


  
喰われた魂魄、罠となる。
ハンニャ鎧に咀嚼された魂は、捕食者の下僕となって飛来する。
夜を裂き、音もなく、その怨念によって獲物を絡めどる為に。虚空より出て絡め取る。
 
 
  
    鬼悲悲悲悲悲 鬼ィー悲ッ悲ッ悲ッ悲ッ悲…… 


―――そして鎧が、裏返る。
兜が、首が、大袖が、腕が、小手が、その手に握る一振りの刃が。
胴体以外の全てが回り、返り、裏返り、鬼炎の持つ手が繰り出される。
肩が、伸びる。
肘が、伸びる。
腕が、伸びる。
刀が、跳ねる。
鬼が、首を真後ろに回した鬼が、哂う。
  
    
    口惜しい喃? 悔しい喃? じゃが、此処は血を血で洗う戦場ぞ!  
 
 
ハンニャの体は肉体にはあらず。
喰らった亡霊を拠り集めて形作られた霊の体、かりそめの体。
すべてがまやかしの体であれば、少女を罠に嵌め殺すのもまた、容易。
 
 
  ―――目じゃ! 耳じゃ! そして首じゃァーッ!!
 
 
少女を怨霊が縛り、無軌道に躍る刃が、三度。
少女を怨霊が縛り、蛇のようにうねる刃が、三度。
 
 
―――見ろ。
此れが「ハンニャ」だ、「ビシャモン」だ。
その鬼、その邪鬼、他にはいない。

472 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 00:29:33
 
お待たせした。
 
……先ずは説明いたそう。
最初に仕掛けたものは「絡め魂」という。
怨霊を飛ばし、獲物の自由を奪う業よ。お主ならば気を発すれば蹴散らせよう。
ビシャモン本体は胴体以外で振り向き、腕を伸ばして顔に三連……。
蛇のごとき軌道だが、凌がれよ。
 
 
…因みに、痛みがないだけで効いてはおる筈だ。
加えて、これで彼奴の本体が甲冑だと察しがつこう。

473 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 00:36:00
 確認しました。
 
――それでは、三十分ほどお待ちを。

474 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 01:15:03
 
「――ッ……ンッ……クッ――」
 
 少女から漏れる苦悶の吐息/眼に見えぬ何かでの緊縛/腕を/脚を/胸を/胴を/体中余す事なく締め付け/
時に緩み/されど抜けられず/抱擁にも似た拘束。
 切なげに漏れる吐息――状況が状況であれば余りに甘美/響く下卑た哄笑/ラブシーンであれば台無し/
しかしながらここは戦場=適当=適切/少女の方が不適当。
 
 拘束=好機/これを見逃す武士=存在する筈もなし。
 迫り来る兇刃/精巧に作られた人形のような貌を目掛け/死を運ぶ軌跡は蛇の如く/舐めるなどと言った可
愛げ――無し。
 
「―――――破ッ!」
 
 掛け声/丹田で生成された氣の爆発的循環/少女の四肢=活動再開。
 金縛り――数多の武に於ける活用例=皆無ではない/心の一方=代表例。
 瞬間催眠/可能性=否定不能。
 その他の可能性――悪鬼の特性。
 
 少女/反転/迫り来る刃を視認+その特性の把握。
 解に到る為の思考/死地からの脱出――同時進行。
 
 迫る一の太刀は既に目前/ほぼ同時に三つの着弾を予想/双眸の僅か一寸先に刃/状態を逸らす事で回
避/二の太刀/複雑な軌道――更に伸びる腕/逸らした状態を更に後ろへ/僅かに毛髪を掠めるのみ/更に
伸びる三の太刀/既に逸らす事も敵わぬ上体/少女は両手を地面へ添えるように後方宙返り/ローファーの
靴底で兇刃と軽く口付け/着地と同時に疾走の開始=反抗の狼煙。
 
 悪鬼――人の型/推測――その甲冑こそが本体?
 垣間見えた中身/深く深い虚無――人の感情の行き着く先/死と共に訪れる病的なまでの虚無。
 
 如何に倒す/命題。
 少女の思考――形在るモノはいずれ滅びる。
 
 単純明快な解/故に難題。
 
 少女の疾駆/腕の戻りよりも速く/疾く。
 一度目の疾走すら超える速度で/更に加速/僅かな出血とは言え数は多い/自然治癒――人間である少
女に望めるはずもない/原形を失いつつある制服/スカートには深いのスリット/隠しようもなく上下で揃った
下着は露/ブラウス――ノースリーブに/華奢な肩/掴めば折れてしまいそう/覗く下着――疾駆に合わせて
揺れる双丘/その全て=少女の意識外。
 
 望みは一つ――悪鬼の打倒。
 一つ目の斬撃より速く抜かれた刀/抜かば斬れ――真理。
 
 祈りにも似た抜刀――朱塗りの甲冑へと到る。

475 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 01:15:58
 あまり補足は必要ないかと思いますが――必要であれば聞いて下さい。
 デザイン? 何の事ですか?(何

476 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 02:23:11
>>
 
 
怪異すら我が物とする鎧の悪鬼。
それでも希望を持ち続けようとする少女は、踏みにじられることを望む美しき草花か?
  
―――少女がやってくる、
悪鬼の眼前に。
少女がやって来る、刹那の隙に。
少女がやって来る、斃す為に。
少女がやって来る、己の信念の為に。
 
前よりも疾く、前よりも鋭く最速で駆け抜ける。
――――趙雲子龍、一人の武人がやって来る。
 
 
       良かろゥ!そのかッ首、飛ばしてやるから安心せい!!
   
ならば応、と全身の向き直った鬼が笑む。
全てを以って嬲り尽くさんと鬼が、ハンニャが、ビシャモンが。刃紋を歪ませ哂う鬼炎と共に。
先刻を凌ぐ、故の正しく神速の前に。
先刻を超える、故に鬼の打ち込みを凌ぐほどの剣速を前に。
 
疾風を越えた居合いは烈風。
動くは腕(かいな)、達人の足運びは地を、大地を、地表を滑る。
されど先は取れず、僅かに鬼の剣捌きは及ばず。
止まるさまは刹那、ぴたりと運ぶ足を止め、刀身を縦に凌ぐを狙う。
されど敵は止まらず、走る剣先が鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
 
   
そう、鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
―――されど、見よ。
 
             『鬼炎』
 
引かば押し、押さば引く転(まろばし)の恐ろしき発露を。
斬撃の重さに刀身は軋み、宿る邪気が悲鳴を上げるのも構わず。まるで構わず。
逸れた一閃に胴を薙がれ、本体たる胴丸の鬼顔が抉られるのも厭わず。
沈み込み、柔(やわら)の要領で回転し、その果てにぎらぎらと輝く鬼刃を構えるその姿。
そして鬼の体躯もろとも跳ね昇る鬼炎の刃。ならばこれは、雌伏を潜った鬼炎の復讐か。
鬼のごとき物の怪が、悪鬼羅刹が持ちえぬはずの業が飛ぶ。
刹那に受け、刹那に返し。寸毫の時を置かぬ返しの太刀、返しの奥義。
 
             『斬ッ、とくらァ!!』
 
 
鬼炎の斬撃、『鬼炎斬』が少女に逆襲する。交差法の太刀筋が、そのまま少女に晒される。
しかし、遠い。
間合いは僅か、ゆえに遠く。
服を裂くには近く、肉を裂くには近く、されど肉を、骨を断つには遠い。
 
             して、    
 
しかし、遠い。
間合いは僅か、だから遠く。
反撃の太刀には遠く、殺すには遠く、されど―――止めるには至り、嬲るには、至る。
構えた剣指を振り下ろしたならば、するりと仕上げは片付き申す。
 
 
                ―――其処へ直れィ!
 
 
亡霊に動かされる石が、足下の低きを舞う。足を止めた少女の脛を。
そしてくず折れるを待たず、石が、石が、そして石が。
すべての邂逅より早く、既に切り出された石段が降り注ぐ。
咎人を責める閻魔を気取り、罪を裁く法を騙り、絶対忠義に圧し掛かる。
 
             
     ワシは人斬りが好きでのゥ、三度のメシより好きでのォ――― 


その様は、正に石の責め苦を積む拷問。
最悪の私刑罰、閻魔石の布陣が今趙雲の運命を窮地に追い込む。
 

     さぁて袈裟懸け、胴斬り、カブト割り! 望みの太刀、馳走してくれるワァ!!
 
ゆらりと舞い降り、歪に笑んだ刃が光る。              
この罠、正に目論見通り。

477 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 02:32:50
 
ふむ……。
お主の嗜好に油を注いだ気もするが…彼奴のやった所業ゆえ、許せ(何だと
  
瞬転鬼炎斬(通称:一発ガーキャン)でお主の抜きつけに応じ、追い討ちに
切り出しておいた石段で責める…いわば即席で石積みの刑に処すといった算段よ。
返しの刃はお主の攻めを止めるのが目的、浅手か皮一枚と目算しておる。
石段は亡霊の念で動いている…そう覚えておけば良い。
分からぬ事があれば何なりと聞かれよ。 
 
 
……それと、流石に夜も更けた。
聞く事がなくば、今宵は此処までにしておきたいが如何か?

478 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 02:36:51
 
ふむ……伸ばした腕が何の事もなく戻っておるな。
腕が戻りきらぬ、すなわち不完全な形で斬り返したゆえ浅手と心得ていただきたい。
次に会うまでには修正しておこう。

479 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 03:35:56
 
 流石に驚愕の色を隠せない表情/奇跡/頭に浮かんだその言葉を消去。
 再び刃は倒すべき相手を見失う/返す太刀が振り下ろされる/硬直――全力の弊害。
 
 少女の武/悪鬼には届かず。
 悪鬼の武/少女へと達する。
 
 振り下ろされる刃/服+躯――浅く薙ぐ。
 薄っすらと血の滲む肌――今では無傷の部分を探す方が難しい/外気に晒される乳房――不完全な露出/
幸か不幸か/ボタンを止めずにシャツを羽織ったかのよう/ある意味では蟲惑的/この状況で傷一つなく微笑め
ば健全な男子――欲望を抑えられる可能性=皆無。
 少女は一向に気にした様子も見せず/悪鬼を無貌の仮面で見つめ続ける。
 
 不意に走る衝撃――少女に浮かぶ苦悶の表情/苦痛に喘ぐくぐもった声/膝から崩れ落ちる少女/冷静な判
断――機動力の低下=骨に異常発生/確信に足るほどの衝撃。
 次いで石+石+石――数え上げるのも面倒なほど飛来/綺麗に切り揃えられた石+石+石――恐らく重さから
形まで同一/無駄な職人芸/かつて存在した責め苦の再現。
 
 少女の体に圧し掛かる石/冷ややかな感触/冷静に分析――十を超えたところで圧死。
 少女の手には刀/されど腕の力だけで切断は不可能/少女は余りに華奢/豊かな肢体を持つとは言え腕力
ガ強い訳ではない/身のこなし+スピード/合わせて初めて常人以上。
 
 漏れる少女の苦悶の声/一つ/また一つ/悪鬼――哄笑。
 切なげに漏れる苦悶の声/一つ/また一つ/悪鬼――兇刃を構え。
 息も絶え絶え/未だ手放さぬ愛刀/一つ/また一つ/「鬼」――怒りを露に。
 
 唐突に響く破砕音/悪鬼の哄笑+少女の苦悶以外の音/発生源――不明/否。
 少女に積み上げられたヤマの石/一つ/また一つ/破砕――その存在すらなかったかのように。
 
 漏れる純粋な怒り/安眠を妨げられた猛獣の怒り――此処に眠るは誰か。
 寄せられた様々な信仰/決して暴君としての姿だけではなかった――故に没後/恨む事なく眠る/それでも
衰える事なく集まる信仰。
 ただし――安眠を妨害したモノ/信仰を穢すもの/例外なく牙を剥く「鬼」。
 
 一つ/また一つ――悪鬼の太刀が振り下ろされるその刹那/少女――解放
 速く/鋭く/重く――金剛石すら断ち割らんとする一撃/少女――転進。
 
 速く/鋭く/重く/より疾く――闇すら切裂かんと翻る刃/少女――納刀。
 速く/鋭く/重く/より鋭く――闇すら穿たんとする刺突/少女――抜刀。
 
 光すら断たんとする縦一文字の斬撃/音が後から聴こえるほどに研ぎ澄まされた抜刀。
 
「鬼」は静かに見守るのみ――ただの気紛れと言わんばかりに。

480 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 03:37:41
 折角の将門塚ですので、将門公に御出演いただきました。名は伏せて在りますが。
 やっている事は芸がないので説明するまでもないでしょうが。
 何か御質問等があれば、明日、お答えしましょう。
 
 それでは、私も失礼を。

481 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 23:02:16
>>476 修正
 


 
怪異すら我が物とする鎧の悪鬼。
それでも希望を持ち続けようとする少女は、踏みにじられることを望む美しき草花か?
  
―――少女がやってくる、
悪鬼の眼前に。
少女がやって来る、刹那の隙に。
少女がやって来る、斃す為に。
少女がやって来る、己の信念の為に。
 
前よりも疾く、前よりも鋭く最速で駆け抜ける。
――――趙雲子龍、一人の武人がやって来る。
 

       良かろゥ!そのかッ首、飛ばしてやるから安心せい!!
   
ならば応、と全身の向き直った鬼が笑む。
全てを以って嬲り尽くさんと鬼が、ハンニャが、ビシャモンが。刃紋を歪ませ哂う鬼炎と共に。
先刻を凌ぐ、故の正しく神速の前に。
先刻を超える、故に鬼の打ち込みを凌ぐほどの剣速を前に。
 
疾風を越えた居合いは烈風。
たもとに戻り動くは腕(かいな)、鬼の達人が足運びは地を、大地を、地表を滑る。
されど先は取れず、僅かに鬼の剣捌きは及ばず。
止まるさまは刹那、ぴたりと運ぶ足を止め、刀身を縦に防ぐを狙う。
されど敵は止まらず、走る剣先が鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
 
   
そう、鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
―――されど、見よ。
 
             『鬼炎』
 
引かば押し、押さば引く転(まろばし)の恐ろしき発露を。
斬撃の重さに刀身は軋み、宿る邪気が悲鳴を上げるのも構わず。まるで構わず。
逸れた一閃に胴を薙がれ、本体たる胴丸の鬼顔が抉られるのも厭わず。
沈み込み、柔(やわら)の要領で回転し、その果てにぎらぎらと輝く鬼刃を構えるその姿。
そして鬼の体躯もろとも跳ね昇る鬼炎の刃。ならばこれは、雌伏を潜った鬼炎の復讐か。
鬼のごとき物の怪が、悪鬼羅刹が持ちえぬはずの業が飛ぶ。
刹那に受け、刹那に返し。寸毫の時を置かぬ返しの太刀、返しの奥義。
 
             『斬ッ、とくらァ!!』

 
鬼炎の斬撃、『鬼炎斬』が少女に逆襲する。交差法の太刀筋が、そのまま少女に晒される。
しかし、遠い。
間合いは僅か、ゆえに遠く。
服を裂くには近く、肉を裂くには近く、されど肉を、骨を断つには遠い。
 
             して、    

しかし、遠い。
間合いは僅か、だから遠く。
反撃の太刀には遠く、殺すには遠く、されど―――止めるには至り、嬲るには、至る。
構えた剣指を振り下ろしたならば、するりと仕上げは片付き申す。
 

                ―――其処へ直れィ!
 

亡霊に動かされる石が、足下の低きを舞う。足を止めた少女の脛を。
そしてくず折れるを待たず、石が、石が、そして石が。
すべての邂逅より早く、既に切り出された石段が降り注ぐ。
咎人を責める閻魔を気取り、罪を裁く法を騙り、絶対忠義に圧し掛かる。
 
             
     ワシは人斬りが好きでのゥ、三度のメシより好きでのォ――― 


その様は、正に石の責め苦を積む拷問。
最悪の私刑罰、閻魔石の布陣が今趙雲の運命を窮地に追い込む。
 

     さぁて袈裟懸け、胴斬り、カブト割り! 望みの太刀、馳走してくれるワァ!!
 
ゆらりと舞い降り、歪に笑んだ刃が光る。              
この罠、正に目論見通り。

482 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 23:04:24
>>
 
 
     愚怒ゥゥゥ!? 一体何が、何が起こり
 
 
悪鬼の非道な責め石は、怒れる鬼神によって粉砕された。
龍穴の主(あるじ)たる武将は、祟り、怒り、鬼という穢れを否定する。
そして龍を宿す転生(てんしょう)の武将は、走り、奔り、鬼という存在を今、凌駕する。
 
            怒腐ゥ!? 
      
嗚呼、鬼が削れる、抉られる、炸裂する。 
抜刀が閃光を呼び、刺突が神速を呼び、剣閃が衝撃を呼ぶ。
妖刀村正の激しい剣戟が、般若の鎧を蝕んでいく。
因果応報の太刀が躍り、舞い、そして吹き飛ばす。
繚乱する剣筋が鬼の笑いを吹き散らし。いま応報は、因果を凌駕する。
 
 
     ―――愚ッ怖ッ怖ッ怖、お主、謀ったのゥ。謀ッて呉れたのゥ?
  
しかし、凌駕されて尚、鬼は立つ。
乾坤一擲の剣(つるぎ)に押され、圧され、鬼の相貌を切り崩されて、尚。
鬼は伽藍の鎧を組みなおし、構え直し、二間向こうに笑い立つ。
外道な鬼と吐き捨てて、下衆な化生と揶揄される。
 
        ―――その顔、その肌、そのハラワタァ全て
 
鬼畜、悪鬼、ど腐れ。
やいのやいのと呼ばれ忌み嫌われる魑魅魍魎、絶対大義を嘲笑す。
勝機見たりと確信し、必ず殺すと意を決す。
そして、今。
 
           ―――斬る! 
 
 
正に一矢を報われたビシャモンの殺意が、般若の怒りが。
古流の奥義と人を超越する力によって、霞まんほどの疾走を放つ。放たれる。
大地を滑る疾走が、妖刀鬼炎が、風すらも破る重圧となって突き進む。
そして、夜風にその呻きを乗せる妖刀の切っ先が趙雲に、今
 
               ―――斬る!
  
振るわれなかった。
刃に篭もった殺気の代わり。繰り出されたのは拳、当身、そう、一撃。
鬼は、鎧。
鬼は、刀。
鎧ハンニャは血を喰らう。そう、紛れもない己の意志で。
妖刀鬼炎は血を啜る。そう、紛れもない己の意思で。
袈裟懸けに感じる殺意は消えず。だが、虚を突いて繰り出されたのは当身、そう、組討。
逆袈裟に変わる殺気と混ざり。だが、拳で生まれた間隙を突いたのは当身、脛を打つ踏み足払い。
しかし虚実から絡め取る鬼の組み打ちは、しかし次なる地獄への道標。
 
 
                   ―――斬る
 
 
刹那の時間が、感覚によって引き伸ばされる。
そう選択せねばならない死の予感が、絶対の死に繋がる選択が突きつけられる。
  
突き刺す殺意は、両断の意を隠しもしない。
 
         一つ、返す刃は白羽抜きから躍る鬼炎の刃。
         瞬時に伸び、縦横にしなる腕(かいな)が掻っ捌く。
         抜刀時にして居合い切る、胴泣き別れる「合死打ち」。 
 
縦横に走る殺気は、三通りの死を予告する。

         一つ、耐える体躯に柔らの崩し。
         瞬時に掴み下から上へ、泳いだ胴に鬼炎斬。
         崩しの刹那に泣き別れ、二枚に下ろす「切り捨て御免」。
 
手を読ませる為の気配は、逃れられない地獄を見せる。
 
         一つ、屈む体に飛ぶ切っ先。
         髷解き、耳削ぎ、兜割り。瞬時に繰られる三連殺。
         一の拍子に剣線三度、脳漿吹き出る「お面頂戴」。
        
 
                      ―――斬る 
 
 
地獄。地獄。地獄。
いずれを選び取るべきか?
違えれば死、誤れば死、読みきれなくば死す。
地獄への道。
  
 
                        斬る斬る斬るッ!!
 
 
 
道―――どちらを尊ぶべきか? 
死を前にどうあるべきか?
渇ききった地獄、しのぐのは命か?

483 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 23:17:46
 
……済まぬ、遅参致した。
詰まるところ、仕切り直しの早駆けから虚を突いた打撃、踏み足、そして三択となる。
(※すなわち原典でいうダッシュ小パンチ→小キック→三択)
いわば殺気で剣筋をあえて晒し、読まれるのを逆手に取って三様の攻めをお主にわざと予見させた…
という事だな。
 
逃げるか、打ち込めば切り返しから掻っ捌き。(目押し→居合い切り)
動かなくば組み打ちから切り上げ両断(コマンド投げ)
跳ぶか屈めば昇り飛びからの三連撃。(しゃがみ崩し)
 
 
次を含め二手で、彼奴の手札は最後。
内訳として「次で居合い切り(掻っ捌き)→最後の鬼札」と予定しておる。
存分に彼奴の技を打ち破られよ。

484 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/05(月) 23:31:56
 確認させていただきました。
 今から動く事になりますので、暫しお待ちを。

485 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 00:15:10
 
 刃/悪鬼に到達――戦意の喪失=確認できず。
 少女の戦意/下降――どころか高揚/初めて届いたと言っても過言ではない一撃/打倒に届かずとも千里の
道を歩む道標――繋がる太刀/止まらぬ剣戟。
 薙がれる甲冑/それでも損傷は目立たず――少女の衣服/もはや襤褸切れもかくやといった具合。
 
 それは余す事なく互いの状況を解説/余力を残す悪鬼/もはや突けば倒れる少女――在り方の違いに潜む
壁=余りに巨大。
 それでも少女は止まる事なく力を振るう/一度止まればもう二度と動けぬと言った鬼気/一度止まれば慰み物
にされた遺志に申し訳が立たないという決意。
 
 上質の絹糸の如き髪――もはや乱れに乱れ廃屋の蜘蛛の巣と言った風情。
 陶器を思わせる滑らかな肌――珠の汗が浮かび、紅の蛇が存分に舌を這わしている。
 精巧に作られた人形のような貌――肌と同じく汗が浮かぶ/されど一切崩れぬ表情。
 
 一つ/二つ/三つ/刃を重ね続ける――まるでそれしか知らぬように/踊るような優美さ――未だ消えず。
 隙なく差し込まれる連撃/されど悪鬼の武――衰える事なし。
 
 差し込まれた拳/流れるように脚を払う。
 崩れた体勢/浮かぶ苦悶/悪鬼にとって好機/殺気から読む三つの選択肢――どれもが死の予言。
 
 少女の状況――言うまでもなく、不利。
 これまでとの大きな違い――悪鬼の余裕、皆無。
 
 真剣勝負――悪鬼の刃が今まさに牙を剥く/少女にとっては致命/されど臆する事なく前へ――前へ。
 退かば我が身の誇りは地に堕ちる/退かば我が身の終わりが見える/退かばこの身の大義は成らぬ。
 
 
                       退かば主が大義を貶める――!!
 
 
 少女は思い出す。
 柔らかな笑みを/誰にも差し伸べられる手を/誰かが傷つく事を恐れる優しさを/誰かの為に立とうとする勇気
を/三国一の徳を持つ――彼女の主を。
 
 私闘――少女はそう定義付けその身一つ/その心一つ/覇気を持って悪鬼に挑み続けた。
 されどこの躯は主が為に/少女は己の死すら彼女に差し出した。
 ならばこの躯/少女の物に在って少女の物に在らず/この体は主が物。
 
 生きて帰らねばならない――その一念が少女に活力を与える。
 退こうとする己を立ち上がらせる/奮い立たせる/前進を続ける。
 
「成都学園が二年。趙雲子龍――推して、参る」
 
 宣告を楔に/己が名に恥じぬよう少女――趙雲子龍は刃を振るう。
 斬り返された先に見える絶対の死すら恐れぬ不屈の意思/神速の刃は鋭さと重さを増し刹那を滑る/残光す
ら残さぬままに/斬光の如く。

486 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 00:17:26
 三つの選択肢のうち一つ目を取った、となりますか。
 後名乗りを上げてみました。本スレ掲載時にはこのレスまでは「少女」としておく事になるでしょう。
 
 それでは、また待機しております故、御要望、御質問等があれば随時お答えします。

487 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 00:24:39
 
委細、承知した。
それがしが会得した、否……彼奴が抜き済み居合いの秘剣、仕掛ける所存。
  
これより正しく正念場……暫し待たれよ。

488 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 01:22:06
>>
 
 
趙雲子龍。
少女が、背負っていた自らの宿命に奮い立つ。
武人が、秘め続けた自らの名を宣告する。
趙雲子龍。
背負うものの為に子龍、あえて地獄へ向かう。
 
    ――――我が名は「ビシャモン」!
 
            悪霊ザムライ、ビシャモンよォ!
                 
  
その果てに、何があるのか?
何も在りはしない。否、無いからこそ求める。
全ては、求め続ける。
鬼も。
人も。
鬼は死を求め、求め、蠢く。
ハンニャ、否。鬼炎、否。悪霊侍ビシャモンが、死を求め続けて力を込める。
人は生を求め、求め、進む。
少女、否。女、否。趙雲子龍が、生を求めて死地を、前へと進む。
 
     
     一太刀!
 
 
嗚呼、剣が舞う。
子龍の繰り出す剣が舞う。無明の刃が、光が舞う。
嗚呼、剣が飛ぶ。
鬼の繰り出す剣が飛ぶ。異形の刃が、悪鬼が狂う。
突き出される白刃(しらは)と白刃(しらは)。交差する白刃と白刃。
交わる刃紋と刃紋の渦が、夜空の月に照らされ光を反射する。
 
 
        そして二太刀!   
 
 
刹那にすら満たない刹那に今吹き荒れようとする刃と刃。
だがそれでも鬼は、武人は、次への渇望を抱き刹那を駆ける。
すなわち死風に逆らって進む者が、二人。
逆らって進む者、二人。
 
剣を弾かれた鬼の腕(かいな)が伸び、撓み。鬼の背に、更なる鬼の姿が浮かぶ。
鞭を持つごとく構え、剣指を掲げ見据える構え。
侍が覚えた奥義、鬼の鎧が記憶する秘伝。そう、抜きながらにして“抜刀”する居合いの構え。
一度に五方をすら掻っ捌く、魔剣の構え。
違えず読むのは返しの刃。
趙雲子龍の覇気、伝達される切っ先の流れ。必殺を予見せずにはいられない、戦意の流れ。
 
―――そして。
     
 
   
         チェストォォーーーーーッ!!  
            
         怒ッ刃ァァァーーーーーーーッ!!
    
 
 
 
 
迸るは、剣閃。
流れ出づるは―――――。 

489 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 01:25:17
 
それがしの予見通り、掻っ捌きと相成った。
次で彼奴の攻めは終わりとなる。
 
……魔道に堕ちた抜き身居合いの秘剣、お主の剣をもって存分に破られよ。 

490 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 01:30:29
 
ふむ…少々、説明が足らなんだな。
 
詰まるところは、超速度の連続横薙ぎよ。
呼吸さえ見切れば交差法の一太刀で敗れる、その程度の太刀筋と心得られるがよかろう。

491 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 02:20:59
 
 星の瞬きの如く駆ける刃/それに映る己/走るのは刃ではなく己と言う示唆。
 伝わる思い/限りなく生を求め/限りなく死を求め・人の為に/己が為に――限りなく対極。
 
 子龍――呼吸すら忘れた剣鬼の如し/ほぼ無意識で動く刃――気心の知れたダンスパートナーのように手と手
取り合い踊り続ける/生死を賭す/忘れさせるほど優雅に。
 絡み合う刃は接吻/辿る軌跡は愛撫/同調する呼吸は睦言――互いに互いを知ればこその剣戟。
 
 死闘――交わらぬ筈の他者が唯一同じ思考+呼吸+行動を辿る奇跡。
 奇跡といえど唾棄すべき悪行――何人も犯しては成らぬ他人の命。
 
 しかし一度刃を交えたならば/敵と認識したならば/打ち倒さぬ道理はない。
 神罰/天罰/人罰――恐れずに前進/それしか知らぬようにただひたすらに。
 
 生きる事=前へ前へと進み続ける事――言葉にすれば単純/それが難しいからこそ人は迷い、退き、道を見失う。
 子龍――既に道標を得、目的に向かってまい進する答えを得ている/故に悩まず進み続ける事ができる/全幅の
信頼を寄せる事ができる主に仕える至上の喜び=傷付く事+死地に赴く事+死――恐れるまでもない/それを再確認。
 
 悪鬼の咆哮/同時に刃を納刀――実際には抜刀したまま/見慣れた構え/見慣れた呼吸/見慣れた間合い/弾き
出される答え――神速を冠するに相応しい居合い。
 悪鬼の納刀に生まれる刹那の間/子龍もまた納刀――本来の意味で/必殺には必殺で迎え撃つべくと同調。
 
 鏡合わせのような錯覚/体躯の差・姿形・宿る意思――どれもが対極に在りながら、そのどれもが寸分違わず相
似となる矛盾。
 
 子龍――満身創痍/鎖骨に浮かぶ紅の印/既に隠しようが無いまでに露出された形の良い乳房――呼吸のたび
に大きく上下/瑞々しい弾力=触れるまでもなく理解/引き締まったウエスト――普段拝む機会の無い臍の直ぐ上に
は赤黒い痣/スラリと伸びる脚――脛に腫れ+鬱血の痕=恐らくは骨折/満足な踏み込み――期待できず。
 
 それでも子龍――敗北の可能性を否定/万全であれば・相手が相手だから――そんな言い訳/戦場では通じず。
 己を奮い立たせる為にひたすらに勝利を願う/祈る/掴む。
 
 そのための一閃。
 ただ一度きりの刃で良い/ただ一度限りの刃で充分に効果を為せば。
 
 思考――始動――交差。
 悪鬼――神技とも言える抜刀/数えるのも馬鹿らしくなるほどの横薙ぎ+横薙ぎ+横薙ぎ/まさしく悪鬼/その業人
智を超え神へと到り悪鬼と堕ちる/修羅道の果て。
 
 普段は閉じられた双眸/サファイアの如き輝きの中にて一際強い輝きを示す覇気/刹那と刹那との間/死中に活
を見出し一閃。
 その輝き――眼にも映らぬ銀弧/酷く優美な――殺人術。

492 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 02:23:45
 居合いには居合いで、と言う事です。
 無駄な部分に力を入れて頭を悩ませたと言う事は決してありません。
 
――時間も時間です。そろそろ終わりとしましょうか

493 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 02:31:24
 
―――仔細、確認致した。
見事、正に魔剣を破るに相応しき太刀筋よ。
これで彼奴も最後の“手”を晒さざるを得まい……。
勝利は直ぐそこと、左様心得られたく。
 
 
うむ、承知した。
では今宵はこれまで、次にて全て終わりとしよう……御免。

494 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 21:26:54
>>
        
  
嗚呼―――もはや、何も言うまい。
 
          
       流れ出ずるは、悪霊。
       天翔(あまかけ)る龍の牙が、鎧の鬼を斬り抜ける。
       嵐を潜った龍の太刀。鋼鉄魂魄、鋼と邪気、鎧と霊を破壊した。
       胴にある鬼の左目が潰れ、拵えられた牙は折れ、鬼の相貌が大きく裂ける。
       刀、すっぽ抜け彼方に。手足、繋ぎ止められず大地へ。鬼の具足が、力を失い散乱する。

 
           
語るべき言葉、此処に在らず。
話すべき相手、此処に居らず。
 
        
       慟哭。
       引き裂ける寸前の鬼、ハンニャが断末魔の叫びを上げる。
       いや、違う。
       引き裂ける寸前の鬼、ハンニャが言葉ならぬ呪詛を雄たけぶ。                  
       嗚呼殺す、殺す、殺してやると。
       引き裂ける寸前の鬼、ハンニャの口から巨大なる腕、巨大なる拳が伸びる。        
       広げられた巨大な腕、蒼く大きい鬼の腕。一本の、全てを捻り潰す鬼の腕が伸びる。


  
 
腕。
ただ、前を向き。ただ、握り潰す。
 
鬼。
ただ、前を向き、握り潰す。

495 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 21:32:10
 
これにて彼奴が最後の一手となる。
「鬼首捻り」…胴鎧にある鬼の口から巨大な腕を生やし、握り潰すという悪足掻きよ。
彼奴もお主の太刀で朽ちる寸前、これさえ凌げばお主の勝ちだ。
なにとぞ最後の一押しで破ってもらいたい。 

496 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 21:35:57
 丁度良いところに確認できたようです。
 そうですね――二十二時半頃には上がるかと思いますのでお待ちを。

497 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 22:28:13
 
 斬――と音が響く/悪鬼の躯するりと崩れ。
 残――と音が響く/子龍の心未だ崩れず。
 
 完全な決着/見届けるまでは油断すまい――一時たりとも目を逸らさぬまま/さながら彫刻のよう。
 ボロボロと何かが剥がれ落ちて行く/決して眼には見えず――衣服のように判り易ければ/多少の恨み言。
 それもその筈/少女の衣服――既に原形を留めず/勝負には勝ったが試合には負けた気分。
 
 崩落――慟哭と共に。
 崩れる/崩れる/崩れた――呆気ない終わり。
 
―――――と、成る筈もなく。
 
 突如生える腕――子龍のウエストより一回りは太い/破壊+暴力/無言のままに雄弁に語る。
 子龍――慌てる事なく落ち着いた対処/不意に鈍痛/腫れ上がった脛に再び石が舞う/遅れる初動――刹那の
間/それだけで十分だと言わんばかりに――拘束。
 
 締め上げられる咽――人の力を超えた握力/ミシリミシリと締め上げる音が聞こえる。
 口からだらしなく垂れる唾液/切なく喘ぐようなか細い呼吸――聴き様によっては嬌声にも/見る見るうちに朱に
染まる顔/紫に色を変える唇/だらりと垂れ下がった腕――その手は未だ愛刀を手放さず。
 
 窒息までの時間――それよりも速く首の骨が限界を迎える=死。
 此処に来て動かす事の出来ぬ死を突き付けられる/それでも未だ手放さぬ愛刀=死へ立ち向かう意思。
 
 痛み+苦しみ=働かぬ思考。
 手に/ヒュゥヒュゥと音の漏れる咽/刃/白くか細い首/脚/締め付ける万力の如き腕/自由に。
 
 腕を伸ばす/刃を持った手を腕の下へ/もはや悪鬼の腕を振り解けるほどの力は無いと判断――両手で刃を
支える事に成功。
 メシリと響くくぐもった厭な音――短く上がる悲鳴/辛うじて上げた腕に震えが走る。
 チャンスは一度きり/五分五分――七分は負けるであろう賭け/今はそれに頼るより他に術――無し。
 
 朱に染まった顔――一変して白へ/病的な白さ/血走った眼に浮かぶ涙――次々と頬を伝う/倒錯的な美しさ/
悪鬼の笑みが浮かぶよう。
 震える両手/しっかりと刃を握り締め上げる腕に添える/腕力だけでの両断=言うまでもなく子龍には不可能。
 ならば――刃+己を信じる他、無し。
 
 蹴り上げる――ヒラリと舞う筈のスカートも今では襤褸切れ。
 蹴り上げる――スラリと伸びた脚を一直線に。
 蹴り上げる――鍛え抜かれた脚力/その割りに柔らかそうな太腿+脹脛。
 
 蹴り上げる――刃の峰を一直線に。

498 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 22:30:22
 宣言通りですね――もう少し速いのが理想でしょうが。
 
 要するに、刃を絞め上げた腕の下に沿え蹴り抜いた、と言う事になります。
 切り落とせなければ此方のデッドエンド、という訳ですね。
 
 それでは、次手を待ちましょう。

499 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 22:33:05
 
確認致した。
では――――暫し待たれよ。

500 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 23:36:57
>>
 
 
絶体絶命の窮地。満身創痍の体。乾坤一擲の刃。
死中に活を求むる子龍の信念が、渾身の刃が、眩いまでの光を放つ。
  
 
  ―――"敵”は、あそこだ。
  ―――"悪鬼”は、あそこだ。
 
 
刃、荒ぶる感情のまま鬼の腕(かいな)に潜る。
潜り、走り、止まらず、断つ。
一念の刃が、もはや同じく創痍の腕を、巨大なはずの腕を断つ。
叫びなく地に落ちる「般若」の本体、伽藍と大きな音を立てる、牙を砕かれ地に堕ちる。
  
 
  ―――"敵”は、あそこだ。
  ―――"贄”は、あそこだ。
 

 
             ク、カカ、ヒヒャヒャヒャヒャ 
 
されど鬼、もぞりと蠢く。 
具足、音もなく動く。刀、音もなく動く。手足、音もなく蠢く。
四散したはずの全身が、手足が、兜が。般若胴の一点へ徐々に寄り集まる。
僅かに残った霊力、魔力、尽き果てかけるをより集め。かくも浅ましく、そしてかくもおぞましく。
 
 
  ―――“敵”は、
 
            鬼ッ悲悲悲悲悲、苦ッ禍ッ禍ッ禍ッ禍
 
 
嗚呼、鬼が立つ。立ってしまう。
全てに絶望を与えるため、全てを地獄に送るため、殺すため、喰らうために。
鬼が哂う。刀を振り上げる。
いまにも砕け、崩れ落ちそうな体はしかし、しかし朽ちはしない。
少女を哂い、大義を哂い、信念を哂う鬼が。刀を振り上げる。
 
 
  ―――“敵”は、
 
            ワシは死なん 

そう、鬼が哂う。
刀を振り上げる。
骸を哂い、歴史を哂い、心を哂う鬼が、刀を振り上げる。
 
 
  ―――“敵”は、
 
            我が名は“ハンニャ”
 
 
今、鬼が哂う。
刀を振り下ろす。
戦いを哂い、死者を哂い、主(あるじ)を哂う鬼が、刀を
 
 
  ―――“敵”は、
 
           永遠に殺し   
 
 
刀、
此処は、
鬼が哂うこの場所は、
 

501 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 23:37:43
>>
 
 
 
 
          そして呪“敵”は貴様だ。
                
 
 
  
                “咎”は、貴様だ。

  
 
 

502 名前:◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 23:38:51
>>
 
 
―――嗚呼、見よ。あれを見よ。
 
 
腕。
ハンニャの首より湧き出た腕が、亡霊の顔を掴む。
腕。
更に伽藍より飛び出した腕が、鬼の兜を握り砕く。
 
腕。
腕が覆う。
腕。
腕が掴む。
腕。
甲冑の隙間から、罅割れから、鬼の足元から生える無数の腕が、鬼を掴む。
 
腕、腕、腕、腕。
亡者の腕が、鬼に殺された無念の魂が、鬼が穢した主(ぬし)の怒りが。
鬼を引きずりこむ、体を引き千切る。
鬼を、奈落の底へ連れてゆく。
  
腕。
無間の腕が鬼を引き裂く。
罅割れた傷を広げ、引き裂いてゆく。
腕。 
無限の腕が鬼を引きずる。
足を掴み、具足を砕き、鬼を引きずり込んでゆく。
腕。
無尽の腕が、鬼を包む。
内側から外側から、刀の持つ腕を絡めとり、呪詛も叫びも埋もれてゆく。
 
 
腕。
腕が沈む。
腕。
腕が沈む。 
腕。
腕が残らず地中に沈む。 
 
   
腕。
無数の腕が消え失せて、鬼の姿も消えうせた。
 

503 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/06(火) 23:42:00
 
 
因果応報。
首塚を穢した彼奴の魂をもって、かの主(ぬし)の鎮魂とならん。
 
 
以上が、彼奴……ハンニャの最期となる。 


504 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/06(火) 23:58:55
――と言う事は、私のエピローグで終い、となりますね。
 しばしお待ちを。

505 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/07(水) 00:11:47
うむ…左様。
最後の始末、頼み申す。

506 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/07(水) 00:29:21
 
 呆――と/無貌に無貌を重ねたような貌で宙空を見つめる。
 悪鬼/見る影も残さずに消滅/咽の痛み+傷の痛み+惜しみなく曝け出されてしまった肢体――幻では無いと
語る。
 小さく咽る/切なく呼吸に喘ぐ/上下する白い肩/合わせて揺れる胸/ペタリと擬音が付けるのが適当といった
具合にへたり込む/力の入らない四肢/ガシャリと音がして愛刀を手放した事に気付く始末――本当に、勝負
には勝ち試合に負けた/余りにも似合うその言葉に苦笑。
 
 なおも咽る/口の端からは唾液に変わり血液/内臓系の負傷ではない事を祈るばかり。
 口を伝う紅/咽を/胸を/腹を/臍を/白の下着にまでたどり着く――口元を拭う事を忘れるほどに放心。
 
 結局――子龍の為した事=無意味?
 得体の知れない何かが悪鬼を飲み込んだ――その事が非常に情けない。
 
 打倒すべき敵を取られ/助けられた事に礼も言えず/己が武の甘さを知り/無力を知る。
 誰にも敗れる事は許されない――そう固く誓った筈だ。
 
 結果的に生き残った――その事実は変えようもなく圧し掛かる。
 
 頬を伝う涙――未だ止まらず。
 頬を伝う涙――止まる事を忘れてしまったかのよう。
 
 頬を伝う涙――拭い去る。
 
 届かないと知ったなら/まだ先がある事を知っているのなら――涙を流すよりもする事がある筈だ/そう言い
聞かせる。
 誰に聞かせるでも無い誓い/他の誰の為でもない誓いを――その胸に刻み込む。
 
 そう――此処は奇しくも万夫不倒を成し遂げたと言われる者の墓標。
 供物・貢物持ち合わせてはいないがそれくらいの事は許してくれるだろう/暴君・暗君ではなかったのだから/
ないと伝え聞いているのだから。
 
「―――――要、精進ですね」
 
 立ち上がる――愛刀を拾い上げ。
 立ち上がる――鞘に戻す。
 立ち上がる――蹴り上げた時に曲がっていなかった事に安堵。
 立ち上がる――空を見上げれば満天の星。
 
 踏み出す――鈍い痛み。
 踏み出す――鋭い痛み。
 踏み出す――夜気が肌寒い。
 
 それでも――踏み出す。
 帰るべき場所/自分が居るべき場所/待ってくれている人が居る場所――其処へ向かって。
 
「―――――有難う、御座いました。次に訪れる時は手土産でも持ちましょう」
 
 澄んだ空気/静謐ともいえる無音の空間/何人の狼藉も赦さぬ厳粛。
 静かに――ただ静かに。
 
 眠りにつく猛獣の棲家のように――此処は平穏を取り戻した。

507 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/07(水) 00:31:07
 さて、こんなところでしょうか。
 そちらに余力があるようでしたら貼り始めますか?
 微修正しつつになるかと思いますので少し時間を頂く事になるかもしれませんが。

508 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/07(水) 00:40:08
 
―――仔細、承知した。
それがしは構わぬ。では、お主が良くば貼り出すとしよう。
 
此方は僅かな修正あれど終えておいたゆえ、お主に時間は取らせる事はあるまい。

509 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/07(水) 00:41:28
 それでは、導入を貼ってきますので暫しお待ちを。

510 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/07(水) 00:53:09
 導入は終わりです。
 後はそちらを確認次第順次張り出していきますので、よろしくお願いします。

511 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/07(水) 00:54:17
 
承知した。
では、此方も貼り出すと致そう。

512 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/07(水) 01:01:56
 
それがしが方の導入は終わり申した。
……左様、伝達にまで。

513 名前:[-{}@{}@{}-] 趙雲子龍 ◆NoudaTUIBI :2008/05/07(水) 01:39:12
 お疲れ様でした。
 タイトルとレス番纏めに関しましてはこちらで勝手にさせて頂きました。
 
 お付き合いいただき、感謝いたします。
 それでは、またどこかで見える事を祈って。

514 名前:或る修験者 ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/07(水) 01:45:06
 
……ふむ、手間を掛けてしもうたな。面目ない。
  
礼を申すはそれがしの方。
彼奴の調伏、受けていただき心より礼を申し上げる。
  
では、いずれ何処かでまみえんことを。
――――御免。

515 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2009/11/13(金) 06:07:53
さて、では再開といきましょうか。


>>159が私の導入で、誤字脱字以外は今でも、特に変える事はないわね。
後はどこからやり直すかだけど、もう完全に最初からにするかしら。
それなら、貴方のターンからになるわね。

要望とか質問があるなら、何なりとどうぞ。

516 名前:レン ◆SL/QoWHITE :2009/11/13(金) 06:14:33
あ、再開日程だけど、実は闘争イベントを行うかどうか今悩んでるのよ。
その辺との兼ね合いでこちらの完全な再開を決めたいけどいいかしら。

イベントは一応今は12月上旬を考えてるわ。
それ以前にこっちを再開するなら可読性確保の関係で、最初の部分辺りは
こっちで水面下で開始となるわね。

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