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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五

1 名前:弓塚さつき ◆zusatinwSI :2005/09/14(水) 04:32:37
ここは吸血大殲の闘争会議を行う場所だよ。
基本的に、第三者の口出しは厳禁。
闘争とは、その当事者によって進められるモノだからね。
文句、感想、突っ込みも、本スレで脚光が浴びるときを待ってるように。

長引きそうな闘争は、各自専用のスレを立てることをお薦めするね。
そっちのほうが、やりやすいはずだから。

2 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/21(水) 23:35:51

 確認したと言う事で、此方に足跡を印そうか。

 さて、何分こういった事には不慣れでな。
 何から決めるべきなのかは知らんが、互いが書き上げ一度に貼るのか。
 それとも向こうで、所謂即レス形式で、踊るのか。

 後者は互いに時間の調整も必要だしな。
 前者の方が良いのかも知れぬ。
 

3 名前:紫擾津那美:2005/09/21(水) 23:45:08
>>2
ようこそ、と云わせて貰うよ。
僕が紫擾津那美(しじょう・つなみ)だ。宜しくお願いするよ。

この場合、僕が希望する形式としては、前者の方に近いね。
書ける時にそれぞれのパートを書き、ターンを埋めていくって事さ。
たまたま時間が合うのなら、リアルタイムの応酬をしても良いだろうけど。
中々毎日は、多分きついと思うんだ。済まないね。

さて、導入について話す前に、僕の事について説明した方がいいかな。
より詳しく、ね。

4 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/21(水) 23:56:41

>>3

 アレではまともに話が出来ぬのでな。このままだが許せ。
 此方もよろしく頼むと、伝えて置く。

 で、前者か。書ける時に向こうに貼りに行けば良い訳だな。
 時間さえ合えばリアルタイムも選択肢にはある、か。
 なに、毎日など期待せん。流石に事情もあろうしな。

 世話を掛ける事になるが、頼む。
 此方も必要ならばするが。
 

5 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:09:22
>>4
あ、済まない、言葉が足りなかった。
書いたレスは取り合えずここ、会議室へ上げる形で進行させて、闘争終了後に一気に貼り付け
るってやり方が、今では普通になっているんだ。
本スレへ直に上げてもいいのだけど、何しろ完結までに結構な時間が掛かってしまう場合も多
いからね。
手直ししたい場合も楽だし。

うん、じゃあ僕について、ちょっと述べさせて貰おうかな。
逆に僕も訊きたいのだけど。僕が相手をする事になる『君』について、君からレクチャーを受
けたい。
勿論自分でも調べてはいるんだけど、本人の認識に勝るものはないからね。

悪いね。僕が持っているKOFの記憶は、九十七年度辺りで止まっているんだ(苦笑

6 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 00:25:47

>>5

 ああ、そう言う事か。ならばそれに従おう。
 手直しを考えてもそれが一番な様な気もするしな。

 了解した。俺の解釈でアレを語れば良い訳だな。
 まあ、初出が97だからな。もしかすると見ている可能性もある。
 多少被る部分が出て来るかもしれんが、そこは見逃しておいてくれ。



 『ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ』

 八神の血筋は草薙から別れた物であった。
 が、太古の昔にオロチを封じた際にその力に魅入られ、血の契約を果す。
 それが事の起こりであり、長く続く苦しみを生んで行く。
 また、紫炎はその代価である。

 そして、この姿は八神庵がオロチの血の活性化により、破壊衝動・殺人衝動に目覚めた形。
 そこには暴力を嫌うと言う普段の姿も無く、まさに血に餓えた獣と言えるだろう。
 余談ではあるが、殺意の波動に目覚めた何某から理性を奪った、とも言えるかも知れない。

 戦闘スタイルなどは極めてシンプル。
 目の前にある動く物を敵と認識し、暴力的に燃やし、切り裂き、叩き潰し、殺す。
 防御などせずに闘う為、一撃の破壊力や速度は向上。
 その代わりに打たれ弱い。

 追記として、八神庵は歴代の八神家当主の中で最もオロチの血が濃い。
 だからこそ血に狂ってしまったとも言えるが、本人としては気にしていないらしい。



 とまあ、こんな所だな。他に疑問があれば答える。
 

7 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:42:11
>>6
説明、感謝するよ。
確かに僕は、“そうなってしまった君”を見ているね。些か記憶が曖昧だけれど。


僕の外見は、まあ「退廃的な白髪の美青年」という所だね。
……くくっ、自分で客観評価するとおかしいなあ。
実年齢は、幾つだったっかな。百歳前後ではあったと思うよ。
ごく簡単に云ってしまえば「魔人」なのさ。

能力は“火炎魔人”と呼ばれる発火能力。
不可視の火種(タネ)を飛ばして、触れたものを燃やす。これは一個だけでなく、複数飛ばせも
するよ。
威力は、ビルのワンフロアを吹っ飛ばす所から、人の体内の「吸血鬼化しつつある細胞のみ」
焼くなんてのまで融通が利くんだ、中々に。
闘争と云うステージにに於いては、君の炎といい勝負なんじゃないかなあ。


昔、僕は鬼退治屋をやっていたよ。
陰陽道の宗家、傍箕(わきみ)家から、鬼族退治の全権を任されてもいた。
ただ、もう彼らはいなくなってしまった。世界の何処からも。
そうして僕は身を引いた。

今は新宿で、私立探偵を開店休業中してる。――というのが簡単な自己紹介かな。
これだけじゃ疑問に思う事は多々あると思うから、それは追々質問して欲しい。
 

8 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 00:44:27
さて、導入について詳しい話をしたいんだけど――悪いね、今夜はそろそろ刻限のようなんだ。
続きは明晩以降で、と云う事で構わないだろうか。

まだ詳しく考えていないんだけど、例の「オロチ」を絡ませられれば、と思ってる。
それがお互い自然でもあるだろうしね。

9 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 00:59:18

>>8

 ああ、時間ならば仕方あるまい。恐らく明日も、十時以降であれば居るだろう。
 居れば此処に何か印して置く。

 で、「オロチ」を絡ませるか……鬼退治を何処まで過大解釈して良い物かは知らんが、
 人に仇為すであろう存在をも殺して行くのなら、狙う理由になるかもしれんな。
 「オロチ」の目的は地球に害である人を滅ぼす事なのでな。
 その血を持つ危険因子も潰して置くに越した事は無い、と取れば流れとしては……

 まあ、これは明日以降でも良いな。
 それでは、また時間が合えば。
 

10 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 01:08:20
>>9
「鬼」という存在は“滅びの具現”でもある――とされているから。
そういった所で色々と流れは考えられるだろうね。

申し訳ないね。
うん、じゃあまた明日にでも。

11 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 22:44:51

 居るぞ。多少遅れはしたがな。

 で、滅びの具現、か。此方の新作の動き次第では少々厄介かもしれん。
 と言う事は、97辺りで見ておくのが此方としても無難か。
 その辺りなら原典も知られているようだしな。
 まあ、イフの話なのだから如何でも良いと言ってしまえばそこまでだが。
 

12 名前:紫擾津那美:2005/09/22(木) 23:34:42
>>11
滅び云々は、レトリックみたいな事でもあるから。
そう四角四面に捉えなくても大丈夫だと思うよ。――というのが、遅れた挨拶。

取り合えず、店頭にあった2001年度のを手に入れたよ。まだプレイしてないけど。
まあ問題があるとすれば、僕は未だに「昇龍拳」を満足に出せない、という所かな。
……どうしたものだろうね?(聞くな


そうそう、導入の一案なんだけれど。
僕らの作者が原作をしている別作品に、『夜刀の神つかい』というのがある。
八月の山門前夜祭で、カジやハセって連中がいたのは憶えてるかい? あいつらの原典さ。
日本固有の吸血鬼・夜刀の神が現代に復活し、新興宗教団体を隠れ蓑に東京中に蔓延。一般市
民には情報は伏せられているものの、警察の特殊部隊は激しくこれと交戦し、戒厳令が敷かれ
かねない東京の夜――って話さ。
ここを舞台にしてみたら、と思ってね。

僕達はお互い、吸血鬼作品が原典じゃない(前作だと、僕はドラキュラ伯爵と戦ってたりはする
けど)。
それを補って「吸血大殲としてのロジック」も満たせるし、モブキャラ扱いの雑魚夜刀の神を出
して、好きな様に斃すなり殺すなり喰うなりも出来る。


勿論仮の案だから、異論反論等は是非欲しいな。
君の方にも「吸血鬼が居ても可笑しくない状況」があるそうだし、それも聞きたいし。
あ、それと質問。
「ツキノヨル〜」バージョンへの変化って、何か明確な切っ掛けとかあるんだろうか?

13 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/22(木) 23:50:44

>>12

 2001か……無かった事にしたいであろう作品、栄光の一位に輝ける……ああ、何でも無い。
 よく言われているが、一歩歩いて波動拳が練習にはなりそうな物だが。
 まあ、落ち着いて入力すれば案外簡単な物だ。
 と、これはさて置き。


 それはまた面白そうだな。モブに雑魚が居れば此方としては好都合だ。
 ただ、生憎これも原典知らず。それでも入手は可能だろう。
 これを詰めて行く方向で行きたいと個人的には、思う。

 此方の用意出来る状況はかなり特殊でな。
 相手を選ぶ上に、カプコン出身の奴にしか使えぬような手段。
 あの赤い魔物辺りにしか使えんのだ。残念な事に。

 血を求める鬼、ならば『ツキノヨル〜』で役割を果せる訳だが。
 これは少々ロジックとは違うしな。


 明確な切っ掛け……無いな。
 『オロチ』が存在する状況であれば、アレが血を活性化させる事で変化するが、
 それが無ければ血に酔うか月に狂うか。その程度の事が切っ掛けになるに過ぎん。
 変ってしまったのであれば、違いは楽に見て取れるのだが。
 

14 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 00:10:04
>>13
……引いてはいけないカードを引いちゃったのかな。くすっ。
素直に97も探した方がよさそうだね。
ああ、うん、そのアドバイスは有り難いんだけど。十年以上前にも同じ事を云われたような
記憶があるなあ。
いや、思い切りどうでもいいね。うん。


そうかい、気に入って貰えたのなら何よりだよ。
原典は、まあ然程知らなくても大丈夫だと思う。
――っていうか、凄い負担かけまくってるねえ。申し訳ない。

あ、そっちのは赤い悪魔用のなんだ。そう云えば、僕が順番を先取りしてしまったようなもの
だしね。

血に酔う、か。
夜刀の神と云う連中はね、とても死に難い。再生能力が強いんだ。
太陽光以外だと、「棒状のもので心臓を貫通させる」でしか滅ぼせない(この場合、服も含めて
灰、と云うか全て消えてなくなってしまう)。
成り立ての雑魚はそこまでではないけどね。

雑魚夜刀の神(ちんぴらみたいなのだと考えてくれていい)数人を相手取って、斃す為に必要
以上に攻撃を加えざるを得ず、相手を壊していく過程は「血に酔う」に当てはまるだろうか?
ついでにそれが、満月の夜ならば。

15 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 00:23:45

>>14

 投げっぱなしのストーリーが問題でな。
 KOFの売りである部分がどうしようもないのが、救えん。
 一人で遊ぶ分にはそれほど問題も無いだろうとは思うが。
 対戦格闘としてみると……だが。


 負担は構わん。貴様も同じ様な苦労があろう。
 導入に関しても任せてしまったような部分があるのだから。

 暴力的に暴れまわる事でオロチの血を活性化させるのは特に無理も無いだろう。
 暴力を嫌うのは、自身の内に眠る暴力を恐れているからと言う解釈も出来なくは無い。
 だからだ、必要以上に壊し続けていくと眠っていた暴力が表に出て来る。
 それを契機とすれば、自然だろう。望月の夜ならば余計に。

 所でその雑魚夜刀の神は、再生能力が多少強いだけで戦闘能力は
 一般人のそれと考えても良いのか?
 身体能力の向上などもあるのであれば、此方が傷付き殺す理由も作れる。
 それに、傷付く事で我を忘れていくと言う手法も取れる。
 一般人相手でもこれは出来るがな。
 

16 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 00:41:13
>>15
ストーリーは、そういうのは売りと聞いてるからねえ。
まあ、格ゲーに触れるの久し振りな人には、あんまり関係ないかも。くすっ。

あ、雑魚とは云え、夜刀の神の力やスピードは常人以上だよ。
数人掛かりなら、君でも少してこずるかもしれない。殺す理由には当てはまるね。

と云うか、序盤の対夜刀の神戦(と云っても数レス程度か)の雑魚は、僕が担当して動かした
方がいいかもしれない。
これは君のやり易い方で構わないよ。


それと、ばったり出会って即闘争、っていう遭遇戦よりは、最初から僕が八神庵本人を狙いに
行く方が面白いと思うんだ。……如何にも話を勝手に進めているようだけれど。

夜刀の神復活により、再び僕は鬼退治に手を染めるようになり、そこで夜刀の神などよりも遥
かに危険な存在、つまりオロチの血抹殺を依頼される。
依頼人は、オロチの血をを危険視する勢力かな。こっちの陰陽師の宗家辺りでもいいけど、何
かそれらしい相手に心当たりはあるかい?
いや、これで良いのなら、だけれど。

17 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:00:32

>>16

 如何に自分で貶めても、原典である事には変わりない。
 少しでも楽しんで貰えれば幸いだな。

 常人以上か。それならばやり易いと言えばやり易い。
 頭に血が昇りやすいからな。
 怒りで我を忘れオロチに飲まれてしまう、と言う手法も取れる。

 で、雑魚の担当か……知りもしない者が動かすよりは良いとは思うが、負担を強いるか。
 ある程度は此方でも調べ、出来れば五分は動かしたいと思う。
 数レスで済ませるのならその方が良かろう。
 それでも残りの半分は動かして貰う事にはなるな。世話を掛ける。


 いや、面白いと思う事をやってくれれば構わん。
 此方としても、単純に出会って殺し合うと言う方法では面白味に欠けると思っていた。
 まあアレは動いている物全てを敵と認識するのだから、此方から見れば遭遇戦にしか
 ならない訳ではあるが。

 そして問題の危険視する勢力だが……あると言えばある。
 が、その危険視する勢力の一員でもあるのが俺だったりもする。
 俺を殺してしまえば『オロチ』を封じられる者が居なくなってしまうのでな。

 そう言う事もあるかもしれないと言う範囲で考えれば、神楽と呼ばれる家系の分家筋の
 暴走で、そう言った依頼が入る事もあるかもしれない。若しくは草薙の分家筋かだな。

 ああ、もう一つ合ったか。『オロチ』の事を知った軍がある。
 俺の原典の中にある、世界中にネットワークを持つ傭兵の集団で組織された軍がな。
 そこから依頼が入る可能性もある。
 ただ、『オロチ』の事を知っているのならば、俗に呼ばれる三神器の事も知っている可能性が高い。
 まあこれも、上層部の暴走と言う形で済ませる事が出来るとは思うが。
 

18 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 01:14:37
>>17
いやいや、そもそも振ったのは僕だし、負担でもないから平気だよ。

そう云って貰えると助かる。うん、いざ闘争に入ってしまえば問答無用にしろ、前振りとして
例えば君のライブを偵察しに行って、先ずそこで接触・会話してみる、なんて案もある。
闘争はその後になるかな。
……多分長くなるけど。その分、互いのキャラ立ちは出来るし、闘争中の何がしかに繋げられ
るかもしれない。

成る程、候補になりそうな勢力は色々いるんだ。
僕が僅かなりとも確実に知ってるのは、神楽家かなあ。96か97だったっけ、にいた神楽ちずる
さんだね。

寧ろこっちの方の誰かを、君に担当して貰っちゃった方が良いかもしれない。
軽く掛け合いのような場面をね。手数をかけるけれども。

19 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:28:10

>>18

 ライブを偵察、接触……ふむ。
 長くなるであろうデメリットを考えてもリターンは大きいか。
 その案も捨てた物ではないな。

 例えば……妙な事件が頻発していて、その事件の殆どが化物の仕業としか考えられない物
 だったとすれば、夜に外を出歩くなと言う警告が出ていても可笑しくない。
 そんな中態々出歩く理由が、ライブだとすれば無理も無かろう。
 全ての事が一日で起きているなら、と言う事にもなるだろうが。
 いや、関係無いか。別口のライブでも入れてしまえば良いのだから。


 そうだ。その神楽だな。アレに極論を言わせてしまうのも良いか。
 オロチを封じた今でも、彼はオロチの血に苛まれている。
 それが今でも続いているのであれば、脅威は去ったのだから殺す、とな。

 少し考えてみよう。無理の無い範囲で、依頼の理由を。
 掛け合いは構わん。此方の原典だ。その程度は、な。
 

20 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 01:46:37
>>19
おっと失敬、また説明漏れだ。
夜刀の神連中はね、新興宗教「マゴーラカ教」というものを足がかりに増大していて、この団体
は世間的には「破防法認定を受けた武装テロ組織」と認知されてる。
警察と銃撃戦、なんてニュースが頻繁に取り上げられていて、夜間の検問があちこちで敷かれ
てたりもするんだね。

夜出歩く人は少ないだろうけど、ライブみたいな場合、熱狂的ファンはあんまり関係ないんじゃ
ないかな。
一般には、逆に「化け物云々」みたいな話が伝わってない状況なら特に。


うん、じゃあ悪いけど、そっちの手配の方はお願いするよ。
で、導入からの流れとしては……

・いきなりライブハウスのシーン。君弾く人、僕聞く人。
・ステージが引けて後、接触、会話。
・ここで僕の回想を入れる(依頼人が云々の掛け合い)
・その更に後、一人でいる所を夜刀の神に襲撃される庵→闘争、暴走
・ようやく二人の闘争開始へ


というのは如何だろうね? 仮案だけど。
修正・訂正・追加・削除等はどんなものだろう。

と云う辺りで、今夜はそろそろ時間切れっぽいなあ。

21 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/23(金) 01:59:32

>>20

 そう言えば化物云々は伝わっていないと言っていたか……失念していた。
 で、検問が敷かれていると言うのならば、警官も巻き添えにしてしまうのも面白そうだな。
 目立つ風貌で危険人物とくれば、止められるのも自然だろう。
 血を多く見ると言う点でも、使えない事は無い。


 導入に関してはそんな物だと思うが、書き出しは此方からで良いのだろうな。
 演奏シーンから入った方が自然なように思える。
 特に付け加えたいという物も無い。
 取り敢えず、時間のある時に書き出しておこう。

 時間か。ならば仕方あるまい。
 

22 名前:紫擾津那美:2005/09/23(金) 02:11:31
>>21
検問の警官も巻き添え、いいね。
そういう風に派手にするの、僕は好きだよ。

そう、初めは君のパートで先陣を切って欲しいんだ。
パンチの効いたベースを、是非お願いしたいなあ。

いや、時間の方は済まないね。
明日は恐らく来られないと思うけど、土曜は大丈夫だよ。何かあったらその時に。


あ、そうそう。会議室進行だから、別に急ぐ必要はないよ。
満足いくものが出来るまで、じっくりやって欲しいな。
では、お休み。

23 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:15

 時間に直せば日付が変わる頃、既に幕は開いていた。何組かのバンドが揃い、合同で開かれたイベント。
 爆音が木霊し轟音となり、それに打たれて震える紙屑の如く人は揺れる。
 その様子には悪酔いしそうで直視出来なかったりもするが、圧巻だ。

 この光景をどれだけの人間が上から、巻き起こした側として、見る事が出来るのだろうか。
 選ばれた数人とは言わないが、これだけの機会を持つ事が先ず無い。
 バンドをやっている人間の全てが見る事が出来ると言う物でもない。
 何かを犠牲にして音楽だけに打ち込んだ者だけが見る事が出来る、特殊な光景。
 そんな物が見たいが為に始めた訳ではないが、愉悦に浸れる瞬間かもしれない。

 そう言えば演奏中だったか。あまりに下らない為、余計な事を考えた様だ。
 演奏に集中するとしよう。失態を晒すのは御免だ。

 改めて音に集中すれば、馴染の深い系統の楽曲だった。名前など覚えてはいないが。
 地の底から這い上がってくるような叫びと、それを叩き落すかのようなドラムの音。
 二本のギターは怒りと哀しみ、歓喜と絶望。対になる感情を絶叫し続ける。
 それらが起す化学反応の結果混沌が生まれ、観客の喚声が加速度的にそれを速めているがその全てはバラバラだ。
 各々が好きに音を、声を出しているようにしか聴こえない。

 俺はその後を追う。本来メロディアスな曲なのだが、極力手数を減らして。
 冷たく固い音で、より一層破滅的な曲に聴こえる事だろうと言う狙いと、あまりの不出来に対する呆れを込めて。
 何時もは気になりもしないと言うのに、ピックのアタック音ですら今夜は耳障りだ。
 音の洪水を音楽としては聴かずただの音の集りだと思えば、テンポと共に加速する苛立ちも紛れるだろう。
 だがその行為は―――

 「――失格だな。ベーシストとして」

 零れる自嘲は轟音の中に沈んでいき、誰に聞き取られる事も無いまま音の波に潰された。
 どうせ他の何も聴こえはしない。此処に存在するのは俺のベースの音だ。
 ならば呟きには意味は無い。

 観客すら居ない、存在すらあやふやな、道化が踊る舞台は続く。
 果てはもう暫らく先だ。
 

24 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:33

 ライブも既に終盤。残すは後一曲のみ。それでこの寄せ集めとは別れられる。
 寄せ集め―――寄せ集めだ。演目も、メンバーも寄せ集め。
 偶々セッションし、一度だけ演って見ようと言う事で話が進み、演目は各自が好き好きに挙げた。
 そしてろくにスタジオに入らぬままにライブを当日を向かえ、結果はこれだ。
 全てはバラバラで、余りにも下らない音の寄せ集め。それでも耳が腐った客は喚声を上げる。
 その光景には吐き気を覚える。所詮――こんな物かと。

 俺が神経質過ぎるだけで、もしかすると他の奴には統率が取れているように聴こえるのかもしれないが。
 ――ハッ。自身すら騙せぬ嘘は吐くものではない、か。惨め過ぎる。余りにも。

 それにしても、これだけの人間が集まるとは思いもしなかった。
 なんでもテロ組織が暴動を起す可能性があるとかで、到る所で検問が行われたりしている。
 その煽りを受け、客の入りは少ないと思っていたのだが、八分は埋まっている状態だ。
 何の気兼ねも無くこんな場所に現れる事に危機感の無さが窺える。

 自分はそんな物に巻き込まれるはずが無いという浅はかな考え。
 ブラウン管の中の出来事は、自分の住む世界とは隔絶されていて、安全だと思い込む。
 他人の死を、自分の近くにもあるものだと受け入れられない。

 まあ、如何でも良い話だ。コイツらの誰かが死んだ所で、何の関係も無い。
 それに、一瞬の死と一瞬の快楽を天秤にかけた結果、快楽が勝ったのだからそれで良いのだろう。
 人間は享楽の中で生きていたい生き物なのだから。

 それにしてもこんな事を考えているのは、幾ら曲の合間とは言え流石に拙いか。
 演奏が最低のレベルで、観客の耳は可笑しく、そんな中での演奏。
 何かで気を紛らわせておかねば、演奏中に弦を引き千切ると言う暴挙に出かねない。
 それでも、後一曲で終われる。その曲さえ終われば、このライブも終わる。
 そう思って我慢しておくとしよう。そして、俺は俺の音を出すだけだ。
 幾ら寄せ集めで、最低の集りだとしても、俺まで最低な音を出す必要は無い。

 ヴォーカルが閉幕への狼煙を上げる。宣言は狂ったように呪詛を吐き散らす行為。
 ドラムがその呪詛を煽り、ギターは世界に彩りを与え、俺は淡々と後を追う。

 「―――Fuck」

 俺の声なのか、客席からの声なのか、ヴォーカルが吐き出したのか。
 それすらも分からないまま、果てへと向かって疾走が始まった。
 

25 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:12:48

 後十秒もすればこの曲も終わる。それでライブも終わる。この寄せ集めも、解散だ。
 周囲を見渡す。何故コイツらは満足げな表情を浮かべていられるのだろうか。
 音楽とは決して言えないような音の寄せ集めで満足出来るとでも言うのか。
 馬鹿馬鹿しすぎて、思わず力が篭る。お陰でピックが折れた。まあ、どうせこれで捨てるつもりだったが。
 弦を千切らなかっただけ、マシだと思う事にしよう。

 ベースへの集中が途切れた所為か、周りの音が鮮明に聞こえるようになった。
 バラバラで、聴くに堪えないのは分かりきっている。

 ならばと思い観客の方へ耳を向ければ、観客の喚声は止まる事を知らずそれが終わりを告げる
 鐘だとは気付いていない。
 喚声が大きくなればなる程、喚声に熱が篭れば篭る程、終わりは近づく。
 結局この客は目当ての奏者の演奏が見られればそれで良かったのかもしれない。
 音を聴くのではなく、演奏が見たいだけと言うのは面白くは無いが、それが現状だ。
 俺にも多数の視線が集まっているのだから、否定のしようも無い。

 少し視線を降ろしてやれば、それだけで喚声が上がるなど……俺は何時アイドルになったと言う。
 心地良いと感じる奴も居るのだろうが、今夜の演奏で受ける賛辞は屑にも劣る。
 それでも客席を見渡す。その中で酷く目に付く奴が居た。

 壁に背中を預ける様に、白髪の男が立っている。
 その出で立ちはこの場には不釣合いで、つい視線を囚われてしまった。
 目が合ったと思ったが、気の所為だろう。男は興味が無いかの様に横を向いている。


 そして、漸く舞台の照明が落ち、辺りは完全な闇へと包まれる。
 この暗闇は心地良いが、道化は早々に舞台から降りねばならない。
 下らない演奏しか出来なかったのだから、本来ならばこの場に上がる事すらおこがましい。
 此処は良いライブをやれる人間だけが上がれる場所なのだから。

 控え室にベースを仕舞い、誰とも会話もせぬままに外に出る。
 夜風は涼しく、あんなライブでも火照ってしまった身体と思考を冷ますには丁度良い。
 星は見えないが、夜空に月が映えている。

 暫らくこうしているのも悪くは無い。
 

26 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/24(土) 17:15:38

 夜に時間が取れるか、少々微妙だったのでな。
 今の内に挙げてしまって置く。
 何か問題点でもあれば言ってくれ。修正に応じよう。

 一応無理のない範囲で接触出来るようにして置いた。
 バックステージにはパスが無いと入れなかったりもするからな。

 それでは、夜に会えれば。
  

27 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 00:17:13
>>26
失礼、遅くなっちゃったね。

うん、僕の方には何の問題もないよ。接触できる状況を整えて貰って、助かったし。
じゃあ次は、お月見状態の君に声をかける、という所かな。
明日の夜までには、上げられると思うから。

28 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/25(日) 00:32:05

>>27

 なに、此方も漸く来れた所でな。遅いなどとは微塵も思っていない。
 それではそれを待ちながら、神楽の方でも考えて置こう。
 

29 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 22:08:59
>>

 赤髪の男が月を仰ぎだしてから、どれ位経ったかは判らない。
 夜風の中に、幽かな歌声が混じり出した。
 数分と経っていないようでもあったし、また永劫に近い間隔が空いていたようでもある。
 どちらでも良いのだろう。月の下で流れる時間は、何処でもこうだ。
 それは常に蒼く、静かで、そして緩やかなのだった。


 月がとっても 青いから
 遠まわりして 帰ろう


 低い声で口ずさみながら、靴音もゆっくりと近づいて来た。
 路地の奥から来たようでもあったし、またそこよりもっと昏い――別の闇から訪れたようでも
ある。
 ただ、蒼い月の光はその人影に吸い込まれ、また撥ねられていた。

 ――光も闇も吸い込んでいるのは、長身の影が纏ったインバネスだ。
 色は紫紺。古代の地中海世界において、紫の装束は帝王のみ着用を許されたが、それを思わ
せる生地の深みである。
 闇に染まらず、月光を弾いているのはその髪だ。顔だ。

 背まで流れる髪は白い。いずれ春になれば溶けるのかと、不安を呼ぶ北国の雪のように。
 白蝋で出来ていると云われても寧ろ納得してしまいそうな相貌の刻み手は、不世出の彫刻家
の、それも渾身の腕だろう。
 他の色全てを穢れと断じるかの如く、白は白いと云うだけで孤立する。
 二十代と思しき冷たい美貌には、しかし寂しげな陰翳はない。
 生まれた時から一人だったと、事も無げに云いそうだ。聞く者もそれを是とするだろう。
 この古く明るい調べを、かくも密やかに歌えるのならば、と。


 腕をやさしく 組み合って
 二人っきりで さあ帰ろう


 歌声は止み、靴音も止まった。男の手前、五メートル程の所で。
 冬の湖面に似た瞳が、漸く先客に気づいたかのようにそちらを見た。

「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」

 そう云って、紫がかっている唇がくすり、と笑った。

30 名前:紫擾津那美:2005/09/25(日) 22:10:24
>>28
お待たせしたね。
この歌詞はまあ、一番全部じゃないし大丈夫かな?

会話の方は、どう落とそうかとか、全然考えてない行き当たりばったりで進めてみようかな。
くすっ。

31 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/26(月) 00:25:06

>>30

 済まない。確認が遅れた。
 歌詞は一部引用の範囲だろう。恐らく大丈夫だ。

 会話は……ある程度で俺が立ち去るのも一つの手だとは思うが。投げっぱなしだが。
 まあいい、出来るだけ早く貼れるように善処する。
 

32 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/27(火) 01:56:43

 一人きりの静かだった空間に声が響く。
 その声から酒の匂いを感じ取る事は出来ず、場違いな音でもないのだから容認する。
 今宵の月は蒼く、雲の一つも掛からず、正円を描き、全てを照らしている。

 月を見上げているだけで身体が熱くなる。こんなに良い月であれば仕方が無い。
 蒼い光は凡そ殆どの物を染め上げているが、赤い髪や赤いパンツは攻撃的に色を跳ね除け、
 黒のジャケットは黒と言うだけで他の色を拒絶する。
 辛うじて黒いジャケットに白く抜かれた二十三夜月だけが、唯一光を吸っているのではないだろうか。


 ―――歌声が途切れる
                              熱が高まっていく―――



 「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」


 響いた声音はあの歌声の持ち主だろう。
 嘲るかの様な声音だが、それも仕方のない事だと受け入れてしまっている。
 位置は大体5メートル。飛び掛れば一息で殺す事が出来る距離。
 ライブ中のアレ、か。コイツの方がよほど感心がなさげだった気もするが。

 それよりも、間近で見る事で改めて容姿に目を奪われる。
 白い髪、白い肌、顔の彫りは中性的で熱を感じさせない。そしてそれらを包む紫紺の衣。
 例えるならば動く彫像だろうか。この世に在ってはならない美貌。
 だからこそそれは拒絶され、この蒼い光の中でも色を変える事がない。

 それは酷く孤高で、孤独で、絶望的ではないだろうか。
 幾万と居る――屑ばかりだが――人の中で誰と交わる事も許されない。
 関わりを自ら断つのではなく、関わりを他者から断たれる。
 それはとても、寂しい事なのかもしれない。まあ、如何でも良い話ではあるのだが。

 如何でも良い序でだ。
 二言、三言と言葉を交わしてみるのも悪くはないか。
 少し話せばこの体の熱も、消えてくれるだろう―――


 「……何の用だ。態々興味のない物を見ていたくらいだ。何かあるのだろう?」


 ―――とは言ったものの、他者に接する方法を持たないのだから憎々しげになるのは仕方ない。
 それに何か裏がありそうなこの邂逅の意味を知るのも、何かの役には立つだろう。
 

33 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/27(火) 02:00:21

 書き上げさせて貰った。本当に、会話は何処に落とした物か。
 必要な事を聞き出せない為、俺が立ち去る事になりそうな物だが。

 まあ良い、進める内に見つかるだろう。
 

34 名前:紫擾津那美:2005/09/29(木) 03:15:18
>>

「何の用だ、なんてひどいなあ。ファンがスターに会いに来たんじゃないか」

 黒い革手袋に覆われた手を口に当て、白い青年は忍び笑う。
 その艶やかさは異常ですらある。その気のない男でも陶然となりかねない。
 女なら嫉妬するだろう。なぜこの鼻梁が、この唇が自分に備わっていないのか、と。

「とは云っても――君のライブを拝見したの、今夜でまだ三度目だけれど、ね」

 相手の仏頂面を頓着する風もなく、ついでに俄かファンである事も露呈した。
 そもそも一面識もないファンが、贔屓のスターに取る態度ではなかったが。


 白い青年と相対する赤い髪の男。――人によっては、両者が漂わせる雰囲気を近しいものと捉
えるかもしれない。紅白は違えど、他者を寄せぬ怜悧さという点においてだ。
 見る者が見れば、少なくとも赤髪の方に関しては、それが誤りである事を知るだろう。
 火傷と凍傷が、現象としては似通ってしまうのと同じだ。見かけだけは冷たい青い火が、実
は赤い火を凌ぐ高熱であるように。

 赤髪の男の何処かで、青い――否、紫の炎は燃えている。
 それは他者より先、己を焼いている。


「期待していたんだよ、今夜は。面白いものが見られるんじゃないかと、そう思ってたのに。
 全然テーマが聞こえて来なくて、がっかりしちゃった」

 こつりこつりと数歩だけ、白い青年は足を進めた。
 人も通わぬ廃屋の、閉ざされた古い扉を叩くような足音。その一歩ごとに、美しすぎる笑み
は深くなった。

「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」

 優美な仕草で上げられた人差し指が、中天を指した。
 月も笑っている。凝視し続けていると、自然と背筋が粟立ちそうな光であった。

35 名前:紫擾津那美:2005/09/29(木) 03:19:08
>33
あんまり先々を何にも考えないのも、ちょっとあれかな、くすっ。

じゃあこちらとしては、何かを聞き出すというか、人となりを知ろうって感じなので……何とな
く怪しげで思わせぶりな事でも云って、ふっと消えようか、僕の方で。
ああ、君が立ち去るのでも良いよ。

36 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/30(金) 01:55:06

 彫像の形が歪められ、微笑の表情が刻まれる。
 月明かりの所為なのか。酷く妖艶で、こう言っては何だが、見惚れた。
 例えるならば月の女神が地上に降り立ったのかの様。
 女がこの場に居ればその妖しさに恋心を奪われるか、嫉妬の炎を燃やすか、どちらかだろう。

 風に乗る艶やかな声は聞こえてはいるが、それを言語として認識しない。
 何かが壊されていく感覚。それは眼前の男の所為だけではないだろう。


 ―――月。


 男よりも一層妖しく、一層艶やかな色彩と正円。しかしそれは全てを拒絶する。
 俺と言う人間を必死に繋ぎ止めている理性すら拒絶され、本能の檻を解き放とうとする。
 眠っていたものと今まで起きていたものが軽く交錯。
 憎々しい顔付きになったのは、男の言葉が気に入らなかったのか、本能を恐れたのか。
 恐らくは後者だが、前者だと言う思いに掏り返る。

 己が内に篭ったお陰で壊れていく何かを繋ぎ止める事が出来た。
 お陰で言語は認識でき、気に入らない発言まで聞く事ができる。
 ……コイツは何を考えている?

 相対する男。足取りは軽く、現実に存在するのかすら疑わしい。
 蝶の如き振舞い。蜘蛛の巣に囚われ様とも、蜘蛛の方が喰うのを躊躇うだろう。
 それほどまでに冷たく、何かを超絶してしまっている。
 壊れている―――何故か、そう感じている。


 「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」


 その声と共に男から視線を外す。心に既に焼き付いた虚像の月。
 それを払拭し、新たに焼き付け、吐き出す。

 「ハッ……他者に期待しても意味など無かろう。それに―――既に貴様は浮いている」

 少しだけ歩く。男の香気に当てられたのか。それとも―――ただ壊したくなったのか。
 歩く度に深くなる血の疼きもまた、月の所為か男の所為か。
 

37 名前:孤高の紫炎 ◆Iori/GPRcE :2005/09/30(金) 01:58:16

>>35

 見切り発車の終着駅も作ってやらねばならん、か。

 それならば俺の去り際に一言でも良さそうだな。
 怪しげな一言は引きに使えない事も無いだろう。
 手間を考えてもそう変わらんだろうしな。これは。
 

38 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 01:46:53
>>

 美貌の口元が更にほころぶ。
 歯列が露になった。白い美に彩られた中で、最も白い部位である。

「君もさ」

 そう云い捨ててから、「浮いているのは」とつけ加えた。

「人間は臆病な生き物だからね。少しでも自分達と違う者には我慢ならないんだ。
 だから“彼等”は、そいつを浮いているって事にして漸く落ちつくのさ」

 自分以外を全て“彼等”と、青年は他人事のように云う。
 こつり、と音を立て、彼我の距離が一歩分縮まった。

「髪が赤い、髪が白い。何だっていい、異物扱い出来るなら。――例えば」

 もう一歩。
 相手の苛立ったような素振りを知ってか知らずか、涼しい声で青年は続けた。

「そう、例えば――血が蠱(まじ)ってる、なんてのはその最たるものだよ、ね」

39 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 01:47:57
>>37
何はさて置き、お詫びを云わなきゃいけないね。……済まない、本当に。

半年近く止めておいて何なのだけれど。未だ付き合ってくれるのならば、そうして貰えたら
嬉しい。
もし「モチベーションが下がったのでちょっと……」という事で中止なら、それも止む無しと、
そう思っているよ。

40 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/02/19(日) 02:07:16

  久しいな。

  近日中に……いや、暫らく掛かるかもしれんが続きは上げさせて貰おう。
  またと無い機会となる可能性もあるのでな。
  まあ、気長に待っていてくれ。
 

41 名前:紫擾津那美:2006/02/19(日) 02:23:25
>>40
やあ、これはまた素早い。

付き合って貰えるみたいで、ありがとう。
待つよ、何時まででも。

42 名前:◆4ypZOMBIEQ :2006/02/28(火) 03:10:17
ちょっと場を借りるよ。

>>


「うん、そうだったね」

涙に濡れた切っ先を一振りして弾き飛ばし、
自身は彼女の視線と同じ高さに来るように膝を折って。
他人事の様に、肯き返す。

「ずっと走り続けてきた。
. 走って、走って、転んでも、這いずってでも。
. だから、今だって止まれないんだ。
. 先に何があるかなんて知らない。
. 大丈夫だよ、セラス。私の中に諦めは存在しない」

―――だからこそ、救い様が無いのだけれど。

「心を砕かれようと、魂を砕かれようと、私は私として此処に在る。
. 私は私の意志で前へと進む。
. 操り人形には絶対にならない。だから―――」

閉じた瞳の向こうにいる、彼女はどんな表情をしているのだろう?

「選ぶんだ、セラス。
. 敵対の方法を。
. 私は世界を憎悪する。私は私の意志で、世界を終わらせる。
. あんたのマスターは世界の狗として在る事を選び、結果そこに斃れた。
. あんたは、どうしたい?
. 私の瞳には炎しか宿らない。木漏れ日のごとき慈愛は神の棲み家たるこの場所で灰燼と帰した。
. 救いは既に此処にない。それでも私を救おうと願うなら、私の世界を終わらせるしかない。
. さあ、覚悟を決めろセラス・ヴィクトリア。忘れたのか?」

瞳を開き、かつての後輩をしっかりと見据え、私は彼女に決断を迫る。

「あんたの中にある、銃爪を引かせるその力は、誰の為のものなんだ?」 

43 名前:◆4ypZOMBIEQ :2006/02/28(火) 03:25:58
も一回。



>>


頬を打ち抜く一撃。
本当なら眼から火花が飛び出るほど痛いんだろうけど。
痛みはない。
でも、そんな事はどうでもいい。
今、大切なのは――

「私が歳? あははっ、そう言うセラスは――」

  ――後方へ押し流される身体をぐっと踏ん張って堪え、
  ――腹筋と背筋を駆使して体勢を立て直し、
  ――反動をつけてお返しのパンチ。

「いつになったら保護者なしで出歩けるようになるのかな!?」

生意気な後輩を張り倒すこと。

44 名前:御坂美琴 ◆MISAKAR6VE :2006/03/06(月) 02:45:10
「―――不満かね?」

珍しい―――本当に珍しい事に、その沈黙を破ったのは、この不気味な部屋の主人であるアレイスターからだった。

「当たり前だ。今回ばかりは、オレは本気でお前のしょうきを疑っている」

闇の中から姿を見せたのは、長身にツンツン金髪、サングラスと丸っきり不良のような体裁をした少年。
彼の名は、土御門元春。
学園都市ちょうのうりょく)イギリス清教まじゅつ)の間を行き交う二重スパイである。

あんな組織燦月)なんぞに妹達シスターズ)の一体を提供する、だと!?
冗談にしても笑えないぞ、アレイスター!!」

ドガン! と。
全くの手加減抜きで振り抜かれた土御門の拳が、強化ガラスの円筒に撃ち付けられる。

「……今更憤った所で、君には分かっているのだろう?
私の行動動機が何であるか、そしてその詳細を君に話す事を私がするか否か、などというのは」

自らの納められた容器に対する攻撃を歯牙にかける様子も無く、アレイスターは呟いた。

「ああ、判っているとも。こいつも『手順』の短縮の一環だと言うのだろう。
お前はあの燦月製薬という会社が何によって成り立っているか、、、、、、、、、、、、、
燦月の研究所ラボ)に送られた御坂美琴の妹達シスターズ)
どういう目に合うのか、当然知っていて取引を行った。そうだろう。
そんな事は判り切ってるんだ。だがそれでも、オレにはお前の行動が解せんのだ」

そこまでを一気に捲し立てた後、土御門は一旦言葉を切る。

「……お前の予定では、あの妹達シスターズ)を世界中に拡散させる事こそが目的だったはずだろう?
その手駒の一つをむざむざ台無しにせんとすることに、何の意味がある、アレイスター」

「君はこれで何度、私に同じ問いをしたかね? そして私がその問いに、常にどんな回答を示してきたか、
忘れるほどに呆けたかね? 土御門元春」

全く変わらない、そう、腹が立つほどに調子の変わらないアレイスターの声に舌打ちし苦虫を噛み潰すような顔をして、土御門は応える。

「……、いずれ、わかる、か。それも聞き飽きた」

そう吐き捨てる様に呟き、円筒に背を向ける。

「なら、オレがこれからどう動くかも当然分かっているだろう。さっさと空間移動能力者を呼び戻せ。結標以外のな。
アイツは此処の所危なっかしくて仕方がない」

「ああ、何時もの様に踊ると良い。君の機嫌からして、今回は特別派手になりそうだな」

アレイスターの言葉と同時に、空間移動能力者が建物内に音もなく転移してきた。


―――かくて、歯車は回り始める。
『学園都市』を離れて遥か遠く、山陰の小さな町の中で。
二人と一人の少女の、とても数奇でとても残酷な運命の歯車が。

45 名前:なめんなよ、この名無し:2006/03/06(月) 22:51:56

名無しクドラクvs名無しモロイ

>>


 ――死を忘れた夜族(ミディアン)達にとって、退屈こそが全てに勝る敵である。
 眷属である六匹の狼に牽かせた戦車(チャリオット)の上で、生ける死者(モロイ)の令嬢はそんな益体もない事を考える。
 今宵は年に一度の人狩りの夜。父である邪な不死者(ノス***トゥ)と共に此度の祭りに参列した彼女は、
獲物のあまりの不甲斐なさに退屈を隠し切れず、無言のまま手にした握りをつけただけの有刺鉄線で周囲の石を
抉り、全身で不機嫌さを表現していた。
 お気に入りである黒のイヴニングドレスに似合う様な素敵なダンスパートナーも、持ち出したヴァイオリンの
音を引き立ててくれる様な絶叫(うたごえ)の持ち主も現れない。

 引き揚げるか否かを思案し始めたその時、

 歌が聞こえた。
 伸びやかなテノールが奏でるのは唾棄すべき聖歌。
 とても、不愉快な。

 あれは(・・・)黙らせなくてはならない(・・・・・・・・・・・)

 歌声を頼りに街の中央へ向かって戦車を走らせる。

 行き着いた先にある公園の中央で、不愉快な聖歌の歌い手は紫煙を棚引かせながら静かに佇んでいた。
 その男は乾いた瞳でこちらを睨め上げると、淡々と侮蔑の文句を投げつけて来る。

 ――この、男は。

「貴方、不愉快だわ」

 最早機嫌は最高に最悪だ。
 この不快感を堪えるなど、誰が出来よう。

 生まれてまだ百年と経たぬ生ける死者(モロイ)の令嬢は、頭に血を上らせたまま戦車から降りると、
手にした有刺鉄線を振り上げ、男の足元へと振り下ろす。


「死んで頂戴」

46 名前:名無しモロイ(M) ◆m6gPuppetA :2006/03/06(月) 23:04:17

名無しクドラクvs名無しモロイ

>>


 ――死を忘れた夜族(ミディアン)達にとって、退屈こそが全てに勝る敵である。
 眷属である六匹の狼に牽かせた戦車(チャリオット)の上で、生ける死者(モロイ)の令嬢はそんな益体もない事を考える。
 今宵は年に一度の人狩りの夜。父である邪な不死者(ノスフェラトゥ)と共に此度の祭りに参列した彼女は、
獲物のあまりの不甲斐なさに退屈を隠し切れず、無言のまま手にした握りをつけただけの有刺鉄線で周囲の石を
抉り、全身で不機嫌さを表現していた。
 お気に入りである黒のイヴニングドレスに似合う様な素敵なダンスパートナーも、持ち出したヴァイオリンの
音を引き立ててくれる様な絶叫(うたごえ)の持ち主も現れない。

 引き揚げるか否かを思案し始めたその時、

 歌が聞こえた。
 伸びやかなテノールが奏でるのは唾棄すべき聖歌。
 とても、不愉快な。

 あれは(・・・)黙らせなくてはならない(・・・・・・・・・・・)

 歌声を頼りに街の中央へ向かって戦車を走らせる。

 行き着いた先にある公園の中央で、不愉快な聖歌の歌い手は紫煙を棚引かせながら静かに佇んでいた。
 その男は乾いた瞳でこちらを睨め上げると、淡々と侮蔑の文句を投げつけて来る。

 ――この、男は。

「貴方、不愉快だわ」

 最早機嫌は最高に最悪だ。
 この不快感を堪えるなど、誰が出来よう。

 生まれてまだ百年と経たぬ生ける死者(モロイ)の令嬢は、頭に血を上らせたまま戦車から降りると、
手にした有刺鉄線を振り上げ、男の足元へと振り下ろす。


「死んで頂戴」

47 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:07:58

  時間に直せば日付が変わる頃、既に幕は開いていた。
  轟音が轟音を呼び、客席からはその轟音にも勝る声がする。
  半狂乱の聴衆達。その様は一種の地獄の様で、個を喪失した聴衆は一体化した蟲にし
 か見えない。

  危機感の無い奴等だと、ステージに立った瞬間に思った。一夜の宴の為に命をベットす
 る事が出来るのだから。
  現在の情勢は非常に不安定だ。連日連夜テレビではテロ組織による犯行と見られる最
 悪の暴力が映し出されていた。死傷者の数は覚えてはいない。が、その暴力の傷跡は酷
 く痛々しい物だった。
  その凶行は無能な警察や国家権力では止められる筈も無く、今でも続いている。一応、
 意味の無い検問や夜間の外出を控えるようにとの通達が出ている。それはその程度の事
 で止められると願っているからか、それともこの国が如何なろうと知った事ではないのかは、
 定かではない。

  それにしても、詰まらないステージだ。

  個々の演奏はとても息が合っているとは言えず、それに気付きもしない愚かな観客。煽動
 者である俺達は寄せ集めに過ぎず、一夜限りの為に結成された道化と言っても過言ではな
 く、その一員である事に吐き気がする。
  そのお陰か人間味が薄れていくような感覚が止らない。ベースを奏でている筈の腕は既に
 自分の物ではなくなってしまったようだ。ただメロディーを追うだけの壊れた機械。苛立ちを覚
 えるが自分の意思で制御出来ないのだから、仕方が無い。

  次第に思考まで虚ろになり、聴こえる音は自身の鼓動だけ。
  最近では感じる事が出来ないほど小さな波だった血の疼きが、はっきりと感じられる。
  視界が暗くなる寸前に、壁際に立つ誰かを見た。

  その誰かは興味が無いかの様に佇んでいる割に、不敵に微笑んでいた。
  白い髪が、白い肌が強烈に目に焼き付き、脳髄に刻み込まれる。
  目が合った様な気がするのは気の所為だと思う一方で、これから交わるであろう縁を感じて
 いた―――
 

48 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:08:54

>>

  ―――気付けばライブは終わり、控え室へと戻って来ている自分。
  過去にもこんな事は多々あった為に今では気にも止めないが、最近では減って来てい
 た筈だ。アレ以来―――オロチを封じて以来、記憶が飛ぶような事は無かった。それが今
 になって起こると言う事は、昨年のアレが原因なのだろう。

  心臓が震える。
  まるで、オロチと言う言葉に反応したかのように。

  「……ッ……」

  ざわめく鼓動。
  大きくなる血の疼き。
  血への渇望もまた、鎌首を擡げる。

  「……ハァ……ハァ……」

  苦しい。
  苦しい。
  クル、シイ。

  「……クッ……」

  紅い血が、零れた。
  黒い血も、零れた。


  暫らく夜風にでも当たるとしよう。
  夜空には星は無く、月だけが浮かんでいる。

  今にも落ちてきそうな月は、何を示しているのだろう。
 

49 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:10:11

>>

  一人きりの静かだった空間に声が響く。
  歌声は風に乗り、体を撫でるように通り過ぎて行く。
  「悪くない歌声だ……」そう一人呟き、空に浮かぶ月を見上げる。


  真紅の―――血染めの月だ。


  胃の奥から沸き立つ血の香りに酔いながら、悠然と浮かぶ月を見る。
  鮮血を溶かし込んだような紅い月。
  その光を受ける手足は、血に染まったかのように錯覚してしまう。


  ナニモカモガ、アカイ。
  カラダガ、アツイ。


 「帰らないのかい? つまらないライブも終わったのに」


  自分の中の「異物」に取り込まれる寸前に、言葉が響く。
  助かったなどとらしくも無い安堵を抱き、声が響いた方向へ目を向けると、そこには
 類稀なる美貌の見本とでも言うべき彫像があった。何処かで見かけた記憶がある。が、
 思考にノイズが掛かり、目にした事があるのか無いのかも解からない。


  意識の底に落ちていく感覚。


  飲み込まれる前に、「俺」を掴む。
  細く細い、蜘蛛の糸の様なそれを。


 「……何の用だ。態々興味のない物を見ていたくらいだ。何かあるのだろう?」


  少しだけ落ち着いた様な気分になるが、所詮仮初の物。
  今夜は早く独りになるべきだろう。
  俺が「俺」で在る内に。
 

50 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:11:23

>>

  彫像のような造形美を誇る男も笑うのだな、などと下らない事を考えながら、ただ目
 の前にあるものを凝視する。
  月明かりの所為なのか。肌の下、肉の合間を流れる血液すら凝視出来る様な感覚。
  離れていても体温まで感じ取れるほど、神経が暴走している。

  それでも、神経は凍り付いていく。
  この月の女神すら裸足で逃げ出すような微笑は、絶対零度の微笑とでも言うべきだ
 ろう。全てを凍らせ、打ち砕いていく。そんな笑みだ。
  しかし、芯には炎の息吹が感じられる。紅く、赤い、今夜の月のような炎が。


  視点を変え、空を見上げれば未だ望む血染めの月。


  眼前の氷の微笑とは正反対に、この月は―――アツイ。
  まるで体の奥底に眠る、忌々しい「血」を目覚めさせるような波動を送り続けてくる。
  凍りついた神経が熱に犯されていく。

  一歩、また一歩と歩を進める。
  相対する男も軽やかな足取りで進み、何時か軌跡は交わるだろう。


               そのときに果たして
             オレハオレデイラレルノカ?


  その思いを掻き消すように、風に流れて声が響く。

  「何せね。――ほら、こんな夜だもの。誰だって浮かれちゃうだろう?」
  「ハッ……他者に期待しても意味など無かろう。
  それとだ―――既に貴様は浮いている」


  これ以上近付かない事を心の何処かで祈りながら、吐き棄て、月を仰ぐ。
  変わらぬ色は心を惑わせ、昂ぶる血は神経を蝕む。
  血が―――ミタイ。
 

51 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:12:27

>>

  本来穢れの無い白である筈の歯も、今の俺には紅く見えてしまうようだ。
  髪も紅く、肌も紅く、着ている物も、何もかもが、紅い。
  鮮血に彩られた彫像はまた一歩、一歩と近付き、手を伸ばせば触れられそうな距離。

  「そう、例えば――血が蠱(まじ)ってる、なんてのはその最たるものだよ、ね」

  紡がれる旋律すらも紅く聞こえている耳を落としたい。


  ―――紅い。
  ―――アカイ。


  一歩踏み出し、更に一歩踏み出す。
  男の横に並び、呟く。

  「黙れ」

  また一歩踏み出す。
  漸く紅く染まった「人間」を見なくてすむ事に安堵し、

  「屑どもに如何に見られようとも、俺や―――貴様の様な人種には関係あるまい」

  そう呟いて空を仰ぐ。
  双眸は閉じたまま、それでも浮かぶ―――アカイツキ。

  「まあ、これは如何でも良い」

  心臓の脈打つ音が、五月蝿い。

  「貴様は、何を、何処まで知っている」
 

52 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:17:26

  およそ二週間か。待たせたな。以前書いた物が気に入らなかった為書き直しに時間が
 掛かった。まあ、どちらかと言えば『暴走』に到るまでが弱いだろうとと思ったから書き直し
 た、が正解なのだが。
  大筋は変えていないのでそちらに干渉する事は無い筈だが、念の為貼り付けておいた。
 >>47-50までがそれに当たる。

  で、>>51>>38に続く形となる。
  時間のある時にでも考えておいてくれ。焦る必要は無いのでな。
 

53 名前:紫擾津那美:2006/03/12(日) 04:15:15
>>52
ああ、修正については了解だよ。
僕の方は、特に直す必要はないみたいだね。

色々と考えたのだけれど、僕の次レスで何か挑発的な事を云って、そっちのターンで君がキッ
と僕の方を見るか、さもなければ思わずカッとなって攻撃をしかけるとあら不思議、僕の姿は
何処にもない。
みたいな形でこの導入部は締め、ってのはどうかな?
どうやって消えるのなんて訊かれても、僕だって判んないけどね(何

勿論君の方で、何かこうしたいっていう落とし所を考えているなら、それで構わないから却下
するよ。
という返答をするにも時間とっちゃって、全く申し訳ない。

54 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/12(日) 17:32:34

>>53

  導入の締めはそれで良いだろう。
  と言うか、何だ。俺もその流れに持ち込もうとしていたからな。
  まったく問題は無い。

  時間は……気にするな。
 

55 名前:紫擾津那美:2006/03/13(月) 01:59:42
>>

「そっちの台所の事情まで押さえているんだぞ、って感じかな」

 とぼけた口調で云い、青年は傍らの男と同じ場所を見上げた。
 再びくすくすと笑う。

「嘘うそ。僕は何にも知らないよ。知っている事といったら、さっきから君が何かを我慢してい
るって事位さ。……トイレじゃないよね?」

 からかう青年の声は、やや強くなってきた夜風の中に混じっていく。

 もし見ている者がいたとしても、赤髪の男の危険さは判らなかったに違いない。
 それは弾性に富む金属をたわめているような危うさだった。静物と見えながらも、いつ弾け
るかの判断などつかない。
 白い青年もそれを知っていた。
 知っていて猶、致死量には達しない程度に幽かな、しかし確かな毒物を声音に混ぜていた。
――嘲りという名の毒を。


「良くないね、我慢は良くない。フラストレーションを溜め込んで自爆しちゃうのは、現代人の
罹りがちな心の病だ」

 視線を上に遣ったまま、囁くように云う。
 満月の元にあって、光を纏ったその笑みは横倒しにした三日月の形をしている。

「好きに振舞ったらどうだい? したい様に、思う様に世界を造り替えてしまったら?
 君が触れて、視て、感じている“色”のままに」

 微笑はそのまま、月を臨む青年は何一つ感情の篭らぬ声で呟いた。
 降り注ぐ光が音声に変わったようであった。


「君にはその権利がある。そう、君は『全ての蛇の王』の――血の裔なのだから」

56 名前:紫擾津那美:2006/03/13(月) 02:01:48
>>54
あ、それは好都合でよかった。
では、そちらのリアクションをお願いするよ。

57 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:49:50

>>

  背中からは飄々とした声が響き、夜風はそれを掻き消すように流れ行く。


  ―――セキズイニヤケタテツガササル。


  その声には少量の毒と多量の嘲りが含まれ、着々と苛立ちが募るが聞き流す。
  未だ必要とする情報は聞き出せていない。
  三味線を引かれた真実などは不要でしかない。ただ必要となるのは、明確な境界線。

  敵か、それ以外の何かなのか。
  それだけでしかない。


  ―――ドクムシガハイマワルヨウニ。


  この場でこの男を殺してしまいたい衝動。
  しかしそれは最も忌むべき暴力でしかなく、必要以上に振るう気は無い。


  ―――メニヤキツイタアカイツキ。


  揺らめく自身の境界線は沸騰したかのような血液に溶かされ、天秤は壊れてしまった
 かのように、本能の方へと傾いていく。
  もしこの世に神と悪魔が居るのならば、この男は悪魔が作り出したのだろう。
  それだけ体を、神経を、犯して行く―――嘲り。


  ―――モウヒトツヤキツク、



  耳元で囁かれたかのように、鮮明に、脳に響いた、言葉。

 「君にはその権利がある。そう、君は『全ての蛇の王』の――血の裔なのだから」



                                         ユカリノホムラ―――
 

58 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:50:33

>>

  気付けばそこに居た誰かを殺める為に伸びる、紫炎と腕。
  紅い月の光の中でも色を変える事の無い、八神一族に根付く―――血の楔。
  それでも忌わしきこの色は、紅蓮の炎を纏うよりも遥かにマシではある。


        また一人背負うだけだと、
                       諦めにも似た感情が、
                                    湧いた。


  が、そこに男は既に居ない。
  どんな手品を使えばそのような現象が起きると言うのか。
  行動に移すまでの時間に消えたと言うのならば、これは悪い夢なのだろう。
  何故なら―――言葉を言い終える前に、既に俺は動いていたのだから。

 「フン……まあ、良い」

  誤魔化しだと、我ながら厭きれつつ見上げる月。

  その色は―――蒼。

  違和感に気付く事も無く、ただ帰路につこうと思った。
  帰る道など、既に無かったと言うのに。


  ―――物語るは紫炎。燻り続けるそれは、手に残ったままだった。
 

59 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/17(金) 01:55:46

  待たせてしまったな。
  でだ、こんな所で良かったか?
  適当に消えて貰った事にしたが、不満があれば聞く。遠慮無く言え。

  で、次の展開だが……貴様の回想、だったか。
  神楽を使うのに都合の良い理由が新作のお陰で出来た為、当初の予定通り進める事は
 可能だが、その場合そちらのアクションを待ってからとするか如何かが問題か。
  無論、俺から進めた所で問題は無いが、その場合どの様な展開が望ましいかだけは聞
 いて置きたい所だ。
  貴様の見せ場だからな。

  それでは、今宵は消えさせて貰おう。
 

60 名前:紫擾津那美:2006/03/21(火) 02:49:11
うん、君の方については文句のつけようはないよ。
で、回想シーンだね。

これは僕が君の抹殺を依頼される、という状況だから、神楽ちずるさんが僕の探偵事務所を訪れ
ている場面という感じで、取り合えず僕の方から進めて構わないかな?
君の暗殺を依頼されて、事情を薄々察しつつも「えー僕人殺しなんてできなーい」なんてゴネて
みたりする流れを考えてる。
そうすると、ちずるさんはその辺りを色々と説明してくれるんじゃないか、という話で。

っていうのが一案なんだけど、どうだろう?

61 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/21(火) 03:45:14

  確認が遅れたが、その案で構わん。
  此方は此方で構想を練っておくとしよう。
 

62 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:37:51
>>

 ――そしてもう一つの赤い炎は、別の手にもあった。


 何処とも知れぬ闇の中で、それは灯っている。胸元に引き寄せた黒い手袋の上で。
 紫紺のインバネスを纏った美青年である。
 月光に充ち充ちたあの路地から、どうやってこんな所まで来たのか。――そんな問いなど無言
で焚き木にするかのように、炎は黒い人差し指の先端で燃えている。
 火種は何も見当たらない。それでも火は赤々と揺らめき、美貌に宗教画を思わせる陰翳を刷
いていた。

 青年はポケットから何かを取り出し、指先の火に近づけた。
 一枚の写真だ。先程の赤髪の男が写っている。
 遠距離からの撮影らしく、男は自分が被写体になっている事に気づいていない様子だ。
 炎はすぐ写真に移った。独特の臭気を発して燃え始める。
 どこか物憂げな表情で、青年は炎に侵食されていく男の顔を凝視している。


 その写真は、ひと月ほど前に彼の手元へもたらされたのだった。

63 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:39:42
>> 続き

「僕の仕事は私立探偵だけど、本業は別にあるんだ。貴女もよくご存知の通りにね」

 来客用の応接デスクにそれを置いた人物が、彼に欲する依頼を打ち明けた時、白い青年は
先ずこう答えたものだ。

 此処は彼の事務所だ。新宿の片隅である。
 電話も引いておらず、知る者も限られている。ついでに云えば久しく客もない。
 尤も幾ら大々的に宣伝しようが、十数年前に起きた核テロで廃墟と化し、再開発が棚上げに
なったままの犯罪地区に訪れる依頼人など、そうそうありはしないだろう。
 現にこの事務所があるビルも、見た目は周囲と同じ朽ちかけた廃屋なのだ。
 しかし外観とは裏腹に、整った室内には光があった。緑があった。

 明るいのは蛍光灯の所為で、緑は観葉植物だが、後者に関しては尋常の量ではない。
 それなりに広いオフィスは大小様々の植物で埋め尽くされ、さながら森の深奥のようだ。鬱蒼
としている、と云っていい。
 木々の息吹きの合間を縫うように少数のデスクや調度品が配され、美青年ともう一人はそこ
に座っていた。


「長らく休みにしてた本業が、突然忙しくなっちゃってさ。――これも貴女ならご承知の事と思うけ
ど。素行調査や迷子の猫探しなら、気晴らしに受けてみても良かったのにな」

 からかうように青年は云い、紅茶のカップをソーサーごと取り上げた。
 春摘みのダージリンだ。きりっとした香りを愉しみながら、紅茶と写真の脇に置かれた新聞に
少し眼を遣り、戻す。
 一面の記事は『深夜の銃撃戦 またもマゴーラカ神教』とあった。

「それにどっち道、殺人代行業はしてないんだよ。ねえレイコさん、これ、服務規程違反じゃない
かなあ?」
「服務規程ではなく刑法違反ですわね」と、遠くのデスクでノートパソコンに向かっていた美女が
顔を上げ、にこやかに答えた。
 かけている眼鏡のような、どことなく硬質な微笑を崩さぬまま続ける。

「刑法第百九十九条により、人を殺した者は死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処されま
す。また人を教唆して犯罪を実行させた者にも正犯の刑を科する、というのが同六十一条になり
ますわ」
「……だってさ」

 青年は軽く肩をすくめ、カップをテーブルに戻す。持ち上げた時と同じ、優雅な所作である。
 源氏の正統なる嫡流、“鬼”の天敵、そして『火閻魔人』。
 幾多の異名を持ち、嘗て日本の鬼族退治の全権を担っていた青年――今は別の名を名乗る彼、
紫擾津那美(しじょう・つなみ)は悪戯っぽく笑った。
 笑いを投じた目の前には、彼と同じ位美しい依頼人がいた。


「さあ困ったね。どうしよう、神楽ちずるさん?」

64 名前:紫擾津那美:2006/03/26(日) 03:40:54
毎度、お待たせだね。
僕の事務所に関しては、上記のレスで書いた通り。内装自体はごく普通だね。
マゴーラカ云々は、まあ夜刀の神復活みたいな話は、神楽さんのような人だと耳に挟んでいて
もおかしくないかな、というだけだから。特に大した話でもない。

何か不明だったり不味かったりする部分はあるかい?
問題があるようなら速やかに訂正するので、お気軽にどうぞ。

65 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/28(火) 00:48:28

  返答が遅れた事を詫びよう。
  で、これと言って不明な点も、拙い部分も無いな。
  直ぐに取り掛かる―――と言いたい所だが、本業の方も片付けねばならん為遅れるだ
 ろう。気長に待っていてくれると助かる。
 

66 名前:紫擾津那美:2006/03/29(水) 00:50:57
>>65
ああ、何も問題ないのなら、それはよかった。
何、きっと僕の次のレスは、それに輪をかけて遅くなるだろうからね。
全く些細な事だと思うよ(大いに問題ありです

67 名前:神楽ちづる ◆FncB6Yata. :2006/08/03(木) 22:19:51

 「この国では古くから『鬼』と呼ばれるものが数多く存在します」

  神楽ちづると呼ばれた女性は、問い掛けなど無かったのかのように淡々と話を紡ぐ。

 「遡れば『出雲風土記』に記された一つ目の鬼にまで遡る事が出来ますが―――この
 国では邪な気もまた『鬼』と呼ばれ、人との生活に深く根付いていると言っても過言で
 はありません」

  ここで彼女はその美貌を少しだけ歪め―――

 「―――古の昔にこの国の鬼退治を全てになっていた貴方には釈迦に説法でしょうが」

  少しだけ自嘲を含めた声で語り、

 「本題へと移りましょう」

  その美貌を鋭利で怜悧な、真剣な表情へと変え、続ける。
  そこに神楽ちづるは無く――――

 「ヤマタノオロチ―――もちろんご存知でしょうが、かつてそう呼ばれたモノが居ました。
 厳密に言えば鬼とは異なるのかもしれませんが……人の傲慢で語るとすれば、それは
 邪な、『鬼』と呼ぶに相応しいモノでしょう」

 『三種の神器』――『三種の神技』の末裔。
 『八咫』ちづるが在った。

 「そのヤマタノオロチ―――私達のように古くから続く、一握りの家系の者は『オロチ』と
 呼んでいるのですが―――97年に一度復活し、様々な要因が重なり再び封じる事が出
 来たのです。『草薙』、『八神』――いえ、『八尺瓊』の助力もありましたから」

  彼女は再び表情を歪め―――そこにあるのは自嘲ではなく想像するに難い苦痛であっ
 たが―――淡々と、しかし抑え切れはしない激情を滲ませながら紡ぐ。

 「ですが再び―――『オロチ』の封は破られました。その頃を境に、貴方の本職も忙しく
 なってしまったのではないでしょうか? 『マゴーラカ神教』、何かときな臭い匂いのする
 『燦月製薬』、そして―――『ミレニアム』など、私の把握している限りでは、全ての『滅び
 の意思』の切っ掛けとなっている気がしてならないのです。『オロチ』の復活は」

  彼女はここで一旦話を止め、自分の前に用意されているティーカップを手に取る。
  香りを楽しむように、少し口に含み、嚥下し、揺れる水面に目を落とす。
  まるで結論を先延ばしにするかのように、ただただ呆然と。鏡を覗くかのように。

 「―――――――――」

  カップを戻し、何かを決心したかのように切り出す。

 「……『彼』は、『オロチ』の因子を色濃く受け継いでしまった、運命の鬼子です。
  その身に降りかかる命運は誰よりも悲惨で、陰惨で、壮絶に、救いが―――無い。
  今の『彼』は、とても危うい状態で、この状況が加速度的に進行する事で、『彼』と
 しての自我は消え去り、ただの『獣』―――『鬼』に身を窶す事でしょう。
  私にはそれを止めるだけの力も無く、また『彼』も偶然が重ならなければ呪縛から逃れ
 る事は出来はしない。
  ですから―――――」

  沈黙。
  場を支配するのは静寂と、頬を撫でるように過ぎ行く微風。

 「無理なお願いだとは承知していますが……『彼』を――――」

  その決心は苦渋の末の選択か、それとも――――

 「『八神庵』を――――」

  ただの同情か。

 「――――殺して下さい」
 

68 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/08/03(木) 22:23:17

  一応、上げて置くか。
  およそ五ヶ月―――随分待たせてしまったが、取り敢えず返した。
  そちらに続ける意思があるのであれば、今暫らく付き合って貰おうか。

  漸く俺の中での葛藤にも片が着いた。
  続けるのであれば速い返答が可能だろう。
  まあ、そちらの意向次第だがな。
 

69 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 19:27:03
ああ―――久しぶりだ。
ほんとうに久しぶりに、外に出た……。
世間からもアニメからも作者からも会社からも忘れ去られて、
いったい何年の時が経ったろう。

まあとにかく待とう。

70 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 19:47:41
>>69 シキ
 初めまして、よろしくバケモノ。

>忘れ去られて
 アニメが駄目ならコミックに出ればいいじゃない、とか

71 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 19:49:38
>>70
あん? ああ―――なんだ、バケモノか。
よろしくも握手もオレは言わないから、そっちで勝手に言え、バケモノ。
バタ臭いんだよバケモノ。

で、どうする。何か考えたか?
素晴らしいことにオレは何も考えてねーぞ。
どうだ? ステキだろう。けひひひ。

72 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 19:54:02
>>71
 やべー。何こいつ、テンションたけー。どうしよー。


 (スルーして)……で、闘争の話だ。

 ぶっちゃけ、即興ならあんまり大層な理由はいらねえよな。
 それこそ「見た目の色が似てて気にくわねえ」とかでもいいワケだ。

 いや、流石に俺から突っ掛かっていくって事はないけど。

73 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 20:00:48
>>72
 オレはオマエほどには白くないぞ。
 具体的に言うと、ここらへんがおまえより白くない。
 ほら……もっと近付いて見てみろ。
 ここだ、ここ―――ひはー! 嘘に決まってんだろうが何にもねえよ!
 オレもオマエも真っ白だよバーカ! ひはははは!

 ……と、まぁオレの勝利が決まったところで話を進めよう。
 知っての通り、オレも三咲町からは離れられないワケがある。
 外国なんかに高飛びしたら琥珀に何をされるか分かったものじゃないからな。
 聖域の森での闘争は―――あれは「気付いたらなぜか森にいた」なんて
無茶苦茶な理由だったから、できれば使いたくはないんだ。

 どうだ、バケモノ。何とかして三咲町に来られねーか。
 理由なんてどうだって良いんだ。オマエは頭悪そうだからな。
「何代か前のロアに恨みがある」とか「バトーが拉致られた」とか「電波を受け
取った」とか「観光中♪」とか、それっぽい理由があんだろう? おお?

74 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 20:06:17
>>73
 やべえ、ちょっと緊急で用事が出来たっぽい。

 21時までに帰ってくるから、頸洗って待ってて。マジで。

75 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 20:08:48
な、なんだ? くびを洗っていれば良いのか?
ちっ、しようがないバケモノだ。
おい―――琥珀、さっさとオレのくびを洗え。

76 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 21:04:12
 ただいま、っと。

 いや、悪い悪い。ちょっと野暮用をカタしてた(硝煙の臭い

>>73
 (冒頭スルーして)
 あー、俺がそっちに行く理由か……

 俺は最近、失踪した『前時代の遺児』達を見つける仕事を主にやってる。
 だから「ミサキ町のヤクザに攫われた子供達の保護」辺りが妥当かと思う。

 まぁ、俺がミサキ町に行く理由ってのはそんな感じでいいだろ。






 頭悪そうとか言うな。ていうか>>75見た限り、お前にだけは言われたくねえ。

77 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 21:11:11
>>76
 おうおう、それだ。それでいこう。それで問題ねーよ。
 因みにオレはバカじゃないからな。少なくともおまえよりかは。

 導入は決まった。次は―――舞台だ。
 どこで接触する? どこで殺して殺される?
 オレは殺人鬼だからな、夜の三咲町ならばどこにだっている。
 地下鉄あたりで戦ってみるか?
 それとも高速道路上とか?
 どうせおまえ、死なねーんだろう?

78 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 21:34:32
>>77
 フィールドかー。あー……何処にするかな……

 まぁ、どうせなら屋内がいいよな。
 地下鉄ってのは中々面白いかもしれない。
 そこでいいと思うぜ。

 高速道路は……俺がそこに行く理由がないし。

79 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 21:50:52
>>77
 了解した。ならば、地下鉄を血で染めよう。
 ヤクザの取り引きか何かを、終電後の車両内でやってみたらどうだ?
 整備か何かのため―――という名目で電車を走らせて、そこで取り引きをするのだ。
 そうすれば、わざわざ地下鉄まで誘き寄せる必要は無くなる。

 オレは……殺人鬼だからな。
 三咲町におまえがいれば、それだけで参上する理由にはなる。

80 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/02(木) 22:19:26
>>79
 判った。じゃあ、アンタのいう感じで導入部分を書いてみる。

 確か23時でオチるとか言ってたよな?
 それなら、今日はこっちの話はこれまでにしていいぜ。
 俺は一人でシコシコ頭の部分を考えているからさ。

 出来上がったら……ここ、に張ればいいのか?

81 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/02(木) 22:23:50
そうだな。それで構わん。
悪いがオレは明日は一日中いないから、本格的に始まるのは土曜日からだ。
せいぜい愉しもうじゃないか。

82 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:10:04
 さて、そろそろ張るか。

 一々説明するより、とっとと見てもらった方が早いだろうし。

83 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:10:52
ハイネVS遠野四季

 Deadly and Dogs(仮)



 時計の針はその日の終わりを告げ、既に日付も変わっている、三咲町の駅。
 その地下鉄ホームから発車する回送の電車に、乗り込もうとする複数の人影がある。


 数日前、三咲町のとある暴力団事務所に、取引を持ち掛けてきた華僑達がいた。

 ――――某所で買い取った『前時代の遺児』を売り払いたい。

 四季のない街の地下で生まれた、華やかなりし頃の遺伝子工学の産物。肉体の情報を著しく組み替えられた彼等彼女等の身体には、純粋な人間には存在しない動物の部位があった。
 相対的に見て愛らしく美しい外見を持つ彼等は、特殊な趣味を持つ好事家達によって"収集"され、或いは慰み者となり、或いはその下衆な趣味の前に命を散らす。

 当然この国の法律では人間として認められているので売買は禁じられているが、それを掻い潜る者もまた存在する。そして、この取引を持ち掛けられた方も、また持ち掛けられた方も、そういった非人道的な行為に関して、一切良心の呵責を感じない者達だった。


 取引は終電後の地下鉄で行われる事になっていた。

 具体的な方法はこうだ。

 まず、『購入資金』を持ったヤクザ側が、三咲町に停車した電車の最後尾に乗る。
 続いて『商品』を持っている華僑側が、隣の南社木市で最前車両に乗り込む。
 二組は丁度真ん中の車両で品を交換して直進、ヤクザは最前車、華僑は最後尾に行く。そしてそれぞれ、次とその次の駅で降りて、取引は終了――――とこういう事だ。

 当然、車掌や駅員は買収されており、互いの組の予備員がそれぞれの駅で部外者を入れないように見張っているので、回送電車に乗り込んでも不審がられる事はない。

 本来ならば厳重に警戒されたホテルなどに行けばいいのだろうが……お互いそれほど大きな組織でもない。余計な邪魔が入らないようにするなら、この辺りが妥当だった。


 そして結論からいえば……二つの組は、この車両に乗り込む事すら出来なかった。

 何故なら両方とも――――



 乗り込む前に全滅させられたからである。

84 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:12:45
>>83
「Deadly and Dogs(仮)」

 俺達の街とは違う何処か無機質な地下鉄のホームで、連続した銃声が響いていた。

 「……散れ」

 俺はモーゼルのトリガーを引いて、最後に残った中華野郎の胴体に銃弾を叩き込み、悲鳴
を上げて倒れたそいつの顔面を蹴り付けて完全に黙らせる。

 辺りには同じように銃弾を喰らって、死んだり死ななかったりして動けなくなっている連中が
山ほどおり、あまり心地良いとはいえない血の臭いが立ち上っている。

 「……終わったか、ハイネ?」

 銃の弾倉を交換していると、何処からか眼帯をつけた赤ロン毛の男が現れた。

 「てめぇ、バドー! 何処隠れてやがった!?」

 俺はそいつに掴み掛かって殴ろうとしたが、背後に控えていた子供を見て拳を引いた。

 質素だが生地の薄いゴシックドレスに身を包んだ、淡い金髪の少女だ。華奢な身体と端整な
顔は人形じみていて、どちらかといえばあまり元気がない。
 街に置いてきたアイツを思い出す。しかし、顔はあまり似ていないし、背中から白い羽が生え
た「翼種」じゃなくて、頭に角のある「羊属」だ。アイツじゃない。
 唯、アイツに似ている奴が死ななくて済んだのだから、気分が悪くない……事もない。

 「いや、その、目標の保護?」

 「何で疑問形なんだよ」

 「そんなカリカリすんなよ。怖がってるじゃねえか」

 バドーの後ろに隠れていた「羊属」が、怖がるような目を向けた。そんなに険を込めた積もり
はなかったが、怯えるぐらいには怖かったかもしれないと思うと、何だかバツが悪い。

 「まぁ、な……それより仕事も終わったし、とっとと帰ろうぜ」

 「いや待て待て。情報では後少しでこいつらの取引先が来るハズだ」

 そういえばそんな話になっていた事を思い出して、俺はその面倒臭さに吐きそうになった。
 面倒な事この上ないが、こういう連中は面子を重んじる。自分達の取引が全く関係ない第三
者に潰されたと知ったら……しかも商品を持ち逃げされたと気付いたら。

 「まず間違いなく追い掛けてくるだろうな」

 「ゲッ、マジかよ……」

 となると、どちらかが時間を稼いで、もう片方が「羊属」を連れて逃げるしかないが。

 「……俺はイヤだ。たまにはお前がやれよ」

 「そうしたいのはやまやまだけどな。お前、この子連れて逃げれんの?」

 「う……」

 確かに俺は全く戦えない奴を連れて、追手を気にしながら、痕跡を消して逃げる……なんて
芸当は出来ない。そして比較でいうなら、そういう真似はバドーの方が得意だし。認めたくない
が、戦うのだとしてもバドーよりは俺がやった方が幾らかマシなんだろう。

 「あぁ、クソ……判ったよ。俺がやりゃあいいんだろ?」

 結局俺が折れるしかなかった。流石にこんなところで仕事が失敗するとかは厭だし。

 「頼むぜ、相棒」

 「こんな時だけ相棒扱いすんな」

 駅のホームから去っていく相棒に吐き捨てて、俺は電車がやって来るのを待った。

85 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 21:17:18
 そして>>83の改行忘れた俺orz

 とにかく、こんな感じでシキは三咲町駅で、俺は南社木で乗り込む、と。
 それぞれ乗る車両が離れていれば、電車の乗る前から戦う事もないし。
 まぁ、>>84だと俺が乗り込む理由が少し希薄かもしれないが……まあいい。

 シキが運転手を死者にすれば、戦場がそのまま暴走列車に出来るだろ。
 その辺りはアンタの方で上手くやってくれ。

86 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:23:24
確認した。秀逸な導入だ。思わず、溜息が漏れるほどにな。
予想以上の出来映え―――これなら問題なく、戦闘に至れるんじゃないか?
つまり、オレは三咲町から乗り込んでヤクザを皆殺しにて南社木に到着する、と。
そういうことだろう? クカカ―――了解したぞ。

今から書く。なに、そう待たせはしない。

87 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:53:45
ハイネVS遠野四季
 Deadly and Dogs(仮)

 臭いに釣られるがまま。
 風に誘われるがまま。
 遠野シキは理由など欲しなかった。

 一昨日、繁華街の路地裏で制服姿の少女を襲い、戯れに血を与えたのも。
 昨日、苛立ちに任せて駐車場の監視員を肉片に変えたのも。
 理由なんて無いのだ。意味なんて存在すらしないのだ。
 シキ自身そう在ろうと心掛けていた。
 己は狂っているのだ。狂気に理由は存在しない。言葉では顕せないからこそ、
狂気は常に人を脅かす。故に己は―――理由を必要としない。
 今宵、ふと目に付いた階段から地下へと潜っていったのも―――彼の言葉を
用いれば、足がそちらを向いたから。それだけに過ぎない。

 だが、始めて目にする地下鉄の駅舎は四季を戸惑わせた。人生の八割を土の
下で過ごしたシキだったが、彼は知らない。奈落には、このような広大かつ静
謐な空間が用意されていたなど―――シキは聞いたことすら無かった。

 床は綺麗に磨き抜かれ、天井は高く、壁には退屈を紛らわせる掲示物が数多
く貼り付けられている。まるで息苦しさを覚えない。どころか、雑多で猥雑な
地上よりも澄んでいるかのようにすら感じられる。
 これは夜の静寂と、人気の無さ故の錯覚か。昼に訪れれば、やはり地上同様
に鬱陶しい人足がこの広大な空間を満たすのか。
 だが、どちらにせよ。
 
 ―――オレが長年虜にされ続けていた……あすこに比べれば、遙かに健全だ。

 不公平な限りじゃないか。奥歯がぎしりと悲鳴をあげる。
 自分には低い天井と、痛みきった畳みしか与えられなかった。
 新鮮な空気も、広大な空間も――そんなもの――ありやしなかった。
 だと言うのに、ここは……ここは……。

 その時、遠く果てから音が聞こえた。
 奈落より生ずる怨嗟のように、地を揺るがす音が。
 遠い……遠いが、かなりのスピードで接近しつつある。
 床を微かに揺らす振動が、シキの人外の聴力を補う。この揺れ方には覚えが
あった。そうだ。鉄道という奴だ。オレはかつて、幾度かそれに乗ったことが
あるはずだ。彼女と一緒に。あの最愛の人物と肩を並べて。

 ―――まさか、地面の下にも通っているとはな。

 シキの口端が僅かに釣り上がった。
 過去を偲ぶために、そして今は亡くしてしまったその過去を再び取り戻すため
に、白髪の青年はゲートを通過して、更なる地下を目指す。

 藍染めの色無地和服を粋に着流した着物姿。
 その裾が、三咲町駅のホームから流れる風に煽られ揺れた。

88 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 21:55:29
こんなところでどうだ?
ヤクザと遭遇描写は面倒だから割愛する。
次のレスでは既に皆殺しにしちまったことにするさ。
もしおまえが最後尾に辿り着いても、そこで目にするのは膨大な数の骸と血の池だ。

89 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 22:23:29
>>88
心理情景を描写出来る方が……えっと……強い(あry風
凄く癪だけど、やっぱり書き慣れている奴の文は違うって思ったぜ。

それで提案なんだが、遭遇は真ん中辺りの車両を使った方がいいんじゃないか?
俺は華僑と同じく最後尾から乗車するから、シキは最前列にいるっていう風に……
でもお前は最後尾から乗車して、俺より先に最前列に行くのがいいと思う。
それなら俺はヤクザの屍体を目撃出来るし、お前は運転手を下僕に出来る。

まぁ、俺は別にヤクザが全滅させられた事を知らなくてもいいんだけどな。
一つの案として考えただけだから、他にいいのがあったら言ってほしい。

90 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 22:35:53
 ふん、素直に褒められたと受け止めておこう。
 悪い気分はしないからな。

 提案については了承した。
 そっちの方が絵的にも栄えるだろうし、都合はいい。
 最前列でぶっ殺すとしよう。
 というか、お前が乗り付けた時点では運転席で遊んでいることにする。
 運転手ごっこは子供の頃からの愉しみだったからな。

91 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/04(土) 23:30:43
>>90
あー、判る判る。俺も列車の運転は割と上手い方なんだぜ?
……「電車でGo!」だけどな!(まさにゲーマー

ていうか>>89は何だか意味が判んねーな。流石に徹ゲー明けは眠い……
俺は華僑と同じじゃなくて、とっとと終わらすために最後尾で待ってるんだっての。

要するに三行で説明すると
・俺はとっとと戦うためにヤクザのいる最後尾で待っている
・アンタは最後尾のヤクザをブッ殺して最前列に行っている
・その後、俺がアンタを追って最前列に行く
とこうなるワケだ。

駅につく前にアンタが最前列にいれば、華僑と俺が戦った後を見て警戒出来る。
逆に駅ついた時はまだ真ん中ぐらいなら、俺は油断しているアンタの不意を打つ。
どっちにするかは……取り敢えず俺が最後尾に入るトコ書くんで、その後決めれ。

それと俺がアンタの後をつけるのは、「血の跡が続いていた」でいいか?
アンタがそういう痕跡を残すかどうかイマイチよく判らないんで、訊いとくんだけど。

92 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/04(土) 23:36:41
ああ? 悪いが痕跡とか指紋は残しまくりだ。
おまえの都合のいいようにでっち上げてくれて構わん。
殺しはただ単純に、オレの裡側が勝手に命令してくるだけだからな。
オレがやりたくてやってんじゃねーよ。多分。
だから美学とかもねぇんだ。

他のことについては了解した。
期待して待ってるぜ。

93 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:04:05
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 俺はホームの一番後端に当たる部分にある自販機の影で、列車が来るのを待っていた。
 華僑の一人をボコして、相手のヤクザ共がそっち側に来るのを聞いていたからだ。

 ……確かに奴等の取引方法は悪くなかった。お互いに別の場所で乗り合わせて、絶対に邪
魔者の入らない車内でブツを交換、後は擦れ違ってまた別の場所で降りる。
 これなら警察にガサ入れ喰らわない限りは大丈夫だし、駅員さえ買収しておけば掛かる費用
も殆どない。大きな組なら兎も角、中どころか小規模の組織には上手い手だ。

 しかしこの場合は、乗り合わせる前に第三者の邪魔が入る事を考えると、どうしても上手くい
かなくなる。というか何事もそうなんだろうけど。特にこの場合、最後尾にいるのが判ってるな
ら待ち伏せられるし、華僑に成り済まして取引を潰す事だって出来た。
 まぁ、流石にこの国では見ない顔の俺が、華僑に成り済ますってのは無理がある。他にも色
々手はあるんだろうが、車両が到着すると同時に不意打って終わりってのが一番っぽい。

 そうして俺が待っていると、あの街ではあまり見掛けない……しかし全く見覚えがない訳でも
ない、箱を横に並べたみたいな形の列車がホームに入ってくる。

 「やれやれ、やっと来たか……」

 俺は寄り掛かっていた自販機から背を剥がして、思い切り横に飛び出す。

 そしてホルスターから抜き出した二挺の銃を構えてトリガーを――――引かない。

 「……あ?」

 車両が到着した時から、何となく違和感はあった。
 それは、それこそ襟から小さな羽虫が入ってきたかのような、微かな感覚だ。

 しかしその中を覗き込んだ瞬間……それは確信になった。

94 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:04:24
ハイネVS遠野四季
「Deadly and Dogs(仮)」

 「なん、っだこれ……ブラッドバスかよ」

 車両の中はべったりと紅い血が塗りたくられ、まるでケモノに食い千切られたみたいな肉塊
が散乱している。慣れていなければ吐いてしまいそうな、内蔵やら骨やら脳味噌やらの砕けた
「死の臭い」が充満し、有り触れた風景をとんでもない異世界にしている。

 「何があったんだ一体……俺より先に誰か来たのか?」

 にしては、あまりにも荒れ過ぎている。俺も殺しぐらいするが、ここまで徹底的に人体を破壊
する事はないしその必要もない。人一人殺すなら、頭を撃てばそれで済む。
 こういう事をするのは、余程こいつらを恨んでいるか……常識の通用しない異常者か。どち
らにしても人一人解体するのも大変なのに、数が判らなくなるほど壊すのも変だ。

 と、そんな事を考えていると、俺の背後でプシューッという空気の抜ける音がした。

 「って、あああぁぁぁ――――!」

 慌てて振り返った俺の視界に、無情にも閉まっていく自動ドア。手を挟んで止めようとするよ
り早く、両脇スライドのドアはぴったりと合わさっていた。

 「クソッ、この……!」

 両手の指を扉の隙間に強引に捩じ込む。俺も多少人とは違う身体だ。このぐらいなら腕力で
開けられる――――開けられる――――開けられる筈――――

 「って開けよゴルァアアァァァァッ!」

 とかやってたら爪割れたし。
 俺はガラスを割って外に出ようと思い、窓に向けて銃を構えた。
 しかし既に景色の流れる速度は、飛び出して無事で済む速度を超えていた。

 「チッ……マジかよ、クソッ……」

 銃を下ろして、どうすればいいのか考える。脱出は出来ないし、どうせヤクザ共も死んでいる
んだからこの電車に乗っている意味なんて欠片もない。

 「あー、もう。しょうがねえなぁ」

 俺は頭を掻きながら、戦闘車両に向かう事にした。
 車掌や駅員が買収されてるなら、運転手を脅して止めさせてやろうと思ったんだ。

95 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 01:05:59
長くなったんで二つに分けた。
つーか中々出会わねえな。

痕跡云々は後に回して、取り敢えず前に行ったから。
後はアンタが待ち伏せるのか油断してんのかで変わる、と。

96 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 01:24:24
確認した。問題はないだろう。
オレは電車goしていて、そこにおまえが出くわすということで構うまい。
おまえに因縁をつける理由は、こじつけだが一応考えた。
レスにうつる。しばし待て。

97 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:05:40
「ガタンゴトンガタンゴトンーガタンゴトンガタンゴトンー……ハ、ハハハ。
こいつは調子がいい。―――思い出したぞ。オレはな、ガキの頃からこいつが
好きだった。どれくらい好きかって言うとよ……毎日ヒマさえあれば踏切に行
って、こいつが通り過ぎる度に感嘆の声をあげちまうぐらいに好きだったんだ」

 ガラス越しに映し出される風景。燦然と輝くライトに照らし出され、闇から
から生ずる景色をシキは夢中で見入った。接近しては過ぎ去り、追い付いては
追い越してゆく景色を眺めながらそれ≠ノ語りかける。

「ご存じの通りオレのところの家庭はそこそこ裕福でな。送迎の一切は自動車
で済ませていた。だから電車なんて見る機会も乗る機会も滅多に無かったんだ。
電車という乗り物が一体何なのか、すら深くは知らなかった。だからオレは
ただ単純にすごい乗り物≠チてことで、こいつに憧れていたんだ。いつかは
こいつの運転手になりたい、なんて一丁前に凡庸な夢まで持ったりしたっけな。
くひひ。その度に、遠野槙久のクソオヤジに『そんな卑賤な職には就くな』と
眉を寄せられたっけなぁ? ……ちっ、いま思えば失礼な話だぜ。おまえの
ように日夜、利用者のために身を削って働く『運転手様』をあのクソオヤジは
卑賤と言い切ったんだぜ? 許せるものじゃないよなぁ。少なくとも卑賤な家
系の家長なんざやっているクソオヤジに言われたくはないだろう? 遠野の
薄汚れた血に比べれば、あんたの職務は仏様みたいなもんだ。オレはおまえを
尊敬するぜ。だから、元気を出せ。……ああ、安心しろ。仇は討った。あいつ
はオレがぶっ殺してやった。もう誰もおまえを卑賤だなんて言わせない」

 語りかけながらも、シキは窓から目を離すことをやめない。何せ、ここは
観覧者専用の特等席。今宵、彼のためだけに解放された運転室なのだから。

「おまえ、良い奴だな。こんな素晴らしい席にオレを通してくれるなんてよ。
オレ、人間にここまで優しくされたの始めてたぜ」

 天井まで届く視界良好なフロントウィンドウ。そこから広がる景色を、
シキは如何にもご機嫌といった様子で受け入れていた。

「疾いよな。こんなに疾いのに、風がないなんて―――信じられないぜ。お陰
で景色がよく見える。残念なのは地下ってことか。もっと広い景色を目にして
みたかったぜ。……だけど、地下ってのも悪くない。この底の窺えない闇。実
にそそられるじゃないか。まるでオレの寝床へ送ってくれる直行便だ。くひひ。
 ―――あ? 良ければ運転してみないかって? やめろよ。この恰好を見れ
ば分かるだろう」そう言ってシキは両袖を持ち上げてみせた。「オレは古い
人間なんだ。過去に捨てられちまった人間なんだ。こんな最新の技術、扱える
はずがない。そりゃ、少しは運転してみたいが……壊しちまったら、おまえに
悪いかな。大人しく景色だけ見ているとするよ。ガタンゴトンガタンゴトンー
ガタンゴトンガタンゴトンー―――ひひひ。さいっこうに気持ちいいぞ。
 なあ? おまえもそう思うだろう? なんか言えよ、おい」

 シキはようやく窓から目を離すと、彼の隣に直立する運転手の肩を小突いた。
 がくんと一度大きく揺れて、運転手は様々な計器やハンドルが並ぶ操縦盤に
突っ伏す。運転手は喉元から胸下まで鋭く切り裂かれており、本来紺色のはず
の制服が今ではどす黒く染まっていた。操縦盤やフロントウィンドウには、噴
き出した鮮血がこびり付いている。

「ああ―――」白髪の青年は、いま始めて気付いたかとでも言うように、頭に
手をおいた。「そう言えばおまえ、死んでいるんだったな。そいつは悪いこと
した。なんだよ、じゃあ人間に優しくされたわけじゃないのか。死人だもんな」

 ぶつくさと呟きながら、シキは運転手の右手を肩からもぎ取った。

「運転だけなら左手だけで十分だろう? こっちはオレがもらうぜぇ」

 歯を立てて二の腕にしゃぶり突く。
 視線はすでに流れる風景へと戻っていた。シキの様子は、まるで映画鑑賞を
愉しみながらキャンディーを舐める子供のようだ。

「ああ、やっぱりあんたは良い奴だ。味わってみるとそれが分かる。男にしちゃ
なかなか美味いぜ。少なくとも、後ろにいた連中よりかはな」

98 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:05:51
オレも少し長くなったな……

99 名前:遠野四季 ◆n1oSGIvcA6 :2006/11/05(日) 02:09:19
結局待ちだ。おまえの行動次第でアクションに出る。

100 名前:ハイネ ◆DOGS.MVbhk :2006/11/05(日) 02:29:15
 眠いっつーか眠いっつーか、眠い(何

 悪いがこのままではまともなのが書けそうにない……
 ので、今日はここまでにしてハイネはクールに寝るぜ。

 また明日ヤろうぜ。じゃあな。

 【盗んだバイクで走り出して退場】

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