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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五
- 51 名前:八神 庵 ◆Iori/GPRcE :2006/03/07(火) 02:12:27
>>
本来穢れの無い白である筈の歯も、今の俺には紅く見えてしまうようだ。
髪も紅く、肌も紅く、着ている物も、何もかもが、紅い。
鮮血に彩られた彫像はまた一歩、一歩と近付き、手を伸ばせば触れられそうな距離。
「そう、例えば――血が蠱(まじ)ってる、なんてのはその最たるものだよ、ね」
紡がれる旋律すらも紅く聞こえている耳を落としたい。
―――紅い。
―――アカイ。
一歩踏み出し、更に一歩踏み出す。
男の横に並び、呟く。
「黙れ」
また一歩踏み出す。
漸く紅く染まった「人間」を見なくてすむ事に安堵し、
「屑どもに如何に見られようとも、俺や―――貴様の様な人種には関係あるまい」
そう呟いて空を仰ぐ。
双眸は閉じたまま、それでも浮かぶ―――アカイツキ。
「まあ、これは如何でも良い」
心臓の脈打つ音が、五月蝿い。
「貴様は、何を、何処まで知っている」
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