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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五
- 476 名前:ビシャモン ◆7ZyGl16f7Y :2008/05/05(月) 02:23:11
- >>
怪異すら我が物とする鎧の悪鬼。
それでも希望を持ち続けようとする少女は、踏みにじられることを望む美しき草花か?
―――少女がやってくる、
悪鬼の眼前に。
少女がやって来る、刹那の隙に。
少女がやって来る、斃す為に。
少女がやって来る、己の信念の為に。
前よりも疾く、前よりも鋭く最速で駆け抜ける。
――――趙雲子龍、一人の武人がやって来る。
良かろゥ!そのかッ首、飛ばしてやるから安心せい!!
ならば応、と全身の向き直った鬼が笑む。
全てを以って嬲り尽くさんと鬼が、ハンニャが、ビシャモンが。刃紋を歪ませ哂う鬼炎と共に。
先刻を凌ぐ、故の正しく神速の前に。
先刻を超える、故に鬼の打ち込みを凌ぐほどの剣速を前に。
疾風を越えた居合いは烈風。
動くは腕(かいな)、達人の足運びは地を、大地を、地表を滑る。
されど先は取れず、僅かに鬼の剣捌きは及ばず。
止まるさまは刹那、ぴたりと運ぶ足を止め、刀身を縦に凌ぐを狙う。
されど敵は止まらず、走る剣先が鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
そう、鬼を呑み込むように鈍色の軌跡、胴へひらめく。
―――されど、見よ。
『鬼炎』
引かば押し、押さば引く転(まろばし)の恐ろしき発露を。
斬撃の重さに刀身は軋み、宿る邪気が悲鳴を上げるのも構わず。まるで構わず。
逸れた一閃に胴を薙がれ、本体たる胴丸の鬼顔が抉られるのも厭わず。
沈み込み、柔(やわら)の要領で回転し、その果てにぎらぎらと輝く鬼刃を構えるその姿。
そして鬼の体躯もろとも跳ね昇る鬼炎の刃。ならばこれは、雌伏を潜った鬼炎の復讐か。
鬼のごとき物の怪が、悪鬼羅刹が持ちえぬはずの業が飛ぶ。
刹那に受け、刹那に返し。寸毫の時を置かぬ返しの太刀、返しの奥義。
『斬ッ、とくらァ!!』
鬼炎の斬撃、『鬼炎斬』が少女に逆襲する。交差法の太刀筋が、そのまま少女に晒される。
しかし、遠い。
間合いは僅か、ゆえに遠く。
服を裂くには近く、肉を裂くには近く、されど肉を、骨を断つには遠い。
して、
しかし、遠い。
間合いは僅か、だから遠く。
反撃の太刀には遠く、殺すには遠く、されど―――止めるには至り、嬲るには、至る。
構えた剣指を振り下ろしたならば、するりと仕上げは片付き申す。
―――其処へ直れィ!
亡霊に動かされる石が、足下の低きを舞う。足を止めた少女の脛を。
そしてくず折れるを待たず、石が、石が、そして石が。
すべての邂逅より早く、既に切り出された石段が降り注ぐ。
咎人を責める閻魔を気取り、罪を裁く法を騙り、絶対忠義に圧し掛かる。
ワシは人斬りが好きでのゥ、三度のメシより好きでのォ―――
その様は、正に石の責め苦を積む拷問。
最悪の私刑罰、閻魔石の布陣が今趙雲の運命を窮地に追い込む。
さぁて袈裟懸け、胴斬り、カブト割り! 望みの太刀、馳走してくれるワァ!!
ゆらりと舞い降り、歪に笑んだ刃が光る。
この罠、正に目論見通り。
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