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■ 吸血大殲 夜族達の総合闘争会議室 其の五
- 415 名前:[-{}@{}@{}-] 『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2008/03/22(土) 22:27:22
- >>878
目の前でバラバラになっていく彼女。
後ろから抱き締めている私も当然、ほぼ同じダメージを受ける。
辛うじて四肢は胴体と繋がってはいるものの、もはや自由に動かすことは叶わない。
必死に私を殺そうとしている、彼女の横顔がとても美しく見えた。
きっと、気のせいではないだろう。
―――ああ。私はこんなに可愛い子を殺そうとしているのね。
殺されそうになったから、正当防衛……なんてのは言い訳ね。
私は、確実な意思を以って、この子を、殺す。
恨みなどという暗い想いで殺すのではない。
私はただ……遊びで、この子を殺す。自分の愉楽のために、殺す。
―――ああ、人を殺すのって―――こんなにも、楽しかったのね
笑いがこぼれる。腹の底から笑えてきた。
「くく、くくくくく…………ッ あははははははははは―――楽しいわ、今凄く楽しい! 生きるって素晴らしい!!
ねぇ、貴方もそう思うでしょう!? 」
目の前で襤褸切れのようになっていく彼女に問いかける。
……もはや彼女の耳には届いてはいないだろうが、構わず叫ぶ。
「こんなにも楽しい人生、終わらせたくは無いものよね? ―――でも残念、貴方はここでゲームオーバーよ! 」
そんな叫びが聞こえたのか。
七色の内の一撃が、一分も違わず彼女と私の心臓を貫く。
その衝撃で彼女の体が手の中から離れていく。
その刹那。別の一撃が、彼女の可愛らしい頭部と胴体を綺麗に分割。
見るも無残な肉塊へと彼女を変貌させた。
「―――如何に只者ではないとは言え、流石にそうなっちゃあお仕舞いね」
舞い上がり、地に落ちんとする彼女の首へと語りかける。
ソレとすれ違うようにして私は前へ進む。
体が異常に重い。もはや体全体を再生することは不可能だ。
咄嗟に心臓だけは再生させたが、もう限界。
とりあえず、木にもたれ掛かって休みた―――
がぶり
「―――え? 」
喉元に視線を遣る。
そこには、首だけになった彼女が居て――――――。
「……人のことを散々化け物呼ばわりして……あ、貴方の、方が……よ、ほど、ばけも、……」
喉から溢れ出る血に妨げられ、最後まで言葉を紡ぐことは出来なかった。
力を使い果たしていた私は、再生を行うことも叶わずその場に倒れ伏すが、
地面とキスし続けるのは御免だと、力を振り絞って仰向けになる。
空には満月が輝いていた。
透き通った空気の、美しい夜だった。
―――こんな結末になったのは、全て、あの満月の所為ね―――。
そんなことをふと考え。私の意識は闇に溶けていった。
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