『人生はかくも素晴らしく美しい』――――サフィズムの舷窓打ち合わせスレッド

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499 名前：ミシェル・ニルヴァーナ ◆/IJiGODIVA ：2008/06/27(金) 23:26:42: >>496

　……きっとわたしは誰よりもあの子を知っていて、だからこそ誰にも増して知ら
ないんだわ。あの子はあの子で、わたしを見てもピンと来ないようだし。
　でも、それも当然かしら。あの子はまだバレンタインを知らないんだから。
　つまりは他人みたいなもの？　気づかいは無用？
　まぁわたしは、チョコさえいただければ幸福になれるから良いんです。

　ああ―――ほんとにおいしい。くらくらしちゃう。
　生きてて良かったわ……。
　このビターな味わいに、口の中で広がるほろ苦さ。「ビターもほろ苦さも同じだ
ろ」って意見すら、どうでもよく思えてしまうんだから、不思議ね。
　もう一切れ食べてもいいかしら？　駄目なんて言わないわよね？　ね？

　ところでアイーシャ。あなたはなにか悩みとかないのかしら。わたしは天使だか
ら、ケーキを恵んでくれたお礼になんでもひとつだけ願いを叶えてあげる。
　なにがいい？　出番が欲しい？　それは無理よ！　だって、この三人の中でいち
ばん登場回数多いじゃない。もっと深刻な悩みを聞きたいわ。

>>497

　ど、どえらいの？　マジなの？
　……ど、どうしましょう。天使には、この子の言葉がよく分かりません。分かる
ことは、とってもかわいいということだけ。それさえ分かれば十分！
　でもでも、このザッハトルテはチョコなんですよ？　チョコなのにケーキでもあ
るんですよ？　つまり、ひとくちで二つの味わい！　とってもお得なの。

　さ、あなたの分もわたしが切り分けてあげます。
　ケーキを切り分ける大きさは身長に比例するから、杏里ちゃんはこれくらいね？
　わたしはいちばん背が高いから―――控えめにこれくらい？
　わお！　わたしを生んでくれたお母さまに感謝ね。……お母さまって、白衣から
香ばしい匂いが漂ってくるあのかたのこと？

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