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■ 月下の蜘蛛は露となり―――それでも彼女は笑うのか?

1 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/08(木) 22:32:070
 取り敢えず、即席だがこれでよかろう。
 あまり見ていても面白いものじゃない。
 部外者の立ち入りは、基本的にはお断りだ。





   ―――――かくして惨劇の幕は上がり、

                      月の降る夜、

                           誰もが泣き笑う―――――

2 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/08(木) 22:52:200
 うん、立ててくれてありがとね。

 それじゃー、まずはどうしようかな。
 場所と、状況かしら。

 

3 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/08(木) 22:56:220
 さてと、それじゃあ少しだけ建設的な話をしようか。
 ま、詰まるところ『俺』でいいのかというコトだね。

 オマエの原典は知っているし、なによりあの傍若無人でありながら理路整然とした弾幕は心得ている
だけに、スペックの違いというのは十二分に心得ている。しかも―――その『能力』は中々に厄介なもの
でね。舞台を整えたとしても、五分に持ち込めなくしてしまう鬼札だ。
 その辺りは互いの空気の読みようでなんとかなるが―――はたしてそれがオマエらしいのかは、聊か
疑問なところだ。

 使える手駒を晒してしまってもいいんだがね。俺の場合はそれが地雷の起爆装置と直結してしまって
いるから―――解答を待ってからかな。
 いやまあ、周知の事実に近いとは心得ているが―――マナーとして、ね?

4 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/08(木) 23:04:290
 で、だ。もし『俺』が相手であると仮定した場合、森――或いはビルの林立地帯が望ましいかな。
オマエは飛べるかもしれんが、俺は飛べないんでね。多少の小賢しさは必要というわけだ。
 森であれば地上戦に引き摺り込めばいいし、上から虱潰しに叩くとしても深く広大な森であれば
徒労に終わる可能性とて高い。後者ならば、ビルを足場に三次元的に立ち回ればいい。

 加えて――舞台を森とするならば、博麗の社の付近というコトにしてしまえば、オマエがふらっ
と出てくる状況と言うのもありえぬ話ではないし、俺の方でも『里帰り』なんて安い理由付けができ
るんでね。街なら街で同様なんだけどさ。

 思いついた限り、俺がオマエに匹敵する状況を作るには、こんなところだろうか。
 使い魔の手を借りたっていいんだが――いまいちこちらは把握していなくてね。整合性を求めら
れると、かなり危ういんだ。

5 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/08(木) 23:13:280
 ん、そうね。こっち飛び道具が反則レベルだし、多少は制限あったほうがいいわよね。
 で、場所だけど……神社のそばだと無敵巫女が出てくる可能性があるから微妙かな。

 となると、私が外に出向いてあなたに出会う、って形がいいかも。
 場所はビル街―――だけど、森での戦いも面白そうだから、両方取っちゃおうかしら。
 ビル街のそばにある山林の向こうに、幻想郷が結界を張っている、って感じかな。
 それで、私は幻想郷から飛んでくる、ってところかな。

6 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/08(木) 23:20:360
 あ、そうそう。
 お相手はもちろん、貴方で、ね。
 手駒についてはまあ、またあとで。

 それで、こっちに質問とかある?
 出来る範囲でなら答えるよ?

7 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/08(木) 23:26:320
 迷ったならば二つ取る、か。中々いい判断だよ、オマエ。
 となると、だ。街のほうで出会って森へ、が賢明な判断かな。森で見つけると言うのは聊か偶然に
頼りすぎだしね。
 森で虱潰しに撃たれたからビルへと駆けるほうが自然な気もするんだが―――どうかな、価値観
の違いかもしれないな、こればかりは。

 俺が森へ向かう理由は―――作ろうと思えば作れるな。
 どちらを先に持ってくるとしても俺は問題なく動けるから、後はそちらの好みかな。

8 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/08(木) 23:27:350
 なに――そちらに関しては問題ない。
 これでもそこそこに資料を集めていたからね―――理由は、聞かないでくれ(何

9 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 00:08:260
 うん、聞かないでおく(何)
 人のことを根掘り葉掘り聞かないのもレディの嗜みだしね。

 で、そうね……うーん。
 とりあえず街で出会って、そこで少し遊んで、森に移動。
 その後は展開次第でどっちに移動してもいいかな。
 あんまり多いと大変だけどね。

 こっちは「退屈だから勝手に外に出た」で理屈付けは済んじゃうわね(何)
 だから、うん、わりと融通はきくから。
 そっちにも結構合わせられるかも。

 ―――こういう形の大戦は初めてだからちょっと勝手が分かりづらいかな。
 お祭りは勢い任せでも良かったんだけどねー。
 うん、だから、リードはお願いしますわ、なんてね。

 あ、じゃあ大丈夫かな? 私の方の資料とか。
 なら、うん。なんとかなりそうね。

10 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/09(金) 00:15:270
 さて、それじゃあ大筋が決まったところで、導入でも入れるとしようか。
 暫し待っていてくれ―――と、言いたいところなんだがね。俺の活動限界も近いコトだし、先に
休んでいてもらっても結構だ。
――――ま、三十分もあれば書き上げて見せる自信はある。なにかで暇でも潰しておいてくれ。

11 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 00:18:230
 うん、分かった。のんびり待ってるね。
 急ぐ必要はないからね。夜ならこっちも十分時間が取れるし。

 それじゃ、リードはお願いね。

12 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/09(金) 00:49:390
 空は遠く、月は天を手中に収めんばかりに輝く。

―――――紅く。
―――――赤く。

 空に浮かぶ大輪の華は見るものを狂気に誘い、死者は狂喜乱舞し現世へと舞い戻り、果たせぬ約定を
悔いてか儚んでか喚き蠢く。

「やれやれ―――――折角自由の身を手に入れたんだが、長く染み付いた習性は拭えやしない、か」

 アスファルトを打つ靴底の音は闇夜に紛れ、響くコトなく霧散する。
 これも、長く染み付いた習性だが忌避するものではなく、むしろ喜ばしい異能であるコトは事実であり夜
の街を闊歩するには非常にありがたい。

 ほら―――――こんな風に。

 音もなく手にしたナイフは前を歩いていた男の背中に突き刺さり、突き通し、傷口を抉って―――死に
至らしめる。その傷口からはゴボゴボと蛇口の壊れた水道のように、今夜の月と勝るとも劣らない紅い
血液を零し、水溜まりを作り上げる。
 男はその水溜りを踏んでようやく自分の”死”に気付き―――悲鳴を上げるまもなく解された。

 なんと甘美な―――”死”
 なんと優雅な―――”死”
 なんと無様な―――”死”

「で、今夜の目的はなんだ? 巧く使うのはそっちの領分だ。目的がないなら俺は散策も兼ねてこの街を
見て回りたいんだが―――――」
「好きになさい。今のところ予定はないし―――今夜は私の予定があるの。貴方は不要よ、七夜」
「ああ―――そうかい。ならば今夜は別行動としよう。精々、羽を伸ばさせてもらうよ<ruby><rb>使い魔</rb><rp>(</rp><rt>マスター</rt><rp>)</rp></ruby>」

 急激に都市開発が進み、未だ未開拓の土地が多い街。すぐそこにビルが林立していたかと思えば、そ
の十メートル先には深い森が待ち受けている。流石にこれは極端な例ではあるが、人の手の入らない箇
所は多く存在し、当然―――”殺す”には丁度いい場所が点在する。
 今しがた一人を解したここもその一つではあるが―――血の匂いに溢れ返ってしまった。「つくづく下手
な殺し方だ。これでは誘蛾灯どころか蚊帳の中だ」などと自嘲し、歩みを進める。

 ビチャリ、ビチャリと靴底に付着した血が音を立てるが、それもまた心地いい。
 これで漸く晴れて自由の身。”遠野”に潜む悪夢でも、噂の呼び出す殺人鬼でも、反抗の手駒でもない
―――”俺”の生だ。

「漸く―――漸く、か」

 俺は―――――漸く殺人鬼として振舞える。

 カツ、カツ、カツと月明かりの支配する世界に音が響く。「無様な―――」音を立てるなんて二流のする
コトだ。だから―――大凶に当たってしまう。

「吾は面影糸を巣と張る蜘蛛―――――」

 一息に音の主の前に立ち、

「―――――ようこそ、この素晴らしき惨殺空間へ」

 二人目の犠牲者もまた、音もなく闇へと紛れ逝く。

 ああ―――素晴らしきはこの世界。
 生命の循環は留まるコトを知らず流れ続け、されども儚き生命は何時でも、何処でも、災厄によって
淘汰される。死とは突然の終わりではなく、生命の循環の中に埋め込まれしモノ。
 ならば、終わりを甘美に彩ってこその生命だ。

 極彩と散る珠は―――――儚くも、美しい。

13 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/09(金) 00:52:570
 一応上がったよ。
 そうだな―――血の匂いを嗅ぎ付けてやってきてもらっても構わないし、まずは外に出てくる描写を
挟んでワンクッション置いてもらっても構わない。
 そちらの好きなようにできるはずだが、修正はいつでも受け入れるよ。


 と、後は少し<ruby><rb>テストだ。</rb><rp>(</rp><rt>、、、、、</rt><rp>)</rp></ruby>

14 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/09(金) 00:57:030
 やれやれ―――ルビは実装されていた筈なんだがな。
 まあ、いい。それにしても三十分も掛かるとはね―――感覚を取り戻せていないか。先が思いやら
れるよ、まったく。
 一応待つつもりではいるが、投下後十五分以上反応がないようであれば休んでもらって構わん。
殺人鬼なんて自由業の割りに、忙しくてね。

15 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 01:16:150
 っとと、いけないいけない。
 確認したわ。まあうん、大体の状況はこんなものでいいか。
 それじゃ、次は私だけど―――んー、少し時間がかかるかも。
 もしこっちが書いてる間にそっちが限界迎えるなら、休んじゃってもいいよ。
 一応毎夜毎夜は顔出せると思うし、打ち合わせはまたそのときにでも。

16 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/02/09(金) 01:21:210
 心得たよ。じゃあお言葉に甘えて先に休ませてもらおうかな。
 基本的に毎日確認できるが―――場合によっては返答できない可能性もある。
 出来るだけ早く返すけど、限度があるってのは気に留めておいて欲しい。

 それじゃあ、また、夜に。

17 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 01:27:040
 ええ、また夜に。

 ……さて、まずは飛び出していこうっと。

18 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 17:28:070


 ここには風は通らない。光一つ差さない閉ざされた領域。
 冷たく薄暗い世界。私のほとんどが納められた場所。
 そんなところでも、生まれつきなのか、月の満ち欠けだけは肌で分かる。
 まるでこの目で見たかのように分かる。今日は紅い―――満月の夜。

「―――でよっか」

 だから、私は当たり前のように、外に出た。
 閉ざされた壁を砕き、歪められた空を潰し、封じ込める呪いを引き裂く。
 全ての運命の終わりは、私の右手の中に。
 ただ、それを握り締めれば、私を阻むものはない。
 ―――まあ、面白くないから、あんまり使うことなんてないけど。
 そんなことより、弾をたくさん撃ったり撃たれたりしたほうがはるかに面白い。

 長い階段を飛ぶように駆け上がり、紅い紅い―――月明かりでさらに紅い廊下へ出る。
 音もなく窓を破ると、冷たい風が体を掠めていく。この館は窓も風通しもほとんどない
ので、新鮮な感覚だった。
 ―――導かれるように、外へ飛び出す。
 音もなく、誰にも気づかれないように出て行くのは、なんだかいけないことをしている
ような気がして妙に楽しい。私が興味を持つ、数少ないこと―――外に出ること。
 外には見たことがないものも、壊したことがないものも、世界の果てまで広がっている。
 だから、気が向いたときだけ、私は外を楽しむ。

「……あは」

 空を見上げれば、真円を描く月。血を吸う悪魔の守り神。
 それが座する蒼い夜を、白い雲の狭間を、私は駆けていく。
 外へ。外へ―――
 それだけを気持ちに抱いて。
 足元には、深い森が広がっていた。
 深く―――深い緑色の地平が何処までも続いているような気がした。

 そして、その無何有を阻むのは、大きな結界だけ。


19 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/02/09(金) 17:40:320


 結界を壊さないように、注意深く、くぐっていく。うかつに壊すと面倒なことになると、
良く知っている。せっかく内緒で抜け出してきたのに、目立つようなことはしたくない。
 運よく見つけた綻びに身を躍らせ―――ほら、出てきました。
 ぽつぽつと地上に光が見える―――外の人間の街。普段見ることすらない、空を突く建
物の並ぶ人間たちの城。今は夜だから、誰も出歩いてはいないけれど。目印にするには十
分だった。背が高いから、見失うこともない。
 足元の森が消えたところで、私は歩いてみることにした。
 音もなく空を下って、足元の硬い感触を楽しむ。

「よくこんなので歩けるなあ。疲れないのかな」

 かつ、かつ。
 わざと足音を立てて歩く。
 ―――途中で加減を間違えてめり込ませてしまったけど、別にいいや。
 立ち並ぶ灯りは、夜でも遠くまで見える。私には必要ないけど、便利なものなのだろう。
 ただ、それでもわだかまる闇を消せはしない。

「……あら」

 慣れ親しんだ匂い―――血の香り。
 なんでだろう。
 気が惹かれる。だから、それを辿りながら足を向けていく。
 闇へ、闇へと―――


 見つけた。


「ねえ、貴方は何をしてるのかしら」

 声をかけてから、ちりちりと背筋が熱いことに気がつく。
 足元には血が満ちている。それが気分を高揚させる。
 彼のいる袋小路は―――血で描かれた油絵のようになっていた。
 血と、肉と、死。
 非日常が―――生きている間では味わえない幻想が満ちている。

 ―――背筋の感覚が何なのか、思い出す。

 そうだ。私と対等に遊べる遊び相手と出会ったときだ。
 思わず、顔が笑う。嬉しさを押さえ切れなかった。

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