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■ 超クロスオーバー空想大戦・作品考証談話室
477 名前:
新章/ファム発覚編・SSテスト
:2006/06/18(日) 05:18:41
龍騎達が振り向いた先には、一人の青年が立っていた。
全体に白を基調とする、現代技術が結集された戦闘用防護服。
腰に差された、前後両刃式の光剣サイファー。
そして、白と赤の色の違いはあれど、まったく同じ生地素材を使用した
マントと、腰に巻かれた金属のベルトリング。
龍騎、ファムの二人は知る良しもないが、その二つは、あの飛竜とあまり
にも酷似した特徴だった。
前髪が残る程度の所から、一本の紐でシンプルに括られたポニーの後ろ髪。
その髪質は艶やかで、腰まで届きそうな長さも。
そして、青年のその容貌でさえ、一瞬女生徒見間違えそうになるほど、
美麗に整った顔つきをしている。
それでも、目の前の青年を健全な男と正式に認識させたのは、彼自身の
全身から発せられる静かな闘気と、雄雄しさにあった。
それはまるで、静かに佇む虎の如し。
何の構えすら見せていないにも関わらず、龍騎とファムは、その突然の
来訪者に対し、心身両面において、身構えざるを得なかった。
ファム「・・・誰なの?」
先に口を開いたのは、ファム。
飛燕「特A級ストライダー・・・ ストライダー飛燕」
それに対し、飛燕は、短く自身の正体を告げた。
ファム「・・・・・・!!」
その言葉に、ファムは驚いたが
龍騎「ストライダー・・・? 仮面ライダーの仲間?」
片や龍騎は、そんな単語は聞いたことがないとばかりにファムに尋ねた。
ファム「ちょっ・・・! シンジ、本気で言ってる!?
ストライダーと仮面ライダーじゃ、全然種類が違うわよっ!!」
緊迫した空気の中、間の抜けたことを言われ、ファムは逆に驚くやら
呆れるやら。
飛燕「・・・そうだ。一緒にされては困る。
ストライダーは、あくまで人間の肉体でありながら厳しい訓練を潜り抜け
己の肉体を最に高めた、最強の諜報戦闘員だ。
・・・デッキだのベルトだの、そんな
オモチャ
に頼らなければ満足に戦う
事も出来ないインスタントヒーローと、比べて欲しくは無いな。
ストライダーに対する、侮辱だ」
甘いマスクをしていながら、飛燕の返答は実に辛辣だった。
龍騎「なっ・・・!?」
ファム「何ですって・・・!? インスタント!!?」
驚く両者。憤慨するファム。
しかし、飛燕は実際、こんな近くにやって来るまで、龍騎達に気配の
欠片も感じさせなかった。
それが、飛燕の口だけではない実力を、証明している。
ガザミスナイパー(首)『ギ・・・ ギギ・・・ スト、ライダー・・・』
一方、生首のガザミスナイパーは、天の助けとばかりに嬉々とした声で、
飛燕をストライダーと呼ぶ。
ガザミスナイパー(首)『ギシュ・・・ ありが、たい・・・ 組織があなたを、よこ
して、くれた、わけ、ですか・・・』
飛燕「・・・ふん。勘違いするな。お前の言う【組織】の命令だから動くわけ
じゃない。 あくまで俺達の主たる、【冥王】様のご命令によってだ。
・・・貴様にはまだ利・・・ 【価値】があるというDショッカーの判断に際し、
冥王様が「同盟の士として手を貸そう」と仰ったからこその事・・・」
利用価値・・・ と言い掛けたところで口をつぐみ、言い直した飛燕。
表情も言葉も、ほぼ雑用と言えるこの任務に対し、不満が強い事が伺える。
ガザミスナイパー(首)『ソレハ、ソレハ・・・ しか、し・・・ あり、がたい・・・』
そして、そんなイントネーションの含みに気付きもせず、首を揺らして
笑うガザミスナイパー。
飛燕「ふん・・・」
不機嫌ながらも、ガザミスナイパーの生首に近づいていく飛燕。
ファム「待ちなさい」
そこに、ファムがブラウバイザーを抜き、制止を呼びかけた。
飛燕「・・・・・・」
無言のまま、横目でファムを見る飛燕。
飛燕「・・・止めておいた方がいい。俺の任務はそこの生首の回収だけだ」
ファム「・・・だから?」
飛燕「お前達の破壊は任務に入っていない。傍観するなら手出しなしない。
だが・・・ ストライダーは、降りかかる火の粉は払う」
龍騎「お前・・・ 本気で俺達(ライダー二人)相手に、勝てるつもりなのか?」
生身の人間が、ライダーと勝負なんて、常識では出来るはずがない。
飛燕「貴様らこそ調子に乗るな。さっきまでのサバイブとやらならともかく、
全力も出せない状態で特A級ストライダーに戦いを挑むつもりか?
・・・ふざけるな。気配一つ察知も出来ない民間人がいくらそんなものを
着込もうと、敵う相手とそうでない相手がいるという事を知れ」
飛燕の言葉には、少々の怒気さえ感じられる。
ファム「そっちこそ、これだけ被害を出しておいて、【お持ち帰りします】
で済むと思ってるの? ソイツには、大量の殺人と破壊の罪状がある。
検事として逮捕拘留し、刑に服させる義務が私にはあるわ。
・・・例え、首だけでもね」
龍騎「・・・ああ、その通りだ。須藤は、悪い事をしすぎた。
せめて俺たちで、贖罪をさせなきゃいけない」
飛燕「拘置所にでも入れる気か? コイツを」
フッ、と。苦笑する飛燕。
ファム「心配御無用。人間用のじゃなく、SPDの凶悪犯専用檻に入れる。
そこなら、耐強酸の措置だって充分に出来るわ」
龍騎「・・・SPD?」
ファム「シンジ・・・ ストライダーといい、本当に知らないのね・・・」
ファムは、がくりとうなだれた。
飛燕「・・・・・・仕方が無いな」
ふぅ、とため息を吐き、飛燕は、光剣サイファーを抜いた。
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