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■ 月下の蜘蛛は露となり―――それでも彼女は笑うのか?
- 59 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/03/07(水) 22:03:450
眼前に広がる血刀によって編まれた、死線を束ねまだ足りぬ剣林弾雨の幕。これは死を覚悟すべき
状況―――なのだろうか?
「続きがあるなら見てみたいものだけどね」
呆と、蒼く光る『眼』に映るは血よりも紅く、月よりも醒めた、なによりも鋭き『死』のカタチ。朧の明かり
に照らされた、それに浮かぶ歪な線と点にナイフを走らせ―――るコトはせず、全てを紙一重で避ける。
上下左右天地の区別なく空間を蹂躙し、駆け―――抜ける。
こんばんは―――――紅の君。
君に捧げる歌はこの穢れきった躯に廻る黒き血で記し、
/紙一重といえども傷付き、
君の亡骸の隣で詠めば満足してくれるかい?
/流れた血は微々たる物でも、
君は判ってくれるかな?
/無駄にしちゃ勿体無いだろう?
この愛情にも似た殺意を。
振るう刃は音もなく闇に潜むように突き進み、一点の迷いも曇りもないまま殺す為だけに銀弧を描く。
慣れ親しんだ感触が脳に響くか、脊髄が焼きつくような空虚を掴むか。
そんなコトはどうでもよく―――
「幕は開いたよ、フラン。
―――――ここは舞台の上だ。役者は役者らしく七転八倒する荒波のような世界で、終幕まで役を演
じなきゃならない。台詞の正誤も演技の巧拙もないが――中途半端に舞台から降りるのだけは、ご勘
弁願いますようお願い申し上げます――――なんてね」
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