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■ 「陰陽頭」と「堕ちた天秤の騎士」の会議場

1 名前:◆GAinErMg8k :2011/07/03(日) 21:54:17

 この場は余と柳生友景以外の立ち入りは認めぬ。
 汝の頭が飾りでないならば理解するがよい。

2 名前:◆GAinErMg8k :2011/07/03(日) 21:56:06
サブタイトル案

火事と喧嘩は江戸の華〜ウホッ男祭りだよ全員集合〜

もしくは

魑魅魍魎やぎゅう☆まぎか

3 名前:柳生友景:2011/07/03(日) 22:34:33
>サブタイトル
【げにも見事な】火事と喧嘩は江戸の華〜ウホッ男祭りだよ全員集合〜【若竹ぶり】

開口一番なれど、柳生大戦争的に斯く添削すると、まさに「さぶ」たいとるとならんや。
ああ……薔薇の復讐とは左様な神秘的な寓意が、
 
 
 
(上記数行はなかった事にするが如き雅な微笑を浮かべながら)
――扨(さて)。
すれ建立の儀、忝く。また、改めて宜しくお願い申し上げる。

まず、そちらはフリメルダどのとの闘争がお有り故、当方との詳しい打ち合わせはそれが落
着してからでも構いませぬ。同時並行では、そちらに負担であろうから。
 

4 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆GAinErMg8k :2011/07/07(木) 22:31:31
 遅くなったが改めてよろしく頼むぞ極東の魔人よ。
 ではすまぬが汝の言葉に甘えさせてもらうとしよう。しばらくは<剣聖>
との闘争に専念させてもらう。

 ただ、忘れぬよう度々やりたいネタをこの場に記させてもらうこととする。

法の剣
・単純な「停滞」にするか、ルシファー猊下関連で「光を齎すもの」とするか。

血を飲むことによる能力付与。
・DIOの「世界」は間違いなく使う。

魔術
・悪魔召還

5 名前:柳生友景:2011/07/08(金) 22:28:20
では、御武運をば。
……ふむ。当方のネタは、あるような、ないような。
まあ所詮は柳生的必殺技なれば、いずれチャンチャンバラバラの内にて。

>法の剣
一つお尋ねするが、これは「夢盗人の娘」に出てくる、<法>の女公爵ミッゲアより下賜さ
れし剣、ストームブリンガーの力を吸収していた代物でしょうか?

>魔術
>・悪魔召還
式神召喚にて対抗する手も、あるかもしれず。対手によりけりですが。

6 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆GAinErMg8k :2011/07/09(土) 13:15:29
>白い剣
余がミッゲアより賜った剣はエネルギー吸収型ゆえ黒の剣とかぶる。
ゆえにほかのものを用意するつもりだが、候補としては

1・白き狼の息子の最終決戦で使用したもの。厳密に言えばそれの真作。
2・特殊能力のない剣。強力なだけのただの魔剣。
3・TRPG版の法の設定を引っ張ってきて、超常の存在を許さぬ法の武器とする。
4・「軍犬と世界の痛み」のルシファー猊下つながりでライトブリンガー(光を齎すもの)。

上記のいずれかあたりを考えておる。

7 名前:柳生友景:2011/07/09(土) 22:11:42
成る程。詳しい説明、痛み入る。
上記1〜4いずれでも、相手取るには面白き哉。
そちらの新訳しりーずは、丁度いま「スクレイリングの樹」を読んでいる途中ゆえ、闘争が
始まるまでには「白き狼の息子」や「軍犬と世界の痛み」なども読了できましょう。

しかし黒の剣、白の剣、ラグナロクにアルテマウェポンと神剣魔剣が乱舞せし一連の戦い
なれば、わたしの佩刀も無銘ではかえって礼を失するであろう歟(か)。
なので、ヒノカグツチの剣(真・女神転生シリーズ準拠)あたりを使うやもしれませぬ。
厨的な箔付けなれど、問題がないようならば。

8 名前:柳生友景:2011/07/09(土) 22:13:27
ついでに、闘争の副題を真面目に考えると、

Tomokage Yagyu vs Gaynor 〜Saber 2(Again)〜

Never Saber Never Again

Gaynor Only Lives Twice

タネローンはおれのもの

ゲイナーちゃん2 〜メルニボネ柳生の逆襲〜


どこが真面目なのか! というものも混じっているが、気にしてはいけませぬ。

9 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/07/24(日) 13:32:02

 約半数がネタではないか!

 ・・・しかし、そろそろ闘争の題名も考えねばな。さて、どうしたものか。上記の中では、
余としてはNever Saber Never Againが一押しだが。

>武装
 ヒノカグツチの剣か。よいではないか、使うがよかろう。多少のねつ造など演出の範囲内よ。

 汝との戦いの初期装備は妖刀「七胴落し」で行かせてもらう。アウトレンジでの戦いから始
まるようならば、TRPG版の通常兵装である混沌の弓も持ちよるつもりであるが。
 それに汝との戦いでは混沌の魔術だけではなく法の魔術もつかわせてもらうつもりだ。

 服装は・・・そうだな、「モモ」の灰色の男を思わせるグレーのスーツ風の姿にするか。

10 名前:柳生友景:2011/07/24(日) 23:46:28
「白き狼の息子」まで読み終え候。「軍犬〜」は未だしにて。
しかし、この新訳三部作は「ゲイナーとクロスターハイムのサーガ」とも評すべけんや。
>>4で仰られた、
>血を飲むことによる能力付与。
成る程、この事であったか……と頷ける。


闘争の題名、拙案の採用は面映き事。わたしとしては「魑魅魍魎やぎゅう☆まぎか」でも
構わぬが……。

ヒノカグツチは、では使わせて頂こう。
闘争の中盤ほどに武装変更の腹積もりにて、当初は普通の刀で戦う予定です。
……ほう、神林長平と。流石に思わぬ所から持って来られる。
わたしは接近戦・遠距離戦どちらでも構わぬ故、そちらのやり易き方にて。

魔術戦、並びに「たすけてモモ!」風味なこーでねいとに関しても、承った。

11 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/07/25(月) 01:10:07
>ゲイナーとクロスターハイムのサーガ
 うむ。かの三部作は余がチャンピオンでクロスターハイムが英雄の介添人といっても過
言ではない。

>血を飲むことによる能力付与。
 正確には「血を飲むことによって、その個人もしくはその血統のものしか使えない武器
が使えるようになる」なのだが、「なじむ。実になじむぞ!」がやりたいので拡大解釈し
て使わせてもらう。

12 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/07/27(水) 20:01:40
 導入ネタ。

 時は幕末。
 黒船の来航によって徳川泰平の世がまさに終わらんとする動乱の時代。
 血で血を洗うこの激動の世に流れ着いたゲイナー。

 そこにて平将門の存在を知り、その怨霊の力を利用せんと企む。
 平将門の復活の起爆剤とするために、まずは封印されていた髑髏検校の遺灰を手に
入れるゲイナー。続いて怨霊復活の儀式をせんとするまさにそのとき、世界の危機に
いにしえの世より柳生友景が呼び出される。

 まあ、そんなところか。

13 名前:柳生友景:2011/07/28(木) 00:23:05
(陰スレの方を見遣りつつ)
黄宮卿は何をやっておいでか。
しかし、喚ぶ方喚ばれる方の双方で斯くも「お前か」と嘆じ合うような召喚関係は、ちょっと
他に見当たらないな。

>導入ネタ
おお、幕末。良いですね。
復活の儀式まさにたけなわ、な時にわたしが転移してくる感じでしょうか。
また、わたしへの依頼の向きは、崇徳上皇に<天秤>の霊告が下り……というようなもの
を考えていたが、そちらからすればフリメルダどのとの前戦から引き続いて「ンモー、また
<天秤>!」という事はあるかもしれぬ。

「軍犬〜」を読みながらふと思った事だが、例えば真の依頼人はルシファー猊下という線
は可能だろうか?
世界の痛み≠ニなり得る将門復活による大破壊を防ぎ、天界復帰への好材料としたい
猊下の意向を崇徳院が汲んで、という……。
結局それもまた、<天秤>の意思なのかもしれぬが。

「恥というものを知らぬ後人の捏造」「妄誕の域を出ない謬説」という感じではありますが、
取り合えず、恐る恐る提案まで。

14 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/07/28(木) 23:21:16
>「お前か」と嘆じ合うような召喚関係
 最終的な敵はセイバーでもアーチャーでもなく互い自身というのが目に見えておるな。
最終的に立ち会うまでは、いかに令呪を使わずにすませるか、いかに令呪を使い切らせるか
の心理戦になるであろう。

>真の依頼人はルシファー猊下
 それはよい考えだ。世界を癒す責務を負うているルシファー猊下にとって、将門の復活は見
過ごせぬことであろう。だがエルリック皇子や天秤の騎士たちが訪れるには因子が足らぬ故、
汝に白羽の矢が立ち崇徳上皇を通して世界を救う役目を任せた、といったところか。
 ならば余の使う白の剣は「聖杯ルシファー」としよう。猊下の力の一部を込めて鍛えられた
聖剣だ。展開によっては己の剣に裏切られるという「戦士」の業を余も体験することとなるであろう。

15 名前:柳生友景:2011/07/29(金) 00:33:49
>いかに令呪を使い切らせるかの心理戦
……割と真面目に見たく候。
しかし、白子の皇子を呼んでこなければなりませぬな。「わたし」の任には余るが。

>犯人はヤs……ではなく猊下
この案で宜しゅうございますか。忝き事。
流れとしては、まさに仰られる通り。実際に猊下自身にご登場願うか、それとも崇徳上皇
との会話でその介在を説明するに留めるかは、まあ今後の考えどころでしょうか。

「聖杯ルシファー」で猊下の力と猊下の代理人たるわたしがぶつかり合うのも、実に面白
い。
「互いに相争う矛盾が故の<混沌>」といった趣もございますな。

因みに余り関係ないが、「軍犬〜」は1631年が舞台なので、フォン・ベック伯とわたしは、
ほぼ同時代人だったりするのですね。

16 名前:柳生友景:2011/08/05(金) 21:59:43
そういえば申し上げていなかった。わたしが幕末へゆく方法。
募集すれで少し触れた通り、山田風太郎「柳生十兵衛死す」のネタを使う所存にて。
 
過去を演じ、過去を再現する夢幻能の極まる所、世界は過去そのものとなり、それを見
る観客もまた過去に送り込まれる――というのがその仕掛けです。
この航時機(たいむましん)としての理を用いて、逆方向即ち未来へ転移せんという、云
わば「幕末へ翔ぶ夢幻能」でしょうか。
能の舞い手であるシテは崇徳上皇に演じて頂こうかと。
 
原典だと、シテも一緒に時間移動する事になりますが、今回上皇は舞うだけで留守番で
す。幕末へ赴くのはわたしのみ。

また将門復活の儀式の場へ出現する際は、所謂「たーみねーたー」のように現れようか
と思案している。
当然、全裸ではありませぬ。
 

17 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/12(金) 22:18:57
導入案β版
>>

 江戸城より北東、鬼門たる艮(うしとら)の方角にその神社は在った。
 神田明神。かつて関東にユートピアを築き上げようとし、夢半ばにして倒れた男が祀られた場所。
 今ではその存在は神霊として祭り上げられ、江戸の霊的守護の要として長らくこの都を鎮守していた。
 荒ぶる魂を神として祭り、その加護を受けるのはこの国ではよく在ることだ。

 夜。煌煌と満月の輝く怪しい夜。
 夏も盛りだというのに、なぜか風は酷く冷たい。
 背筋に寒気が走り、魂魄すら震わせるように冷たい。

 その境内に3つの黒い人影があった。地面に直接に座し忌まわしき祝詞を唱える3つの影。みな
闇よりも黒い外套に身を包み、フードを目深にかぶっているため性別はおろか体格すらもわからな
い。いや、その外套の下に在るモノが本当に人であるかすらわからない。むしろ魑魅魍魎である方
がふさわしいのではないか。そんな考えすら浮かび上がってくる。

 そう、そんな考えが浮かび上がってくるほどにその場の雰囲気は尋常ではなかった。瘴気とも妖
気とも云える禍々しい空気があたりには漂い、地獄の亡者がうめくかの様な不気味な音が聞こえて
くる。その場所は既に半ばこの世ではなくなっていた。此岸と彼岸、現世と幽世、陽と陰、光と影、
その中間であり境界である場所、その双方が入り交じった場所と成り果てていた。

 理由は明白であった。境内にいる三つの人影。ソレが行っている術式によるものだ。
 御社殿へ向かい逆三角形となるように三者は位置していた。御社殿と三者を線で結べばちょうど
正方形が作れる方となる。その正方形の中、三者の間には大きく緻密で美しい魔法陣が描かれてい
た。ルーンにラテン語、アラビア文字に漢字、アルファベットにひらがなカタカナ、象形文字に楔
形文字、果てはこの世界のものではない言語まで、数多の言語、無数の図形を用いて描かれた魔法
陣だ。水銀で描かれた部分も在れば、人間の血液で書かれた部分も在り、さらには未知なる霊薬を
用いて書かれた部分も在った。
 巨大な樹木の年輪のように何重にも重ねて描かれた魔法陣。その中心には一振りの刀が在った。
古い作りの刀だ。三尺近くもある刀身は鍔元のみが湾曲する極端な腰反りで、刀身と柄が一体の構
造となっていた。その金属製の柄には古代の毛抜の様な肉抜きが透かし彫りで施されている。それ
ゆえにこの刀は毛抜形太刀とよばれていた。
 ソレは黎明期の日本刀。起源たる刀。この社の主が作らせた、反りを持った最初の日本刀だ。
 遥か昔に作られた刀だというのに、その刀身は今まさに鍛え上げられ、磨き上げられたかのよう
に輝いていた。ぬめぬめとてらてらと怪しい輝きを放っていた。拵えは新たに作られたもののよう
で、ふんだんに金が用いられ、伝説の神獣たる麒麟が描かれていた。

 その刀を囲むように四方に鏡が配置されている。東の青竜、南の朱雀、西の白虎、北の玄武、四
神をかたどった彫刻を背面に施された霊鏡だ。
 その外側には七つの宝玉(オーブ)が備え付けられている。貪狼、巨門、禄存、文曲、廉貞、武
曲、破軍、北斗七星を模した七つの宝玉が、正七角形を描く位置に備え付けられていた。
 さらにその外側には黒い剣が、八振りの黒い剣が正八角形を描く位置に、いや八芒星を描く位置
に突き立てられている。これは混沌の偉大なる八柱たる地獄の大公を現していた。
 そして最外周には白い剣が、九振りの白い剣が九芒星を描く位置に突き立てられている。これは
法の高貴なる九柱たる恒常の王族を現している。

 数多の力ある品によって築き上げられたこの魔陣。これはこの社に祭られた神を現世にふたたび
おろさんとするがための魔陣であった。ただし、その属性を反転し―――いや本来在るべき姿へと
戻しというべきか?―――荒ぶる神、怨霊として復活させるための儀式であった。

 希代の英雄平新皇将門を。

18 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/12(金) 22:20:24
>>

 境内に響いていた声、三つの影が唱和していた呪文がぴたりと止んだ。三者のうち隨神門を背に
していた人物がうつむいていた顔をわずかに上げ口を開いた。深みのある男の声がその口より漏れ
出てくる。

「ここから先はおれだけで充分だ。魔人よ、お前は外の連中を片付けてこい。この世界の術者も思
いのほかやる。このままでは儀式が終わる前に決壊が破られる」

 その言葉に男からみて右手側にいた影が立ち上がった。そして外套を脱ぎ捨てる。中から現れた
のは空色のエプロンドレスをまとった長いブルネットの髪の少女だ。その顔立ちは人形のように整っ
ており美しいが、同時に人形のように生気がない。肌は病的に青白く、目の下には深い隈ができて
いた。なによりその病んだもの特有の瞳はみているだけでこちらの精神までが悪夢と狂気の世界に
捕われそうだ。

「いいわ。わたしが片付けてきてあげるわ」そういうと少女は口元に淡い笑みを浮かべ先を続けた。

「この国では勝ったら相手の首を切り落とすのでしょ?だったら、首をはねてしまいましょう!」

 狂った様な洪笑とともに、少女はその場を後にした。それをみていたもう一人が立ち上がり、少
女の立ち去った方向を遠く覗き込む様な仕草をして、笑いまじりの言葉を紡ぐ。

「比叡や高野、そして成田の高僧にお庭番に裏柳生、有名どころの人斬り全部に浅葱色のダンダラ
までがそろってやがる。どれだけ正史をねじ曲げれば気が済むんだいアンタは」

 「歴史の流れなど知ったことか。おれは目的さえ果たせれば因果の帳尻などに興味はない。それ
はお前も同じだろう?悪魔よ」

 いまだ座したままの相手に対し、立ち上がった男は外套を脱ぎ捨てそのにやけ笑いを月影の下に
さらす。東洋人の男だ。年の頃は30代といった所か。整った顔立ちながら、うさんくさいにやけ
笑いがそれを帳消しにしていた。男はシルクハットにタキシードといった正装をしていた。だがそ
の無精髭もあいまって、身につけているもの全てがどこかくたびれ胡散臭い。まるでそれが偽りの
姿であるかのようだ。

「違いねぇ。俺もちまちま整っているよりも、混沌としている方が、白と黒のマーブルが好みなん
でね。いい感じに混ざってきやがった」

 うそぶくようにそういって、男はその服装には似合わぬ腰に剣帯を使って佩いた打刀の柄に手を
這わすと北東の方向に鋭い視線を送る。

「それじゃぁ俺は向こうを片付けてくらぁ。あっちはアリスちゃんだけで何とかなりそうだからな。
・・・しかし加藤ちゃんも大概しつこいねぇ。この期に及んでまだきやがったよ」

「くれてやった鎌の分は働いてこい。あれはおれが集めた力ある品の中でも五指にはいる代物だからな」

 振り向かずに手を振るとシルクハットをかぶった悪魔は軽い足取りで前へと進む。と、急に足を
止め前を向いたまま、わずかに真剣さを含んだ声でささやく。

「気づいてると思うが時間の流れが渦巻いてやがる。くるぜ何かが。多分アンタのご同類が。過ぎ
た過去よりこの未来へ」

 それだけ云うと、そのまま男は夜の闇へと消えていった。

 最狂の未知能力者(スペックホルダー)と再凶の魔法使い(スペルスリンガー)。彼が辺獄で見
つけた最悪の仲間たち。その二人が去った後の境内で男は儀式をただ一人で進める。この国を奈落
堕ちに出来るだけの力を持つ怨霊を呼び出さんがために。

19 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/12(金) 22:23:29

とりあえずの導入案だ。
メフィストフェレスの口調はうろ覚えなので後で修正する。

いろいろと返したいことはあるのだが、今日はこれから少々出かけるためこれで失礼させてもらおう。

20 名前:柳生友景:2011/08/12(金) 23:00:44
むむう。
げにむせるほどの魔気と妖気が、曼荼羅的に一致せし導入と申すべけれ。
あのアリスと天魁星のすぺくたーという、御供の人選にも驚きを禁じ得ませぬ。
 
今宵は、ではこれにて。了解仕った。
しかしこの「毛抜形太刀」――もしや『将門の刀』にあらざるや?

21 名前:<呪われし公子>ゲイナー ◆/GAynorYPA :2011/08/13(土) 22:03:00
 上記導入の後に髑髏検校の遺灰を用い、ドーマンセーマンを魔法陣に書き加え・・・という
展開を考えている。もしくはアリスをオミットし、かわりに髑髏検校自身にこの儀式に加わっ
てもらうかだが。そもそも当初に考えて導入ではクロスターハイムと髑髏検校とおれの3者での
黒ミサ風復活の儀式だったのだ。しかしそれはあまりにも地味であるし、せっかくなのでクロ
スオーバーを多用したいと考えアリスと天魁星に出番を願った。
 髑髏検校その人がでる場合ならば、土方や以蔵との会敵場面だけでも書くやも知れぬ。

>お供
 アリスの方はマッドネス・リターンズ発売記念のサービスの様なものだな。天魁星の方は前々
から少年漫画臭を消し去って、ゴシック風のアレンジを加えて使ってみたいと考えていた。

>将門の刀
 そのとおりだ。贄として阿弖流為やその他様々な怨霊を喰らわせ妖刀として復活を遂げた新皇
が刀だ。怨霊将門の力を刀に封じ、それを意のままに操らんとする意図である。
 今の所ただの小道具のつもりだが、最終的にどちらかが使っても良いとも思っている。

22 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:26:23
>将門の刀
ああ、成る程。いえ、例えばヒノカグツチを使わぬ場合に、闘争の中盤か終盤、わたしの刀が
折られるなり何なりしてぴんちな時に、目覚めかけた将門公の意思が「わがねむりをみだす
なかれ」と佩刀をわたしに賜る……ような流れは可能であろうかと、少々考えていたのです。
 
そちらでお使いになるも良いでしょう。わたしには、ヒノカグツチもございますれば。
 
 
で、そのヒノカグツチの出し方について。
朝廷の武器庫・石神神宮に保管されていたものを、崇徳院が今回の為に取り寄せるも、わた
しが転移する時までに用意が間に合わなかった為、わたしの転移予定地、即ち神田明神の地
底深くへ埋めさせておいた――という流れがひとつ。
 
闘争の中盤か終盤、わたしの刀が折られるなり何なりしてぴんちな時に、「ヒノカグツチ! おま
えの主が危ない!」「ヒノカグツチ! 今こそ我を救え!」と叫ぶや、大地をずもももと割って
紅き神剣が現れ……おや、どこかで見たような台詞だな。
別にヒノカグツチ百万の兄弟を喚んだりはしませぬが。
 
しかし、何やら「スパロボα外伝で、未来のマウンテンサイクルに埋まっていたマジンカイザーと
真ゲッター」的風情もあるような、ないような。
 
何かそちらの思案に差し障りがあるようなら、これは取り下げます。
ご一考下されたく。
 

23 名前:名無し子猫:2011/08/14(日) 01:35:40
 
 
  
 
 
  
  時を超えよ 空を駆けよ
  この世(ほし)の為
 
 
 
 
 
.

24 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:37:18
>>23 続き
 
 神韻たる能楽の謡(うたい)の声が響く。――闇の中だ。
 塊として掴み取れそうな、重く、濃密な闇である。灯りといえば燭台が一つあるきりだ。
 灯っているのは青白い鬼火であった。
 その冷たい炎は、果ても見通せぬ四方の闇をかえって色濃く際立たせていた。
 
 幽たり、また玄たる謡に合わせ、笛や鼓の音が流れている。姿は見えないが、闇の何処か
に囃子方が控えているらしい。
 鬼哭啾々――陰々とした調べの裡(うち)に、二人の人影がある。
 かそけき灯りにもかかわらず、それらは異様にくっきりと闇の中に浮かび上がって見えた事
だった。
 
 
 一人はシテ――能の舞い手だ。謡の声の主である。
 烏帽子に狩衣姿も高雅な四十年配の男性だった。能面はつけず、気品に溢れる素顔をさら
した直面(ひためん)だ。
 囃子方と同じく、シテの介添えであるワキの姿はない。だが見えぬ操り糸でぴんと縛られた
ような所作の一つ一つには、能楽の蘊奥に没入した凄みが漲っている。
 
 今一人は観客だった。シテから少し離れた所に座している。
 縹(はなだ)色――薄藍の直衣(のうし)も涼やかに、被った黒い冠では垂纓(すいえい)が
野鳥の尾羽のように垂れている。
 美しい人物であった。
 海底(うなそこ)の深みを思わせる瞳、高く通った鼻梁。微薫のような笑みが、朱唇にほんの
りと漂っている。
 華咲き乱るる宮中にあって、雲上人らと恋歌を交わした美姫とは、かくの如き貌(かんばせ)
だったのではないか。そんな匂うようなこの佳人は、しかし男であった。
 
 座したその脇には、公家風の態には似合わぬひと振りの刀が置かれていた。
 朱鞘の太刀だ。柄では白糸で編みこまれた小兎と、緑糸の亀の二つの紋様がのどかに駆け
比べをしている。
  
 
  ――信ずる者 其れ正義なれば
  まことの王侯なりけり
  夢見のままにありつる 我が妄想ならんや
 
 
 寂莫とした闇の世界の中で、シテの謡は妖々と続く。
 発祥から卑賤の芸とされた能ではあるが、観客ではなく、演者自身が斯くも貴顕である舞台
はそうはないだろう。
 なんとなれば、舞うのは日の本六十余州の魔界を統べる大首領――崇徳上皇その人であり、
見守るのはその股肱たる剣客にして術客、柳生友景(やぎゅう ともかげ)であった。
 

25 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:39:44
>>24 続き
 
 時の車輪を数刻、遡る――。
 
 
 同じ闇の中に、友景と崇徳上皇はいた。座して相対している。
 
 現在――寛永元年、西紀に直せば1624年という暦も、この場では半ば意味を成さない。
 なぜなら此処は現世と隔絶した異空間――魔界であるからだ。
 日本国の妖魔が棲まいし常闇の封土、その最深部に設えられし内裏(だいり)であった。
 
 その主人たるが、優雅な笑顔をたたえている崇徳上皇である。
 かつて保元の乱にて後白河天皇に敗れ、讃岐に配流された果てに凄惨極まる最期を遂げた
崇徳院の亡霊は、その無限の怨念断ち難く、全ての魔怪化生を従える大魔縁へと堕したものの
――その後、数百年を経て二度目の「転向」を果たすことになる。
 
 友景も係わったさる一件により、妄執満ち満ちる己が浅ましさを自覚した上皇は、なんと正道
に立ち返ったのである。正気に戻ったといっていい。
 あまつさえ闇と寒さを支配する大魔王の立場から一転、日本の守護神たるを宣して、配下の
魔物どもを困惑せしめたものだった。
 新生したこの崇徳上皇の意を受け、鎮護国家の任を賜ったのが、誰あろう柳生友景であった。
 
 
 柳生友景。またの名を幸徳井(こうとくい)友景。南都の人。
 剣名一世を風靡した柳生新陰流の太祖・石舟斎の甥である。新陰流の中でも一といって二と
ない大剣士である彼には、今一つ類い稀なる天稟が備わっていた。
 霊的能力である。
 よくする陰陽道の実力は、養子に入った幸徳井家を、斯界の名門・土御門家の代わりに陰陽
頭(おんみょうのかみ)の地位へ就かしめる事に成功する。後水尾天皇の宮中にあって、彼は
全ての陰陽師の統帥となったのである。
 
 こうして魔界の内裏に平然と参内しているのは、しかし持って生まれた霊能だけによるもので
はない。
 崇徳上皇へ仕える過程で、友景はその眷属たる魔界衆三万六千と五百二十九匹と交合した。
そのおぞましき結縁は、美しき肉体を半人半魔の夜族へと変生させたのだった。
 

26 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:41:10
>>25 続き

「主上、わたしを召されたは、またぞろ朝鮮の魔の手が――という訳ではございませぬようで」
 
 玲瓏たる剣豪陰陽師は穏やかに口を開いた。
 十数年に渡る暗闘の末に、友景は朝鮮の有する日本国侵略秘密機関、再東征中書省を壊
滅させている。現時点において、かの国が日本への謀略を企む背景はないといってよかった。


「さなり」と上皇も頷く。「此度の陰謀、国を揺るがす驚天の大事とは申せ、この世の事ではな
い。未だ来たらざりし――未来にて起こる出来事なのじゃ。およそ三百年も後に、喃」
「さ、それは」

 友景は首をかしげた。霊的国防に携わる陰陽師のトップとして、彼は日本の領域内に霊的
防諜網を張り巡らせている。
 しかし流石に未来へのカバーまでは想定の範囲外だし、そもそも出来よう筈もない。
 
「そなたの言は判る。常ならば、朕も未来に生ずる悪しき種を刈れと命じはせぬ。
 それに第一、未来は未来、過去は過去。彼我は別個の世界であり、有態にいえば関係はな
い。枝葉が枯れたとて、必ずしも幹や根が朽ちる事なきが如く。
 いや、いずれが主か従かは問わぬ。問題は、此度に限ってはそれが起こり得るという事じゃ。
 行く末が絶たれるは、来し方たる今生をも遡って破壊する仕儀なれば」
 
 
 ――実にこの時、上皇は時空連続体の崩壊について示唆したのだった。
 そんな「未来」に発生する概念は知らず、しかし陰陽の徒として備える隠秘学の智識によっ
て、友景は上皇の云わんとする所を完璧に把握した。

「さる御方が」と上皇は語を継いだ。「朕にそれを知らせてくれた。その大事を企みし敵の存在
もじゃ」 
「その敵とは、如何なる者にて?」
「異界、異形の術客」

 上皇は断言し、その「敵の陰謀」を語り出した。
 
 
 ――上皇は語り終えた。
 燭台は、相変わらず寒々しい光を灯している。現実世界ならば蝋燭はその長さを半減させて
いたであろう。それほど長い、上皇の話であったのだ。

「戦いは恐らく厳しいものとなろう。しかし、友景よ。この任、見事果たしてくれるか?」
 
 その龍顔に、後代の子孫にして、彼が現世にて供奉する後水尾帝の英邁なる血脈を見――
天皇の陰陽師、柳生友景は花のような笑顔で両手をつかえた。
 
 
「我が一命に代えましても、必ずや」
 

27 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:44:33
>>26 続き
 
「そなたには苦労をかける喃」
 
 崇徳上皇はうるんだような眼差しを友景に向けた。
 
「ご案じ召されますな。友景は主上の臣、院宣を果たすは当然にて。
 されど、如何にして未来世界へ赴けばようございましょう。かの朝鮮妖術には、時空間の移動
を可能にする秘術があるとは伝え聞きますが」
 
 友景にその技はない。上皇は自信ありげに言った。
 
「されば、能を遣う」
「能――」友景は美しい眉宇を顰めた。「それは、夢幻能をという事でございましょうや?」
「流石は友景じゃ」
 
 上皇は莞爾と微笑んだ。
 
「能とは畢竟、変身のわざなり。演者は亡霊に成り変わり、その語る亡霊の世界、つまり過去世
を現世に生じさせしむる芸術である。
 この機能極まり、過去世となった舞台を観る者は、過去へと飛ぶも同義ならん。
 此度はそれを逆手に用い、以ってそなたに時空を渡らせる<径>と成そうよ」
 
 
 ――旅の僧侶の前に亡霊が現れ、過ぎ去りし日の物語を語るのが、夢幻能と呼ばれる即興演
劇の基本的構図だ。
 その構図が真の意味で完成した舞台、これを見る観客は過去を見る事になる。つまりは過去
の世界そのものへ送り込まれると云っても過言ではない。
 それは能を航時機(タイムマシン)となさしめる可能性への言及に他ならなかった。
 そのシステム、本来は過去へと飛ぶ処理方向を変換させて、観測者たる友景のみを未来へと
転送(ワープ)させる。上皇の意図はそういう事であった。
 
 
「――あの御方より、三百年後の未来については伺っておる」
 
 友景は少し双眸を光らせた。
 魔界の大皇(おおきみ)たる崇徳院その人をして、礼を以って語るあの御方≠ニは、そも何
者なのか?
 
「未来へ翔ぶ夢幻能を演じる事に関しては仔細ない。敵の術客が企みし儀式の場へ、直接そな
たを渡せられるであろう。
 また聞説(きくなら)く、変身の芸である能に依って時空を渡れるは、同じく変身の力を、つまり
別の自分に成り変われる力を持つもののみ、と。
 時に陽中の陰と変じ、また陰中の陽と化す神妙剣、陰ノ流レ――新陰流を極めたそなたなら
ば、己が霊力の後押しによって、必ずや未来へと翔べよう」
「成る程。ではシテは真逆?」
「無論、朕が」
 

28 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:46:35
>>27 続き 

 そして、時は現在に戻り――。
 
 
  我 生くこと好みたり
  蒼茫たりしか 宇(そら)よ宙(とき)よ
 
 
 不意に友景は幻怪な感覚に襲われた。
 
 体が引かれている。汀(みぎわ)に佇立させた踝が、寄せては返す波にさらわれそうになるよ
うな、眩暈にも似た感覚だ。
 魂はそこに残っているのに、体だけがひと呼吸先へずれる。――先へ?
 そう、未来へ。
 すぐに体と魂は一致するが、何とも名状し難い感覚の「ずれ」幅は段々大きくなってゆく。
 
 気づけば、上皇の舞う姿が眼前から消えていた。謡や囃子方の楽の音すらも、いつの間にか
途切れ途切れになっている。
 あるのは果ても底も知れぬ暗闇だけだ。
 
 
 加速だ、と友景は声に出さず呻いた。
 上皇が消えたのではない。消えたのは恐らく自分の方だ。過去から未来へと、常に同じ速度
で流れ続ける時間が、その速度を大幅に速めたが故の現象なのだ。それ即ち、
 
 ――宇宙の法則が乱れる!
 素破、と友景は片膝を立てた。素早く朱鞘の愛刀を引っ掴む。
 同時に空間を満たしていた何かが決壊した。
 
 溢れ出した何かは、濁流のような勢いで友景の全身を撃った。
 それは水でもない、大気でもない。
 時間だ。時間そのものなのだ。
 ああ、その圧の奇怪さよ。全身が際限もなく延ばされるかと思えば、逆に折り畳まれ、薄紙よ
りもなお縮められるかのような。――
 
 人間はこのような時間の移動を現す言葉を持たない。どのような言語にも、この現象を表す
べき言葉はない。
 
 
 須臾(しゅゆ)の間か、それとも永遠も半ばを過ぎた頃か。
 暗闇の果てに光が見えた。隧道の出口のように、ぽつんとした一点だったそれは、異様な速
さでその径を増していく。
 それは金と銀との燦然たる輝きだ。同時に赤と青は競うように彩を成し、かと思えば緑や橙、
紫が見た事もない古代生物の交接のようにうねってはためく。
 混淆し、一瞬たりとも一つ色にとどまらぬ、色という色のそれは乱舞だ。
 異次元の色彩であった。
 
 ――あれが、三百年後の彼の地か。
 何故か友景は確信した。流れに逆らわず、寧ろその勢を利して混沌の光源へと跳躍する。
 
 
 鼓膜では、崇徳上皇が吟じる謡の声が、幽かな耳鳴りのように木魂していた。
   
 
 
  時を超えよ 空を駆けよ
  この世の為
  熱く燃ゆるべし 涙流すべし
  明日といふ日に
 
 
  柳生陰陽剣 友景
  柳生陰陽剣 友景
 

29 名前:柳生友景:2011/08/14(日) 01:48:26
では、わたしの側の導入草案にて。
余りに、余りにも長いのはこれ全て導入の所為にて、請う、御寛恕を。
またこの嘘能は、何せ、ことは躇錯剣(ちょさくけん)に絡む問題ゆえ、詳しい次第は申され
ぬが、仮面ライダーBLACKのおーぷにんぐにて候。
 
そちらの御意見・御要望・急度叱りなどを考慮しつつ、後で少し手を入れるやもしれません。

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